3088.re理論の時代から実証の時代へ



発行者F 様

                大阪の渡部と申します.
                56歳の技術系サラリーマンです.
                現在は公益法人(学会)に出向中です.

何時も拝読させて頂いております.

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日本の研究者の忍耐力、実験力が、日本に多くの優れた物を生み出
す産業革命を起こすことになると見ている。
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思わず目が開かれる想いがしました.
自然科学の発展は主に,「仮説(理屈)→検証→理論化」という形で
展開してきたと思うのですが,経験から導かれた彼是の試行錯誤を
色々試しながらその結果を俯瞰して何かが閃く…

という進歩が科学技術の進展には不可欠なのでしょうね.
日本人は黙々と働くことを良しとする傾向が強いため,「改善」だ
けが特徴の様に言われますが,実はその過程で事実と思考・想像力
の「ごった煮状態=カオス」があって,そこから得体の知れないも
のが顕現してくる様な…そんな創造的活動が日本人にはあるのかな
と思った次第です.

先端物理学でも全盛期半ばから執拗に「物質の実在」に拘ってきた
欧米諸国ですが,今それが破綻しかけており,仏教で謂う「縁起・
空・自性なし」が宇宙の基本原理であり,物質は幻想,波動のみが
実在かも知れぬとの仮説に向かっている様に理解しております.

何千年も遅れて欧米は真理の仮説に遭遇したわけで,日本時などは
実は庶民ですら昔から何となく知っていた事.

何やらすごい事と思って喜んでいる今日この頃でございます.
2008/10/19
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(Fのコメント)
そのとおりですね。
アジアの仏教は学問体系があり、その学問の上に世界観がある。
その経験や想像力を先にして、その後、それを理論化してきたが、
欧米はキリスト教で、反主知主義であり、自然をそのまま見ること
を拒否して、キリスト教の論理で世界を見る傾向にある。

このため、欧米は、理論を先に作りたがる。日本は自然を先に徹底
的に見ることから始まる。この違いが科学の世界でも大きな差にな
ってきた。

アルツハイマー病の予防薬も日本が最先端にあるが、その理由も徹
底的な観察である。

新型電池や新型太陽光発電装置などが日本発になる可能性が高くな
っている。


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