3051.「大恐慌」は「チャンス」



Fさま

広島の土井と申します。
下記の「リーマン・ブラザーズ倒産」のコラムの中の、「チャンス」であるとの
お考えは、お説のとおりだと思います。
「大恐慌」は、裏返せば、「チャンス」ですから。
個人的には、9/8のフレディマックと、ファニーメイの国有化をもって、当日を
「恐慌記念日」と認識しております。

ジョージ・ソロスの『ソロスは警告する』(講談社)の「再帰性」という哲学に
共鳴しました。

また、有料化のするとのこと。手続きしたいのですが、踏み切れません。
前にも申し上げましたが、「有料化」されるのであれば、どうか匿名はお止めく
ださい。少なくとも、それが「礼儀」かと存じます。
同様な「ブログ」購入をしていますが匿名ではありません。またFACTA誌も
有料でかつオンラインでも読めます。

小生は、園田義明さんと、中田安彦さんにはお会いしたことがあります。
現在、21世紀的な価値観を目指して「日本里山協会」で活動しています。

下記は、昨夜の、読書後のメモからです。

「神話の作者」

 神話にはひとつのかたちがあります。第一に、神話を必要としている人物が
いるということ。第二は、そうした人物の近くにいて、神話的人物のことをよ
く知っている人がいるということ。この第二の人が神話の作者になります。
 第二の人物は、神話の主がどういう人物であり、どういう意向をもっている
かということをわりによく知っている。彼は神話の主と同時代の知識的人間で
あり───宗教性の強い日本の場合であれば───宗教的人物である。昔でい
えば、朝廷つきのエリート知識人です。そういう人が神話の主のそばにいた。
そして神話の主の意向を汲み、さらには自分の考え方で神話にふさわしい歌謡
を選んで、そうして神話をつくってきた。そういうふうにして神話をつくって
きたと思います。(吉本隆明「日本語のゆくえ」『第四章若い詩人たちの詩』)

 ---(土井注):このように、こういう作者がいて、神話が作られてきた。だが
問題は、現在のこの日本には、こうした神話を作る人物もいないし、そもそも
その神話を必要としている人も、もう誰もいないのではないかということなのだ
と思えます。だから現在には、神話は無用のものと考える人ばかりなように思える
のです。しかし、例えば「アイヌ語」や「アイヌ物語(これも一つの神話)」など
の先住民をも視野にいれた「新しい神話」の必要性を感じます。
下なぜなら、記の理由「こころの病」を癒すためにで、これから必要になってくる
と思っているからです。


余談ですが、「現代思想」の近刊「吉本隆明特集」のインタビューで、「吉本が
霊能者である」ことを「それとなく」述べていました。驚愕とともに、それなら
「彼の思想」が繋がるし、栗本慎一郎の『シルクロードの経済人類学』で言う、
草原の道の「北のシルクロード」が、北海道、東北を経てきた「日本文化」の基礎
をなした説にも繋がると、思いました。栗本も「霊能者」の独りです。 


吉本隆明(ばななの父)は、現在を第2の敗戦=第2次産業革命としてとらえています。
第1次産業革命は、「蒸気機関」の裏には「劣悪な労働環境」による「結核」という
問題・課題に対して、マルクス・エンゲルスの「人間力=理想」としてのマルクシズム
の思想が生まれたことを位置づけています。

さらに、第2次産業革命は、高度な産業資本=通信交通の高度化に対応して発生して
いる「こころの病」を、誰も指摘していないことを上げています。---この問題・課題
に対して、米国は「損得という合理主義」しか対応できないし、中国などの人口大国は
やっと「産業資本」への向いあった状況である。
そのために、「理想」を追える立場にいるものは、日本しかいないこと。その方法論や
産業主義をどのようにして、どこまでの産業化がいいのか、それを「こころの病」の課
題解決に結びつけられる国は、国民国家の枠を超えて世界に貢献しえるのは日本だけで
あろう・・・、と述べています。これは、吉本隆明の遺言とも言えるでしょう。

これらへの、現時点での実践的なアプローチは、「日本里山協会」の取組みでもあり、
栗本経済人類学による上記の「日本文化形成のSFの漫画化」への試みが進行中ですの
で、これらを含めて、これからは「こころの病」=「気・血・動の調和」(千島喜久男)
こそが、「新しい神話形成」を踏まえた「理念形成」における重要な挑戦だと確信でき
るようになりました。

土井拝
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(Fのコメント)
ご忠告、ありがとうございます。有料版のプロフィールは実名に変
更しました。当初は義父福島と津田の会話を元に書いていた関係か
ら、Fとしたのですが、その義父も死んで、このごろは義父がどう
言うか、常に考えながらコラムを書いているので、Fは当面、無料
版では使い続けたいを思います。

雑誌には書いたが、英米金融資本主義の崩壊であり、この出発はサ
ッチャーの改革からである。これについても有料版でその歴史を書
きたいと思っています。

日本は、現時点、苦しいがいい位置にいます。文化的にも産業的に
も、ドイツとともに世界の中心になるような気がしています。この
発端も奈良で体感してきたように日本国内の民族紛争がもたらした
ものです。

「日本里山協会」は面白い取り組みだと思います。





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