3047.ロシアの行動



新冷戦で、ロシアや欧州がどうなるのか検討する。Fより

グルシア攻撃後、ロシア経済は新冷戦で投資資金の流出を起こし、
ロシア中銀がルーブル防衛のために、100億ドル規模のドル売り・ル
ーブル買い介入を実施した。それに並行するように米国が商品市場
への投機資金投入を抑制するために持高規制を行い、WTI原油価格を
100ドル/バーレルまで引き下げている。

ロシアは原油産出量で、サウジに次ぐ2位にあり、原油価格が下落す
ると国家経済に大きなダメージを受ける。そして、80ドル割れす
ると貿易赤字に転落することになる。

そして、イスラム教国もロシアとの連携を探る動きが出ている。米
国の中東民主化構想に反発する湾岸諸国の王様達は、ビジネス上は
親米であるが、本音は反米である。その証拠に石油輸出国機構
(OPEC)のバドリ事務局長は、ロシアと技術や環境問題を含む
幅広い分野で協力することを明らかにした。しかし、これにはもう
1つの狙いがあり、ロシアとOPECとが共同歩調を取り、原油価
格の高値安定に持って行きたいのである。

新冷戦で得をするのが、欧米諸国から孤立していたイランやベネズ
エラで、イランのモッタキ外相は9月12日、ロシアを訪問しラブロフ
外相と会談し、国際社会でロシアの孤立感がにじむ中、イランとの
友好関係をアピールした。そして、ロシア空軍が12日、カリブ海で
ベネズエラ軍と合同軍事演習を実施する。ロシア側はすでに戦略爆
撃機(Tu160)2機をベネズエラに派遣済みで、ベネズエラも
反米の味方ができ、孤立感が和らぐことになる。

これに対して、米国の話題の人になった米共和党の副大統領候補で
アラスカ州のペイリン知事は、北大西洋条約機構(NATO)加盟
の同盟国がロシアの領土侵略を受けた場合、「同盟国として要請に
応じ、支援することが期待されている」と述べ必要なら対露開戦も
辞さない考えを示した。保守層に受けるマッチョぶりである。
プーチンもマッチョでロシア国民に人気があり、米ロ両国がマッチ
ョ政権になる可能性が出てきている。

EUもユーロが急落し対円で一時149円台まで行った。これはEU
諸国の景気減速が鮮明になったことであるが、その裏にはロシアに
近いというリスクも存在している。その証拠に金融不安の中にある
米ドルが大幅に上昇している。

EU議長国フランスのサルコジ大統領もウクライナのユーシェンコ
大統領とウクライナのEU加盟交渉を進めるというが、ティモシェ
ンコ首相は親ロシア政党と共同して、ユーシェンコ大統領の引き下
ろしを画策している。ロシアも周辺諸国では強硬姿勢から、融和と
懐柔に行く方向に変化しているようである。

ラブロフ外相は11日、ポーランドのワルシャワを訪問し、シコルス
キ外相との会談し、対立先鋭化の回避を探ることで両者が一致した。
信頼回復に向け、近く次官級協議も開くとした。ロシア陸軍の強引
な行動だけでは、有利な位置を取れないと、プーチンは考え、懐柔
策に回り始めている。

また、グリジアのポチ近郊に駐留していたロシア軍の一部が10日、
撤退作業を開始した。これに伴って、米海軍第6艦隊の旗艦、マウ
ント・ホイットニーもポチを離れ黒海から出たようである。

ロシアとしては、OPECと協力して、原油価格を100ドル以上
で維持させて、東欧諸国を懐柔する方向で推移するようである。

ドイツ経済界が、ロシアのアドバイザー的な動きを裏でしている可
能性がある。今までもドイツ経済界はロシアを国際社会に引き入れ
るために努力をしている。

さあ、どうなりますか??
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ペイリン氏「対露開戦も辞さず」
9月13日8時0分配信 産経新聞

 米共和党の副大統領候補に指名されたアラスカ州のペイリン知事
は11日、米ABCとの単独インタビューで、北大西洋条約機構(
NATO)加盟の同盟国がロシアの領土侵略を受けた場合、「同盟
国として要請に応じ、支援することが期待されている」と述べるな
ど、必要なら対露開戦も辞さない考えを示した。ペイリン氏が主要
メディアのインタビューに応じたのは、今月3日の副大統領候補指
名の受諾後これが初めて。ペイリン氏はロシアが民主主義制度を持
つグルジアを侵略したことを「容認し難い」と非難したほか、ウク
ライナのNATO加盟について、明確な支持方針を示した。
(ワシントン 山本秀也) 
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カリブ海でロシア軍演習へ ベネズエラと合同
(nikkei) 
 【モスクワ=古川英治】インタファクス通信によると、ロシア空
軍が12日(日本時間13日早朝)、カリブ海でベネズエラ軍と合同軍
事演習を実施する。ロシア側はすでに戦略爆撃機(Tu160)2
機をベネズエラに派遣済み。米国がグルジアへの人道支援を理由に
黒海に艦船を派遣したことへの対抗措置だ。ロシアは11月の米大統
領選直後にもカリブ海で海軍による演習を計画しており、緊張が高
まりそうだ。 (01:43) 
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イラン、ロシアに接近 米の核包囲網揺さぶり
(nikkei)
 【ドバイ=松尾博文】グルジア紛争をきっかけとする米欧とロシ
アの対立をにらんでイランが外交攻勢をかけている。イランのモッ
タキ外相は12日、ロシアを訪問し、同国のラブロフ外相と会談した
。カスピ海周辺地域やアフガニスタンやイラクなどの国際問題につ
いて意見を交換したもようだ。対ロ接近を誇示し核開発問題で米国
が主導する包囲網を揺さぶる戦術とみられる。

 ラブロフ外相は会談の冒頭でロシアが協力する原子力発電所の建
設などをあげて経済関係の推進を強調。モッタキ外相も「2国間関
係の将来は明るい」などと応えた。グルジア紛争で国際社会でロシ
アの孤立感がにじむ中でイランは積極的に友好関係をアピールした
格好だ。(07:00) 
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OPEC事務局長「ロシアと幅広く協力」
(nikkei)
 【ウィーン=清水泰雅】石油輸出国機構(OPEC)のバドリ事
務局長は10日、日本経済新聞記者などの取材に応じ、ロシアと技術
や環境問題を含む幅広い分野で協力することで合意したと明らかに
した。バドリ事務局長が来月下旬にモスクワを訪れる際、正式に合
意文書に調印する見込み。「非OPEC諸国との連携は重要」とし
て、中国、インドなど他の国との協力を拡大する。

 OPEC総会で合意した実質減産について「市場をみれば明らか
に供給過剰だった」と述べた。供給過剰がさらに続くようなら、生
産枠の削減を含む追加減産の可能性があることを示唆した。原油価
格の水準については「1バレル100ドルは(減産など決める)基準で
はない。急激な下落など市場の不安定さが問題」と語った。
(07:00) 
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ユーロ急落、対円で一時149円台 07年8月以来の安値
(nikkei)

 11日の東京外国為替市場でユーロが一段と下落した。円に対して
一時1ユーロ=149円台半ばと、昨年8月以来1年1カ月ぶりの円高・ユ
ーロ安水準を付けた。対ドルでも1ユーロ=1.4ドルを割り、1年ぶり
の安値まで下がった。欧州の景気減速が鮮明になり、ユーロを売る
動きが強まった。

 欧州連合(EU)の欧州委員会が10日、ユーロ圏15カ国の2008年
の実質成長率を下方修正したことなどがユーロ売りにつながった。
「欧州で利下げ観測が浮上すれば、ユーロはさらに下落する余地が
ある」(みずほコーポレート銀行の福井真樹シニア・マーケット・
エコノミスト)との見方も出ている。

 米金融不安や世界的な株安を受けて、投資家はリスクを避ける姿
勢を強めている。これまで売られてきた円やドルを買い戻し、相対
的にユーロが売られやすくなっている。(11日 12:16)
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ルーブル防衛に100億ドル ロシア中銀、グルジア紛争後介入
(nikkei)
 【モスクワ=坂井光】ロシア政府・中央銀行が「ロシア売り」対
策を強化している。中銀は8月上旬のグルジア紛争開始以降、100億
ドル(約1兆700億円)規模のドル売り・ルーブル買い介入を実施。
政府も政府系ファンドによる国内株買い支えに踏み切る見通しだ。
これまでの成長の原動力であるエネルギー価格の下落も加わり、政
策当局者の間で経済の先行きに危機感が広がっている。

 ロシア中銀のコリシチェンコ副総裁が日本経済新聞に対し、ルー
ブル下落を食い止めるため最近1カ月で「100億ドル弱を市場に売却
した」と述べた。副総裁によると、中銀がドル売り介入したのは米
国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が
ロシアに波及した昨年8月以来。ただ、当時の介入規模は30億―40億
ドルで今回のルーブル売り圧力は1998年の経済危機に次ぐ大きさと
みられる。(09:38)
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ロシア、対立緩和へ対話継続 ポーランドと外相会談 
(nikkei)
 【ウィーン=桜庭薫】ラブロフ・ロシア外相は11日、ポーランド
のワルシャワを訪問し、シコルスキ外相との会談後に共同記者会見
した。米ミサイル防衛(MD)施設のポーランド配備などで両国関
係が悪化するなか、対立先鋭化の回避を探ることで両者が一致した。
信頼回復に向け、近く次官級協議を開く。グルジア紛争後、ラブロ
フ外相の欧州訪問は初めて。対ロ最強硬派のポーランドを懐柔し、
米欧との対立悪化に歯止めをかける狙いがありそうだ。

 MD施設配備を巡り、ロシア軍幹部が「ポーランドを核ミサイル
の標的にする」と発言するなど両国間の緊張が高まっていた。ラブ
ロフ外相は「懸念を表明するときはもっと注意深くあるべきだ」と
笑顔で質問に答え、対話ムードを演出。「ポーランド自体から脅威
を感じているわけではない」と従来の姿勢を軟化させた。米国と直
接協議の用意があることも明らかにした。 (02:29) 
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ロシア軍、グルジア領西部から撤退開始か
(nikkei) 
 【モスクワ=岐部秀光】グルジア紛争後、同国領の西部黒海沿岸
にあるポチ近郊に駐留していたロシア軍の一部が10日、撤退作業を
開始したことが明らかになった。メドベージェフ・ロシア大統領が
8日、ロシアを訪問したサルコジ・フランス大統領に約束した合意に
基づく措置とみられる。

 ロイター通信によるとポチから約40キロ内陸のホビでロシア兵が
検問所を閉鎖し、コンクリート・ブロックなどを撤去したという。
仏ロ首脳はグルジア西部ポチ、セナキ間にある5カ所に駐留するロシ
ア部隊が1週間以内に撤退することで合意している。

 一方、グルジア警察は南オセチア自治州近くの「緩衝地帯」で10
日、グルジア警官1人が銃撃を受け死亡したと発表した。ロシアの検
問所方向から発砲があったというが、ロシア側は関与を否定。南オ
セチア、アブハジア自治共和国周辺に設けた「緩衝地帯」に駐留す
るロシア部隊は国際監視団の到着を待って、その後10日以内に撤退
することになっている。 (23:14) 
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EU、ウクライナと連携交渉 首脳会議で共同宣言
(nikkei)
 ロシアのメドベージェフ大統領が南オセチア自治州とアブハジア
自治共和国の2地域を除くグルジア領からの軍撤退を表明して一夜明
けた9日、欧州連合(EU)は旧ソ連の親欧米国ウクライナと首脳会
議を開いた。EU・ウクライナの一段の連携強化を盛り込んだ共同
宣言を採択し、南オセチアなどの独立承認を譲らないロシアをけん
制した。ロシアは2自治地域と外交関係の樹立に踏み切り、強硬姿勢
を崩していない。

 【パリ=古川英治】EU議長国フランスのサルコジ大統領やバロ
ーゾ欧州委員会委員長らとウクライナのユーシェンコ大統領がパリ
で会談した。双方は政治・経済面の協力強化を掲げた「連携協定」
の締結に向けた交渉を始めることで合意した。

 ユーシェンコ大統領は会談後の記者会見で2009年に同協定を締結
できるとの見通しを示し、「EU加盟に向けた取り組みが新たな段
階に入ることを意味する」と強調した。サルコジ大統領も「本質的
な一歩となると信じている」と応えた。(07:00) 
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ロシア、グルジア撤退表明 「1カ月以内」でEUと合意
(nikkei)
 【モスクワ=岐部秀光】欧州連合(EU)議長国であるフランス
のサルコジ大統領は8日、モスクワ郊外でロシアのメドベージェフ大
統領と会談し、グルジア領に残るロシア軍が1カ月以内に撤退するこ
とで合意した。グルジア紛争を機に欧米と対立を深めたロシアは和
平合意を順守するとして一定の譲歩姿勢を見せた。ただ、ロシアは
EUが批判したグルジア領南オセチア自治州とアブハジア自治共和
国の独立承認は撤回しない立場を強調し、双方の溝も残った。

 メドベージェフ大統領は記者会見で、EU監視団200人を含む国際
監視団を受け入れると表明。10月1日までに派遣される国際監視団の
到着後、「10日以内に駐留部隊を撤退する」と述べ、平和維持の名目
でグルジア領内に展開していたロシア軍を南オセチア、アブハジアへ
戻すことを明らかにした。さらに、グルジア西部黒海沿岸のポチ周辺
で監視活動している部隊については今後7日以内に撤退すると述べた。
(01:56) 

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