3041.大恐慌前夜の様相



米国発の大恐慌が始まろうとしている。この検討。  Fより

ダーリング英財務相は、「英経済、過去60年間で最悪の下降局面
」と指摘したが、同じことをボルカー元FRB議長も世界的な金融
危機になり、このような危機は数少ないと言う。

事実、投資銀行リーマン・ブラザースの損失がある限度を超えて、
世界的に出資のお願いを米ポールソン財務長官が率先して行ってい
る。しかし、中国も中東の政府系ファンドは、今までの米銀への出
資で大幅な損失を出しているので追加の出資には応じず、韓国と日
本にお願いしている。これに応じて、韓国産業銀行や野村證券など
がそれぞれの政府から依頼されて出資を検討しているようだ。

また、米財務省が政府系住宅金融会社、連邦住宅抵当金庫(ファニ
ーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)への支援策取
りまとめで最終調整に入ったようだ。中国銀行はこの2公社債を過
去2ケ月で保有29%減らしたことが明らかにされた。この公社債を
日本の農林中金が買い取ったが、信用不安があり、日本政府として
も米財務省の支援策を交換条件で受け入れたようである。

このような金融不安で、FRBによる銀行向けの公定歩合融資が増
加している。銀行間短期金融市場で資金を調達しにくくなっている
ことが明確になっている。

その上、米国の景気後退が明確になって、8月の米失業率は6.1%に
悪化し、雇用者数も8万4000人減少したし、米住宅ローンの差し押さ
え比率も過去最高の2.75%になっている。まだまだ、金融不安は解
消しない。その上、欧州景気の先行きに対する警戒感が強まり、資
源価格の下落に伴い新興国経済も行き詰まり、世界的な景気動向も
下落と予想されてている。

このような状況で、世界的な景気後退への懸念と解約要求に直面す
るヘッジファンドの資金繰りを反映したポジション手仕舞いとみら
れる売りで、世界的な株暴落になってきた。そして、日本国債への
買いが膨らんだことと、円売りポジションの巻き戻しが起こり、円
が急騰している。

どうも、米国発の大恐慌が始まったように感じる。
さあ、どうなりますか??
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ボルカー元FRB議長:低成長続けば信用損失は「もっと」増える
  9月5日(ブルームバーグ):ボルカー元米連邦準備制度理事
会(FRB)議長は5日、経済の低成長が続くようなことがあれば
、5000億ドル(約54兆円円)を超える世界的な信用関連損失は「も
っと多く」増えるだろうとの見方を明らかにした。 

  ボルカー氏はカルガリーで開かれた銀行関係の会合で、欧州や
アジア、米国での景気減速が続けば、米国のサブプライム(信用力
が低い個人向け)住宅ローン市場の崩壊から生じる損失は「今後1
、2年でもっと増えるだろう」と指摘。「自分が経験した中では最
も複雑な金融危機であり、このような危機は数少ない」と付け加え
た。 

  同氏はまた、世界の金融システムは「失敗した」とし、「変革
していかなければならない」と述べた。 
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公的資金活用で最終調整=米政府系住宅金融会社の支援策
9月6日7時8分配信 時事通信

 【ワシントン5日時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル
(電子版)は5日、関係筋の話として、財務省が政府系住宅金融会社
、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フ
レディマック)への支援策取りまとめで最終調整に入ったと報じた
。同省に与えられた資本注入の権限の「創造的活用」や、経営陣の
交代を含む。早ければ今週末にも発表する。 
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米公定歩合融資が増加 金融不安で 
(nikkei)
 【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)による銀
行向けの公定歩合融資が増加している。4日発表のFRB報告によ
ると、3日までの1週間に公定歩合(年2.25%)で銀行向けに実施
した融資残高は1日平均で189億7600万ドルとなり、前週比で2.7%
増加した。金融不安を背景に、銀行が短期金融市場で資金を調達し
にくくなっているのが原因とみられる。

 公定歩合による融資は、銀行の短期市場での資金調達の不足分を
FRBが「最後の貸し手」として補うのが目的。金利は最重要の政
策金利としてFRBが誘導するフェデラルファンド(FF)金利(
年2.0%)より0.25%高い。

 公定歩合融資は米証券大手ベアー・スターンズの破綻による金融
市場の信用不安を背景に、今年4月以降、100億ドル超に膨張。7月
上旬にいったん減少したが、再び増加基調に転じている。

 一方、ベアー問題を受け、公定歩合融資の対象に追加した大手証
券会社向けの貸し出しは、3日まで5週連続でゼロとなった。 
(12:26) 
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欧州株の大幅下げ、景気下振れを警戒
(nikkei) 
 【フランクフルト=石井一乗】4日の欧州株式相場は軒並み大幅
下落。英FTSE100種総合株指数は前日に比べ137.6ポイント
(2.5%)安の5362.1で取引を終え、ドイツ株式指数(DAX)の終
値も同187.92ポイント(2.9%)安の6279.57だった。欧州中央銀行
(ECB)が4日公表した域内の経済予測で、2008年の実質成長率
見通しを年1.4%(予測の中間値)と6月時点より0.4ポイント引き
下げたのを受け、欧州景気の先行きに対する警戒感が強まった。
 (12:26)
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米失業率6.1%に悪化 雇用者数も8万4000人減少 8月
(nikkei)
 【ワシントン=米山雄介】米労働省が5日発表した8月の雇用統計
(季節調整済み)によると、失業率(軍人を除く)は前月より0.4ポ
イント高い6.1%に急上昇し、2003年9月以来、約5年ぶりの水準に悪
化した。非農業部門の雇用者数も前月に比べ8万4000人減少し、8カ
月連続のマイナス。国内需要の不振から、主要業種全般で米雇用情
勢は一段と悪化している。

 市場予測の平均は失業率が前月と同じ5.7%、雇用者数が7万5000
人の減少。結果はともに予想より悪い内容となり、米景気の先行き
不安が強まりそうだ。(05日 22:37) 
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米住宅ローンの差し押さえ比率、過去最高の2.75% 4―6月 
(nikkei)
 【ニューヨーク=蔭山道子】米抵当銀行協会(MBA)が5日発表
した4―6月期の米住宅ローン延滞に関する調査によると、住宅が差
し押さえられた状態にある住宅ローンの割合は2.75%と過去最高を
更新した。前期から0.28ポイント、前年同期から1.35ポイント上昇
し焦げ付きが広がっていることを示した。 

 期中に延滞から差し押さえに発展した住宅ローンのうち39%をカ
リフォルニア州とフロリダ州のローンが占めた。一方でテキサス州
をはじめとする米南部の一部では差し押さえ比率が前期より低下す
るなど、各地域の差し押さえ動向に差が出てきている。 (07:43)
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「英経済、過去60年間で最悪の下降局面」英財務相
8月30日19時14分配信 産経新聞

 【ロンドン=木村正人】ダーリング英財務相は30日付の英紙ガ
ーディアンとのインタビューで、「英経済は過去60年間で恐らく
最悪の下降局面に直面しており、予想以上に深刻で長期間続く」と
極めて悲観的な認識を示した。
 英経済は1992年のポンド危機以来、16年連続の経済成長を
続けてきたが、昨年の米低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプ
ライムローン)問題に端を発した信用不安や資源、食料の高騰が直
撃したようだ。
 同財務相は「信用不安が今後、どれだけ深刻になるか予想もつか
ない」と述べた上で、「次の1年間は、今の世代の労働党政権が経
験したことがない困難なものになる」との見方を示した。今年末ま
でに200万人の失業が予想される英国では、ブラウン首相の経済
運営に対する批判が強まっており、同財務相の更迭説も取りざたさ
れている。
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中国銀行:ファニーとフレディ債の保有29%減らす-保証MBSは22%減 

8月29日(ブルームバーグ):中国の銀行大手、中国銀行は米住宅
金融投資会社ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック
(連邦住宅貸付抵当公社)の社債(連邦機関債)の保有を過去2カ
月に29%減らした。両社の損失拡大や米政府による救済憶測のなか
で保有高を圧縮した。 

  中国銀行が決算とともに発表したところによると、同行は6月
30日−8月 25日の間にファニーメイ・フレディマック債の保有を約
31億4000万ドル減らして75億ドルとした。両社が保証する住宅ロー
ン担保証券(MBS)は22%減らし51億7000万ドル相当とした。 

  米財務省はファニーメイとフレディマックの財務状況が悪化し
た場合は支援することを表明しているが、アジアの投資家は両社へ
の慎重姿勢を強めている。米資産運用会社ルーミス・セイレスのダ
ニエル・ファス副会長は今週、海外投資家は「信用への懸念から投
資を手控えている」と指摘していた。 


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