2995.ドル不安で米国に変化



米金融不安からブッシュ政権の政策が変化している。 Fより

米国で週間の石油在庫統計で原油在庫が市場予想に反して増加した。
これを受け需給ひっ迫感がやや和らぎ、売りが出て、原油価格は129
ドルに下落した。石油の高騰も止まった。

しかし、米国でも金融や国内企業が不振である。日本、米国ともに
海外マーケットの比重が大きな企業は、ブラジルやロシア、中国、
インドの成長で好調である。中国は12%の成長から10%の成長
になったが、まだかなりの成長を遂げている。米国への輸出から中
国の内需に成長の糧が移行している。

しかし、インフレも2桁台になり、中国政府は金融引き締めを行って
いるが、海外からの投資資金がかなり入り込んでいる。元がドルに
対して、大きく上昇することを狙った投資であり、この投資資金が
過剰流動性を中国国内にもたらしている。しかし、中国政府は元の
急激な上昇を押さえる処置をしているために、ドルを大量に買う必
要が出てきて、外貨準備高を積み増している。

このドルで米住宅公社債や米国債を買っている。米国も元の切り上
げを迅速にする必要があるというが、この中国の行為を黙認するし
かない。ドルの安定には中国の米国債買取がないと、危ないためで
ある。ロシアも同様で、ドルで国債や公社債を買っている。

米の財政赤字はイラクやアフガンへの派兵や世界に派遣している米
軍の経費が原因である。イラク派兵で、50兆円/年も費やしてい
る。そのほかに通常経費として80兆円と日本の国家予算の1.5
倍も使っている。

この経費を削減するためには、米軍の縮小を行うしかないが、チェ
イニー副大統領を見ると分かるが、現政府には産軍共同体や石油資
本の影響力が強くて、なかなか軍経費の削減ができなかった。

しかし、トリプル安でドルの信認問題に発展して、財政赤字ができ
る基盤となる米国債売却に黄信号が灯り、確保できるか心配になり
、財政上の問題点でもあるイラク駐留軍の撤退を思考する方針に変
更するしかないようだ。また、ライス国務長官もイラン核問題は、
外交交渉で進めると宣言している。これもロシアや中国が米国債の
買取の条件で圧力を掛けていると感じる。

軍予算縮小は、公共事業の縮小と同じであり、米国経済には良くな
いが、財政赤字を野放しにできない事態が迫っている。

ドルの安定をサウジアラビアなど湾岸諸国はドルペッグ制維持の条
件にしているので、今以上のドル下落はドル基軸通貨制度維持のた
めにはできないのである。もし、ドルが基軸通貨でなくなると、大
量の米国債や公社債が売られて、ドルの暴落は確実になり、かつ米
国債がデフォルトに陥る可能性もある。これを避ける必要があるた
めに米国の赤字財政は許されなくなる。

また、最近、米企業が欧州系企業に買収されている。これも米国銀
行に企業融資の資金がなくなり、企業としても運転資金が手当てで
きない事態が発生し、この資金をえるために買収されているようだ
。米国の経済面でも大きな影響が出ている。このため、米国には大
ビールメーカが無くなることになるようである。欧州企業に買収さ
れた。

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NY原油続落 終値130ドル割れ
(nikkei)

【NQNニューヨーク】17日のニューヨーク・マーカンタイル取引
所(NYMEX)で原油先物相場は大幅に3営業日続落。WTI(ウ
エスト・テキサス・インターミディエート)で期近の8月物は前日比
5.31ドル安の1バレル129.29ドルで終えた。一時129ドルちょうどま
で下落し、期近物として 6月6日以来の安値を付けた。3営業日の下
落幅は終値ベースで約16ドル(11%)となった。原油の需給ひっ迫
が緩むとの見方やドル高により、売りが出た。
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ヘッジファンド運用成績、金融混乱で苦戦
(nikkei)

 【ニューヨーク=山下茂行】ヘッジファンドの運用成績が急速に
悪化している。米調査会社、ヘッジファンド・リサーチ(HFR)
によると、今年1―6月の運用成績はマイナス0.75%だった。1990年
の調査開始以来、半期ベースでは2002年下期以来5年半ぶりの低水準
、上半期ベースでは過去最低となる。米国の信用力の低い個人向け
住宅融資(サブプライムローン)問題に伴う金融市場の混乱で、幅
広い証券が値下がりしたためで、資金流入も鈍りつつある。

 HFRが世界の7000超のヘッジファンドの運用成績をまとめた。
ヘッジファンド業界全体の運用成績を示す「総合指数」は今年に入
り1、3、6月にマイナスとなった。運用成績がマイナスに転落したの
はIT(情報技術)バブル崩壊後に株価が下がった02年(上半期は
マイナス0.01%、年間はマイナス 1.45%)以来。 (16:03)
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<米大統領>イラク駐留軍削減「計画の展望」策定へ 
7月19日11時39分配信 毎日新聞

 【ワシントン小松健一】ブッシュ米大統領は17日、イラクのマ
リキ首相とテレビ会談し、イラク駐留米軍の削減やイラクへの治安
権限移譲の進め方について、日程上の目標となる「計画の展望」を
策定することで合意した。ホワイトハウスが18日発表した。ブッ
シュ政権は駐留米軍の削減や撤退のスケジュール策定に反対してい
たが、長期駐留に対するイラク政府の懸念が高まり、今後の見通し
を示す必要に迫られ、従来の方針を修正した。

 ペリーノ米大統領報道官によると、両首脳は最近のイラクの治安
状況が改善した、との認識で一致。米軍削減などの「目指すべき目
標」を協議することで合意した。ただ、恣意的に日程を決めるので
はなく、「治安状況の改善など現実に基づいて」策定することを強
調しており、どの程度目標が明示されるかが焦点となりそうだ。
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イラン核問題「外交解決目指す」 米国務長官
(nikkei)
 【ワシントン=弟子丸幸子】ライス米国務長官は18日の記者会見
で、イラン核問題を巡り19日にジュネーブで開く会合にバーンズ米
国務次官(政治担当)を派遣することについて「なお真剣に我々が
外交を続けるという強いシグナルになる」と語り、外交的な解決を
目指す米国の方針を重ねて示した。

 そのうえで「イランと交渉を開始するためには、米国には条件が
あるということを明確にしたい」と強調した。(15:04) 


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