2992.ドル信認問題へ発展



昨日のロンドン市場、東京市場の株安を受けて、ニューヨーク市場
は、プライムやオルトAの住宅ローンを多く持つ地銀の売りで下落
が続いている。         Fより

昨日バーナンキFRB議長の議会証言を聞いたが、景気よりインフ
レ抑止を重視すると発言している。とうとう、株式市場から米国債
や円・ユーロの国債市場に投機資金が逃げ始めている。このため、
円が大幅高になり、商品市場、特に原油価格も下落して、投機資金
の行き場が限られてきている。米ドル市場からの回避が現実化して
きた。日本円の価値が上がるが、それを今日の東京市場はどう反応
するかが見ものである。日本国債規模は6兆ドルであり、米国国債
の5兆ドルに匹敵する規模にある。

住宅ローンの焦げ付き拡大の連想として、S&Lや地銀の破綻を市
場は心配し始めている。住宅金融大手インディマック・バンクコー
プは預金を引き出す顧客であふれたという情報は、大きな心配を米
国民に与えている。地銀は60%以上を住宅ローンに貸し出してい
る。この住宅ローンの焦げ付きは銀行の存続に大きな影響を与える。

このような状況で、バーナンキFRB議長、ポールソン財務長官の
選択は狭まられている。米景気よりドルの基軸通貨制度を守ること
を優先するしかない状態になった。湾岸諸国、特にサウジはドル下
落が続けば、ドルとのペッグ制を見直すと言われている。

この対応を即座にしないと米国は、その原油とのリンクを切られて
、基軸通貨制度は即死するので、ドル下落を止めるために、利上げ
を志向するしかない状態になっている。銀行間取引のインターバン
ク市場でプレミアム金利が付いているために、利下げの効果が出て
いない。そのために、バーナンキFRB議長もドルを守る観点に立
ち始めたように感じる。

さあ、どうなりましか??
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米金融不安、地銀に波及 株価軒並み大幅安

 【ニューヨーク=発田真人】米株式市場で地銀、貯蓄組合など地
域金融機関の経営不安が広がっている。カリフォルニア州の地銀、
インディマック・バンコープが先週末、破綻したのをきっかけに地
銀株は14日、軒並み大幅安となった。米政府は米連邦住宅抵当公社
(ファニーメイ)など政府系住宅公社の支援を表明し金融危機回避
の姿勢を打ち出したが、地銀の経営悪化が米金融システム動揺の火
種として残る可能性もある。

 14日の米株式市場では米連邦預金保険公社(FDIC)がインデ
ィマックに業務停止を命じ、管理下に置いたのを受けて、他にも破
綻する地銀が出るとのうわさが飛び交い、売り圧力が高まった。オ
ハイオ州の地銀ナショナル・シティの株価は一時3ドルを下回り24年
ぶりの安値を付けた。貯蓄組合最大手ワシントン・ミューチュアル
は過去最大の下げ率を記録し、3ドル台前半で取引を終えた。
(07:03)
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FRB議長「米経済、重大な試練」 議会証言

 【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)のバーナ
ンキ議長は15日、上院銀行住宅都市委員会の公聴会で証言し、米経
済の現状について金融市場の緊張、雇用の悪化、住宅の値下がりな
ど「重大な試練に直面している」と認めた。米住宅公社2社の経営不
安など金融市場の混乱については「金融市場の正常化はFRBにと
って最優先課題」と強調。インフレへの警戒感を鮮明にするととも
に、金融危機の回避に全力を挙げる姿勢を示した。

 続いて同委員会で証言したポールソン米財務長官は、米連邦住宅
抵当公社(ファニーメイ)、米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマ
ック)の支援策に関し、財務省の融資枠拡大と株式買い取り権限が
共に1年半の時限措置であることを明らかにした。同長官は「流動性
供給や公的資金注入にただちに動く予定はない」と述べ、支援策は
市場の不安を鎮めるのが目的と強調した。(01:37)
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NY円、大幅続伸 104円65―75銭、リスク回避の円買い加速

【NQNニューヨーク=横内理恵】15日のニューヨーク外国為替市
場で円相場は大幅に3日続伸。前日比1円45銭円高・ドル安の1ドル=
104円65―75銭で取引を終えた。米金融不安などからリスク回避目的
の円買いが膨らんだ。

 円は104円台後半に上昇して始まった。米金融市場の不安定さを嫌
気して同日の日欧株式相場が大幅に下落。ニューヨーク市場の早朝
にドルが対ユーロで最安値を付けるなど、対ユーロでのドル売りが
加速したことも対ドルでの円相場を押し上げた。

 バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が上院銀行住宅都市
委員会で半期に一度の金融政策についての議会証言を行った。午前
10時すぎに伝わった証言内容はインフレ警戒姿勢を示す一方、かな
りの景気下振れリスクがあることを指摘。これが円買い・ドル売り
につながったとの見方があり、円は104円16銭と、6月3日以来の水準
に上昇した。

 ただその後、円は下げ渋り、104円台後半でもみ合った。原油先物
相場が急落し、米株式相場が下げ渋ったことなどが円売り・ドル買
い戻しを誘った。対ドルでユーロに利益確定売りが出たことも円売
りにつながった。104円台前半では事業会社による円買いが入るとい
い、円の上値が重くなった。

 朝方発表された6月の小売売上高は前月比0.1%増と市場予想(0.5
%増)を大きく下回った。一方、卸売物価指数(PPI)は前月比
1.8%上昇し、市場予想(1.5%上昇)を上回った。経済指標はまち
まちな内容で市場の反応はあまり大きくなかった。円の安値は
105円11銭だった。

 円は対ユーロで大幅続伸。前日比2円15銭円高・ユーロ安の1ユー
ロ=166円65―75銭で取引を終えた。金融不安を背景とした株式相
場の軟調などを受け、リスク回避目的で円買い・ユーロ売りが膨ら
んだ。(08:24) 
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NYダウ、2年ぶり1万1000ドル割れ

【NQNニューヨーク=荒木朋】15日の米株式市場でダウ工業株30
種平均は3日続落。前日比92ドル65セント安の1万962ドル54セントと
1 万1000ドルを割り込んで取引を終え、2006年7月21日以来約2年ぶ
りの安値を付けた。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の
議会証言などを受け、米景気の先行き不透明感から売りが出た。原
油先物相場が急落したことなどが好感され、上昇に転じる場面もあ
ったが、買いの勢いは続かなかった。

 S&P500種株価指数は13.39ポイント安の1214.91で終え、2005年
11月2日以来の安値を付けた。一方、ハイテク株の比率が高いナスダ
ック総合株価指数は3日ぶりに小反発。2.84ポイント高の2215.71で
終えた。

 バーナンキFRB議長は議会証言で、インフレの上振れリスクに
言及する一方、エネルギー高や信用収縮の進行、住宅市場の低迷が
続けば成長見通しの重大な下振れリスクにつながると指摘。早朝に
発表された経済指標では6月の卸売物価指数(PPI)の全体指数の
前月比上昇率が予想以上だったほか、6月の小売売上高は予想に届か
なかった。 (05:25)


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