2980.創られた伝統としての憲法



創られた伝統としての憲法
From得丸

改憲論議が最初の問題意識であったのにもかかわらず、話題は、
国民国家や民主主義一般、市民革命から21世紀のグローバル社会
にまで及び、議論するべき点はかなりたくさんありますね。

野次馬的な感想ですが、憲法学者である樋口先生が、貴兄の前で
きわめて防衛的な対応をしていることが印象に残りました。言葉は
悪いですが、のらりくらり、玉虫色というかカメレオン的にという
か、逃げているのが感じられました。

およそ法律学者の常として、そしてなかでも戦後の日本の憲法学者
は、ステイタスクオを守ること、議論を先鋭化・顕在化させないこ
と、そのためだけに汲々としてきたのではないかとあらためて思い
ました。

憲法学者だけでは、あのような対談は成立しなかったでしょうね。
その点で、現代日本の言論において、政治学者としての貴兄の貢献
は多大なるものがあるといえますね。

細かな感想は、またあらためてお送りしますが、ひとつだけ、対談
を読んでいて思いついたことを忘れないうちにお話しします。

ホブズボウムに「創られた伝統」という本がありましたが、憲法も
市民社会における「創られた伝統」のひとつなのかもしれません。
それは、つまり、それまでの伝統、つまり人類史の中で構築されて
きたサバイバルの知恵としての法や慣習が奪われて、代わりに押し
付けられた無内容で、無邪気で、なんの節度も抑制もない、総力戦
を戦うための国民の思想(「伝統」)、消費社会の中で何も迷わず
ひたすら消費する存在になるための思想(「伝統」)、そういう伝
統という意味です。

憲法を最高法規と呼ぶこと自体が、近代の作り出した最高の嘘なの
かもしれない。

先月の読書会で取り上げた北一輝は、西洋の政治哲学から、儒教的
価値重視へと回帰したということですが、それは、大脳新皮質言語
野・視覚野から、古皮質や間脳・脳幹などに記憶されている本能、
生命記憶、良心、本覚など、われわれの意識が宇宙と一体化してい
る部分への回帰でもあると思います。

再会することを楽しみにしております。

得丸公明
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各位

いや、先週末コンゴから来ている26歳の男性、浦和で30名ほどで聞きまし
たが、小生の所感と意っても底の浅い話ではありますが、得丸様から得たヒン
トも頂き触発させていただいております。

<昨夕のコンゴの若者は、多くの国際性を感じさせてくれました。コンゴの方
が見えると言うメールに、少し時間もあり、手元の「ブリタニカ」にあたり、
コンゴ民主共和国とコンゴ共和国の存在を知りました、ゲストは前者の国から
来た方でしたね。
 
会の始まる前、久しぶり貴方の横に座れたのに、貴方に席を頂きながら、話題
に入れなくて、窓側に移った時、未だ名前を存じない女性の方、若い頃、コン
ゴへも旅行されていたとか、それもヒッチハイカー的な旅をされたと伺いまし
た。
 
ゲストへの質問から、O様のされた質問から、家族の概念、兄弟の概念、日本
人のそれとは大きく違いました、これは目から鱗でした。またT様の「貴方は
国に帰り、豊な地下資源を生かした国つくりをされるのか」的な質問に対して
、直接の回答は有りませんでしたが、信仰をもたれている所為か(彼は南アフ
リカで大学と院をおえて、プロテスタントのパスター(食べるパスタでは無い
よと上手な英語でしゃれをはさんでいましたが)現世の金とかビジネス的成功
とか気に掛けておられないようでした、しかしこの回答を聞きながら薩摩の活
躍した幕末の日本へ来た欧米人達が「日本人達の清潔さ、心の清さ」に驚いた
姿を連想しました。篤姫で何処までNHKのディレクターが描けるか?
 
それと、屋外の生活、食だけでなく性も古代から、より自然に交わり、個体維
持の使命を果たしていたことでしょう、それが今日の無残なエイズを拡大させ
た原因かとも考えさせられました。何かしら今の日本の若者達が迷い込んでい
る自然な交わりを阻害して原因の一つも考えられるようにも思えるのですが、
また時には多くの人を殺すような原因にも成っているのではないかなどと、そ
うです、簡単に死刑などして排除してはいけないのかも?この世を汚す元を作
っているのもこの小生も加担している一人かも。

洞爺湖サミット含めて宿題が、来ますね。でも限りある人生、欲張ってはいけ
ません。
 
話が跳びました、今後は「コンゴ」に戻ります、それとも300に及ぶ部族の
構成の彼の国、国の東側にある地下資源の開発に財の偏りを危惧されてのこと
か疑問に成るところです、それから過去のモブツ政権に対する政権の評価を小
生が質問した時、32年の政権、しかし副大統領の盗み(横領の意か)により
倒れた政権の表現には言外にモブツ氏を肯定したようにも思えました。
 
いや、あの会の後のインドネシア料理の量は少なかったのですが、1500円
で浦和の新開店パルコ、日本人にあわせた味はまあまあでした、同席の4名の
方々の話題は「コンゴ」にまつわる関連で盛り上がりました、S様はアフリカ
へも何度も行かれており、またH様はインドネシアへの体験から貴重なお話を
聞かせていただきまして感動でした。

ともあれ、アフリカは未来を予感させますですね。お後が宜しいようで!草々

浅山


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