2972.石油高騰で世界が変わる



石油高騰で、世界が変わる。物の移動を極力少なくし、かつ情報・
金融は反対に世界に拡散していく。      Fより

このコラムでは日本時代が来ると予測したが、とうとう世界の投資
機関が日本を目指していることが株主総会を見ると分かる。昨年ま
では、会社と海外投資家の闘争が激しかったが、今年の株主総会は
まだあるが、全体的には平穏であった。

そして、英国投資会社TCIがJパワーに株主総会で負けたが、そ
れでも東京市場から逃げると言わなかった。日本はサブプライム問
題もないし、新興国市場のような急落、急騰もない面白みに欠ける
市場であるが、東京市場では得も大きくないが損もしないことが明
確である。

今、商品市場に投機資金が向かっているが、そろそろ高値圏に入り
、今後の一層の高値には限界がある。「日本市場はセーフティー・
ヘブン」としての価値が高く、リスクマネーから逃避する資金が日
本市場に向かうことになる。これは、増田さんと一緒の見解である。

原油価格は140ドル台に突入して、日本の省エネ技術は益々、そ
の価値を上げることになる。日本企業は国内での伸びが限界がある
ために、日本の価値を持って、世界に積極的に出て行くことが必要
になっている。世界に出て行くには、少子化の日本人だけでは無理
で、いろいろな人間を世界から登用して、世界に向かう必要がある。
日本板硝子や日産の社長が外国人であるが、その方が企業価値を増
している。

そして、世界に販売する製品を日本から運ぶのは、石油が高いので
輸送運賃が高くなる。よって、鉄鋼や石油化学のように原産地か消
費地の近くに工場を作ることになる。工場が世界に拡散して、日本
流経営が世界に広まることになる。これが日本の心を広めることに
繋がる。

低付加価値商品の工場は賃金上昇が激しい月給1万円の中国から月給
3千円のバンクラディッシュに移動しているが、次に向かうのはアフ
リカしかない。政治的な安定がある労働適地を開発する必要がある
。欧米日がこの準備を行おうとしている。

50年周期のコンドラチェフの波によると、1981年辺りが最盛
期で、1998年辺りで波がプラス領域からマイナス領域に変換し
、底が2011年辺りでそれ以降は上昇すると言う。2011年と
言うと、電気自動車が登場する時期と一致する。第1波の1780〜1840
年代が石炭の時代、第2波の1840〜1890年代が蒸気鉄道の時代、1890
年代〜1990年代までの第3波である石油化学と自動車の時代から第4
波の2010年を目指す自然・原子力エネルギーと電気自動車の時代に
確実に時代は変わる。

このエネルギー革命で米国の時代は終わり、日本の時代が来る。経
済レベルが違う諸国を纏めるEUも拡大の限界に突き当たるような
気がする。現在の状況はローマ帝国の終焉と同じような様相を呈し
ている。そして、ドルの下落が止まらないことで、サウジなどの湾
岸諸国がドルペッグ制から移行するかどうかを見る必要が出ている。

そして、石油などの資源高の時代も2011年辺りでエネルギーの世代
交代が起こり、沈静化することになる。工場は世界にできて、工業
製品はどこでも作れることになる。しかし、ナノテクのキー部品な
どは資源化して、高価格で日本から輸出されることになる。

飛行機による移動コストは高価格になるので、移動しないテレビ会
議などにシフトするが、個人、企業の投機資金は世界を駆け巡るこ
とになる。移動は電車、電池電車や風力利用の船などに変わる。飛
行機は水素エネルギーで飛ぶようになるまでは、高コストになって
利用が難しくなるように思う。

物の移動を見るとグローバル化が終息して、地産地消のローカル化
になるようだ。

さあ、どうなりますか??

1101.文明の転換とその影響
http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/k4/141207.htm
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原油価格140ドル継続なら、産油国へ所得流出200兆円 08年推計 
(nikkei)
 原油価格の高騰で、石油の消費国から産油国への所得移転が進ん
でいる。原油価格が現在の1バレル140ドル前後で年内推移した場合
、日本を含むアジアや米国、欧州から中東・ロシアなどの産油国に
流れるお金は約200兆円にのぼる見通し。1970年代の2度の石油ショ
ック時を上回る「富の移転」が生じる見込みで、日本からも原油代
金として国内総生産(GDP)の5%強にあたる企業や個人の「稼ぎ
」が資源国に流出する計算だ。 

 所得移転の額は英BPの石油貿易統計などから推計した。原油の
貿易量が2007年並みで推移し、原油価格が08年の残りの期間中1バレ
ル140ドルで推移すると想定。原油輸入国の「米国」「欧州」「日本
」「中国やインドなど他のアジア地域」から、「中東」や「ロシア
をはじめとする旧ソ連圏」などに支払う原油代金を計算した。 
(07:00)
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米金融機関、簿外の運用会社「SPC」連結対象に 会計審原案
(nikkei)

 【ニューヨーク=山下茂行】米財務会計基準審議会(FASB)
が、米金融機関が簿外で運営する資産運用会社などを連結対象にす
る会計基準の改正原案を固めたことが22日までに明らかになった。
信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連で多額
の損失を被る資産運用会社が多いため、連結範囲を拡大して財務の
透明性を高める必要があると判断した。実現すれば、米銀大手を中
心に財務悪化要因となり、大幅な資本増強や資産圧縮を迫られる可
能性がある。

 連結対象となるのは金融機関が運営し、サブプライム関連も含め
た証券化商品の運用などに利用する特別目的会社(SPC)。現行
基準では資産規模などの開示を迫られるケースはあるものの連結対
象ではない。経営悪化時の資金供給を約束するなどSPCの運営に
金融機関が責任を負っている場合、改正後は連結対象となる。金融
機関本体の決算にSPCの資産が反映され、SPCが損失を抱えて
いれば業績悪化につながる。(07:04)
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米株急落しダウ06年9月以来の水準、GMが53年ぶり安値(ロイター) 

 [ニューヨーク 26日 ロイター] 26日午前の米国株式市
場は大幅に下落し、ダウ工業株30種は一時、2006年9月以来
の安値をつけた。大手銀行の損失に対する懸念や自動車大手ゼネラ
ル・モーターズ(GM)の株価が53年ぶりの水準へ下落したこと
が圧迫した。

 ハイテク企業の業績見通しが期待はずれとなったことも地合いの
悪化につながり、主要株価指数はいずれも2%以上下落している。

 ダウ工業株30種は228.63ドル(1.94%)安の
1万1583.20ドル。一時1万1570.74ドルまで下落し
た。

 ナスダック総合指数は61.52ポイント(2.56%)安の
2339.74。一時2238.34まで下落した。

 S&P総合500種指数は25.36ポイント(1.92%)安
の1296.61。  
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東証大引け・7日続落 米株急落で一時は360円安 銀行など安い
(nikkei)
 27日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に7日続落した。昨年
11月2日―13日(8日続落)以来の続落記録となった。大引けは前
日比277円96銭(2.01%)安の1万3544円36銭で4月24日以来の安値
を付けた。26日の米株が、原油先物相場の高騰や金融システム不安
をきっかけに急落した流れを引き継ぎ、自動車やハイテク、銀行な
ど幅広い銘柄が売られた。外国為替市場で円相場が1ドル=106円台
に一時上昇したことも、輸出株への重しになった。日経平均は後場
、下げ幅を360円に広げる場面があった。東証株価指数(TOPIX
)は大幅に3日続落した。

 日経平均は7日続落で、この間の下げ幅は908円に達した。朝方
発表された5月の全国消費者物価指数(CPI)が市場予想平均を
上回る伸びだったほか、同家計調査では消費減速が明らかとなり、
投資心理に影を落とした。

 原油高や米株安を受け、アジア各国・地域の株式相場が全面安と
なったことも買い手控えムードを誘った。下値には株式投資信託の
新規設定に伴う買いがみられたというが、27日の米株市場への警戒
感から大引けにかけては主力株に売りが増える場面があった。日経
平均はチャート分析上の下値支持水準とみられた75日移動平均
(1万3563円)を下回り、「調整局面は長引きそうだ」との声が聞
かれた。

 東証1部の売買代金は概算2兆2759億円、売買高は同19億6578万
株。東証1部の値下がり銘柄数は1329、値上がりは328、横ばいは68
だった。東証1部の新安値銘柄数は100で今年度最多となった。
〔NQN〕(27日 15:26) 
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増田俊男時事直言

「下がったら買い、上がっても売らない」!

6月23日の本誌で、かってからの私の予想通りニッケイ平均が13700
円台に下落したことと、いったん回復しても「もう一段下げがある
(13300円台)」と云うことを述べた。その「もう一段下げ」が本日
と考える。

これが底となれば、ここからは本格的に8月相場に向かうと考えてい
る。詳しくは添付でご案内のテープ・CDで述べているのでご参考く
ださい。私が昨年から「2008年の4月から相場が変わる」と述べてき
たのをご記憶だろうか。私の指摘が正しかったことは、本年4月から
のニッケイとNYダウのパーフォーマンスを比較することで証明さ
れる。2006年(1月−3月)のニッケイとNYダウのパーフォーマンス
比率はNYの100に対してニッケイは約70であった。その後ニッケイ
はパーフォーマンスを落とし続け本年3月には43まで落ち込んだ。
ところがその後4月からニッケイのパーフォーマンスは上昇に転じ、
6月になると53にまで改善された。間違いなく「4月から相場は変わ
った」のである。今はNYが1%上げればニッケイは1%以上上げ、NYが
1%下げればニッケイの下げは1%以下に止まるようになってきた。昨
日NYは3%下げたが本日ニッケイの下げは3%以下だろう。このトレン
ドは経済ファンダメンタルに関りのない、新たな国際投資資金の投
資基準に拠るものである。以前私は、「日本市場はセーフティー・
ヘブン」と述べたが、それに関係がある。この原則がどこまで機能
するかで、ニッケイがどこまで上がり、何時まで続くかがわかる。
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コンドラチェフの波
http://www.blwisdom.com/word/key/100541.html

景気の循環には特徴的なパターンが見られ、約50年の周期(産業の
技術革新により発生する)で循環しているというもの。ソ連の経済
学者コンドラチェフがイギリス、フランス、アメリカ等の卸売り物
価指数、公債価格、賃金、輸出入額、石炭、鉄鋼生産額等の長期的
データを分析し、1922年に発表した。景気循環の波には他に、クズ
ネッツの波(周期20年。建築物の需要により発生する)、ジュグラ
ーの波(周期10年。企業の設備投資の需要により発生する)、キチ
ンの波(周期40ヶ月。企業の在庫や投資額の変化により発生する)
などがあるとされる。

2007年3月7日掲載


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