2971.北一輝



日本改造法案大綱
From得丸
                

各位、

北一輝の著作、ネット上で読めるみたいです。

北一輝「日本改造法案大綱」
http://www.geocities.jp/osaka_multitude_p/gakushuu_bunken/kitaikki/nihonkaizouhouantaikou.html


國體論及び純正社會主義 
http://www.geocities.jp/osaka_multitude_p/gakushuu_bunken/kitaikki/kokutairon_oyobi_junseishakaishugi.html


http://redmole.jp/log/sanjikai06/2006-03a.html


みなさま、

「選択」という月刊雑誌には、2006年春から、渡辺京二氏が「バテ
レンの世紀」という連載をしておられます。戦国時代末期に日本を
布教したバテレンたちの話です。

渡辺京二についてウィキペディアをみると、「歴史家・思想史家・
評論家」という紹介になっていました。一方、昨年1月に藤原書店か
ら出版された「2・26事件とは何だったのか」のHPでは、渡辺氏
の肩書きは「思想家」になっています。でも、「バテレンの世紀」
にいくつか目を通しましたが、これは歴史家の書いたものかなと思
います。

以下の「2・26事件とは何だったのか」を読むと、要するに、
この事件は、「現人神のタテマエと、機関説のホンネがあるときに
、タテマエを根拠に革命しようとした陸軍青年将校を、天皇が否定
した事件」ということができるのでしょうか。

「日本のいちばん醜い日」で論じられていた8・15クーデター未
遂事件のように天皇側からの仕掛けがあったのかなかったのかとい
うことも、気になります。

得丸公明

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http://www.fujiwara-shoten.co.jp/book/book655.htm

【藤原書店PR誌『機』2007年1月号より】

二・二六事件とは何だったのか 
渡辺京二
 反乱指導者の胸中において、二・二六反乱は昭和維新政権を樹立
する軍事クーデタではなかった。結局、彼らには帝都中枢部占拠後
の確たる展望も構想もなかったのである。では、「蹶起」の目的は
何であったのか。その最大なるものはいわゆる重臣ブロックの粉砕
であった。

 反乱将校の命題はこうである。今日の国民生活の困窮と対外的な
困難は現在の指導体制、元老・重臣・官僚・財閥・軍閥の根本的解
体によってしか打開できない。その解体は、自立した国民運動によ
らねばならぬ。その先頭に立つのが天皇である。なぜなら天皇とは
、この世に見捨てられた民を一人としてあらしめてはならぬという
理念の顕現だからである。その天皇の真の意志が解き放たれるとき
昭和維新は成る。だが天皇の存在の本義は常に重臣ブロックによっ
て顕現を阻まれてきた。ゆえに重臣ブロックの粉砕こそ維新革命の
第一歩であらねばならず、この反乱はその第一歩を踏み出すもので
ある。

 村中の『丹心録』を読めば、彼らの維新革命観が一種の神義論的
相貌を帯びているのに気づかないわけにはゆかぬ。神義論の核心は
国民の守護聖者、国民の解放者としての天皇の本義にあった。重臣
たちの妨害とミスリードさえなければ、この本義は光のごとくおの
ずと流出するはずである。反乱将校の命運はかつていまだ検証され
たことのないこの神義論的命題の正否にあった。彼らは史上一度も
存在はおろか夢想もされたことのない天皇の本義を発明したのであ
る。

 天皇の真意はただ重臣たちによって曇らされているだけで、それ
さえ除けば必ずや昭和維新を嘉するというのは、何の根拠もない盲
信だった。反乱鎮圧の方針を終始リードしたのは実に天皇裕仁その
ひとだったのである。

 天皇は「機関説状態」に何ら不満を抱いていなかった。その状態
から解放し奉ろうという反乱将校の忠誠など迷惑至極、逆に「真綿
ニテ朕ガ首ヲ締ムルニ等シキ行為」であって、彼らが殺害した重臣
こそ「朕ガ股肱ノ老臣」にほかならず、「此ノ如キ兇暴ノ将校等、
其精神ニ於テモ何ノ恕スベキモノ」なしというのが本音だった。
だが私は天皇がこの反乱を「国体の精華を傷くるものと認」めたこ
と(『木戸幸一日記』)を、昭和前史の重要な事実のひとつと考え
る。国体について天皇と天皇主義者がこのように鋭く対立するほど
に、昭和という時代は成熟していたのだ。この反乱の眼目は軍隊を
動員したことにある。天皇の軍隊を国民の軍隊と読み替えて、反乱
に軍隊を用いたのが画期的なのである。天皇の軍隊を革命に使用す
る、これほどスリリングなことがあろうか。将校・下士官・兵にこ
のようなおそろしい行為に踏み切らせるほど、時代の水位は上昇し
ていた。

 彼らは何のため軍隊を使用せねばならなかったのか。革命は自立
する人格の所有者としての国民の事業であった。軍隊という狭い世
界に棲む彼ら将校にとって、国民とは兵のことである。兵とともに
起たねば革命は革命にならなかった。兵とともに起ってこそ、彼ら
の国体観は明示される。天皇が激怒したのは彼らの国体観の実像を
ありありと目のあたりにしたゆえではないのか。

 「『姉ハ……』ポツリポツリ家庭ノ事情ニツイテ物語ッテ居タ彼
ハ、此処デハタト口ヲツグンダ、ソシテチラット自分ノ顔ヲ見上ゲ
タガ、直ニ伏セテシマッタ、見上ゲタトキ彼ノ眼ニハ一パイ涙ガタ
マッテ居タ」。高橋太郎少尉の手記の一節である。彼は続けて書く
。「モウヨイ、コレ以上聞ク必要ハナイ、暗然拱手歎息、初年兵身
上調査ニ繰返サレル情景」。彼らがともに起った兵とは、少なくと
も理念としてはこのような存在だったのである。天皇はそのような
ことを想像するさえできなかった。
(わたなべ・きょうじ/思想家)
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2・26事件の真相に迫る浜田政彦の「神々の軍隊」が文庫化
From: tokumaru@pp.iij4u.or.jp

皆様、

北一輝を知る上で、2・26事件はやはり重要です。

渡辺京二はあまり興味を示さなかったように思いますが(松本健一
もまったく興味を示していない)、北一輝が三井財閥から大金をも
らい続けていたことは重要です。
その金でおそらく10年以上にわたって四ツ谷の料亭で陸軍の将校と
飲んでいたのだと思います。

2・26事件と、軍需権益をねらう財閥の関係を鋭くついた浜田政
彦の「神々の軍隊」が文庫化しました。

神風連、2・26事件、三島事件とつながる神々の軍隊の系譜を
ぜひお読みください。

神々の軍隊VS国際金融資本の超暗闘 

国体=天皇を護る人々の聖なる敗戦 浜田 政彦/ 著 

2008/06/07発売 ISBNコード: 978- 4-19-906028-1 

判型/仕様: 文庫 定価: 800円(税込) 


http://www.amazon.co.jp/gp/product/4199060286/ref=pe_snp_286

得丸公明


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