2966.日本文化と製品を世界に広める



日本の文化を確認し、なぜ世界に日本の製品が広まるのかを検討し
よう。           Fより

日本は主知主義で、欧米は思念主義であることは、2948のコラムで
述べた。また、「日本の歴史と使命とは」では、自然の法則(かん
ながら)に人間も従った生き方が必要で、人間の物欲中心の唐心を
捨てる必要があるとも述べている。

なぜ、日本の主知主義が自然の法則(かんながら)と関係している
のかというと、主知主義の目的は、自然の法則を知り、その自然の
法則に人間の生活を合わせることが目的なのである。自然観察に目
的を始めからは持っていない。自然のサイクルの成り立ちを知り、
自然のサイクルの一部に人間の生活を組み込むことを考えるのが
日本流である。

たとえば、野菜のヨーグルトであるが、乳酸菌を調べていたら、い
ろいろな種類の乳酸菌があることが分かった。この中に野菜を食べ
る乳酸菌があることを知って、その一部を使ったというように、乳
酸菌を全て調査した結果として、使うことができたのだ。

RITEとホンダが研究しているセルロースを分解する菌も木が朽
ちていくことを長いこと基礎研究していたら発見して、その菌をバ
イオエタノール製造に使うように改造したので、始めから目的があ
ったわけではない。長い自然サイクルの研究があっては初めて可能
にしている。

日本には、このように長い基礎研究があって初めて、自然の利用が
ある。

それに反して、欧米の研究を見ているとCO2削減などの思念が先
にあり、この理念という目的に自然を変えようという思考が働いて
いる。この考えの裏に金儲けという唐心が見えている。この目的に
向かって無理やり、自然の菌を変えようと遺伝子組み換えを多用す
る。

しかし、今まではその理念が世界を変え、人間の生活を豊かにした
。しかし、そのベースにあった石油の高騰で、人工的に作り上げる
豊かさの根本が崩れて、再度、自然との共生、自然の多様性の中に
人間生活の豊かさを求め、このためにも自然の多様性を保持するこ
とが重要になってきたのだ。

このため、自然の多様性を育む森の重要性が増しているが、アマゾ
ン川流域では世界的な食料不足のために、熱帯雨林を伐採して、大
豆畑にしている。これは時代の流れに逆行したているために、砂漠
化などになる可能性が高いように感じる。日本以外の国では短期的
な儲けが中心で、長期に人間の生活を支える森を大事にしない。

もう1つが、日本は会社員も職人も、職業即修行という感覚を身に
つけている。この意識も無いようで、職業即修行を否定する人がい
るが、日本文化の無意識性でそうなっているようである。がこの意
識で多様な製品や工夫が施された製品群が完成している。細かい工
夫はその分高価になり、今までは日本でしか売れなかったが、イン
ド主知主義に影響された仏教国は日本製品の良さを分かる文化を持
っている。

このアジア諸国の経済発展で、工夫された日本製品の一大マーケッ
トが出現してきた。日本文化が詰まった製品がアジア諸国で売れる
ことになる。そして、ほのぼのとした漫画を通じて、日本文化が分
かる欧州人も増えている。日本製品が欧州でも売れる環境が出来て
きたようだ。

そして、農業もそうで品種改良されたほんのり甘い、日本的な美味
しい農作物がアジア諸国で高値で売れている。日本の工夫は日本人
の職業意識と日本人の味覚や感覚が生み出すものである。その日本
文化全体が世界が待望しているようである。国内産業も積極的に世
界に工夫された自社製品をアピールする時代が来たのである。世界
は日本を待っている。日本文化や製品を早く世界に紹介する必要が
ある。世界の日本化、日本の世界化の時代が急速に押し寄せている。

欧米諸国の理念主義がサブプライム問題を起こし、この問題で日本
は金融業でも大きなチャンスを掴んでいる。世界の日本化、日本の
世界化が始まろうとしている。
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6/20三井住友、英バークレイズに1000億円出資 アジア展開など提携
(nikkei)

 三井住友銀行と大手英銀バークレイズは19日、資本・業務両面で
幅広い提携関係を結ぶ方向で最終調整に入った。三井住友銀がバー
クレイズに第三者割り当てで1000億円規模を出資。業務面でもアジ
ア展開や資産運用事業などで連携を深める。米住宅バブル崩壊で傷
を負った欧米金融機関の資本増強を通じ、邦銀が海外事業の拡大を
狙う動きが活発になってきた。

 両行が月内をめどに正式発表する方向で調整中。米国の信用力の
低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に関連し、バー
クレイズはこれまでに合計 5000億円規模の損失を計上。健全性の目
安となる自己資本比率を引き上げるため、40億ポンド(約8400億円
)規模の増資を検討していた。中東やアジア新興国の政府系ファン
ドに加え、海外の銀行では唯一、三井住友銀に支援を仰ぐ方向にな
った。 


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