2962.日本でレアメタルを掘り出す



レアメタルが日本にもある。これを掘り出せばいい。  Fより

黒鉱は東北地方に位置している。この黒鉱が既に閉山されているた
めに、再度開発する必要がある。また、日本は世界6位の海洋面積
を持っている。排他的経済水域内の海洋面積になると世界でも有数
の大国である。この海洋上に沢山の資源がある。これも開発すれば
いい。

1.日本での地下資源
日本でも黒鉱ベルト(グリーン・タフ)と呼ばれる、鉛、亜鉛、バ
リウム、アンチモン、ビスマスを豊富に含む鉱床が存在するが、硫
化鉱と諸金属からの分離に手間がかかるために、従来はコスト的に
引き合わなかったため採掘は行なわれていなかった。これも、21世
紀から始まったレアメタルの価格高騰が続けば、今後の開発も現実
味を帯びてくる。

黒鉱(くろこう)とは、日本海側の鉱山で採掘される外見の黒い鉱
石の総称である。黒い鉱石の正体は、閃亜鉛鉱(ZnS)、方鉛鉱(PbS)
、黄銅鉱(CuFeS2)などであり、それぞれ亜鉛や鉛、銅などの鉱石
として広く採掘された。この中にレアメタルもある。

黒鉱は海底へ噴出した熱水から沈殿した硫化物などが起源であると
考えられている。日本国内に見られる黒鉱の大半は、新生代第三紀
のグリーンタフ変動に伴って生成されている。黒鉱の周囲には金や
銀などが濃集することから、江戸時代には主にそれら貴金属が、明
治時代に入り精錬技術が向上するにつれて黒鉱自体が注目されるよ
うになった。また、黒鉱は金属鉱物のみでなく、大量のゼオライト
や石膏、重晶石などを従う。また、現在レアメタルの存在も期待さ
れている。現在、黒鉱で有名な小阪、吉野、花岡鉱山は閉鎖されて
いるので、再度生産を開始する必要がある。

2.海洋資源の開発
日本の排他的経済水域内にはレアメタルの含有量の高いマンガン団
塊や熱水鉱床があり、開発が期待される。

マンガン団塊が、発見され報告されたのは意外に古く、100年以上も
前の1891 年のことだ。英国がチャレンジャー号という船で、世界
一周の学術探検航海を行ったときに、太平洋の深海底から発見され
たのだ。その後、マンガン団塊は特に注目されなかったが、海の研
究がさかんになった1957年に、米国で、マンガン団塊に関する研究
会議が開かれ、経済的な重要性が指摘された。その後、米国の政府
機関や大学・研究所が調査に乗り出し、1970年代になると、民間会
社も調査や開発の研究に乗り出し、”人類最後の資源”といわれる
ようになった。深海底の資源は誰のものかという、人類が初めて発
見した深海底資源についての問題がもちあがり、第3回国連海洋法
会議で討論した結果、深海底の資源は人類共通の財産であるという
理念がだされ、1982年に一応の結論が出された。しかし、その後20
年余り経過した現在でも、その利用についてはあまり進んでいない。 

マンガン団塊は、深海底に分布する、鉄とマンガンの酸化物・水酸
化物を主としたかたまり、と定義されている。形は球状のものが主
だが、ぶどう状や板状のものもある。普通は3〜10cmぐらいの大き
さのものが多い。その内部構造は、中心核、内部、殻と3つの部分
から出来ている。中心核は外来物からなり、岩石片やプランクトン
の殻、サメの歯などででき、内部は年輪状構造を示し、金属の濃縮
している部分と、そうでない部分から出来ている。黒褐色の殻は
1〜2mmの厚さで、表面を覆って、これらの構造から、マンガン団
塊は外側に向かって成長するらしいことがわかる。その成長速度は
、深海底で百万年に0.3〜100mmだと推定されている。およその見当
としては、百万年に1cm位の成長速度と理解されている。 

有用な元素としては、マンガンと鉄の含有量が多く、ニッケル、コ
バルト、銅は含有量が少ないながら、有望な元素としてある。マン
ガン団塊の総資源量(埋蔵量)の3兆トンにもなる。

また、熱水鉱床は、海底火山活動のみられる中央海嶺(大洋の中央
付近にみられる海底山脈)や火山性列島の周辺海域に、熱水鉱床が
知られている。
このような海底には、熱せられた高温水(数百度に達する)が、海
底の割れ目を通して噴出している。噴出孔とその周辺には、熱水か
らの沈澱物が堆積して、スモーカーと呼ばれる煙突構造(5 mに達す
るものもある)やマウンド(小高い山)構造をつくる。これらの沈
澱物には、しばしば有用金属(鉛、亜鉛、銅、銀、金など)を大量
に含み、陸上の金鉱よりも高い金含有量を示すものもある。

海水にも有用金属が、微量ながら含まれている。これをホヤなどの
動植物で集積して、それを取り出す研究も開始している。日本は資
源大国であるが、今までコスト的に引き合わないので、掘り出して
いない。

江戸時代には、日本は金や銀、銅の世界的な産地であったこともあ
るのだ。コストより高い売価になれば、再度掘り出せばいいのであ
る。

(参考)
Marine Information Research Center
          http://www.mirc.jha.jp/index.html
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