2956.環境のピンチは日本のチャンス



地球環境は今ピンチの状態にあるが、そのピンチが日本のチャンス
でもある。     Fより

地球環境のCO2排出量制限に積極的なのは欧州であり、この面で
は、日本はCO2排出量制限として遅れている。欧州、特にドイツ
はCO2排出量が少ない太陽光発電や風力発電、蛍光電球、インバ
ータなどを製造して世界に売り出している。

日本企業はCO2排出関係では遅れているが、水資源の枯渇に対す
る対応やバイオ燃料を非食料植物から作ること、炭素繊維などの鉄
資源代替品、熱効率がいいヒートポンプ、食料生産でのバクテリア
の活用、森の効率的な利用法など、環境全体に対応している。

ここが欧州と日本の考え方の違いだと思う。欧米は理念主義であり
目標を明確化しないと何も動かない。そして、目標に直接関係する
機器を中心に研究開発する。しかし、日本企業は環境全体にビジネ
スチャンスがあると見て研究開発した結果が、ドイツと違う製品群
を作り上げている。

米国はメインの石油企業があり、脱石油でもある温暖化対応では遅
れていたが、一度脱石油戦略にシフトして目標が定まると猛然と動
き始めた。これがトウモロコシからのバイオエタノール生産である。
そして、エタノール生産ではブラジルを抜き世界最大の生産国にな
る。この変化が米国のダイナミズムであるが、米国企業は当分サブ
プライム問題による消費の減少で身動きができなくなる。新しい投
資ができない。投機資金も米国から逃げることになる。

このため、温暖化対応にも世界環境問題対応にも動けない。米国内
の経済問題で手が一杯という感じになってくる。5年以上、サブプ
ライムの後遺症が付きまとうことになる。このため、EUが中心に
世界を動かそうとしている。しかし、基軸通貨がユーロになること
はない。EUもサブプライム問題で銀行経営が揺らいでいるからで
ある。

ここで日本のチャンスが到来したのである。金融市場で比較的安定
しているのは、日本であり東証が金融商品を拡大すれば、信用力が
ある東証での先物取引量は拡大することは確実である。先物と言う
信用取引のベースは銀行や証券会社の信用度が高いことに尽きる。
東証が世界最大のニューヨーク・マーカンダイルを抜かすことも夢
ではないと見る。

そして温度上昇で食料生産の不足や水資源の不足など、地球は多く
の問題を抱えることになり、たとえば水不足のために水の価格が非
常に高くなるとかになる。このとき、日本はいろいろな環境問題に
対応できる手段を開発しているので、世界がそのうち注目せざるを
得ない状況になる。

ここで、米国から逃げた投資資金の行き場をなくしている。石油も
140ドルになると、それ以上の価格は米英当局の監視があるため
に難しくなるし、食糧関係の投機も国連などの非難を浴びる可能性
があり、投資しにくい。この投資資金が日本を見つけるのは、そう
遠くないと思う。その資金と日本企業の世界展開で、世界を救うの
が日本の使命である。このコラムは10年前からこの時代が来ると
思い続けてきた。とうとう、その時代が到来したのである。

また、日本の未来は20代の意見を聞くとわかる。その日本の20
代の希望を聞くと、買いたいものが無い。将来が心配なので貯金を
する。豪華な大型自動車や服に嫌悪する。ボランティアをしたい。
もったいないの精神が分かる。将来ともに年収が上がると考えない
。など

江戸時代の庶民と同様な感覚を持っていることが分かる。日本の次
世代は、頼もしい。仏教の心でもある無欲になっている。釈迦は利
他の教えも説いた。この利他でもあるボランティアをしたという。
というように釈迦の教えにやっと現代日本人の若者がなってきたよ
うに感じる。環境を考えた仏の心を持つ、古神道の心を持つ日本人
が出てきた。

とうとう、日本が世界に出て行く時代になったのである。


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