2943.中ロ関係に変化



中露の首脳会議で、中露関係の変化が目に見え始めた。  Fより

中国のコピー製品に欧米日企業は非常に憤慨しているが、ロシアの
兵器産業もその被害を受け始めている。このため、ロシアも中国と
の経済関係を制限するしかないようだ。

中国を公式訪問中のロシアのメドベージェフ大統領は5月23日、北京
の人民大会堂で胡錦濤国家主席と会談した。米国が進めるMD配備
計画に反対するなど「対米牽制(けんせい)」姿勢で共同歩調を示
した。

しかし、経済や軍事技術分野の協力を巡っては最近、両国にきしみ
が目立っており、首脳会談でも調整は進まなかった。 07年の中ロ
の貿易額は400億ドルを超え、前年比4割以上の伸びを示した。
しかし、中国の工業製品の伸びでロシア側が85億ドルの輸入超過
となっている。 

中国は、ロシアからライセンス供与を受けて生産したスホイ27戦
闘機にそっくりなJ11B戦闘機を開発、パキスタンなどに売り込
みを図っている。また、ロシアの兵器輸出の中心でもある連続ミサ
イル発射装置なども中国製のコピー兵器が出回り、ロシア兵器産業
関係者は憤慨している。

それに対して、日本とロシアで東シベリア開発を行う方向であり、
それに伴い極東パイプラインのウラジオストックまでの延伸が確実
になり、中国との経済関係が低調状態と比較すると、ロシアの態度
の変化がよくわかる状態である。この東シベリア開発には欧州復興
開発銀行もかかわり、資本参加に加え事業への融資も実施する。

ロシアは石油会社の石油収入の80%を税金として徴収しているた
めに、石油会社に新規油田への開発投資の資金がない。このため、
諸外国の資金を開発に呼び入れる必要がある。このため、EUや日
本に近づく必要がある。

中国もロシア圏である中央アジアの石油を手に入れられなくなり、
イランやアフリカに資源を求めている。中央アジアでの資源取得に
ロシアの妨害を憤慨している。どうも、ロシアと中国の関係はよそ
よそしい関係にあるように感じる。
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中ロ、戦略関係強化で一致・首脳会談
(nikkei)
 【北京=坂井光】中国を公式訪問中のロシアのメドベージェフ大
統領は23日、北京の人民大会堂で胡錦濤国家主席と会談した。会談
後、両首脳は「国際問題に関する共同声明」に署名し、米ミサイル
防衛(MD)配備計画を「世界の戦略的な均衡と安定に反する」と
指摘した。原子力や航空機の分野でも2国間協力を進めることでも合
意。戦略的パートナーシップを外交面でも強化する姿勢を鮮明にし
た。

 メドベージェフ大統領は23日、カザフスタンから北京入りした。
中国・四川大地震発生以降、中国を公式訪問した初の主要国首脳と
なり、署名式後の会見で大統領は哀悼の念を示すとともに「今後も
支援を続ける」と発言。胡主席は「大地震を克服して北京五輪の成
功に努力する」と表明した。さらに胡主席は「ロシアとは共通の認
識のもと国際的脅威に取り組む」と述べ、「戦略的パートナーシッ
プを今後も強化する」と強調した。(23日 23:04)
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中ロ、経済協力すきま風 首脳会談でも調整難航
2008年05月24日23時41分(ASAHI)

 【北京=大野正美】ロシアのメドベージェフ新大統領と胡錦濤(
フー・チンタオ)・中国国家主席は23日に北京で開いた首脳会談
で、米国が進めるミサイル防衛(MD)計画への反対で一致するな
ど、「対米牽制(けんせい)」姿勢で共同歩調を示した。だが、経
済や軍事技術分野の協力を巡っては最近、両国にきしみが目立って
おり、首脳会談でも調整は進まなかった。 

 ロシアは、グルジアやウクライナなど旧ソ連構成国の北大西洋条
約機構(NATO)加盟への後押しや、東欧へのMD施設配備など
の米国の動きを大きな脅威と見ている。強まる経済力を背景に独自
の対外政策を進める中国にも、民主主義や人権の問題で米国よりは
るかに立場が近く、チベット問題でも中国政府を全面支持するロシ
アと組んで「多極的な世界」の構築を進めることは利益となる。 

 24日、北京大学で講演したメドベージェフ大統領は「ロシアと
中国の戦略的協力関係は、すべての国を喜ばせるわけではないが、
両国民の利益となる」と強調し、大きな拍手を受けた。 

 だが、対米姿勢を中心とする外交政策を除けば、関係は微妙だ。
07年の中ロの貿易額は400億ドルを超え、前年比4割以上の伸
びを示したが、ロシアの輸出は原油や木材などの資源に偏り、中国
から工業製品が大量に輸出される構造を受け、ロシア側が85億ド
ルの輸入超過となった。 

 特に石油や天然ガスの輸送パイプライン用の鋼管は、安い中国製
の輸出が07年第3四半期だけで前年比8倍の伸びを示し、ロシア
の鋼管メーカーが中国側に輸出自粛を求める事態に。また、中国製
自動車の輸入急増を受け、ロシア政府は昨秋、中国の自動車メーカ
ー4社の組み立て工場建設申請を却下。中国側から「公正な条件で
の競争を避けている」との不満を招いた。 

 中国による第三国への武器輸出も火種だ。中国は、ロシアからラ
イセンス供与を受けて生産したスホイ27戦闘機にそっくりな
J11B戦闘機を開発、パキスタンなどに売り込みを図っていると
される。中東やアフリカなどロシア兵器の主な市場にも、連続ミサ
イル発射装置など中国製のコピー兵器が出回り、ロシア側は法的措
置も辞さない構えだ。 

 ロシア紙「独立新聞」によると、最大の武器輸出先だった中国へ
の輸出額は昨年、前年より60%以上減った。 

 コメルサント紙によると、メドベージェフ大統領は23日の首脳
会談で、武器輸出を中心にした軍事技術協力の落ち込みや、中ロ間
のエネルギー協力に展望が見えない現状の改善を強く求めたが、具
体的な成果はあがらなかった。 
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東シベリアの日ロ油田事業、欧州開銀が開発を支援
(nikkei) 
 【ロンドン=吉田ありさ】欧州復興開発銀行は、日本と共同で東
シベリアの油田事業を手掛けるロシアの民間石油会社、イルクーツ
ク石油に資本参加する。同社の株式8%を8500万ドル(約89億円)で
取得し、油田開発を後押しする。事業が成功すれば、ロシアがシベ
リアに建設する石油パイプラインの日本海までの延伸を促すきっか
けになる可能性がある。

 欧州開銀のルミエール総裁が18、19日にウクライナ・キエフで開
く年次総会を前に明らかにした。同銀は資本参加に加え、事業への
融資も実施する。 (16:03)
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中国のJ-10A戦闘機はイスラエルのラビのコピー、ロシア関係者が証言 

【Technobahn 2008/5/20 22:11】中国空軍が2005年から配備を開始
したJ-10(殲撃十型)戦闘機はイスラエル・エアクラフト・インダ
ストリー社から技術導入によって開発が進められてということが19
日、英軍事専門誌「ジェーンズ」の報道により明らかとなった。

 ロシア航空メーカーの上級技術者の証言としてジェーンズ誌が報
じたもので、J-10はイスラエルのラビ戦闘機開発計画から直接、技
術導入が行われることによって開発が進められたとしている。

 中国のJ-10戦闘機とイスラエルのラビ戦闘機はこれまでに外見上
の類似点が指摘されてきたが、中国とイスラエルの間には目立った
軍事的な交流はなく、これまでこの2つの戦闘機を結ぶものは外見上
の特徴以外は何もなかった。
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米ロが原子力協定に署名
(nikkei) 
 【モスクワ=坂井光】ロシアの原子力産業を統括する国営ロスア
トムのキリエンコ総裁とバーンズ駐ロシア米国大使は6日、モスクワ
で原子力の平和的利用に関する政府間協定に署名した。両国議会の
承認後発効し、原子力発電所建設や核燃料リサイクルなど民間分野
で両国企業による協力が可能になる。日本政府もロシアと同様の協
定締結に向け最終段階に入っている。 (12:02) 



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