2940.金融危機の継続と投資マネーの行き場



米国の金融危機を背景に投資マネーが動いている。  Fより

原油が高騰している。135ドル/バーレルと上昇が止まらない。
しかし、世界的な需要が高値で止まる可能性もある。日本の自動車
会社はリチュームイオン電池の量産に入っている。トヨター松下、
日産ーNEC、三菱ーGSユアサで、三洋電機はボッシュやGMな
ど海外自動車会社と組むようだ。2010年前後に電気自動車が日
本企業から世界に広がることになる。投資マネーが流入して、石油
が高騰しているが、将来的には石油は大暴落することが予想できる
し、近々では米国景気の後退で、需要が全体的にも落ち込むことが
予想できる。そろそろ石油価格の天井になっている。

穀物相場も急激な上昇は止まり、ファンドは売りに回り始めて穀物
市場から撤退の方向である。小麦高騰からブラジルやロシアの増産
が確実になり、お米などのニッチな市場に投資マネーは流れたが、
食糧暴動などから国連機関が規制に動き、米国でも商品市場へのヘ
ッジファンドを規制する動きになっている。穀物相場も天井であり
、投資マネーは次の狙い目を探している。今は狙い目が分からずに
多様な市場に分散投資する「先物分散投資ファンド」が急拡大して
いるが、これも商品市場が頭打ちになってきたことによる。

この投資マネーがどこに行くかウォッチする必要があるが、実体経
済の強い所に向かうのが筋である。というと、日本やドイツなどの
先端産業の強い所かBRICSや東南アジアなどの新興国であると
見る。

サブプライムの破綻率はどんどん上昇しているし、住宅価格は下落
して、一層の損失を出す方向が止まらない。
そして、シティバンクは公募増資だけでは数兆円を集められないと
見ていたが、やはり、中国国家開発銀に出資をお願いしていたので
ある。この裏には恐らく、親中派のポールソン財務長官がいるはず。
これと同時に民間銀行が連邦準備銀行に預け入れる準備預金への金
利付与をするという。それだけ、米大手銀行の資金は厳しいのでし
ょうね。

それとインフレ懸念から米FRBは利下げを打ち止めにするという
。資金供給量を増やしてカバーしているので大丈夫というが、どう
も、まだ金融機関の信用不安が収まっていない様に感じる。
年初来の米中小銀行の破綻が3件に上るなど銀行経営の行き詰まりも
表面化してきている。その中小銀行を大銀行が合併もできないほど
大銀行も問題を起こしているのだ。

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先物分散投資が急拡大・ファンド残高、5年で4倍 
(nikkei)
 【ロンドン=田村篤士】先物を使って世界中の株式や通貨、商品
など多様な市場に分散投資する「先物分散投資ファンド」が急拡大
している。3月末時点の世界の運用残高は約2100億ドル(21兆8000億
円)と、最近5年間で4倍に膨らんだ。値上がりが見込める市場に機
動的に資金を配分するのが特徴。大手ファンドは原油や穀物に資金
を重点配分し、これが一段の商品相場の高騰を呼ぶ要因になってい
る。

 こうしたファンドは「マネージド・フューチャーズ」と呼ばれ、
投資先は上場商品全般に及ぶ。米調査会社バークレイヘッジによる
と、3月末時点の世界全体の運用残高は2172億ドル。昨年末に比べ
119億ドル(約5.7%)増えた。原油や穀物の急騰を受け、残高は2007
年に2割増となり、今年も高い伸びが見込まれている。 (16:03) 
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米シティに中国国家開発銀が出資か、交渉は進展−伊紙コリエレ 

  5月23日(ブルームバーグ):イタリア紙コリエレ・デラ・セ
ラは23日、米銀シティグループが政策銀行の中国国家開発銀行に株
式を売却する可能性があると報じた。両行の関係者の話を基に伝え
た。 

  それによると、両行の交渉は進展した段階にあり、「過去数日
」に幹部が会談。欧州のほか、ペルシャ湾岸の国の首都でも会談が
行われたという。両行は業務提携も検討しているという。両行の交
渉は昨年12月に始まったものの、シティの経営陣刷新のため中断さ
れていたと同紙は報じている。
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準備預金への金利付与を議論=米FRB
5月22日9時1分配信 時事通信

 【ワシントン21日時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、小
幅利下げを決めた4月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、民間銀行が
連邦準備銀行に預け入れる準備預金に対する金利付与の検討を開始
したことを明らかにした。同日公表したFOMC議事要旨で開示した。
 現在、準備預金は無利子だが、2006年に成立した法律で11年から
金利付与が可能。FOMC会合では、金融政策を円滑に実施するための
新たな手段として準備預金への金利付与を活用する場合、どんな利
点や問題点があるかを議論した。今後も引き続き検討する。
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サブプライムローン延滞率上昇、4月末で37%に
(nikkei) 
 【ニューヨーク=山下茂行】米格付け大手スタンダード・アンド
・プアーズは、住宅ローン担保証券(RMBS)に組み込まれたサ
ブプライムローンの延滞率の上昇が続いているとの調査結果をまと
めた。2006年中に格付けを得たRMBSでは延滞率が4月末で37.11
%に達し、前月末に比べて1.47ポイント上昇した。

 同延滞率は05年中に格付けを得たRMBSで同0.53ポイント高い
36.79%。07年中に格付けを得たRMBSでは同1.41ポイント高い
25.87%だった。米住宅価格の下落が続いているうえ、金融機関が融
資基準を厳格化しているため、低利の住宅ローンへの借り換えが難
しく延滞率が上昇しているようだ。 (19:02) 
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(5/21)米利下げ、「休止」姿勢鮮明に・FRB、政策自由度高める 
(nikkei)
 21日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録で、米連
邦準備理事会(FRB)が4月の小幅利下げを最後に、当面は利下げ
休止の姿勢に傾いていることが鮮明になった。原油や商品価格の高
騰で、インフレに目配りせざるを得なくなったのが直接の要因だが
、金融危機への対応として流動性供給策が確立してきたことも背景
にある。

 景気後退とインフレという「二つのリスク」が台頭するなか、「
ぎりぎりの判断」で0.25%の追加利下げを選択した4月末のFOMC
。2日間にわたる会議では、利下げの前にもう一つ重要な政策判断が
投票で決まっていた。 
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原油価格の急騰でドル基軸通貨の時代が終わる可能性−米大学調査 
  5月21日(ブルームバーグ):米ライス大学が実施した調査に
よれば、原油相場の急騰がエネルギー危機を招き、これをきっかけ
世界の金融システムが米ドルを基軸通貨とする体制から複数通貨制
へと移行する可能性がある。 

  ライス大の調査は、主として産油国がもたらすインフレ高進に
伴い、欧米各国は金融引き締めを余儀なくされ、輸出がけん引する
中国やインドの経済は打撃を被ると予想。これがエネルギー需要の
後退につながり、いわゆるオイルダラーが支える低コストの融資が
不可能になり、世界経済は一段と悪化するという。 

  その上で同調査は、「われわれはエネルギー市場が主因となっ
て金融危機を引き起こし、それが世界の金融システムを変質させる
可能性があると考える」と指摘。米ドルの基軸通貨たる地位は「終
えんを迎える公算が大きい」と予想した。 

  またライス大学のマフムード・アミン・エルガメル氏とベイカ
ー・インスティチュートのエイミー・マイヤーズ・ジャフィ氏が共
同執筆した同調査は、サウジアラビアなどの中東の石油輸出国と中
国、インドは、欧米諸国と共同で、金本位制時代と同程度の安定性
を持つ複数通貨に基づいた金融システムを構築することに関心を持
っていると分析した。 
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欧州、貸し渋り強まる・「基準厳格化」銀行の5割に
(nikkei) 
 【フランクフルト=石井一乗】米国の信用力の低い個人向け住宅
融資(サブプライムローン)問題に端を発した金融市場の混乱を背
景に、欧州の銀行が企業向けの融資基準を一段と引き締めている。
欧州中央銀行(ECB)によると、今年1―3月期に基準を厳格にし
たユーロ圏銀行の割合は5割と、約5年ぶりの高水準になった。企業
の借り入れ需要も約3年ぶりに減少基調に転換。欧州景気は比較的堅
調に推移してきたが、今後は企業活動が停滞する懸念も出てきた。

 ECBは四半期ごとに、ユーロ圏主要行の融資姿勢を調査してい
る。今回は前回より24行多い113行を対象に4月8日時点で実施した。

 企業向け融資基準を過去3カ月間で厳しくした銀行の割合は1月時
点の41%から51%に増加。調査を始めた2003年1月(65%)に次ぐ高
水準となった。中小企業向けについては38%が、大企業向けについ
ては54%がそれぞれ基準を厳格にした。 (00:35) 
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米銀の資金繰り緊張続く・FRBへ依存が拡大 
(nikkei)
 米国の民間銀行の資金繰りを巡る緊張が続いている。銀行による
公定歩合借り入れが増加し過去最大となるなど米連邦準備理事会(
FRB)への依存が拡大。銀行間取引金利の高止まりも続いている。
年初来の中小銀行の破綻が3件に上るなど銀行経営の行き詰まりも表
面化してきた。株式相場が堅調さを取り戻し米市場では先行き悲観
論がひとまず後退しているが、住宅価格下落など金融環境は依然厳
しい。

 ニューヨーク連銀によると、資金繰りに困った銀行がFRBから
緊急で借り入れる公定歩合制度を使った融資残高は14日までの1週間
の平均残高で、144億1600万ドル(約1兆5000億円)。2001年9月の同
時テロ直後の117億4200万ドルを上回り、過去最高を更新した。 
(07:02) 


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