2916.日本の時代について



CO2排出権取引は新しい産業を興し、日本が優位になる。Fより

このコラムを長く愛読していただいている読者の皆様は、お分かり
だと思うが、江戸時代の日本はリサイクル社会であり、かつ新しい
農業技術や経営論が出てきた時代であり、日本的な発展をした時代
であった。

外来の仏教なども日本化されて、日本的な変容を遂げ、天台宗の魔
可止観で動作の繰り返しが重要であるとして、基本動作の繰り返し
の練習が無私の状態を作り、天が助けるという思想を生んでいる。
これが日本からイチローなどの大選手を生んでいる理由である。理
論だけではなく、繰り返し練習した結果である。米国大リーガーは
理論中心である。

この江戸時代と同じような環境に成ってきた。江戸時代は、日本が
鎖国状態であり、日本の中の資源だけで生活しなければならなかっ
た。今は、地球上にフロンティアがなくなり閉鎖環境になったし、
これ以上の汚染は地球環境を復活不可能な状態にしてしまうことに
なると分かり、日本の江戸時代と同様な植生体系の中で人間の生活
を維持する必要が出てきた。

これは、欧米諸国が得意とする物事を単純化した科学技術や理論が
使えないことになり、日本や中国が得意とする自然の中にある動植
物や微生物の利用が必要になる。

しかし、CO2排出権というニュー・フロンティアを欧米諸国は作
り、その産業を興そうとしたが、依然として欧米諸国のやり方は科
学技術を使った問題解決のための技術を作ろうとしている。風力発
電や太陽光発電、原子力発電などやトウモロコシやサトウキビなど
からエタノールを製造するなどである。

新興国に今までの技術で作られた製品製造を取られるために、次の
技術開発をする必要がある。家電などは日本や韓国に既に取られて
いるために、軍事産業や重電機、化学、製薬や金融サービスなどに
欧米諸国は逃げたが、そこにも日本・韓国などが来たし、金融サー
ビスは自滅した。このため新しいフロンティアが必要になったので
ある。また、欧米が半植民地にしていたアフリカに、中国が手を伸
ばして来て、資源を取り始めている。この面からもフロンティアが
必要なのである。

しかし、欧米の科学技術と違って、日本の問題解決は、動植物から
ヒントを得た省エネルギー方式や微生物を利用した方法が今後ぞく
ぞく出てくるように感じる。もちろん、日本からも欧米流の科学技
術がでるし、自然流技術とのハイブリットな方法も出て来る。

日本は欧米技術と漢方から学んだ自然の観察から機能を抽出する方
法のどちら手法とも手に入れている。これを日本的な手法で融合し
ている。QCやJITなどである。今後もこれを発展させる必要が
ある。

日本企業は世界に出て行くことが必要になっている。世界に工場を
作り、その工場で人間的な現場や人間関係を下にした運営など日本
流の仕組みを教えることである。

日本企業の現地法人が儲かると、そこに現地の人たちが就職したい
となる。日本企業が世界企業になる時代である。トヨタしかり、日
産しかり、日本板硝子しかりである。共通語は当初英語であるが、
その内、日本に留学した現地の人が現地法人の社長になり、日本本
社の社長にもなり、公然日本語が普通に成る。これが日本の国際化
である。我々が戦後、米国企業の製品が良く、給与も高くて憧れた
ように、世界の人たちが日本企業を憧れる時代になっている。

日本企業が世界に出て活躍できる環境を作る必要がある。日本国の
国際化である。このためには、観光客のノービザ化や留学生や技術
者の入国ビザの発給条件を緩くしていくことである。国籍より軽い
永住権なども必要である。

世界国家化を行うことである。それが日本企業の国際化を助けるこ
とになる。日本の貿易比率は17%と非常に低いが、この割合を高
めることが日本の活性化にも重要なことになっている。世界の情報
が日本語で読めると、いろいろなアイデアが出てくる。

反対に、米国は技術者を入国させるH1Bピザの発給基準を引き上
げて、911以前は年10万人以上の認めていたのが、911以降
は年3万人しか認めない。米国は国を閉め始めている。非国際化を
取り始めている。覇権国家としての条件を失っている。

そして、日本は速く、その体系に持っていくことが必要になってい
る。そうしないと日本国内だけでは少子高齢化で経済は衰退するだ
けである。日本企業は日本だけでは企業規模が縮小することになり
、日本の経済規模も縮小することになる。
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奥山真司講演会のお知らせ 

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