2915.CO2排出権問題は



環境省は、温暖化ガス排出量算定を制定してHPに載せたり、CO
2排出量について企業調査を始めている。    Fより

これは今後、国を挙げてCO2問題に取り組み、CO2排出量を削
減させる排出権取引を実行させるための企業排出量の枠を決めるた
めの予備調査である。

この予備調査後、業種毎にCO2排出量が割り当てられる。この割
り当て枠を超すCO2排出量分を市場で買う必要が出てくる。現時
点1トン2800円である。もちろん、CO2排出量枠を余した企
業は、その余った量分を市場で売ることが出来て、利益に貢献する
ことになる。

このように、省エネで石油由来のエネルギー代の節約と余った排出
量の売上の2重の利益が生まれることになる。これにより省エネ投
資を加速させることになる。何に投資するかと言うと、自然エネル
ギー利用で太陽電池、風力発電、バイオ燃料、原子力発電、電気自
動車、木屑や藁からのエタノール製造などなどである。

このようなことで、何の使用量が落ちるかと言うと、石油エネルギ
ーの使用を落とすことになる。CO2排出権問題は地球環境を守る
と言っているが、その真の目的は中東産油国離れを加速させて、中
東の政治的な重要性を落とすことであると見る。

当初、米国はイラクを手に入れることができると思い、CO2排出
権問題に消極的であったが、ここに来て、イラク内紛で当分イラク
石油の安定的な供給ができないことが分かると、地球温暖化に大き
く取り組むようになっている。今、一番省エネに積極的なのはドイ
ツである。

ドイツは原子力発電技術もないし、石油獲得競争でも負けている。
このため、石油から脱却し、自然エネルギーへシフトしている。
これは大きなメリットになる。去年、ドイツ太陽電池企業Qセルズ
が、それまで世界トップのシャープを太陽電池生産量で追い抜いて
いる。ドイツの重要な産業に自然エネルギー産業がなってきた。

EU全体も石油獲得ができずに、フランスの原子力とドイツの風力
、太陽光発電にシフトすることがメリットになる。英国も中東での
油田権益が徐々に落ちて、ロイヤル・ダッチ・シェルなどもメジャ
ーから脱落している。北海油田の油糧も落ちている。今、力を持っ
ているのは、サウジやロシアなど産油国の会社であり、欧米企業は
見る影もない。

このように何を目的にしているかを明確に見定めて行動することで
ある。石油が高騰して1バーレル120ドルにもなっている。この
相場を上げている原動力は欧米のファンドである。よって、国家意
志を感じる。金融機関は国の監視を受けている。ファンドも国の監
視範囲になってきている。欧米では金融業が国のGDPに占める割
合が大きい。

コスト的な問題で実現しなかった石炭の液化は石油に換算して1バ
ーレル60ドル程度で製造ができるし、石炭火力発電の排出CO2
を地下に固定する技術も電力コストを倍にするとしていたが、それ
も石油の高騰でペイする。EUは石炭は多く出るために、石炭火力
発電は大きな部分を占めている。これは温存できる目処が立ってい
る。

このようなEUの目論見を日本は見ておくことが重要である。ロシ
ア・アカデミーは、地球温暖化は太陽の黒点活動が活発なことで起
こっているとし、今年から太陽の黒点活動が沈静化したことで温暖
化から寒冷化にシフトしたようだと報告をしている。

中国もアフリカ・ナビビアの石油を手に入れるなど、アフリカの資
源獲得に乗り出している。イランとナビビアの石油が国家の生命線
と見て、海軍力の増強を図り、シーレーン防衛を真剣に考えている。

このため中国の海軍基地が各所にできている。これに比べて、日本
は無防備で、つい最近もタンカーがイエメン近海で襲われている。
日本は国内に豊富な資源を持っているために、あまり世界から資源
を持ってこようとしていないと思える。それが中国とは違う行動を
日本に取らせている。

資源とは何かというと、日本はカビや発酵菌などの微生物研究では
トップクラスにいる。この研究成果が徐々にエタノール生成や希少
金属のリサイクルなどに生かされ始めている。昔から日本は発酵菌
などを利用して、資源を生み出しているが、その力に戦後、気がつ
かなかっただけであるが、徐々に植生系の豊かさに日本人自身が気
が付き始めている。

日本が勝ち始めると、EUや米国は温暖化がなくなり、CO2排出
問題はないとルールを変える可能性が高い。それに注意をしながら
も、CO2排出権を日本の技術開発に利用することは日本のためな
のでしょうね。あまり、陰謀論や懐疑的な見解を述べて、反EUに
なる必要はない。日本にとって得な方向であるからだ。

さあ、どうなりますか??


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