2912.欧米文明からの脱却へ



欧米、特に英米の金融資本主義が倒産した。今後は違う時代になる。
それを検討しよう。       Fより

土曜日、日曜日と続けた一連のシリーズを総括し、今後の日本のあ
るべき姿を検討したい。話は変わるが、先週はいろいろな人に会い
、その話が面白かった。火曜日にモータの先生と会い、上海の新交
通やトヨタの電気自動車の話を聞き、木曜日の相互研修会では、今
後の地方再生はどうするべきかを県庁の人たちも含めて検討し、金
曜日には定例のオフ会でYSさん、コバケンさん、Oさん、Zさん
、田中さん、Nさん、伴さんで開催した。

モータの先生と話したことは土曜日の「電気の時代が到来」で出し
たが、今、日本の電気車両における総合力は他国を仰臥しているよ
うだ。もう1つ、先生は日本企業に話しても乗ってこない低電源高
光力LEDを中国企業と開発している。このLEDを使うと水耕栽
培の能力が大幅にUPするのにと。どうして、日本企業は自分が提
案する革新的な技術を開発しないのかと、いつも嘆いている。

相互研修会では、林講師が地方都市の再生をどうするかという話の
後議論したが、中国市場で日本産の農産物が日本の価格より3〜10
倍高くても売れる状況になっているし、大間のマグロも大量に買わ
れていくし、高級なヒノキ材も買われていく。これは大きなチャン
スが来た。このように農林水産物を中国の上級階層は金に糸目を付
けずに買っていく。

特に日本で売れている無農薬有機野菜は狙い目であるが、日本国内
でも有機野菜を栽培している農家は5000件しかない。
そして、食糧危機の時代になっている。休耕田と言う国家政策は、
早く止め増産体制にする必要があるが、現時点で農家の就業年齢は
平均65歳以上となり、農業の担い手がいない。

有機野菜は、水耕栽培という野菜工場でできる。最大36毛作とい
うこともできる。もう1つ、営農に民間企業の参入を許すことが必
要である。海外生産を商社は行っているが、その国の食料が不足す
ると輸出禁止ができる。このため、日本の食糧確保にならないこと
になる。

商社は海外での食料確保は難しいと言っている。特に温暖化でオー
ストラリア小麦の生産が半分程度と落ち込み、世界的に食糧の輸出
禁止を出す国家が増えている。アルゼンチンなどもその中にある。

輸出できるのは、小麦ではカナダ、米国など少数になってしまった。
今後の温暖化で生産国の供給が減り、中国など新興国家群の消費が
増えると恐ろしい事態になることが想定できる。もう、自由貿易主
義の先生方が言う単純な農産物輸入論は成り立たない。国家政策と
して国内での食糧の確保を優先する政策が必要になっている。

36%しか自給できない日本は危うい。FTAでの農産物輸入自由
化は行うべきで、日本企業や農家は有機野菜など高級品を栽培して
、逆に中国やアジアに輸出すればいいのである。食糧輸入が止まる
時を想定して企業の参入を促進して、一定枠の普及品も作る処置を
取るなどを考えることである。国家が供給を保障することと自由貿
易を守ることを両立させることである。

また、FTAを阻害する介護師などの労働者の受け入れは、正しい
と見る。労働力不足が待ったなしの状況になっている。

オフ会の話は、いろいろな分野に飛ぶが、CIAとMI5は同じ穴
の狢であると田中さんが話した所から議論になった。ここでも隠れ
多極主義という考え方に多くの議論が集中していた。しかし、米英
の時代は終わったという所では意見が一致していた。

YSさんが、天皇関係の本を5月に出版するそうである。樟脳が戦
前では大きな儲けを鈴木商店に与えていたようだ。樟脳の原料が樟
であり、神社には樟の木を植えていたと。ここから先はYSさんが、
どこかで発表するそうだ。

伴さんは、平和協会の講演会を5月に行うことで調整していると。
Oさんは、天台宗が応援しているインド亡命チベット仏教会やイン
ド仏教会の代表と会ったと。

いろいろな人と話していると、複雑な問題を複雑のまま、考える時
代になったと感じる。簡単化してはいけない。欧米思考では成り立
たない世界がそこにある。

単純な欧米の論理が倒産して、複雑な生態系をベースとした現実的
な解法を見つける日本的な実証主義の時代が始まろうとしている。
この日本的な実証主義が工場にセル生産方式や諸数値を「見える化」
して、工場を現場主流で競わせて改善するという人間主義の現場が
できてきた。

昔からKJ法や実験計画法など実証主義の理論は日本が発明してい
た。そして、カンバン方式の大野耐一からセル生産の山田日登志で
日本の工場は確実にレベルアップした。

樟脳、微生物などが化学原料に再度なる時代が来る。石油から植物
や微生物に原料が変更されることになる。この研究でも日本が最先
端にいる。事象を単純化しないことが重要で、いろいろな要素を丹
念に調査して、その中から有効な成分や機能を見つける。これは忍
耐力が必要な作業であり、欧米や中国では難しい。

少数のエリートに頼る時代は過ぎ、構成員全員で考える時代が来た
のである。エリートの時代から多くの職人の時代になったのである。
総合力で勝負する時代である。エリート主義の金融の時代は終わり
、現場の職人が中心の実体経済の時代が始まる。

それはとりも直さず、日本の時代である。欧米文化から日本文化の
時代が始まろうとしている。その予兆はゲームや食の文化に出てい
たが、とうとう金融混乱で本番になったのだ。

さあ、どうなりますか??

この理論編は、企業戦略コラムで記述します。企業の方は、実際の
企業運営に生かすことができます。また、コンサルティングもお受
けできる体制ができましたので、お申し出ください。
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