2910.電気の時代が到来



21世紀の時代を象徴する言葉が電気の時代でしょうね。 Fより

19世紀、イギリスの覇権は、蒸気機関を生み出し蒸気エネルギー
を使った汽船や汽車で移動の効率を上げて、世界に英国が物資を迅
速に運べるようになったことによるのだ。石炭の時代であった。

20世紀、米国の覇権はガソリンエンジンを搭載した自動車や航空
機など内燃機関により、移動効率を高めたことによる。石油の時代
であった。

21世紀、日本は電気で動く自動車や電車などを開発し、かつ電気
を生み出す原子力発電を押さえて、効率とCO2発生を抑えている。
今後、この電気モータやリチュウムイオン電池、キャパシタ、発電
機が基幹技術になる。電気を生み出す方法としては自然エネルギー
もあり、この分野でも、太陽電池、風力発電などで、日本とドイツ
が強い。原子力発電は日本とフランスである。

このように技術の発展で、石炭から石油、そして電気に時代の主流
が移ることになる。

中国上海のトロリーバスでは、上にある架線を無くしたバスが走り
始めている。架線の代わりにキャパシタを搭載して、停留所に止ま
った時に充電する。キャパシタは30秒程度でフル充電になるので、
停留所に止まった時間で充電ができるのだ。停留所だけ架線があり
、その時だけパンタグラフを上げて、充電する。

モノレールなどの新都市交通は、その設備投資費用が高くて赤字に
なっているか、減価償却を60年で見るなどして黒字化するなど大
変である。今後、地方都市のコンパクト・シティ化構想が動き、地
方都市の公共施設を中心部に置く動きが加速するが、そこに行くた
めの公共交通手段が問われる。キャパシタ電気バスは、重油バスよ
り駆動部が少ないために大幅に信頼性が高く、かつ価格や設備費も
安いことになる。

また、現在、トヨタの関連会社であるアイシン精機が米国のホース
システム社と共同で次世代電気自動車を米国で開発している。
3年後の2011年にトヨタから発売予定であるそうだが、このク
ルマは4輪にインホイール・モータを搭載し、4輪が80度まで動
くようにした車である。

回転半径が短く、横列駐車はカニのように横向きに動くため、非常
に操作が簡単である。クルマの概念を変えることになる。トヨタが
イスラエルの電気自動車優遇・国家政策と日産の電気自動車販売の
計画を知って、電気自動車を止めハイブリッド車一本に絞る方針を
大幅に変えたようだ。

このホースシステム社のクルマを見て、日経ビジネスでも紹介され
たテスラー社も日本に支援を求めてきている。電気の時代になった
ことで、日本の電気とクルマの両方の産業蓄積が大いに役立つこと
になる。現時点、電気自動車は欧州と米国で盛んであるが、2008
年に三洋電機が電気バイクを発売し、2009年発売に向けて、三
菱と富士重工が準備をしている。その後、日産が続く。日産の技術
はルノーの電気自動車をベースにするようである。
そして、2011年に電気自動車をトヨタが発売する。

キャパシタ電気バスは東芝がメインで開発・製造しているし、ライ
ト・レールなど電池電車「スイモ」は川崎重工が開発しているなど
、大手電気メーカ・重工メーカがこの電気車両分野に押しかけてい
る。

そして、世界的にその実力が評価され始めている。ユーロスターと
してロンドン・パリ間に日立製のN700系車両が走り、川重の
N700系車両が中国で大活躍し、中国国内で走っている高速新型
車両の7割が日本型の車両になっている。

日本の時代が来た様に思うが、さあ、どうなりますか??
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イスラエル首相「電気自動車を国家事業に」2008/03/01 
(nikkei) 
 「イスラエルは今後10年で脱石油社会になります」。大型経済ミ
ッションを率いて28日まで日本を訪問したイスラエルのオルメルト
首相は、電気自動車の開発を国家事業として進め、日本の産業界と
も連携を深める方針を強調した。

 イスラエルの電気自動車開発計画の中核はインフラ整備。全国の
駐車場に50万個の充電装置を配備し、駐車中に充電できるようにす
る。通常のガソリン車に課す税金を72%と高くする一方、電気自動
車は10%に抑え、普及を促す。 (07:03) 


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