2888.デリバティブの危機



円高で米金融機関がデリバティブの損失を拡大させる。 Fより

3月末期日の為替予約は多い。3ケ月前90円台になるとは予想し
ていない。このため、ほとんどが105円台での為替予約をしてい
るはず。この予約をGETした米大手銀行・証券やヘッジファンド
が多数いる。日本企業や金融機関は予約をPUTしているだけで、
この予約には3%程度の予約金を保険料として払っているだけ、ほ
とんどの予約は実施していないのが現状である。このため、3%の
予約金がヘッジファンドや米銀行の収益になっていた。

しかし、この所のドル安で、1ドル=105円と思われる数百億ド
ルのGETされた予約は、1ドル=95円とすると1ドルで10円
の損失が出る。今回は予約の実施が行われる。すすると数百億ドル
の予約では数十億ドルの損失が出ることになる。

このため、ポールソン米財務長官は米銀行の損失拡大との危機感を
持って、ドル安阻止に向けて為替介入をチラつかせることになる。

ポールソン長官は為替政策について「強いドルは米国の国益」とす
るのは、米金融機関がデリバティブで大損をすることが明確に分か
っているためである。損害を最小限にするために、ドル高方向の修
正をしたいのでしょうね。

そして、ドルは基軸通貨であり、円だけではなくて、ほとんどの通
貨に対して為替予約が打たれている。このため、3月末の損失は膨
大なことになると思われる。

今後、為替予約をGETできる米銀行が少なくなると、為替予約自
体ができなくなることも想定できる。そうすると、日本企業もドル
での決済をユーロなど為替予約ができる通貨にする必要が出てくる
ことになる。

ここでもドルの基軸通貨が危うくなる。

さあ、どうなりますか??
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米財務長官、為替介入「仮定には答えず」
(nikkei) 
 【ワシントン=米山雄介】ポールソン米財務長官は17日午後、ホ
ワイトハウス前で記者団の質問に答え、ドル安阻止に向けて外国為
替市場で介入に踏み切る可能性について「仮定には答えない」と述
べた。同長官が明言を避けたことで、急激なドル安に対しては、各
国の通貨当局が協調して行動する用意があるとの見方が広がりそう
だ。

 同長官は為替政策について「強いドルは米国の国益」とする従来
の方針を強調。「長期的には米国経済のファンダメンタルズ(基礎
的条件)は強い」と述べた。

 同時に「こうした見方は為替市場に反映されるだろう」とも指摘
。現在のドル安は行き過ぎとの見方を示し、相場水準の修正に期待
感を示した。 (09:28) 
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米デリバティブ最大手、追加損失懸念で株価8割下落
(nikkei) 
 17日のニューヨーク株式市場で金融派生商品(デリバティブ)取
引最大手、米MFグローバルの株価が急落し、一時前週末比80%下
げ昨年来安値を更新した。2月末に小麦先物の不正取引が発覚し資本
の1割をき損しているが、追加損失が膨らむとの懸念が広がった。

 MFは前週末比65%安い6.05ドルで引けた。株価は不正取引の発
覚直前に比べ5分の1の水準となった。同社は「信用力の低い個人向
け住宅融資(サブプライムローン)関連証券は保有していない」と
強調した。 (18:35) 


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