2870.リヒテンベルクの警句



リヒテンベルクの警句
From: 得丸公明

橋本治の「小林秀雄の恵み」っておもしろそうですね。

仏教塾で、宗教概論のレポートで、橋本治の「宗教なんかこわくない」が課題図
書でした。

最初のうち、橋本治流の言い回し、議論の進め方になれなくて、何が何やらわか
らず苦労しましたが、だんだん彼の言っていることがわかるようになると、実に
鋭いことがわかり、感動しました。(このレポートはA判定でした)

鋭いという点では、今日たまたま買った「オーデン詩集」(思潮社、1993
年)の中に、「読むこと」というエッセーがあり、そこで紹介されているリヒテ
ンベルクという物理学者の警句に、非常に感じ入りました。

 「書物は鏡である。驢馬がのぞきこんでいるとき、使徒が顔を見せることは期
待できない」

なかなかのものではありませんか。

僕はリヒテンベルクのことを知らなかったのですが、コピー機の原理を考えた人
らしいですね。

彼の結婚についてウェブでたまたま見つけた文章が、あまりに笑わせるのでご紹
介します。
(これも、鏡をみて笑ったのだと思いますが、、、、 )

ゲオルグ・クリストフ・リヒテンベルク(Georg Christoph Lichtenberg,
1742-1799)ドイツの物理学者で批評家、文筆家。(略)

リヒテンベルクが彼の元女中であった女性と結婚した過程は如何にもリヒテンベ
ルクらしい。

リヒテンベルクは独身であり、ゲッチンゲンのゴットマー通1番地にずっと住み
続けていた。女中のマルガレーテ・ケルナー(Margarete Kellner, 1759 -
1848)がリヒテンベルクの世話をしていた。彼は彼女と結婚していないのに次々
と子供が生まれるので、大学当局は彼にマルガレーテと結婚するようにと勧めた
が、リヒテンベルクは「私は身体的に醜くとても結婚はできません」と断り、そ
れまでのような生活を続けていた。ある時リヒテンベルクが重い病気にかかり命
も危ない状態になった。この時大学当局は、リヒテンベルクにマルガレーテとの
正式の結婚が生き残った人々のために必要であることを説いた。リヒテンベルク
はいよいよ観念して病床で結婚式を執り行った。ところが死ぬと思われていた彼
の病状は次第によくなり、病気から回復して以前のように元気になった。

しかし家庭内での状態は以前と全く変ってしまった。リヒテンベルクはすべての
事情を知っている元女中のマルガレーテの監視のもとに暮らすことになった。

http://www.kanto.co.jp/times/t_pdf/CT_198_5.pdf

警句集
http://www.kaimei.org/note/book_out/lichten.html



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