2865.中立の条件、非武装の条件とは



「永世中立国の崩壊」

近年、永世中立と考え方が変わり始めている。

永世中立国の代表であるスイスは常備軍をもつ武装中立国である。

オーストリアは冷戦時も中立に徹した永世中立国だったが、2001
年に閣議決定された国家安全保障ドクトリンでは非永世中立国化を
公式に記述した。

また、新たな永世中立国として注目されていたコスタリカでも憲法
上は軍隊の廃止、永世中立を謳っていたがイラク戦争時にはアメリ
カを支持するという中立とは程遠い立場をとった。

現在完全な非武装国家はアイスランドだけである。

永世中立とはただ外交上、中立の立場であれば永世中立国と言える
のだろうか?軍隊を持たない非武装中立こそ第三の大戦を防ぐ最善
の外交策ではないだろうか。

丸山
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中立の条件、非武装の条件とは、
丸山さんのご意見を参考に検討しよう。     Fより

非武装中立でも自国を守れるような条件が必要で、アイスランドの
ようにヨーロッパと共同歩調を取り、ロシアなどのEUに敵対的な
国家とも遠いなどの地政学的な条件が揃っていることで、非武装中
立ができると見ている。

スイスも周りをEU諸国に囲まれ、敵対的な国家が周りになくても
武装だけはしている。歴史的に何度も戦争になり、身の安全が最終
的に武力であることを知っている。

コスタリカは非武装であるが、中南米に位置しているためにイラク
戦争賛成と言う親米の顔をしないと米国から睨まれると危ないとい
う判断なのでしょうね。

小国の日本は、大帝国である中国と歴史的に対等な関係を目指して
長いこときた。このため、朝鮮などと違い朝貢をあまり行っていな
い。日本国内の勢力争いで中国のお墨付きを得たいなどがある時に
朝貢を行ったようだ。この条件は海を隔てているので、中国は大軍
を移動できないという条件でできた日本の強がりである。中国も2
回の日本遠征が失敗して、日本征服を諦めていた。

現在は、中国の核ミサイル射程範囲にあり、米国から離れると中国
は日本を脅して、中国の属国にすることもできる事態になる。
日本と中国の間には、領土問題が多数存在している。中国の属国に
なると、その領土は諦めざるを得ないでしょうね。沖縄も中国が領
有権を主張している。

反対に、日本が中国サイドになると米国の第7艦隊の核ミサイルに
狙われる事態になる。現時点では米国の方が強いために、米国に付
いているのが正解でしょうね。しかし、日本近海の制海権が米国か
ら中国に移ると、厄介なことになる。

このため、自分の身は自分で守るというように自衛力を強化すれば
、米国とも中国ともに等距離にできるが、それは戦前の日本のよう
に国力以上の軍事強化が前提になってしまう。また、非武装中立と
は違う。スイスと同じような重武装中立になる。しかし、日本は、
経済的な損失が大きすぎるので、重武装中立は非現実的である。

ということで、リアリズム的には、米国と同盟関係を維持して国力
にあったMDを含んだ防衛的な武装を行い、世界の紛争にある程度
関与し、日本近傍の紛争を起こさないように努力することでしょう
ね。もし、紛争が起こっても、世界が日本の味方になるようにする
必要がある。



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