2860.中国への期待と不安



投資家ジム・ロジースは中国が米国の次の覇権国家になるという。
                        Fより

中国経済が拡大している。GDPで第4位であったが、2008年
度にはドイツを抜かすはずである。しかし、中国の経済は揺れてい
る。今までの市場経済から統制経済に逆戻りをした印象を受ける。
外資優遇策を排除して、国内企業と同率の企業税にしたし、従業員
長期雇用の法律を制定している。その上、中国政府はペトロチャイ
ナに安いガソリンの供給を命令している。また不動産価格の高騰を
受けて、銀行金利を上げたが効果なく、とうとう融資の禁止を指示
している。このため、不動産価格は下落し始めている。

中国国内の設備投資は、それでも止むことがない。このため、審査
を厳格にして、許可が降りない事態や途中で許可を取り消したりし
ている。このように中国の経済政策が市場経済から統制経済に戻っ
ていくように感じる。

ここに米国の景気後退が起きて、中国株式市場も下落の基調になっ
ている。中国は今後、米国企業離れを加速して、国内企業育成と国
内企業製品の高付加価値化を狙っている。中国に進出している日本
企業の工場は中国の統制経済化に大きく影響される。企業のコスト
が増えかつ、中国経済の上昇が止まる可能性もでてきたように感じ
る。このため、世界から中国への投資が減って、中国国内企業の投
資が増えているが、その投資も中国政府から規制が掛かっている。
これが、中国経済への不安ですね。

一方、毒キョウザではないが中国製品の質が世界的に問題になって
いる。このため、中国の富裕層は中国の店での高級品が偽物の可能
性があるため信用できずに、日本の高級百貨店に高級品を買いにく
る。このため、銀座の三越・高島屋や新宿の伊勢丹は中国人ツアー
に対応して、中国のクレジットカードが使え、中国語ができる店員
を増やしている。このように日本への観光客で日本も潤っている。

年末に姫路のホテルに泊まったが、中国人旅行客が大半を占めてい
たというように観光地も中国人観光客が多くなっている。中国の北
京オリンピックでも欧米諸国の選手が競技直前まで日本に居て、競
技後直ぐに日本に戻るようだ。その理由も中国の大気汚染と汚染さ
れた食料のためのようである。

日本に来る中国人観光客は年95万人で、韓国人の250万人、台
湾人の150万人の次に多くなっている。いずれの旅行客も買い物
が主要の目的のようである。このように中国人観光客が日本の地方
を活性化させる可能性がある。これが中国への期待でしょうね。

それとドルとのリンクをいつまで続けるか、中国金融当局も思案し
ているはず。現時点で中国からの輸出は、EUが米国より多いこと
からも分かると思う。ドルから離れると人民元は切り上げることは
間違いない。このときは第2位の日本のGDPを抜かす可能性もあ
る。

中国のアジア拡大も起こっている。メコン川流域5カ国、中国南部
と共通ビザを発行するとか、ASEAN諸国とFTAを結んでいる。
そして、ASEAN諸国との鉄道や高速道路を整備して、1つの経
済圏にしようとしている。中国企業は自国の労働賃金が高くなり、
低価格商品の製造をアジア諸国に移行している、中国人が華僑ネッ
トワークを使ってASEANでも活躍している。この部品やできた
商品を中国に運ぶためにも道路や鉄道が必要になっている。日本の
変わりに中国がアジアの工業化を助け始めている。その分、日本の
存在が小さくなっている。

中国の拡大は日本もどうすることも出来ない。しかし、中国の民主
化は進んでいない。米国も中国と経済関係は順調であるが、政治関
係は民主化の進展がないために、滞っている。このままでは、中国
は価値観で覇権を取ることはないと思うが、次のヒラリー・クリン
トンやCFRは中国重視と言っているので、どうなりますか??

現時点では米中の共同覇権とはならない。日米同盟が中国の覇権を
阻止することになる。しかし、中国が民主化されると、米中の結び
つきは大きく変わることになる。日本はその時の準備をすることが
今、必要であると思う。

さあ、どうなりましか??
==============================
中国の不動産バブル陰る 背景に政府の投機抑制(ASAHI)
2008年01月30日12時22分

 極端な値上がりが続いてきた中国の不動産市場に変調の兆しが出
てきている。不動産価格は全国70都市の平均で前年同月比10%
以上の上昇が続くが、深センや広州、北京など大都市の一部で上昇
加速に歯止めがかかりつつある。中国政府の投機抑制策が効いてき
た形で「不動産バブル」が転換点を迎えたとの見方も広がる。
==============================
メコン川流域5カ国、中国南部と共通ビザ・2010年メド
(nikkei) 
 【バンコク=三河正久】東南アジア諸国連合(ASEAN)は21
日、バンコクで観光相会議を開き、東南アジアのメコン川流域5カ国
と中国南部を自由に行き来できる共通ビザを2010年メドに発行する
ことで合意した。域内観光客数を07年の2400万人から50年に倍の5000
万人にする目標も掲げた。

 共通ビザの対象はタイ、カンボジア、ラオス、ベトナム、ミャン
マーのASEAN5カ国と中国の雲南省と広西チワン族自治区。
ASEAN域内は10年の実施で合意。中国も2つの省・自治区限定
の観光ビザを出す。 (07:04) 
==============================
中国、貿易黒字が過去最大・07年、47%増の29兆円
(nikkei)
 【北京=高橋哲史】中国税関総署は11日、2007年の貿易黒字が前
年に比べ47.7%増の2622億ドル(約29兆円)となり、過去最大を更
新したと発表した。輸出が堅調に推移したためで、米欧から人民元
相場の一段の上昇を求める声が強まるのは必至だ。ただ米欧に対す
る黒字が膨らむ一方、日本を含む対アジアは赤字で推移しており、
米欧で稼いだ黒字で対アジアの赤字を埋める構図が鮮明になってい
る。

 中国の貿易黒字が過去最高を更新するのは3年連続。ドイツを抜い
て世界最大になった可能性もある。

 07年は輸出が25.7%増えたのに対し、輸入は20.8%の拡大にとど
まった。輸出の伸びが輸入の伸びを上回り、貿易黒字を大きく押し
上げた形だ。(07:02) 
==============================
(1/24)中国GDP11%成長、07年・5年連続2ケタ 
(nikkei)
 中国国家統計局は24日、2007年の国内総生産(GDP)が物価変
動を除いた実質ベースで前年比11.4%増えたと発表した。成長率が
2ケタになるのは03年から5年連続。貿易黒字(純輸出)が過去最高
になるなど外需の拡大が続いたうえ、固定資産投資も高水準で推移
した。米経済の減速傾向が強まっているため、今年は輸出の伸びが
鈍化する可能性もあるが、堅調な投資を支えに高成長は続くとの見
方が多い。 

 名目GDPは24兆6619億元(約365兆円)。世界3位のドイツを抜
くか注目されたが、ユーロ高の影響もあって06年と同じく米日独に
次ぐ4位にとどまったとみられる。 

 高成長をけん引したのは外需と投資。07年の貿易黒字は前年比
47.7%増の2622億ドルに膨らんだ。輸出の伸びが25.7%増と輸入の
伸びを約5ポイント上回り、貿易黒字を押し上げた。ビルやマンショ
ン、工場などの建設投資も堅調。07年の都市部の固定資産投資は前
年比25.8%増だった。(北京=高橋哲史)


コラム目次に戻る
トップページに戻る