2858.イノベーションのジレンマ



イノベーションのジレンマ

はじめまして、W大学四年の鈴見と申します。いつもFさんのコラム
を読んで勉強させていただいてます。

実は一つお聞きしたいことがございます。

電気自動車と中国市場について言及してあるものを探しているので
すが、なかなかいい資料が見つかりません。

Fさんは何で情報を仕入れているのでしょうか?やはりインタビュー
がメインでしょうか?もし文献でもURLでも参考になるようなものが
あればお教え願えないでしょうか?



実は卒業論文にて、電気自動車が主流になる中国市場と低価格自動
車が普及するインド市場に出遅れることでトヨタのような企業は
今後衰退していくのではないか。

という仮説を「イノベーションのジレンマ」によって検証してみよ
うと試みました。

卒論は既に提出してしまったのですが、来年から自動車メーカーに
勤めることが決まっているので、ぜひとも参考にしたいです。よろ
しくお願いします。
鈴見
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(Fのコメント)
現時点で動いているR&Dの話と言うのは、メーカーも極秘であり
なかなか出ないでしょうね。S電機の話もフライング気味で注意を
受けています。

というように、資料はないと思います。三菱、富士重工を初め、世
界の自動車会社や電機メーカが現時点で極秘開発中です。その中心
的なテーマがリチュウムイオン電池の安全性と走行距離、そしてホ
イルインモータとその制御です。

しかし、世界で一番売れている現時点での電気自動車メーカはトヨ
タであり、この事実をトヨタの広報部も知らなかったようですが、
言う必要があります。勿論、トヨタ車ですがトヨタの販売店では一
切売っていません。

トヨタ車体が製造している「コムス」が累計2万台弱で、現時点で
は電気自動車としての世界最大販売台数です。現時点では日本が一
番の技術を持っているのですが、それを真剣に学ぼうとしているの
が中国の自動車メーカであり、その研究心は日本のメーカより上で
あるという。

このため、先生は心配しているのではないかと思います。そのため
私Fに、現時点で起こっている研究の事実を公表しているのでしょ
うね。日本の自動車メーカにも真剣に成って欲しいという気持ちか
らだと思います。その意味では、先生が一番日本の将来を危惧して
いると思います。勿論、私Fも心配です。

鉄道でもディーゼル車から電池電車への転換や、ホイルインモータ
化は進展していくはずです。部品点数の少ない、走りの上でのムダ
がない技術に流れるという技術史があると先生は常々言っています。

ここから先は、鈴見さんが先生の所に言って聞くことでしょうね。
EV安全協会とネットで調べれば出てきます。先生は大歓迎してく
れると思いますよ。常々、若い人たちに技術の方向を分かって欲し
いと言っていますから。


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