2840.ロシアの動向



Re: 混乱度を極める世界に   
   
Fさま,

明けまして,
おめでとうございます。

英米はロシアと真正面から勝負する腹を決めたようです。
日本は自衛隊をアフガンに派遣する可能性が高いように思えます。
ブット暗殺事件は,それほどのインパクトを与えたと私は考えまし
た。
ロシア国内で形勢が悪化しつつあるとも伝えられるプーチン。
多分,手打ちをしようとするでしょう。
その代償が何になるのか?
一番興味深いところだと思います。

A Bee The First 拝
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(Fのコメント)
最初の蜂さん、あけましておめでとうございます。
蜂さんのコメントからロシアの動向を見てみようと思う。

ロシアは石油と天然ガスが豊富で世界第2位の生産国で、石油の高
騰により経済規模はどんどん大きくなっている。ロシアの軍事力も
石油を国有化したことで復活している。中国は欧米への輸出が大き
いために、反欧米の行動は出来ないが、ロシアは欧米へ石油や天然
ガスを供給する立場で強い。このため、欧米に反旗を翻すことがで
きる。

そのような背景から、ロシアの役割をヨハネの黙示録ではゴクと見
なしている。英米の覇権に挑戦する存在に描いている。この1ケ月
のロシア圏に関する記事を見ると、ロシアは自前のBPSを持ち、
欧州通常戦力条約を停止して米ミサイル防衛に対抗するという反欧
米に明確に向かい始めている。

米国はMDをポーランドに設置して、イランからのミサイルを防衛
するとロシアに説明したが、ロシアのミサイル防衛にも使える。
GPSを持つと、巡航ミサイルを運用できる。ロシアもMD対応の
ために大陸弾道ミサイルではなくて、巡航ミサイルへシフトするこ
とが分かる。レーダーに捉えられないように飛行すれば、MDは無
効になる。

欧州もキリスト教のプロテスタントとカソリック以外の地域は文化
が違うという理由でロシアをEUに入れる気はない。勿論そうする
とトルコも対象外になる。

そして、ワルシャワ条約機構地域であったポーランド、バルト三国
、スロバキアなどをEUと一体化する「シェンゲン協定」地域とし
てロシア圏からの完全な離脱をしている。

このようにEUもロシアを排除する動きを強めているが、EUの一
番の弱点は石油や天然ガスなどのエネルギーをロシアに頼っている
ことで、EU内でも英仏などの西欧は少ないが、ドイツなどの中東
欧は大きい。EU内でも意見が割れているように感じる。しかし、
EUとしてはロシアに依存しない脱石油・天然ガスを方針として原
子力発電、自然エネルギーに向かっている。

このようにEU拡大に期待していたロシアの希望を打ち砕いたので、
対抗上、プーチン大統領も反欧米になっているように感じる。

上海機構で中ロは同盟を結んでいるが、中ロの問題は中央アジアの
エネルギー争奪でしたが、ロシアが取る方向で合意ができたようだ。
中国はこのため、アフリカや中南米、中東の石油を獲得する方向に
方針を変えた。

反米イランを中国とロシアは支援して、ロシア製対空ミサイルも売
却している。今後、世界最大の油田になるカシャガン油田の権利見
直しをカザフスタンに言わせているのもサハリンで欧米石油会社と
交渉し成功したロシアでしょうし、セルビアにコソボ独立要求を拒
否させているのもロシアでしょうね。

このように反欧米連合を積極的に形成しているのもロシアである。
対して、欧米はウクライナやグルシアを親欧米にするべく、資金を
投入している。親欧米のチモシェンコ氏が首相に復帰してウクライ
ナを取り戻している。

ここ当分はロシアとの弱い冷戦構造を取るが、米国の中東撤退時に
ロシアはどう出てくるかが見ものだ。ロシア自体も市場主義経済に
なっているが、国家統制が強い経済体制を確立した。プーチンが首
相として、今後も国内政治を握ることが確実になり、不安定的な要
素が少なくなっている。しかし、ロシアがヨハネの黙示録ではない
が台風の目になる可能性もあり、動向を見ておく必要がある。

さあ、どうなりますか?
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ロシア、イランに対空ミサイルシステム供与へ=通信社
12月27日7時5分配信 ロイター

 [テヘラン 26日 ロイター] ロシアは対空ミサイルシステ
ムS300をイランに売却することで合意した。ファルス通信がイ
ランのナッジャル国防軍需相の発言として伝えた。ナッジャル国防
軍需相は「これまでにロシアと契約を結んだS300システムは、
イランに引き渡される」と語ったが詳細は述べなかった。
 また、イラン学生通信(ISNA)によると、同相は「納期は
今後発表される」と語った。
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ロシア版GPS、ほぼ全土カバー・米に対抗
(nikkei)
 ロシア宇宙軍は独自に取り組む軍事・民生利用の全地球測位シス
テム「GLONASS(グロナス)」の衛星3基を搭載したロケッ
トをカザフスタンのバイコヌール基地から25日に打ち上げたと発表
した。ロシアほぼ全土で地上の位置を測定できるような体制ができ
るという。カバー範囲を全世界に広げ、大きく先行する米国のGP
Sに対抗するシステムを構築する。

 タス通信によると、ロシアは今回の打ち上げで17基の衛星を軌道
に乗せた。2009年までにこれを24基に増やし、全世界をカバーでき
る体制を整える計画という。ロシアは軍事利用を目的に1993年にグ
ロナス計画に着手した。プーチン大統領が今年5月にカーナビゲー
ションなど民生利用を認める大統領令に署名し、計画を加速してい
る。

 欧州連合(EU)は「ガリレオ計画」を推進、中国も独自システ
ムの整備に乗り出している。(モスクワ=古川英治)(00:15) 
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東西欧州の「国境」撤廃、「シェンゲン協定」を中・東欧9カ国に
拡大
(nikkei) 
 【ウィーン=桜庭薫】独仏など欧州15カ国は21日、中・東欧9カ国
との陸路・海路の出入国管理を撤廃した。欧州域内の約4億人の市民
や旅行者が国内移動と同様にパスポート審査なしで移動できる「シ
ェンゲン協定」の適用範囲を大幅に拡大した。来年3月には空路の国
境管理をなくす。東西欧州を隔てた「鉄のカーテン」の消滅を改め
て示した。

 同協定の対象には新たにポーランドなどが加入。適用国は英国、
アイルランドを除く欧州連合(EU)加盟の西欧13カ国と、EU外
のノルウェー、アイスランドという15カ国から24カ国に広がり、観
光・経済に効果が見込まれる。日本人も一度シェンゲン地域に入れ
ば、パスポートを提示せずに域内を移動できる。

 ドイツ、オーストリアなどと接する中欧の国境地帯では検問所を
取り壊した。半面、協定適用地域の新たな東端となるポーランド、
バルト三国、スロバキアなどは、ウクライナやバルカン半島からの
密輸や密入国を防ぐため、国境警察を大幅に増員し、出入国管理を
強化。赤外線探知装置など最新鋭の検問所を新設した。 (21:57) 
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イラン、中ロと商談拡大・原油輸出増や旅客機購入
(nikkei)
 【ドバイ=加賀谷和樹】イランと中国、ロシアとの商談が拡大し
始めた。イランが核兵器開発を停止していたことが明らかになり、
国連安全保障理事会の常任理事国である中ロは、ウラン濃縮を続け
るイランへの第3次制裁決議に消極姿勢を強めているもよう。制裁強
化を巡る情勢の不透明化をにらみアラブ首長国連邦(UAE)もイ
ランからの天然ガス輸入協議に入った。

 イランは2008年、中国に対し前年より33%多い日量40万バレルの
原油を輸出する方針だ。イラン石油公社が中国石油化工集団(シノ
ペック)への輸出を前年から日量10万バレル多い同16万バレルに増
やすため。シノペックがイランのヤダバラン油田開発に総額約20億
ドルを投じると決めたことへの見返りとみられる。(07:03) 
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チモシェンコ氏が1票差で首相復帰 ウクライナ(ASAHI)
2007年12月18日19時25分

 ウクライナ議会(定数450)は18日、「オレンジ革命」の立
役者で親欧米派のユリア・チモシェンコ元首相(47)を、過半数
ぎりぎりの226票の賛成で新首相に選んだ。「革命」後に率いた
内閣の内紛による05年9月の解任から2年余での復帰で、09年
秋の大統領選に向けて有力候補の位置につけた。 

 選出後、チモシェンコ氏は「改めて欧州連合(EU)や北大西洋
条約機構(NATO)への加盟を目指す」と抱負を語った。昨年8
月に発足した親ロシア派のヤヌコビッチ前首相の内閣と、親欧米派
のユーシェンコ大統領との間で政策と権限をめぐる争いが続いた同
国は、再び政権全体が親欧米派へと戻る。 
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ロシア、欧州通常戦力条約を停止 米ミサイル防衛に対抗(ASAHI)
2007年12月12日20時07分

 ロシアは12日午前0時(日本時間同日午前6時)、ウラル山脈
以西に配備する非核兵器の上限を定めた欧州通常戦力(CFE)条
約の履行を停止した。米国のミサイル防衛(MD)計画に反発する
プーチン大統領による対抗措置が初めて実施された。配備兵器につ
いての情報提供や査察も中止され、軍の透明性が格段に低下する。

 ロシア外務省は同日の声明で「現時点で(欧州との)国境方面の
軍備を拡大したり集中させたりする計画はない」とする一方、「今
後の軍備は、具体的な政治軍事状況や関係国の自重ぶりにかかって
いる」と警告した。 

 プーチン氏は中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱にも繰
り返し言及しており、冷戦終結後の軍備管理体制が揺らぐ懸念が広
がっている。 

 CFE条約は冷戦末期、当時の東西両陣営を対象に結ばれた。冷
戦終結後、加盟国ごとに兵器の保有上限を定める修正が加えられた
が、米国や旧東側陣営の欧州諸国が批准しておらず、ロシアは「一
方的に履行を強いられている」と反発。MD問題を機にプーチン大
統領が今年7月、履行停止を表明した。 
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プーチン氏、首相就任へ メドベージェフ氏が方針(ASAHI)
2007年12月11日20時55分

 ロシアのプーチン大統領(55)から後継指名を受けたメドベー
ジェフ第1副首相(42)は11日午後、国民向けのテレビ演説を
行い、来年3月の大統領選に当選後、プーチン氏を首相として政権
に迎える方針を明らかにした。プーチン氏は来年5月の大統領任期
満了後も、首相の立場から事実上の最高権力者としての影響力を行
使する見通しだ。 

 メドベージェフ氏は演説の中で、「我が国にとって極めて大事な
ことは、ロシア政府首相のポストにはプーチン氏に就任してもらう
ことだ」と述べた。「そうすることによってのみ、立法府も行政府
も、効果的に仕事をすることができる」とも強調した。 

 プーチン氏は、憲法を改正して大統領任期を延長することは拒否
する考えを繰り返し表明してきた。一方で、大統領を退任後も、過
去8年の自身の政策を継続するために政権に影響力を行使する可能
性を示唆していた。 
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コソボ協議決裂 セルビア、独立要求拒否 安保理協議へ(ASAHI)
2007年12月08日13時41分

 国連暫定統治下にあるセルビア・コソボ自治州の最終地位をめぐ
り、セルビアとコソボの両当事者と4カ月に及ぶ協議を続けてきた
仲介役の欧州連合(EU)、米国、ロシアは7日、国連の潘基文(
パン・ギムン)事務総長に報告書を提出した。独立を求めるコソボ
と、これを拒否するセルビアの「合意が得られなかった」として、
協議決裂を結論づけた内容。これを受けて安保理は週明けにも非公
式協議に入るが、コソボが一方的に独立を宣言すればこの地域の情
勢が再び緊迫化する恐れがある。 

 報告書は、8月上旬以来、10回の協議を経ても「コソボの主権
という根本的な問題に関して、双方とも立場を譲ろうとしなかった
」と言明。コソボ独立から自治権拡大までの幅広い選択肢を提示し
たが、「いずれも妥協を引き出す十分な土台にならなかった」と、
協議決裂を明確にした。 

 一方で、協議が「有益だった」とも強調。特に双方がコソボの治
安状況の悪化につながる武力行使などの行動の自粛に合意した点を
評価し、約束が破られた場合は、将来のEU入りに影響すると警告
した。 

 だが、今回の報告書がコソボの将来について具体的な解決策を示
さなかったことから、コソボが一方的な独立宣言に向けた動きを強
めるのは必至だ。ロシアのチュルキン国連大使は同日、コソボが独
立を宣言すれば、セルビアが電力の供給停止を含めた対抗措置を検
討していることに触れ、「一方的な独立はコソボ自身を傷つけるだ
けだ」と牽制(けんせい)した。 

〈コソボ自治州〉 セルビア南部にある自治州。人口約200万人
の約9割がアルバニア系住民。90年代後半に分離独立を目指すア
ルバニア系住民とセルビア人の民族紛争が激化。99年、北大西洋
条約機構(NATO)の空爆で当時のユーゴスラビア軍が撤退。国
連の暫定統治下に置かれた。 
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カシャガン油田の権益譲渡にエクソンが反対=カザフスタン
12月4日17時8分配信 ロイター

 [アスタナ 4日 ロイター] カザフスタンのサウアト・ミン
バイェフ・エネルギー鉱業相は4日、カザフ政府が外資系企業に対
してカシャガン油田の権益をカザフ企業に一部譲渡するよう求めて
いる問題で、米エクソンモービルが譲渡に反対している、と明らか
にした。
 カシャガン油田はイタリアのENI主導のコンソーシアムが開発
しているが、コスト超過や生産の遅れなどにより、カザフ政府は外
資系企業に対して権益を一部譲渡し、国営石油会社の権益を引き上
げるよう求めている。
 エネルギー鉱業相は、どの企業がこの計画に反対しているのかと
尋ねられたのに対し「エクソンだ」と答えた。
 さらに「われわれは同社や他の企業と協議する。これは最終決定
ではない」と述べた。
 エクソンのコメントは得られていない。
 カシャガン油田の権益については、エクソンのほか、ENI、ロ
イヤル・ダッチ・シェル 、トタルがそれぞれ18.52%を保有。
そのほか、コノコフィリップスが9.26%、日本の国際石油開発
が8.33%を保有している。
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ヨーロッパ通常戦力条約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この条約は、戦車、装甲戦闘車両、火砲、戦闘機、攻撃ヘリの5つの
カテゴリーの兵器について、東西両陣営において保有数の上限を定
め、上限を超える兵器の速やかな廃棄、および条約遵守のための査
察について取り決めている。

1999年11月に条約適合のための合意文書、通称「CFE適合条約」が作
成された。ただ、同適合条約はロシア連邦など一部の国のみがが批
准しており発効していない。

2007年12月12日、ロシアはCFE履行の一時的な履行停止を宣言した。

締約国は、NATO 16ヶ国とワルシャワ条約機構 12ヶ国
ベルギー,カナダ,キプロス,デンマーク,フランス,グルジア,ドイツ,
ギリシャ,アイスランド,イタリア,ルクセンブルク,オランダ,ノルウ
ェー,ポルトガル,スペイン,トルコ,イギリス,アメリカ合衆国

アルメニア,アゼルバイジャン,ベラルーシ,ブルガリア,ハンガリー,
カザフスタン,モルドバ,ポーランド,ルーマニア,ロシア,スロバキア,
ウクライナ

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