6426.財政出動の平時化



月曜日有料版1章途中までをお送りします。 

高市首相も長期金利の上昇と円安、インフレ加速で、日銀の利上げ
を容認し、来年度予算の平時化を宣言した。今後を検討しよう。
                    津田より

1.日本の状況
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先週、株価は240円の上昇。先週は大きな乱高下で終わってみたら、
株価は少し上昇となっている。10年国債金利が1.95%まで上昇して、
18年ぶりの金利になっている。日銀は7月から150回以上も10年国債
を買い入れているが、金利上昇を押さえることができなかった。

その上に12月18-19日の政策決定会合で、0.25%利上げが確定視され
金利は0.75%になるが、インフレは2.8%であり、まだ実質金利はマイ
ナス圏であり、インフレを止めるには今後も利上げが継続されると
市場は見ている。

その上、日本の30年国債金利は3.4%急角度に上昇していることで、
将来的にも金利上昇は続くことになると市場は見ていることになる。

このことは、歴史的転換点になっていることを示している。高市首
相が財政出動を行えば、金利上昇で財政破綻が起きるリスクがある
と市場が警告したことになる。3%金利では、国債費が雪だるま的に
増加して、行きつく先はデフォルトになるとみていることになる。

そして、円安でコストプッシュ・インフレになり、80%国民の生活を
破壊することになる。円安による株高を喜ぶ声は多いが、円安は世
界需要が強い時にしか輸出の追い風にならない。米欧中が減速すれ
ば輸入物価上昇による生活苦だけを背負うことになる。

そして、やっと市場の警告に気が付いて、高市首相も方針を変える
ことにしたようで、「歳出・歳入両面の改革を推進し、マーケット
からの信認を確保していく」と強調した。

しかし、一度、方向が変化すると、そう簡単に元の位置には戻らな
い。

相当な緊縮財政にして、市場の懸念を払拭しないと金利上昇は当分
続くことになるし、米国景気も下がると、円安、債券安、株安のト
リプル安になる可能性もある。

逆に、米国金利が下がり、日本の金利が上がると円キャリートレー
ドの巻き戻しが起き、一時的に超円高になり、今度は円高の対策を
打つ必要になる。難しい財政金融政策が必要な時期になっている。

米国景気にも注意が必要であり、難易度はさらに高まっている。

どちらにしても、高市首相は緊縮財政にはしないので、当分インフ
レは続き、株は米景気が維持できるなら、上昇方向になる。

高市政権は、社会保障費の削減で、OTC類似薬の患者負担率を上げる
とか、高齢者の医療負担率を上げるとか、議員定数を削減するとか
、防衛費増で所得税率を上げるとか、EVの車両税を上げるとか、財
政見直しを行い、所得税の最低課税所得の引上げなどを行う費用を
捻出することになり、インフレと相まって、高齢者や中産階級以下
の国民の負担は増えつづけることになる。

このように、高市政権は、高圧経済下での成長経済政策や農業の減
反を法制化するなどで生産者サイドの政策で、消費者サイドには立
っていない。おこめ券などは米価の高止まりを維持することで、犠
牲になるのは、中小企業の従業員や非正規社員、高齢者となる。

このため、10月の実質消費支出も3.0%減となっている。6カ月ぶりの
マイナスで、2024年1月以来の減少幅となった。10月は飲食料品の値
上げが相次ぎ、消費者の節約を促進した可能性がある。

それでも、大企業の正規社員は、インフレ利益分の賃上げができる
ので問題が少ないし、投資家もインフレ分の配当金が増えるので問
題が少ない。事実、高額消費が盛り上がり、松屋では11月の宝飾売
上高が前年同月比約2.5倍に増加したという。

以後は有料版を見てください。

0.米国の状況と世界情勢
1.日本の状況
2.ウクライナ戦争と世界情勢


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