6401.トランプ氏のトリセツ



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トランプ氏の取扱い方を世界のリーダーは習得し始めた。最初にト
リセツを完成したのは故安倍元首相であるが、残念ながら石破首相
は心得がないようだ。継承してほしいができなかったようである。
トランプ氏のトリセツを説明し、今後の交渉方法を検討しよう。
                         津田より
0.米国と世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2024年12月4日45,014ドルの史上最高値更新、2025年6月20日は
42,206ドルで、23日は374ドル高の42,581ドル、24日は507ドル高の
43,089ドル、25日は106ドル安の42,982ドル、26日は404ドル高の
43,386ドル、27日は432ドル高の43,819ドル。

先週、株価は1600ドルの大幅な上昇。米株価は、ほぼ最高値になっ
て、ナスダックとS&P500は史上最高値を更新した。米国40年債金利
も5%以下に押さえているし、インフレも収まってきたし、中東戦争
も回避したので、株価は大幅な上昇になっている。その上、ウォラ
ー理事やボウマン副議長の発言による利下げ期待で、より押し上げ
られたようだ。

この上に、米中通商暫定合意も締結し、ベッセント財務長官は、完
全な米中通商合意も9月1日までに締結すると述べた。対中強硬策も
徐々に緩和している。中国がレアアースの対米輸出制限で、トラン
プ氏は対中輸出規制を緩めざるを得ないことになっている。対中関
税も55%から30%に引き下げられたとの報道もされている。

ベッセント財務長官は、Section899(報復税)について米議会に削
除を要請した。この899項は、米国債などの金利支払いに、不公平な
貿易を行う国の所有者に課税追加する項目であり、もしこれが通る
と米国債は買われなくなることが確実であり、国債の金利が上昇し
て、財政破綻する可能性が出る。このため、ベッセント長官は、削
除を依頼したようである。

イスラエルとイランの戦争もトランプ氏の仲裁で停戦になった。米
国がイラン核施設への爆撃で米国も参戦して、ロシアも参戦するの
ではないかとみられていたが、イランの支援要請にロシアは応じな
かったことと、イスラエルも迎撃ミサイルの不足になり、停戦に両
国は応じた。

トランプ氏もSNSで逐次状況を述べていて、トランプ氏のディールが
うまくいったことで、トランプ氏も満足そうである。ネタニアフ首
相もトランプ氏にバンカーバスターで核施設の破壊を頼み、それに
成功している。

しかし、イランは、米国の空爆を事前に通告されていて、濃縮ウラ
ンの60%以上を待避したことで、核爆弾を作ることができる状態であ
る。イランも温存できたと満足している。

このため、イスラエルは、完全にウラン濃縮施設破壊をしようとし
たが、トランプ氏から怒られて爆撃機を戻した。また、破壊工作員
をイランに送り込んだが、これも作戦を中止している。このため、
イスラエルとしては安心できる状態ではない。

この状況をトランプ氏も分かっていて、イランと核開発中止の交渉
するという。その結果では、戦争が再開すると見ているようだ。

しかし、イランのハメネイ師は、イスラエルとの戦争で勝利宣言し
たことと核開発中止の交渉を拒否したことで、トランプ氏は怒り、
停戦後に対イラン制裁緩和を検討していたが、その取り組みは全て
中止した。トランプ氏のディール成功を阻害したということである。

その上、イスラエルのカッツ国防相は、イランに対する強制執行計
画を準備するよう軍に指示したと明らかにした。トランプ氏もウラ
ン濃縮を巡り、イランへの再爆撃を検討すると発言。このような取
り組みを「トランプ・ドクトリン」と名付けて、あたかも思想があ
るように見せているが、要は行き当たりばったりということだ。

ということで、まだ、停戦が持続すると安心できる状況ではない。
何が起こるか、まだ、見極めが必要である。

一方、米国内では、トランプ政権は財政出動で、2025年度に5兆ドル
の財政赤字になる。8月には資金が枯渇する可能性がある。当初、
DOGEが政府職員を大量に解雇して赤字を削減したが、その職員を再
雇用し始めた。結果、コロナ禍の時期と同程度の財政出動になって
いる。その分、通貨が増刷させている。これではインフレになるし
、株価も上昇する。今年中に40兆ドルの債務になることが確実だ。

軍事費も増額して、ディープステートの要望をトランプ政権は実現
する方向になっている。戦争をしないや財政赤字をなくす、ディー
プステートを破壊するという選挙公約は反故になってきた。

しかし、トランプ氏は、自分のディールが成功していると思ってい
る。徐々にトランプ氏の取扱い方を知ってきて、ディープステート
もネタニアフ首相も、それを実施し始めた結果であろう。

欧州でも、ルッテNATO事務局長は、トランプ氏のGDP比軍事費5%要求
を約束している。しかし、その実現時期は2035年であり、米国の大
統領は、その時トランプ氏ではない。トランプ氏のディールが成功
のように見えているが、分からない。

トランプ氏への取扱い方を世界の指導者は、分かり始めた。「泣く
子と地頭には勝てない」や「バカとハサミは使いよう」という格言
を思い出す。

トリセツでは、トランプ氏のディールを実現するが、1つ目の方法は
、実現時期を長くして、トランプ氏の任期外にしておくことや、2
つ目にはディールをさせて、株価を下げたり、長期金利を上げたり
、支持率を下げたりして、自分でディールを修正させる方法、3つ
目に中国がとった方法で、米国が困る輸出品を制限する方法である。

ディールを否定しないことが重要になっている。ディールを否定す
ると、より厳しい要求を突き付けてくる。ディールをさせて、その
後ディールの要求を下げることが多く、トランプ氏はTACOと呼ばれ
ている。

石破首相は、トランプ氏のディールを否定しようとして、交渉して
いるが、それは要求を厳しくされる可能性が大だとみる。

以後は有料版を見てください。

0.米国と世界の状況
1.日本の状況
2.ロシア情勢や中国情勢



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