月曜日有料版0章途中までをお送りします。 トランプ氏の相互関税に対する交渉が開始するが、所定の結果を出 せないでいる。それを検討しよう。 津田より 0.米国と世界の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2024年12月4日45,014ドルの史上最高値更新、2025年4月17日は 39,142ドルで、21日は971ドル安の38,170ドル、22日は1016ドル高の 39,186ドル、23日は419ドル高の39,606ドル、24日は486ドル高の 40,093ドル、25日は20ドル高の40,113ドル。 先週、株価は1000ドルの大幅な上昇。パウエルFRB議長の解任をトラ ンプ氏が検討しているとの報道で21日は970ドル安になる。 この発言で、外国為替市場で米ドル売り圧力の強さが意識され、株 安、米国債安、ドル安のトリプル安になった。世界の投資マネーが 米国株から欧州など他の地域に向かった。このため、独DAXは、最大 の上げ相場になっている。 その上、中国は1月中旬から米国産の大豆やトウモロコシの買い付け 予約を停止し、米国産LNG輸入も停止した。 トランプ米政権は関税交渉の相手国に中国との貿易制限を要求する としたことで、中国は、同国の孤立を狙う米国の呼びかけに従った 国々に対する報復を宣言した。それとともに、中国は欧州や日本に 働きかけて、共同で米国に対峙することを求めた。 こうなると、米国の孤立化することになり、ドルへの信任も揺らぎ 、それに伴い米国債需要もなくなり、金利が上昇した。普通金利が 上昇するとドル高になるがドル安になり、米国売りが鮮明になり、 ベッセント財務長官は、トランプ氏にパウエルFRB議長の解任検討を 止め、かつ関税の見直しを求めたようである。 このため、トランプ氏は、「私は(関税を)これ以上高くしたくな いかもしれないし、(予定している)水準まで引き上げたくないか もしれない。もっと低い水準にしたいかもしれない。なぜなら人々 には買ってもらいたいし、ある時点を超えると買ってもらえなくな るからだ」と述べて、中国の145%関税の見直しを表明した。 この発言で状況が好転したと市場は受け止めて、22日は米株の買戻 しで1100ドル高になっている。その後もトランプ氏から問題発言が なく、株価は上昇している。 中国への関税を50%程度にするとか、自動車部品の関税を免除すると かの関税引き下げ方向の発言が続いている。逆に中国は米国製半導 体の関税を免除するという。中国の対米関税一部除外は、合計131の 品目とのこと。 ということで、どんどん、中国や米国からの輸入品が関税免除され てきているようだ。 しかし、中国は米国との交渉に応じないと最初は言っていたが、関 税の撤廃を求めて、交渉を始めたようである。そして、やっとトラ ンプ氏も関税分の負担は米国民が払うことになると理解したようだ。 しかし、すでに関税問題で中国からの輸入品は止まり、遅くとも30 日後には、在庫分しかなくなり、3ケ月後には、米国の店の棚から多 くの商品がなくなる。特に雑貨類はほとんどが、中国製品である。 このため、輸送、港湾、小売りなどの米国企業の業績不振が明確に なる。失業者も増えることになる。このため、IMFは、2025年の世界 成長率0.5ポイント下げた。世界的な景気後退になる。 ということで、一時的に株価は戻しているが、今後3ケ月もすると、 景気後退の米株の下落が始まる。中国の代替輸入先を見つけるか、 中国との交渉で関税を低くして、中国からの輸入を再開するしかな い。 各国との関税交渉も進まずに、 トランプ氏は、90日間の関税停止後 に再度の関税停止が行われる可能性は低いと述べて、交渉の促進を 図っている。しかし、多くの国は、様子見をしている。 その状況で、トランプ氏は、「日本とよい関係で、合意に非常に近 い」と発言した。日本は中国が輸入を拒否した大豆とトウモロコシ などの農産物の輸入を拡大するのと、東南アジアの米国離れを食い 止めると述べ、その代わりに自動車の関税を10%以下にする交渉をし ている。トランプ氏としては、米中西部の農家の支持が重要であり 、日本の提案に乗るようである。 この状況で、中国側でも米国の苦境を理解しているので、中国から 米国に折れる必要もないことになる。米国の負けである。トランプ 氏の負けだ。 以後は有料版を見てください。 0.米国と世界の状況 1.日本の状況 2.ウクライナ戦争推移 3.インド・パキスタン情勢