月曜日有料版0章途中までをお送りします。 トランプ氏は、とうとう相互関税という名の重関税を世界各国に掛 けた。世界への影響は大きいが、米国の信頼は地に落ちた。今後の 日欧の政策を予想しよう。 津田より 0.米国と世界の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2024年12月4日45,014ドルの史上最高値更新、2025年3月28日は 41,583ドルで、31日は417ドル高の42,001ドル、4月1日は11ドル安の 41,989ドル、3日は235ドル高の42,225ドル、3日は1679ドル安の 40,545ドル、4日は2231ドル安の38,314ドル。 先週、株価は3200ドルの大幅な下落。2日の市場終了後の相互関税発 表で、予想より厳しい内容となり世界の株価は大きく下げている。 4日発表の雇用時計では、非農業部門雇用者数(前月比)22.8万人増で 予想の13.5万人増より10万人弱も多かったが、株価に影響しなかっ た。 この関税に対して、即刻中国は、追加関税34%を米国からの輸入品に 掛けるとしたことで、4日も2231ドル下落した。原因は、マージンコ ールの嵐が吹き荒れたことによるようであり、エブルシング・バブ ルの崩壊が起き、金も石油も下落している。NYダウは約1年前の水準 に戻した。それでも、トランプ氏は「株暴落でも私の政策は決して 変わらない」と。 F&Gインデックスも、4まで下落して強い恐怖感に襲われているよう だし、VIX指数も45.31まで上昇した。これに伴い、米10年国債金利 は3.99%まで下げている。ドル円も145円台に一時なった。VIX指数は リーマンショックやITバブル崩壊時と肩を並べる水準に迫っている。 しかし、一番怖いのが、円キャリートレードの巻き戻しが起きるこ とで、これが起きると円ドルは140円以下にもなるので、円高になる。 すると、米株も日本株も暴落になる。円キャリー20兆ドルの巻き戻 しは起こっていないが、5兆ドル程度の巻き戻しが起きているともい われている。この20兆ドルの巻き戻しが起きれば、大変なことにな る。大恐慌並みの暴落になる。 このため、日銀は当分利上げができなくなったとみられ、日本国債 の金利も下げて、1.3%まで下落した。このため、145円台で止まった。 しかし、どこまで、米株が落ちるのかが見えなくなっている。恐怖 が恐怖を呼び込む事態になっている。 トランプ氏は「長い間待ち望んでいた、解放の日だ」と述べて、 1789年から1913年までの関税に支えられた米国は世界一豊かだった と言い、その時の体制に戻したという。この時は所得税がなく、税 収は関税が主であった。 この時代に戻り、米国の製造業は復活できるというが、自由貿易の 旗手だった米国が、保護主義へと大きく舵を切る歴史的転換点であ り、これで米国への信頼を失い、覇権崩壊の事態になったようだ。 ドルの信任も失われることになる。 ベッセント財務長官はドル、金利、原油価格を引き下げることで、 今年米国債9.2兆ドルの借り換えでの金利を下げて、安い米国債を発 行し、ドル価値を下げて累積米国債の価値を下げ、原油価格を下げ てインフレを抑えることであり、このどれもが、現時点で成功して いる。原油価格は1バレル=62.8ドルまで下落している。 そして、現時点では株安を問題視していないので、PKOも行わない。 このため、V字回復もないので、当分ダラダラと下げることになる。 相互関税は、相手国関税率ではなく、(米国の貿易赤字額÷米国の 輸出額)*100/2で出されたものであり、日本24%、EU20%、中国34%、 ベトナム46%、カンボジア49%、バングラ37%、スリランカ44%、ラオ ス48%、インド 26%、パキスタン 29%とした。英国や豪州などの対米 貿易赤字国は一律10%関税のようである。 一方、ロシア、ベラルーシ、キューバと北朝鮮は関税から逃れてい るし、メキシコやカナダはリスト上にない。3月の25%関税はあるが 、USMCA対象品目は課税されないようであり影響が少ないが、一律の 自動車関税25%は掛かる。 以後は有料版を見てください。 0.米国と世界の状況 1.日本の状況 2.ウクライナ戦争推移 3.中東情勢