月曜日有料版0章途中までをお送りします。 トランプ氏は、関税や米政府要員の解雇などで、米国経済を混乱に 陥れているために、米株の暴落になるかもしれない。目まぐるしい トランプ氏の政策を検討しよう。 津田より 0.米国と世界の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2024年12月4日45,014ドルの史上最高値更新、2025年2月28日は 43,840ドルで、3月3日は601ドル安の43,840ドル、4日は669ドル安の 42,521ドル、5日は485ドル高の43,006ドル、6日は427ドル安の 42,579ドル、7日は222ドル高の42,801ドル。 先週、株価は1000ドルの大幅下落でした。ナスダック100は指数史上 2番目に長い上昇トレンドが、ほぼ2年ぶりに200日移動平均を下回っ て、AIバブルも終焉したようにも見える。また、NYダウも先週に比 べて1000ドルも下落している。 アトランタ連銀のGDP NOWでは1ケ月前にGDP2.3%増から現在はGDP2.8 %減に大幅な下降になっている。それだけ、米景気は後退が予想され ているが、3月7日の雇用統計では、2月米国非農業雇用者数は15.0万 人増になり、パウエルFRB議長も「米経済は順調だ」と説明したこと で、株価は上昇した。今月のFOMCでは、利下げはないようだ。 しかし、ベッセント財務長官は、「バイデン政権の4年間の過剰な支 出により、経済は二日酔いの状態になっている。」し、民間部門の 成長はなかった。速やかにインフレ率を2%前後にすると言っている 。もう1つは、米国の問題は歳入ではなく、支出だという。 ということで、株暴落になりそうで、政府職員の大量解雇と関連事 業の縮小での民間部門の人員削減による景気後退懸念、カナダやメ キシコなどに対して、関税を武器に外交取引を仕掛けたことによる 物価上昇の懸念からだ。これらは、米国の正常化させるために必要 だともいう。 カナダとメキシコの関税では、カナダは米国への輸出が全体の77%で 、メキシコは84%にもなるので、大きな経済危機になるはずである。 しかし、3月4日になると、自動車と自動車部品とUSMCA適用製品の関 税を4月2日まで延期したし、米国で足りない農産物も関税除外にし た。自動車業界からの要望と消費者物価上昇による支持率低下の心 配からのようである。 物価上昇の対策として、卵の価格上昇でオランダから緊急輸入をし ている。もちろん、関税はない。 カナダは、米国の関税対応する報復関税を発表していたし、電力の 輸出に25%の輸出税をかけるとした。対抗関税はトランプ氏支持の地 域をターゲットにした農産品に対してであり、米農家からは不満が 出ているので、延期したようでもある。カナダも関税を遅らせた。 この米国産農産物には、中国も15%の関税掛けるので、米国農産物が 売れなくなると、農産物価格が下落している。中国は、米国産LNGに も10%の関税を掛けるので、米国産物の輸出も少なくなる。 というように、中加メキシコの3ケ国だけでも、大きな米国内の影響 が出ている。勿論、カナダやメキシコにも影響は大きい。このため 、メキシコは、米国との交渉で、合成麻薬「フェンタニル」と不法 移民の取り締まり強化で譲歩する方向のようである。シェインバウ ム大統領は、トランプ氏との会議で不法移民対策や麻薬対策を話合 い、合意に近づいている。カナダや中国とは違う動きをしている。 その裏には、米国のトウモロコシ生産農家は、メキシコへの輸出で 大きな打撃を受けるため、トランプ政権にメキシコへの関税を止め ろと訴えている。 しかし、4月2日には、他国の付加価値税も問題化するので、多くの 国に相互関税が掛けられることになる。欧州やブラジルからの輸入 品にも25%関税掛けるなど、脅しは続いている。 この脅しに、経済面でもカナダは欧州陣営に参加する方向で、離米 になるようだ。 これへの見せしめか、トランプ氏は「カナダは木材と乳製品の関税 で何年もわれわれから搾取してきた。250%だ。彼らが関税を下げな い限り、全く同じ関税が課される。」と。早ければ7日にも、実施す るという。 しかし、この状態を続けると、米国からの農産物や石油、LNGなどの 輸出品も輸出できずに大きな影響が出るし、他方、輸入品の物価は 上昇することになる。 これでは、生産者からも消費者からも、大きな不満が出てくること になる。景気後退になり、株価も大きく下落し、雇用もなくなり、 米国の地位も下がり、米国民には踏んだり蹴ったりの状態になる。 そのまま、2年間、米国がこの状態を続けると、中間選挙では共和党 は確実に負けることになる。そうすると、そこまで苦労して形作っ た国の仕組みが崩壊することになる。 これを避けるためには、どこかで、関税を正常化して、減税と規制 緩和、金融緩和などの景気浮上の施策が必要である。 0.米国と世界の状況 1.日本の状況 2.ウクライナ戦争推移 3.中東情勢