私は二十歳になって以来30年間、お酒と言えばどう言う訳か馬鹿の一つ覚えのように日本酒ばかりを呑んでいる。
時にはワインを飲むことも有るが、真夏でない限り、燗酒を飲んでいる。
そこで今回は、その日本酒の正体を探ってみることにした。
★ ★ ★ ★ ★
一昔前までは、特級酒・一級酒・二級酒などとクラス分けされていたが、今は特撰だの上撰あるいは、吟醸酒・純米酒・
本醸造だのと何がなんだか分からない。調べてみると、平成4年4月1日から級別制度が撤廃されているらしい。
では、最近の高級酒にはどのようなものが有るのだろうか。簡単に特徴をまとめてみよう。
まず、原材料に米と米麹だけを使った純米酒と、醸造方法の違いによって吟醸と本醸造に区分されるらしい。
これらが、精米歩合の違い、醸造アルコールの添加の有無などによって高級酒として約8種類に分類される。
また、生酒と言うのも有る。お酒は、造り終えた段階でも酵母はまだ生きており、普通酒は火入れをしてから貯蔵し,
瓶詰めの時に再度火入れをしてから出荷する。しかし、生のまま貯蔵し出荷の直前に一度だけ火入れを行っている生貯蔵酒、
生酒を熱処理加工しそのまま瓶詰して出荷する生詰め酒が有る。
非常に細かな特殊フィルターを通して酵母やその他の菌を濾し取り、発酵を止めチルド輸送を行ない一度も火入れを行わず
完全に生酒の風味を保っているのが生酒である。
最後に登場するのは原酒。搾りたてのお酒は大体アルコール分が18度から19度あるが、これに水を加えずにアルコール分
の調整をしていないものが原酒である。この搾りたての酒を飲むと実に美味しい。ツンとした香りはもちろん無く、適度な
甘さと新鮮な果物の香りがする。
酵母が生きているためシャンパンのような感じがして、やわらかい旨みが口の中いっぱいに広がる。
★ ★ ★ ★ ★
さて、日本酒の造り方種類を完全にマスターしたところで、お酒の保存法を考えてみよう。
お酒の一升瓶は緑色か茶色のビンに入っている。普通のお酒は2度火入れを行うため、発酵は止まっているが直射日光や
高温に晒されるとやはり品質が劣化するからである。
従って、日当たりの良いお酒屋さんでお酒を買うのはもう止そう。勿論、搾りたてに近いほど温度に気を付けなければな
らない事は言うまでも無いことである。
生酒なら5〜6度に保つのが最適だ。吟醸酒も冷蔵庫で保存しよう。純米酒や本醸造酒は床下や部屋の隅など温度が低く
暗いところで保存しよう。