標準インクルードファイルを使ってみよう(基礎編)


POV-Rayでは,色や形,表面の材質などについて,あらかじめ定義されたものを呼び出して使うことで,画像の元になるテキスト(シーンファイル)を効率よく作成することができます。

たとえば,シーンファイルを作る時に「rgb <1 , 0 , 0>」と書くと,オブジェクト等を赤くできます。 インクルードファイルを使うと「Red」と書くことで赤をあらわすことができます。

ただし,単に「rgb <1 , 0 , 0>」を「Red」になおしただけでは足りません。インクルードファイルを使う場合は,「#include "colors.inc"」のように,シーンファイルの最初の方に宣言しておく必要があります。インクルードファイルは,POV-Rayフォルダの中のincludeフォルダ内に入っています。

「とりあえず球体の画像を作ってみましょう。」で使ったシーンファイルは,インクルードファイルを使って次のように書き換えることができます。

#include "colors.inc"
camera{
	location <0,0,-3>
	look_at <0,0,0>
}
light_source {
	<100,100,-100>
	color White 
} 
object { 
	sphere {<0 , 0 , 0> , 1} 
	
	texture {
		pigment { Red }
	}
}

インクルードファイルは,形やテクスチャなど,基本的なものがかなりたくさん定義されています。またマクロが定義されているものもありますので,標準のインクルードファイルを全部見ていくだけでも簡単じゃないです。上の例では,色をあらわすための「colors.inc」というインクルードファイルを利用しています。ほかにも,表面の材質などをあらわす「textures.inc」など,インクルードファイルは標準でたくさんあります。

インクルードファイルはPOV-Rayフォルダ内のincludeフォルダの中に入っています。「.inc」の拡張子がついているものがそうです。これはテキストエディタでも開くことができます。たとえばcolors.incを開いてみると,

#declare Red     = rgb <1, 0, 0>;

のように書いてある行がありますが,これは「Red」という記述が「rgb <1, 0, 0>」と同じだよと定義しています。シーンファイルの冒頭に「colors.inc」などと書くことによって,そのインクルードファイル内で定義されている値を使うことができるようになるのです。

なお,POV-Rayではアルファベットの大文字と小文字を区別します。インクルードファイル内で大文字で定義されていれば,大文字で記述する必要があります。最初からインストールされる標準インクルードファイルで定義されているものは,大文字になっていますので,注意して下さい。


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