警策(けいさく)




 禅寺で、座禅の時に惰気・睡気をさまさせるため、鞭うつのに

用いる長さ四尺余りの扁平な長方形の板です。        

This is a stick to use in the Zen temple.When religious meditation is done,

this stick is used.

This stick makes the training person of the tiredness and the sleepiness

wake up.

A shoulder is struck with this stick like a whip.

The length of this stick is about 120cm.





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 この警策は静岡県三島市にある龍澤寺(臨済宗)で使われていた

物で、当時の住職「中川宋淵老師」に頂いた物です。使用中に先端

部が折れ、2尺程に(約60センチ)切りつめられています。  





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 切り詰めた時に先端部に法令無親と書かれました。      

「仏法の教えの元では、特に親しい関係はない」

と言うことでしょうか?                   





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心月清晴朗

般若窟 山本玄峰 老師 書




正法眼蔵抄抄録


はじめに

 『正法眼蔵』の注釈書はたくさんあります。その中からどれを選択したらよいか。私は最も古く最も権威があって信頼のおける注釈書を選びました。それが『正法眼蔵抄』です。『正法眼蔵抄』は、道元禅師の弟子詮慧の弟子経豪が、京都永興寺で1303年から6年かけて、『正法眼蔵』(75巻本)を、詮慧の「御聴書」に基づいて注釈した、『正法眼蔵』の最初の注釈書です。用語は古くて難しいところがある反面、極めて簡潔で明瞭、誰にも分かりやすい注釈書だと信じています。
 いうまでもなく、『正法眼蔵』全巻をくまなく拝誦、味読するにこしたことはありません。しかし、全巻は一般に通読することさえ容易ではありません。それで、『正法眼蔵抄』各巻から要所を数行ずつえり抜いて、抄の抄録『抄々録』を作りました。これを精読すれば全巻の要旨をほぼ概観できるものと信じます。
 もともと、この『抄々録』は、自分たちの勉強用に作ったものですから、専門家のご覧に供せるものではありません。しかし、難解なのと膨大な分量に恐れをなして、人類文化の至宝ともいうべきこの『正法眼蔵』を、全く敬遠している方がいるとすれば、そういう方がお一人でも、素人が勉強用に作った、この『抄々録』によって、気安く『正法眼蔵』に親しむ契機を得てくだされば幸いです。

平成十年一月一五日


目 次

第一   現成公按    第二   摩訶般若波羅密   第三   仏性
第四   身心学道    第五   即心是仏      第六   行仏威儀
第七   一顆明珠    第八   心不可得      第九   古仏心
第十   大悟      第十一  坐禅儀       第十二  坐禅箴
第十三  海印三昧    第十四  空花        第十五  光明
第十六  行持      第十七  恁モ        第十八  観音
第十九  古鏡      第二十  有時        第二十一 授記
第二十二 全機      第二十三 都機        第二十四 画餅
第二十五 渓声山色    第二十六 仏向上事      第二十七 夢中説夢
第二十八 礼拝得髄    第二十九 山水経       第三十  看経
第三十一 諸悪莫作    第三十二 伝衣        第三十三 道得
第三十四 仏教      第三十五 神通        第三十六 阿羅漢
第三十七 春秋      第三十八 葛藤        第三十九 嗣書
第四十  栢樹子     第四十一 三界唯心      第四十二 説心説性
第四十三 諸法実相    第四十四 仏道        第四十五 密語
第四十六 無情説法    第四十七 仏経        第四十八 法性
第四十九 陀羅尼     第五十  洗面        第五十一 面授
第五十二 仏祖      第五十三 梅花        第五十四 洗浄
第五十五 十法      第五十六 見仏        第五十七 遍参
第五十八 眼睛      第五十九 家常        第六十  三十七品菩提分法
第六十一 竜吟      第六十二 祖師西来意     第六十三 発菩提心
第六十四 優曇花     第六十五 如来全身      第六十六 三昧王三昧
第六十七 転法輪     第六十八 大修行       第六十九 自証三昧
第七十  虚空      第七十一 鉢盂        第七十二 安居
第七十三 他心通     第七十四 王索仙陀婆     第七十五 出家


おわりに

 昭和六年、「禅の生活」という月刊雑誌が当時はどこの駅売店でも売っていました。この雑誌が縁で、芝の増上寺大門前にあった禅の生活社へその雑誌の主幹山田霊林先生(後年の永平寺第七十五世貫首)を訪ねました。先生は、いつも温顔で迎えてくれました。私は、社で催される土曜坐禅会の常連となり、昭和九年夏には伊東市の松月院で催された一週間の坐禅会へも参加しました。
 昭和三十九年三月に三島市へ転居してから、市内にある竜沢寺僧堂の月例接心会へ参加し、中川宋淵老師のご指導を受けました。また宋淵老師のご指示で、安谷白雲老師に約三年間、東京、大阪、熊本、北海道と各地を参禅して廻りました。
 昭和四十七年また竜沢寺僧堂へ戻り、昭和五十九年三月十一日、老師ご還化に至るまでご指導をいただきました。
 昭和六十二年五月から、市内の法華禅寺で毎月二回開催する坐禅会へ参加して、住職田中徳潤老師のご指導をいただくこととなりました。ところが、導師のご住職が修善寺へ晋山されたので、惜しくも、この坐禅会は第九十回を最後に取りやめとなりました。毎回楽しみに参加していた者たちは、突然巣から投げ捨てられた雛鳥のような有様でした。そのころ私は、『正法眼蔵抄』を自宅で独学していましたので、それでは一緒に勉強しましょうかということで、それから、毎月第二月曜日午後七時からの勉強会が始まりました。平成四年二月十日でした。最初の一、二回は『正法眼蔵』のご本文数行を印刷して配り、それを読んだのですが、次第に『正法眼蔵抄』の注釈文と字句の注解と、それに私の稚拙な解説を併せて印刷し、それを配るようになりました。それでこの『抄々録』が出来たわけです。
ひとえに老師さま方並びに同友の皆様からいただいたご報恩のおかげでして、心からお礼申し上げます。勉強会は平成九年八月十一日、第七十五巻「出家」を拝読して終りました。


書 名;経豪禅師に学ぶ ・・・正法眼蔵・・・ 抄抄録
編著者;佐久間寅之助(さくまとらのすけ)
 大正四年、東京生。日本大学法文学部文学科哲学専攻卒業。日本大学第一外国語学校、私立 光生中学校その他で教鞭をとる。十七才で初めて山田霊林老師に禅を学び、後年、中川宋淵 老師、安谷白雲老師に師事す。昭和六十二年三月以来、当時三島市内の曹洞宗法華禅寺住職田中徳潤老師のご指導を頂いて今日に至る。
制 作;大法輪閣
内 容;正法眼蔵抄の解説書
    全二百八十五ページ
定 価;2200円+税(送料310円)

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