GAY CINEMA DATA


BLUES HARP(98)
監督:三池崇史
田辺誠一/池内博之/山田辰夫/ミッキー・カーチス/奥野敦士他
田辺誠一が、ブルースハープ奏者の池内博之くんに恋する、野心家のヤクザ役 で初のゲイ役。といっても、別にラブシーンなどはありませんが、池内くんの 裸のお尻を悩ましげに見つめたり、「俺のこと好きか?」と尋ねたり、弟分に 嫉妬されたり、池内くんの為に命駆けたり、なかなかセンチメンタルな映画に なっていて、青春映画として楽しめます。背中一面彫り物の田辺さんのオールヌードが セクシー。歯磨きシーンもイイです。(のねこさん)
傷だらけの天使(97)
監督:阪本順治
豊川悦司/真木蔵人/三浦友和/原田知世/余貴美子/類家大地/菅原文太/杉本哲太
私はこれを見るたびに泣けてしかたないのです。かっこつけてる豊川より、こういう 二枚目半の彼の方が好き。 友達以上恋人未満の精神的ホモ関係の久(真木蔵人)と満(豊川悦司)の腐れ縁の珍道中 が、美しい東北の自然を背景に、優しく描かれている大傑作だと私は思います。昔のショーケン のドラマとは別の作品として見て下さい。久の満への献身ぶり?がとてもいじらしい。 「スケアクロウ」「真夜中のカーボーイ」等に通じるバディ・ムービーの邦画の傑作で、 豊川悦司全身タイツ姿のおまけ付き(笑)。(のねこさん)
愚か者〜傷だらけの天使〜(98)
監督:阪本順治
出演:真木、鈴木の他に、坂上みき、大楠道代、大杉漣、豊川悦司など。
阪本順治監督による「傷天」シリーズの2作目。といってもこれは前作の前のお話でまだ久と 満は出会ってません。今回は久(真木蔵人)が主人公で、彼のぼろアパートに転がり込んでくる勝 (鈴木一真)との変な関係が、またまた精神的ホモ状態?久はどうも男に好かれるようです。今回も 笑えるシーンの連続の中で、切なくて誰かに寄り添わずにはいられない哀しさが滲んでいて、 泣いてしまいました。ラストで満との運命の?出会いがあってふたたび感涙(笑)(のねこさん)
きらきらひかる(92)
監督:松岡錠司
なんだか豊川悦司ものばかりになってしまいました。 ついでついでに(笑)「男たちのかいた絵」では豊川は2重人格のヤクザを演じていて、気の弱い彼と 粗暴な彼がお互いに愛憎関係にあるかのごとく見えて、一人クイア的に感じるのは私だけ・・かも しれません。深読みすぎ(笑)
精神的に不安定な笑子(薬師丸ひろ子)が夫にしたのは、ゲイの医者睦月(豊川悦司)。睦月には 大学生の恋人(筒井道隆)がおり、3人はお互いを傷つけながらも拒絶するでもなく、優しい共生 関係になってゆきます。どこまでも優しい睦月は決して肉体的に愛してはくれないけど、理想の夫かも? 豊川と筒井くんのぎこちないキスシーンありです。豊川悦司的には武田真治と必要以上に くっつきあう兄弟役をやった「NIGHT HEAD」の方がクイア向きかも、 ついでに「エンジェル・ダスト」では悦司、アンドロジナスでっせ。(のねこさん)
ピショット PIXOTE (80)
監督:ヘクトール・バベンコ
出演:フェルナンド・ラモス・ダ・シルバ/マリリア・ペラ/ジョルジ・ジュリアーノ
H・バベンコが「蜘蛛女のキス」の前に撮り上げた出世作。 ブラジルの都市のスラムに何の身寄りもなく、貧困生活を余儀なくされている子供達。 そんな子供達のひとり、10歳のピショットを主人公に、暴力が渦巻く感化院での悲惨な日々、 そして、脱走して仲間達と汚い犯罪に手を染めていく姿をリアルに描写。

ブラジルの町にストリート・チルドレンが数百万人もいるという現実に驚かされると共に、 そんな弱肉強食の世界で独自の社会を形成し、その中でしたたかに生きていく少年達の姿に ひたすら圧倒される。少年院でのレイプ・シーンが凄い。 数人がかりで弱い新入りを輪姦するのだが、翌朝犠牲者の少年が病室に運ばれた後、毛布 が血に染まっているのがリアルだった。ごみ箱に胎児が捨ててあったり、思い付く限りの 悲惨な光景が映し出され、これに比べるとイギリスの底辺を描く「ニル・バイ・マウス」 「レイニング・ストーンズ」でも生易しいと思えてしまうほどだった。


パフォーマンス/青春の罠 PERFORMANCE (70)
製作・監督・脚本:ニコラス・ローグ
出演:ジェームズ・フォックス/ミック・ジャガー/アニタ・パレンバーグ
ビデオのみの発売とされていたミック・ジャガー主演の幻のカルト映画。 ヤクザな青年チャスは、チンピラを殺したことから暗黒街の組織に追われるハメになった。 逃亡途中で、ある館に入り込むが、その館の所有者ターナーは引退したロック・スターで 二人のガールフレンドと共に退廃的な生活を送っていた。チャスは次第にターナーの妖しい 魅力に引きずり込まれるようになる。

麻薬的なトリップ感覚とでもいうのだろうか。ニコラス・ロ−グらしく時間と空間を縦横無尽に 交差させて描く手法は、混乱してしまうが麻薬のような甘美な趣がある。 何といってもミック・ジャガーのユニ・セックスな美しさが出色。 彼ってこんなに妖艶だったのね。また、60年代サブ・カルチャーが随所に見られて面白い。


カリギュラ CALIGULA (80・米)
製作:ボブ・グッチョーネ
脚本:ゴア・ヴィダル
監督:ティント・ブラス
出演:マルカム・マクダウェル/ピーター・オトゥール/ヘレン・ミレン/サー・ジョン・ギールグット
米国のペントハウス誌のオーナー、ボブ・グッチョーネが46億円を投入し、 1世紀前半のローマ帝国の悪名高き皇帝カリギュラを主人公に官能と頽廃を 描いたハード・コア長編。

ボブ・グッチョーネは平凡なことにはまったく興味を持てず、学校も中退、ヨーロッパを 旅しながら芸術家、料理人、俳優、私立探偵、漫画家などの職業を転々とした後、 イギリスで通販システムによって(要するにヌードを売りにして事前注文で金を 集めたのだ)男性向けヌード雑誌「ペントハウス」を創刊。ペントハウスは売れに売れ、 その儲けた金でボブは映画に投資して成功を収める。しかし、映画製作の末端に 関わったくらいで満足するボブではなく、自分自身で映画を製作したいと目論むように なり、自らペントハウス・フィルムズ・インターナショナルという映画製作会社を 作り、その第一作が「カリギュラ」だった。
シナリオは傍若無人な発言で絶えずトラブルを巻き起こしていた米文学界の問題児 で「マイラ」の原作者であるゲイ作家ゴア・ヴィダルに持ち込まれ、監督は「サロン・ キティ」のティント・ブラスが起用された。 出演者はマルカム・マクダウェル、ピーター・オトゥール、ヘレン・ミレン、サー・ジョン ・ギールグットなど豪華なたる顔ぶれだが、スタッフ、キャストの誰もが自分達が関わろう としている作品がハード・コア・ポルノになるとはこの時点では一切知らされていなかった。 ピーター・オトゥールなどは「ポルノに出るつもりじゃなかった」と後でボブを訴えると まで言っていたほどである。ちなみにこの作品はピーター・オトゥールの中では「なかった つもりの映画」となり、現在記憶からきれいに抹消されているそうだ。 気の毒なのはマルカム・マクダウェルで、彼は「タイム・アフター・タイム」で 共演したメアリー・スティンバーゲンと結婚したが、その時アーカンソー州の田舎に 住む彼女の両親に「ポルノ男優と結婚するなどとんでもない」と猛反対に合っている。 「カリギュラ」はこのように後にも先にもトラブルがつきまとう作品で、ボブは撮影中にゴア ・ヴィダル、ティント・ブラスを解任。ついに自分でメガホンを取るハメになるが、そのため、 この作品はサイテー映画道をひた走ることとなる。
ボブが後から取り足したシーンは、性器を丸写しにしたハード・コアのシーンがほとんどであり、 当然ながら日本で公開された「カリギュラ」は、完全に原版そのままではない。 政府の税関に示唆されて、輸入会社が精密に手を加えた"修正版"なのであるが、 アメリカで最初に公開されたヴァージョンは凄まじかったそうだ。 ボブは、アメリカの映倫にあたるアメリカ映画協会(MPA)を通さず、ニューヨークの劇場を 一部買い取って独占上映したのである。それより先に公開されたイタリアでは「道徳的に不快」 として六日間で上映中止になっていたことが話題を呼び、アメリカでも上映が中止される恐れ があるとの噂が広まり、映画館の前には長蛇の列ができた。どんなに酷評されようとも映画は客が 入りさえすれば勝てば官軍。その後、劇場を増やし、フランス、ドイツ、デンマークでも大ヒット。 イタリアも再上映をせざるを得なくなる。大衆は己れの好奇心と下半身に正直だったのだ。

さて、この史上最大の見世物映画「カリギュラ」のどこがqueerかというとカリギュラは祖父帝 ティベリウス同様、両刀使いで(ローマの皇帝のほとんどがそうだったが)、部下とデキて いたり、臣下の結婚式で花婿のオカマを掘ったりしている。 男性観客をターゲットとしているため、レズ・シーンはこれでもかというくらい登場するが、 日本ではとにかく何もかもが霧の中〜、で何が何やらサッパリだった。(別に結合部のアップ なんて見たかないけど)ああ、こりゃサイテ〜。 参照:「底抜け超大作」洋泉社/劇場公開用パンフレット


キャリントン Carrington (95・英)
監督:クリストファー・ハンプトン
出演:エマ・トンプソン/ジョナサン・ペイス/サミュエル・ウェスト
私にとっては、眠い映画だった。退屈な映画というわけではないのだが、初見時風邪引いて体調が 悪かったのに加えてヒロインに全く共感できなかったから。 ゲイの作家リットンを一途に愛しぬいた女流画家の壮絶な人生と言えば聞こえがいい が、キャリントンが都合のいい時にだけ男を利用している様にしか見えなかったのだ。 ほんとに愛する男がゲイで自分を女として愛してくれないから寂しさを紛らわせる為に 他の男に走る気持ちは、わからないでもないけどそれだったら男達にもそれなりの誠意を 見せるべきだと思う。
今の現状に満足できないからすぐに相手の男に物足りなさを感じ、不倫に走る彼女を私 は単なる我侭で勝手な根無し草の様な女だとしか思えなかったのだ(描き方が悪いのか)。 ゲイの作家を忘れようと刺激的な情事に身を投じるのだろうけど、自分が本当に愛して、 真心の愛を捧げているのはあのリットンだけだから満たされるわけがない。 リットンも人間として自分の半身としてほんとに愛していたのは彼女だと気付くのだが、 時既に遅く、病であの世に旅立ってしまい、キャリントンは後追い自殺をする。 私は、最後に人が死ぬ話は嫌い。実話だから仕方ないのかもしれないけど「永遠の愛に 生きて」のルイス教授みたく、その死を乗り越えて力強く生きていくというラストが好き。

しかし、こういう映画は英国の田舎の美しい風景が売りですね。 それだけでも結構楽しめましたが・・・ まあ、今度英国に行ったら本物のキャリントンの絵を鑑賞してみたいものである。


ケーブル・ガイ The Cable Guy (95・米)
監督:ベン・スティラー
出演:ジム・キャリー/マシュー・ブロデリック/レスリー・マン/ベン・スティラー
ふとした事から心の病んだケーブルTV工事人に付きまとわれるハメになった男の喜悲劇を 描くブラック・コメディ。

コメディでもなし、完全なスリラーでもなく、ちょっと中途半端な感じがした。 ひたすらジム・キャリーの特異なキャラクターを見せる事に終始していたように思う。 復讐のやり方もどこか中途半端。 どうせやるなら徹底的に見せて欲しかった様な気がする。
最初からヘンなヤツだという事がミエミエなのでマシュー・ブロデリックも下 手に関わらなければ良かったのにと思ってしまうのだ。 そういう、優柔不断でお人好しなキャラクターをなかなかうまく演じていたけ どこの人、年取ったねえ・・・。とっつあん坊ちゃんの道まっしぐらといった所か。

私のお気に入り「ミッドナイト・エクスプレス」のパロディが出た(^^) J・キャリーの趣味?


3人のエンジェル To Wong Foo, Thanks for Everything, Julie Newmar (95・米)
監督:Beeban Kidron
出演:ウェズリー・スナイプス/パトリック・スウェイズ/ジョン・レグイザモ/ストッカーズ・チャニング
「プリシラ」同様、ドラッグ・クイーンの珍道中を描くロード・ムービー。
車の故障で足止めを食う保守的な田舎町を彼(彼女)ら持ち前のパワーで感化していくといった物語だが、 保守的な田舎町で横暴な男達に虐げられている女性や若者の内面に踏み込んでいる分、「プリシラ」より 共感を得られるかも。
余り綺麗でないなー、と思っていた一番若い子が「エグゼクティブ・デシジョン」に出ていたジョン・ レグイザモだったのにはビックリ。でも、可愛い。車に乗せてもらう若い子に惚れてしまう乙女心(?)を 可愛く演じていておかしかった。 私の好きなウェズリー・スナイプスはここでも驚かしてくれます。 まさに黒人版カメレオン俳優ですねー。 一番ケバくてパワーのある黒人のお姉ちゃんになりきっていてマル。 姉御肌のパトリック・スウェイジは、男の時は余り好みの顔でないのだけど なかなか品のいいオバちゃんになっていたと思う。 「プリシラ」で言うとテレンス・スタンプの役所でしょうか。(ユミさん)

男の人ってオカマを演じる時、実に楽しそうに生き生きとしていますが、男性って 皆、女装願望とかあるものなのでしょうか? 現に演劇やってる男の人が、少なくとも演じる事や演出する事に興味のある人は皆 そういう傾向がある、 と言ってました。一種の変身願望かな。(erin)

天の邪鬼気質ゆえ「プリシラ」と殆ど同一設定のハリウッド映画が面白いわけな いべな、殊に主演はマッチョ大爆発なW・スナイプスにP・スウェイジ、辛うじて 女装似合いそうなのはJ・レグイザモだけだしなとたかをくくってみましたらば、 さすが皆さま演技の世界でもまれて成長していただけのことはあるようで(^_^;)確 かに優雅さという点ではT・スタンプおじさまには及びませぬが、それなりに物腰 柔らかな雰囲気を醸し出していてなかなかでございました。肩幅やら胸板やらがが っしりしているのは隠しようもなかったようですが。。スナイプスなんかあげな面 構えなのに時折キュートにも見えるから不思議です。レグイザモお嬢ちゃんは可愛 いのですが、歌舞伎の如き濃ゆいメイクなのにはちょっと閉口。それでも、脚が綺 麗(しかも色白)なのは大したもんだと感心してしまったりして。

どっからどう見てもマッチョ風おかまなのは明白なあのメンバーが、いくら地方の 小さな村とはいえ実は男性とはバレるまい、と信じて疑わないのはあからさまに不 自然なので、レグイザモお嬢ちゃんに恋した村のあんちゃんが彼を彼女とはなから 信じていて、それを後ろめたく思った彼(女)が身を引いたり、スウェイジ姉さん が彼(女)をおかまちゃんだと知りながらに親友と呼んでくれた事を村の主婦から 告白されて驚くといった描写はいささか興ざめでした。レグイザモお嬢ちゃんが男 性と仲良くなった事に対する周囲の反応が、スウェイジやスナイプスを始めとする 友人たちも含めて「あなたは本当の女ではないのだから身を引くべきだ」というの はちょいと引っかかるものがありましたし…(要するに身分を隠して彼とつき合う 事に対する非難なのでしょうが、だったら実は自分はおかまなのだと打ち明けた上 で相手の反応を見ればいいだけであって、何故に一足飛びに交際を絶たなくてはい けない、という結論に行かねばならぬのか納得できませぬ) 3人の好演もあってか最後まで見ることは出来るし「プリシラ」とは別の物語として 感じることも出来るのですが(どちらも衣装が強烈ながらどこか可愛らしい、という のが共通点なのはちょいと嬉しい)おかまちゃん達はあくまでポジティブでハッピー なのだ、という事がやや大袈裟に描かれているような表面的な印象は拭えなかったの が残念でした。(鳩三礼さん)


MISHIMA
監督:ポール・シュイレーダー
出演:緒方拳/佐藤浩一/沢田研二/長嶋利之
「金閣寺」など彼の作品を劇中劇として盛り込みながら、彼の人生を辿っていく。

ぴあシネマ辞典にも載ってない幻の作品。ようやく再見することができました(^^;)。
三島役の緒方拳が男とダンスを踊っているところしか覚えてなかったのだが、沢田研二が 出ていた事をすっかり忘れていた私。劇中劇の主人公だが、30代半ばでこの美しさはスゴイ。 三島が少年の時に「聖セバスチャンの殉教」の絵を見て、自らのセクシュアリティを自覚する ところがあるが、デレク・ジャーマンもセバスチャンを題材にしているように何かこの聖人の受難の絵は ある種の人々の特別な感情を呼び起こさせるものがあるのかもしれないなどと思ってしまった。
三島の主張はかつて軍国主義に苦しめられてきた国民から見ると時代錯誤も甚だしいが、高潔な侍の 精神を忘れてしまった日本人というくだりには妙に共感してしまった。確かに日本は腐っている。 それでも軍国主義よりはるかにマシだけど。


SEBASTIAN (95・ノルウェー)
監督:Svend Wam
出演:Hampus Bjorck/Nicolai Cleve Broch/Ewa Froling/Helge Jordal/Lena Olander
16歳のSEBASTIANが親友ULFへの思いに気付き悩みながら成長する姿が描かれてい ます。 教育映画なのかと思うほど、SEBASTIANの周りは良い人ばかりなのでリアリティ は少ないかもしれないが、ロンゲの綺麗なお兄ちゃんやROCK MUSIC 好きの私に はたまらなく楽しめた映画。(SEXシーンとか、そういうコアな物はないので期 待はしないように(^ ^) )
SEBASTIANとULFの家庭環境の違いにも興味を覚えました。 SEBASTIANの家庭は、とにかく豊か。進歩的な考えを持つ両親と三人暮らしで家 も広くて充実している。 彼の部屋のポスターに「マイ・プライベート・アイダホ」やドアーズのジム・モ リソンが張ってあるのにもニヤリとさせられる。服装も良い子風で成績も良さそ う。両親ともいろいろな会話をする。 一方、ULFは、たまに返ってくるどうしようもない父親と仕事に追われる母親。 そして母親の居ない時に面倒を見なければならない二人の幼い妹と住んでいま す。彼の服装は、レザージャケットを着たりとミュージシャン風なもの。自分が将 来、父親のようになることを恐れています。

圧巻はULFがSEBASTIANの家に遊びに来て、二人ではめを外すシーン。 プロレスをしたり、二人でアイラインを引いてロック風のメイクをし、はたま た、アイライナーで身体に落書きし、音楽に合わせてヘッド・バンギングしてみ たり・・・。最後に落書きを落とす為に二人で風呂にはいっちゃったりします。(藤沢さん)


FOR A LOST SOLDIER (92・オランダ)
監督:Roeland Kerbosch
出演:Maarten Smit/Jeroen Krabbe/Andrew Kelley/Freark Smink/Elsje de Wijn
第二次世界大戦終結前後のオランダが舞台になっています。 12歳の少年JEROME(現在の彼{かなり親父になり、振り付け師になっていま す。}の回想シーンから物語が始まり、又、現在に戻り素敵なラストへ)のドイ ツ軍から解放しに来たカナダ人兵士との初恋を描いています。 細部まで神経が行き届いていて、JEROMEが子供ながらゲイ的資質を彼に出会う前 から持っている事や、相手の兵士の家族の事など、目立たない何気ない所まで良 くできています。 幼い初恋ながらも真剣なJEROMEの様子に引き込まれます。

NYで上映されているときに見ました。オランダ語の部分は英語の字幕が付い ていたので、かえって私には理解し易くてありがたかった。小説を映画化したも のだそうです。アメリカやイギリスのゲイシーンでは、話題になっていたので、 ビデオも簡単に普通の店頭で見つけられます。(イギリスのヴァージンのビデオ チャートにもランク・インしてました。)(藤沢さん)

バレエ振付師のユルーンが回想する第二次大戦終了直後。アムステルダムから地方へ疎開し、そこで終戦を迎えた彼は当時12(or±1)歳で、初めて家族と離れた不安に夜尿してしまうほど。が、そこへ連合国軍のカナディアンGIがやってきて一気に祝祭ムードに。疎開先の家庭で年長少年と寝起きしていたユルーンは、ませた親友が早くも異性への性の目覚めを発動しているのを横目に、どうやら自分は同性に興味があるかもしれないと思案。そしてGIのひとり=ウォルトとの秘密めいた交際から、やがて明確に自身のセクシャリティを認識していくが、その時すでにウォルトは本国へ送還になっていた。
少年ユルーンを演じる子があまりに幼くてこれは下手するとコード抵触するんでは?と思わすんだが、まぁ当時と今じゃオトナコドモの線引き違うし、イヤがる子を無理矢理、ってんじゃ全然ないし、回想者としてはあくまで「美しい思い出」的流れを意図した映像だしで、とりあえず時代も鑑みセーフ、でしょうね(一応アメリカでV発売されてるし)せめて15,6歳設定だともっと安心できんですが、良く考えてみりゃその年だと下手すりゃ招集されてたってこともあり、やっぱりこうならざるもえなかった、とひとつ納得理由。 第一このユルーン君、実はコドモでもなんでもなくて、言葉通じないのをいいことにひたすらニコニコして可愛さふりまき、ウォルトがかなりマジに「君は特別なんだ」云々のモロコクり状態で言い寄っているのを、銃の手入れにうつつを抜かして「忙しいんだから黙ってよ!」なんて言ってしまうぐらいです。それに思わずシュンとなるウォルトが可哀相ってなもんで、コドモってほんと機微を知らなくていい特権のためいくらでも残酷になれるもんなんですね。それも含めてひとは少年時代を振りかえり、懐かしみ、いとおしむことができるんだろうけども(案の定、ユルーンはいなくなって初めてウォルトの不在に涙する) 物語としては前述3作含め随一。やはり失われて痕跡も残っていない半世紀前という時代がノスタルジーも駆り立て、よりドラマティックに見せるのでしょう。ちょっと「野性の葦」に通ずる欧州懐古録にも思えわたしは嫌いじゃないんだけど、某IMDbの感想に「原作を読め!映画は忘れろ!」なんて厳しい意見もあって、うーん難しい。。。(スギオメルさん)


LOOKING FOR LANGUSTON/RESONANCE(88・英)
監督:Isaac Julien
出演:Langston Hughes/Jimmy Somerville
確かイギリス映画でセリフはなくて、ダンスを踊ったりしているのでなんか 珍しいクィア映画です。写真のような映像です。監督・俳優一切分からないのですが アップリンクからビデオがでています。(NONBOOさん)

IMDBで調べてみて驚いた。なんとコミュナーズのジミー・ソマヴィルが出ている ではないか。この映画に関する情報更に求む。ほんとにジミーったらどこに行っちゃった んでしょうね。(erin)


アナザー・ルームメイト
出演:マリアム・ダボ/マーゴ・ヘミングウェイ
その独占欲ゆえに疎遠になっていたルームメイトに再会したヒロインが 再び執拗につきまとわれるというストーカーもの。可もなく不可もない凡百のサスペンス。

映画そのものよりもヒロインに執拗につきまとうかつてのルームメイトを 先日急死したマーゴ・ヘミングウェイが演じているという事の方が興味津々だった。 この人を見るのは実に「リップスティック」以来なのですが、実はジーナ・ デイビスとかローラ・ダーンタイプのごつい男顔だったんだと再認識。 追いかけられるヒロインはをマリアム・ダボが演っているのだが、かつての ボンド・ガールも落ちたなあって感じ。
ちょっと原題がわからないのでIMDBで調べようがなくて、監督の名前がわからなくて 残念。


ぼくのバラ色の人生 Ma vie en Rose(97・フランス)
監督:アンリ・ベンリエール
出演:ジョルジュ・デュ・フレネ/ジャン・フィリップ・エコフェ/ミシェール・ラロック
7才の少年リュドヴィックの願いは女の子になること。スカートをはいていつか好きな男の子と結婚 したいという素朴な夢を抱いているが、周囲の人々からはとまどいと好奇の目で見られ、やがて 拒絶される。

目も当てられないイジメの描写に"普通"の人々のゲイに対する偏見というのをこれでもかというほど 見せつけられて暗澹たる気分にさせられた。 糾弾されるべきは、弱者を苛めて喜んでいる子供達の方なのに、ただ単に女の子の格好をすることが 好きで、女の子になりたいと願っているだけの子供を一方的に異常者扱いし、ここまで執拗に追いつめて 苦しめる必然性があるのか疑問に思ったが、親にとって自分の子供がゲイになるかもしれないという 不安感というのはここまですごいのか、とそういう点でもちょっとビックリ。多少誇張が入っている ような気がしたけど「IN&OUT」よりひどい差別の数々には、いい加減ウンザリしてしまう。 あの両親にしても最後にはリュー君を許す(?)のだけれど、それは彼自身のことを本当に理解したからでは なく、彼が無理矢理友達に女の子の服を着せられたということを知らずにぶって悪かったという反省 及び自殺でもされたら困るからしぶしぶといった感じで、彼の全てを受け入れたからではないのだ。 結局彼らが何も学んでいないということを思い知らされて、ガッカリ。 新しい引越し先の隣人が彼らの良き理解者になるのではないかと思わせるのが救いだったが、 その辺をもっと突っ込んで描いて欲しかったと思うと残念。

それにしても、リュー君は髪の毛長い方が絶対可愛いと思うのですが・・


北国の帝王 EMPEROR OF THE NORTH
監督:ロバート・アルドリッチ
出演:リー・マーヴィン/アーネスト・ボーグナイン/キース・キャラダイン
今世紀初頭、アメリカ横断列車を使って無賃乗車で移動するホームレス(ホーボーというそうです)たち。 もちろん違法なので、鉄道会社は彼らを捕らえようとするのですが、その中で、今までただ一度も 捕まったことのない伝説のホーボーがいた。それがL.マーヴィン演じる「北国の帝王」なのです。 彼と、彼を捕まえることに異常な執念を見せる冷酷非情な車掌(E.ボーグナイト)との壮絶な闘いが 列車の中で、繰り広げられるのですが、なにしろ全く女が出ない!唯一出るのは腋毛をそる女だけ。 (どこで出るかはお楽しみ) 「帝王」を出し抜いて、名を挙げようとする若いホーボーでK.キャラダインが出ているのですが、 マーヴィンとの絡みがとてもよい。中野翠さんと石川三千花さんが「師匠と弟子」と言っていたけど、 いきがって、自分に突っかかってくる若者に手を焼きながらも、生きる術を教えていくマーヴィンが 最高です。キース君は今でこそアメリカのセクシー男優の片翼を担っている(とわたくしは勝手に 思っている)人ですが、この時はまだ若くてとてもキュートです。ほんと、あの「エロエロ」キースと 同じ人物とは思えないほどです。そして、偏執的な車掌との確執も深読みすればかなりアヤしい。 L.マーヴィンは、マッチョとはまたテイストが違うハードな「男」を感じさせる人です。 あの胸の厚みが堪らん。基本的に細身の男が好みなのですが、この人(とS.コネリー)は別格。 酔いどれガンマンで出ていた「キャット・バルー」でも結構アヤしいシーンがありましたっけ。 年老いた男と若い男のコンビは数あれど、J.ギャバンものと並んで格が違うように思います。 (おクチさま)
デッドマン DEAD MAN
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ジョニー・デップ/ゲイリー・ファーマー/ランス・ヘンリクセン/イギー・ポップ
舞台は荒くれ男たちが闊歩する19世紀後半のアメリカ西部。とにかく最初から最後まで人が殺される 血生臭い話なのに一貫して静謐な空気が流れる。この作品は人は死ぬためにどう生きるかという 人間の最大の課題を荒々しい手法で問いかけていると思います。あまりにも殺人が多いという 批判もあったようですが、わたくしには、なにかあるとすぐ銃を抜く、という歴史を延々と 繰り返してきたアメリカに対するジャームッシュの痛烈な皮肉のように感じられました。 それまで銃を扱ったことも無かったひ弱な男が、[生きているのに死んでいる]状態になって、 自分の死出の旅の準備のため殺人を重ねて行く。彼の手は血に染まっているはずなのに、 どんどんと清らかな顔になってゆく。そんな男をジョニー・デップが好演しています。 彼に絡む人間も、癖のある奴らばかりで、道先案内人となるインディアンのノーボディ(今はネイティブアメリカンといわなくちゃならないけど、この時代は「インディアン」です。歴史的な意味も含めて)との交流は単なる友情以上のものを感じます。R.ミッチャムが出ているのも嬉しいし、なんといっても人食い三人組のうち の一人が、イギー・ポップなのが最高!おまけに女装!彼がデップの髪を撫でながら、舌なめずりをしつつ、「石鹸で洗ってるのか」とかなんとかいう(セリフをよく覚えていない。すみません)シーンには笑ってしまった。 この作品を観ると、ジョニー・デップって本当にきれいな男だなぁと思います。 特に死んでいる仔鹿と添い寝する姿の美しさ!モノクローム映像の勝利ですね。 と、いうかデップに惚れ込んだジャームッシュが最大限に彼の魅力を引き出したと言った方がよいかも しれません。監督の役者への愛を感じる作品。(おクチさま)
GONIN GONIN
出演:佐藤浩市/本木雅弘/根津甚八/竹中直人/椎名桔平/ビートたけし/木村一八
バブルが弾けて借金まみれになったディスコのオーナー、万代(佐藤)はやくざの取りたてに 追われる毎日。そんな中彼は一人のチンピラ、ミツヤ(もっくん)に出会う。万代はミツヤと元警官の男(根津)、そしてリストラされたサラリーマン (竹中)らと組んでやくざの事務所へ押し入り大金を手にするのだが・・

二組もホモのカップルがでてくる邦画なんてめずらしいかも。(^^;;)まずミツヤと万代の熱々カップル。 万代が強盗計画を話すシーンはかなりミツヤにせまってるし、最後の方ではキスシーンまであります。 2人が逃亡する前にふざけて遊ぶ姿もなかなかかわいい。もう一組は彼らを狙う殺し屋、たけしと木村一八の 2人組。こっちはやくざもんお決まりの兄弟です。サラリーマン(竹中)の家でやっちゃうシーンには かなりびっくりしました。(^^;;) やくざの事務所に押し入るシーンとかアクション面でもけっこう楽しめる映画だと思うのでまだの人は ぜひお試しあれ!(トモさん)

「レザボア」のパクリっぽい映画。佐藤浩市の本木雅弘に寄せる思いが濃厚に 描かれています。前出のたけしが木村一八を乱暴に犯す場面はスゴイ。(JAMさん)


I think I do(98・米)
監督:ブライアン・スローン
出演:アレクシス・アークエット、クリスチャン・ヌーレン、ローレン・ヴェレス他
ストーリー:ワシントン大学に通う6人の男女学生。ボブとブレンダンは親友だが、ある夜自分たちの ホモセクシャルな感情に気付く。深まっていく恋、ボブはお互いの友情が薄まっていく気もした。 5年後キャロルとマットの結婚式で彼らは再会した・・

すごく見てて幸せな気分になる映画でした。監督の体験をもとにしてるだけあってゲイの日常的な姿を 温かく描いています。主人公の友人たちも明るくて魅力的です。中でも一番よかったのがセクシーな タラコ唇のアレクシス・アークエット。ブレンダンに振られて涙を流すシーンは最高にキュートです。(トモさん)

ゲイ映画というとやたら疎外感やら苦悩ばかりが強調されていたが、(そういう映画の方が感情移入 しやすいのだが。「モーリス」や「VG」のように)これはゲイをアウトサイダーではなく、ごく普通の 人達としてその恋愛模様を自然な感じで描いているところに好感が持てる。彼らの感情が微妙に揺れ動く様ががごくごくさりげな〜く伝わってくる。ただ、振られた 俳優の恋人が気の毒ではあったが。(erin)


ブルックリン最終出口 LAST EXIT TO BROOKLYN(89・西独=米)
監督:ウリ・エデル
出演:ジェニファー・ジェイソン・リー/スティーブン・ラング/バート・ヤング/ピーター・ドブソン/ アレクシス・アークエット/スティーブン・ボールドウィン
ヒューバート・セルビー・Jrのベストセラーを西独(当時)のウリ・エデルが映画化。ブルックリンで 美人局をして暮らすチンピラと情婦(ジェニファー)やそこで働く労働者の男たち、そしてドラッグ クイーンたちの人生模様。 ジェニファー・ジェイソン・リーは90年にニューヨーク批評家協会賞で助演女優賞を受賞している。

映画は暗くてあんまり好みじゃなかったのですが、けっこう主役らしき労働者が女房・子供がいるのにゲイの男にのめり込んだり、 チンピラたちがゲイの部屋に遊びに行ったり、とQueerな雰囲気が漂った映画でした。それに、『I think I do』のアレクシス・ アークエットのオカマ役という貴重な映像が見れてうれしかったです。腰を振りながら歩いたり、男物のズボンの下に女物の下着を 着けてたり、とかなりキュートなアレクシスが拝めます。おまけに『スリーサム』でも共演してるスティーブン・ ボールドウィンもチンピラ役で出ています。アレクシスが彼に「あんたとは絶対に寝ない」と言って、 スティーブンが怒るシーンはドキドキしてしまいました。(*^^*)(トモさん)