かぶとむしランドセル/ふくべあきひろ、おおのこうへい/PHP研究所

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かぶとむしランドセル/ふくべあきひろ、おおのこうへい/PHP研究所


■第308回/かぶとむしランドセル

かぶとむしランドセル このコーナーの第274回で紹介した「たべてあげる」のコンビの絵本。筆者が小学校に入学した、今となってはかなり昔の頃はランドセルといえば男児は黒、女児は赤と決まっていたし、機能的にもデザイン的にも今ほどいろいろなものがあるという時代ではなかった。今はもうランドセルにはまったく無縁の年齢になってしまったし、子どもたちもそんな年齢ではなく、今度ランドセルに関わるとしたら孫が小学校入学という頃になる。

 今は本当にカラフルなランドセルがあるようだし、これも時代の流れなのだろうが、今回紹介する絵本に登場するのは、何とかぶとむしランドセルである。主人公の男児・いえみつのところにおじいちゃんから入学祝いのランドセルが届いた。ところがあけてみてびっくり!何とカブトムシのランドセルだったのである。

 いえみつは普通のランドセルの方がいいと思ったが、お母さんにせっかくのプレゼントだからと言われ、しぶしぶそのかぶとむしランドセルを背負って登校する。背負うとちょうどかぶとむしの角が頭の上に位置して、それがまるで殿様のチョンマゲのようで、いえみつは入学した日から「とのさま」というあだ名をつけられてしまった。

 しかもそのかぶとむしランドセルは授業中にフンをしたり、給食時間にはかってにゼリーを食べたり、高い木の上に登ってしまったり、いえみつが好意を寄せている恩女の子にいたずらしたり、くわがた先生に敵対心を抱いたりと、いえみつにとってろくでもないことばかりだった。怒ったいえみつは、かぶとむしランドセルを学校の裏山に捨てて帰ってしまう。ところがその帰り道、むしゃくしゃして蹴った缶が当たった猛犬にいえみつは追いかけられてしまう。

 間一髪のところで助けてくれたのは、かぶとむしランドセルだった。羽根をバタバタさせ、いえみつを^の背中に覆いかぶさってそのまま空高く飛んだのである。かぶとむしランドセルを背負って空を飛ぶいえみつは、それ以来学校の人気者になった。クラスのみんなもいえみつのかぶとむしランドセルを貸して…とせがみ、いえみつは本当の殿様気分になったのだった。

 お話の展開は単純といえば単純ではあるが、肩肘張らずにストレートに一気に読めるユニークな絵本である。前述した通り、今やいろいろなランドセルが存在するご時勢である。もしかして、本当にこんなランドセルが登場するかもしれない。もちろん、本物のかぶとむしではなくてもかぶとむしのスタイルをして、モーターがついていて、空を飛べるようなランドセルが…。でもやっぱりランドセルはノーマルなスタイルと色の方いいかな、などと筆者は思うのだが…。


◆かぶとむしランドセル
●作/ふくべあきひろ●絵/おおのこうへい●1,296円(税込)●PHP研究所刊
かぶとむしランドセル
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