ペツェッティーノ/レオ・レオニ、谷川俊太郎/好学社刊

おすすめの1冊看板

ペツェッティーノ/レオ・レオニ、谷川俊太郎/好学社刊


■第299回/ペツェッティーノ じぶんをみつけたぶぶんひんのはなし

ペツェッティーノ 主人公はオレンジの四角い物体である。名前はペツェッティーノである。タイトルや出だしからして少々風変わりなお話のイメージだが、内容は「自分探し」をテーマとした結構深遠なものである。

 ペツェッティーノは他のみんなに比べて小さいから、きっと自分は誰かの部分品なのだと思っていた。そして、それを確かめようと決心する。最初に出会ったのは足の長い走る物体。ペツェッティーノは自分が彼の部分品ではないかと尋ねる。

 すると、走る足の長い物体は「部分品が足りなくて走れるわけがない」と否定する。ペツェッティーノは次に出会った大きな強い物体にも同様に聞く。すると強い物体もまた同じように「部分品が足りなくて強いはずがない」と否定する。

 ペツェッティーノは、海で出会った泳ぐ物体ににも、山のてっぺんにいる物体にも聞いてみたが、答えはすべて同じだった。最後にペツェッティーノは洞穴に住む賢い物体に、どうしたら自分の正体を探せるのかと訊ねた。

 すると、賢い物体はこなごなじまに行ってごらん…と教えてくれた。小さなボートに乗ってこなごなじまにたどり着いたペツェッティーノは、木や草もまったく生えていない小石の山のようなこなごなじまを登ったり降りたりして歩いたが、とうとう疲れ果ててつまずき、転がり落ちてしまった。そして、粉々になってしまった。

 その時、ペツェッティーノは自分自身も他のみんなと同じように部分品が集まってできている物体であることに気づいた。ペツェッティーノは元気を取り戻して、粉々になった自分自身を拾い集め、足りない部分品がないことを確認し、ボートで元の場所に戻った。「ぼくはぼくなんだ!」…ペツェッティーノは大喜びで叫ぶと、待っていた他のみんなもうれしそうにペツェッティーノを迎えた。

 登場する物体はカラフルな色彩だが、全て四角形を中心とした非常に抽象的なものである。何となくその物体が何を表わしているのか想像できるものもあるが、一体何なのかまったく不明な物体もある。走るやつ、とか強いやつ、とかその名前も漠然としている。しかし読む側にはその正体がわからなくてもそれはまったく無関係のこととして話の展開について行ける。もしろ正体不明の物体だからこそ、よりお話の展開が浮き彫りにされてくるという効果が倍増するのかもしれない。

 こうした「自分探し」をテーマとした絵本は他にもあるが、この「ペツェッティーノ」はいかにもレオ・レオニならではの表現ではないかと思える。主人公ペツェッティーノの「ぼくはぼくなんだ!」という言葉が、この絵本の意図することを集約しているのではないかと思う。


◆ペツェッティーノ
●作・絵/レオ・レオニ●訳/谷川俊太郎●1,572円(税込)●好学社刊
ペツェッティーノ
▼この本を購入したい!という方は
このページで紹介の「ペツェッティーノ」は右の表紙画像をクリックすれば直接この絵本の紹介&ご購入ページにジャンプできます。
▲ページ先頭に戻る

TOMODACHI MUSEUM Copyright(C)SADAO MARUYAMA All Rights Reserved.