心穏やかに/エッセイ

60歳

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 ■第96話/60歳■

 2月20日でとうとう60歳になった。世間で言うところの還暦である。赤いちゃんちゃんこである。正直なところ自分でも信じられない思いであり、また非常にショックでもある。今や超高齢化社会ゆえ、60歳などまだまだ…なのかもしれないが、筆者にとっては絶望的な気持ちである。年を重ねるのは生き物としては当たり前のことであり、誰も避けられないことではあるが、とにかく妙にショックである。

 一体何がそんなにショックなのか、実のところ筆者にもよくわからないのだが、大げさなようだが、「もう終わった」という気持ちである。実際、誕生日というものは若い頃はプレゼントをもらったり、祝福されたり、一種のイベントのようでうれしくもあったが、年齢を重ねるにつれ、誕生日が決してうれしいものではなくなるのは誰でも同様かもしれない。が、何故だか今回の60歳はとにかくショックなのである。

 筆者はインターネットでポイント稼ぎが目的でアンケート等もよく回答しているが、アンケートゆえ性別、居住地域等とともに年齢の項目があるが、今までは50〜59歳にチェックを入れていたが、これからは多くのアンケートの年齢項目の60歳〜にチェックを入れなくてはならない。よほど高齢者向けのアンケートなら更に細分化され、70歳〜くらいまで項目があるが、ほとんどのアンケートでは60歳以上は上限年齢として、60歳〜と言う項目である。

 59歳でも年齢を聞かれると、答えるのに少々抵抗があったが、もうこれからは年齢を聞かれるのも憂鬱な気分である。もう「老人」の域に入ってしまった感でいっぱいである。できることなら年齢は聞かれたくないし、答えたくもない。

 今、トリプルワークをやっているが、そのうちの2つの職場は、それほど年齢に抵抗を感じるような職場ではなく、早朝清掃など、むしろ60歳でも「若い」年齢に属する職場である。が、周囲がほとんど20〜30歳台の職場では、当然ながら60歳などというと突出して高齢である。「オジサン」などではなくもう完全な「おじいさん」である。もう後はこの世から消え去る時を待つのみである。確かにトリプルワークなど、とても年齢相応の労働形態ではないことをやっている。

 順風満帆な、平和な人生なら定年を向かえ、悠々自適の生活で、片手間に働いて、自分の趣味に存分に没頭している年齢である。ところが今の自分はどうだろうか?とんでもない状態である。この年齢にして、今までの中で最も過酷な労働形態で毎日を過ごし、当面は借金を返済することだけが生きている役割のように365日年中無休。

 3時間前後の睡眠時間で、絶えず睡魔に襲われ、それでも借金が残っている以上、決して心が安らかになることもなく、ほんのちょっとの贅沢すら罪悪に思えてしまう始末である。楽しいことは何一つなく、相変わらず多くの場合、「貧乏くじ」を引き、アンラッキーの押し寄せる波にもがいている。ちょっとくらい何か楽しいことでもないかな…と思う。ちょっとくらい心ときめくことがないかな、と思っても何もない。

 こうした思いは全て気持ちの持ちようであることはわかっていながらも、さすがにあまりに長期間に渡ると厳しいものがある。どんなことにも終わりがあることは紛れもない事実ではあっても、その終わりは千差万別である。夜勤の職場では、いつの間にか寝ているというか、気を失っているというかそんな状態も多々ある。

 もっとも夜勤の同僚は筆者のトリプルワークを知っているし、夜勤勤務時間の半分以上を冷暖房完備の事務所ではなく、ほとんど外と言えるような場所で勤務している筆者に同情してくれて、場合によっては起こしてくれたりもするし、少なくとも1時間であれば休憩時間内で何をしようと寝ようと当人の自由ゆえ、別に後ろめたく思うこともないのだが、それでもやはりいつの間にか「落ちて」しまっている自分自身にはショックである。眠い…からうたた寝してしまったとかいう次元ではなく、気がついたら寝ていた、気を失ってした…という状況は悲惨そのものである。

 やりたいことはいろいろあっても、到底そんな時間はない。トリプルワークも1年3ヶ月になるが、それまでの実体験を元に、極力負担が少なくなるように、3つをうまく組み合わせて、極力1日をダブルワークで済ませるように時間帯と曜日を設定しているが、週5日勤務が2つと週4日勤務が1つのトリプルゆえ、必然的に完全な休みの日は存在しないことになっている。どこかで3つをまとめて週1日でも完全オフの曜日を設定すればいいのかもしれないが、人間はもともと怠け者の生き物だから、1日でも楽をしてしまうと、逆に次の日が辛いのでは?と思え、あえて休日がないスケジュールを組んだ。自業自得でもある。

 正直なところ、もし時間の余裕が持てたら、どうしたいのか?と言うとはっきりとはわからなくなっている。睡眠不足ゆえ寝たいのか、というと確かに寝たいが、長時間寝てしまうと今までの短時間睡眠のツケで、逆に体調不良になったり、頭痛に襲われたりする。それにたくさん寝たとしても、決して気分爽快になるわけでもないし、寝過ぎは逆に余計眠くなったりすることも体験済みである。

 住宅ローンを含め、借金返済のために体力を使い果たし、早く楽になりたい…ともがいている。ある意味では追い詰められた時、それなりにドラマチックな結末を迎えてきた自分自身の「運」だったと思うが、今回の長い夜はどんなドラマチックな結末が用意されているのか…自分自身の持っているものをひたすら信じるしか、今は方法がない。


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