心穏やかに/エッセイ

みかん

徒然エッセイ
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 ■第94話/みかん

 非常に恥ずかしい(?)ことであるが、実は今までみかんはもらうもので、決して自分から率先して購入するものとは思わなかった。…と、言うのは果物の中では最もポピュラーと言えるみかんだが、筆者は特に好きな果物とも思っていなかったし、かといって嫌いな果物でもなかった。だからお歳暮等で知り合いからいただいたり、日常的に誰かからもらったりしても特にうれしいわけでもなく、もらっても食べるということも稀だった。

 もらったはいいものの、そのまま食べずに置きっ放しにして食べるのも忘れて、結局は捨ててしまうということも多々あった。どちらかというと「甘党」の筆者は、みかんイコールすっぱい果物というイメージがあり、特に食べたいとも思わなかったのである。よく、みかんはビタミンCが豊富で健康にもいい果物とは聞いていたが、あえて率先して食べたいとはまったく思っていなかった。

 ところがある日、突然大のみかん好きになってしまった。筆者は3人兄弟の末っ子で、姉・兄がいるのだが、今年のお歳暮で突然、姉がみかんを送ってくれた。箱を開けてみると小ぶりのみかんがたくさん入っており、「な〜んだ、みかんかよ〜。あんまりうれしくないな〜」と思った。ところが、何を思ったのか、筆者はおもむろに1個、みかんを食べてみることにした。

 そして、その瞬間に一気にみかん大好き人間に変貌したのであった。「甘い!みかんってこんなに美味しかったか?」「皮をむくだけで、そのまま食べられるし、これで栄養もあるならいうことなしじゃん!」…姉が送ってくれたのは愛媛のみかんだったのだが、そのまま3〜4個食べた。そしてその時、はてっ?いったい何でいままで、みかんをあまり食べなかったのだろうか?と思った。

みかん 特に明確な理由はない。前述した通り、特に嫌いなわけでもなく、もちろん食べたこともあったが、どういうわけか、筆者にとってみかんは日常食材ではなく、それこそ、何も食べるものがなければ、仕方ない、みかんでも食べるしかないか…というような調子だった。ところが、それが、姉からのもらい物みかんで、その美味しさに驚嘆してしまったのである。そんな調子で一気に姉からお歳暮でもらったみかんはなくなってしまった。

 こうなるとどうしたらいいか?誰かまたみかんを送ってきてくれないかな?などと調子のいいことを考えるが、そういう時に限ってどこからか妻宛に送られてきた果物はりんごであった。りんごも別に嫌いではないし、むしろ以前はみかんとりんごなら筆者は迷わずりんごを選択していたが、今となってはもはやみかんが筆者にとっては上位にランクされているのだ。

 なくなってしまうと無性に食べたくなる。今まではみかんが置かれていても、まったく見向きもしなかったのがウソのようである。買うしかないか?…筆者は決断した。が、今まで買ったこともないゆえ、果たしてみかんがいくらくらいで買えるのかもさっぱりわからない。大型スーパーの売り場でチェックしてみると、一袋(大きさにもよるが、6〜10個入り)で400円〜600円くらいであった。

 そしてその時、初めてみかんに「糖度」の表示があるのを知った。12〜13くらいの糖度だとどうやらかなり甘いらしい。しかし、筆者の今の厳しい家計状況では高いみかんは到底買えない。そこで、少々難あり…ということで、8〜10個一袋になっている税込400円ちょっとのみかんを、この年になって初めて買ったのである。

 外側には確かにこすれた跡があるみかんであったが、糖度は12〜13ということで、姉からもらった愛媛みかんには及ばないものの、満足できる甘さのみかんだった。何ということだ!今までもっと、みかんを食する機会はいくらでもあったのに、それをみすみす捨ててきたとは…不覚である。

 おもむろにみかんについてネットで検索してみると、みかんのビタミンCは2個で大人の1日分のビタミンCが補充できるとのこと。さらにみかんに含まれているビタミンAはβカロチンで、温州みかん系に多いクリプトキサンチンはガンの抑制力が強いとのこと。また同じく含まれているビタミンPには血管壁を丈夫にする働きもあるとのこと。さらに繊維も多く、腸内の浄化力があり、直腸がんの予防にもなるらしい。

 本来はみかんの皮に栄養素が多く含まれていて、ビタミンCは実の3倍、血管中のコレステロールを取り除くテレビン油も含まれているから皮も食べる方がいいとのことだが、さすがに皮はちょっと…だが、みかんはいずれにしてもいいことずくめの果物のようである。

 そうか、そうだったのか!みかんの素晴らしさを知るにつけ、今の今までの不覚を悔やむ気持ちである。姉は筆者の現状のトリプルワークと過度の睡眠不足を気遣ってくれ、ビタミンCをしっかりと取って…とみかんを送ってきてくれたが、今の今まで何も知らなかったのは痛恨の極みである。

 …が、物事に遅いことはない。気づいた時をスタートとすればいいことである。少なくとも気づかずにいるよりははるかにいいことである。今後はみかんが筆者にとって日常的な果物になるであろうことは間違いないだろう。今の過激な状況で、遅ればせながらみかんの価値を知ったことは何かの暗示なのかもしれない。


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