不思議な人たち(?)★エッセイ

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 ■第7話/不思議な人たち(?)■

 通勤バスや通勤電車を利用されている方なら、ほとんどの皆さんがだいたいご自分の時間帯というものを設定されていることと思う。もちろん、ごくたまには寝坊したりすることもあるだろうから、ご自分の指定のバスや電車に乗り遅れることもあるだろうが、何にしても基本的には指定車を設定されていることだろう。

 たいていの通勤者がそうだとすると、必然的にメンバーも決まってくるのが道理である。いつの間にか、会話を交わさないまでも、「ああ、あの人だ」と思ったり、たまにそのメンバーが乗っていなかったりすると「あれ?今日はあの人はどうしたのだろう?有給休暇でも取ったのだろうか?それとも寝坊したのだろうか?」…とちょっと気になったりする。

 筆者も今ではかつての勤務地とは異なる場所に勤務しているゆえ、その通勤経路も変わってしまったが、かつては同じバス、同じ電車で通勤していたから、当然バスでの固定的メンバー、そして通勤電車での固定的メンバーというものが存在した。中でも何やら特徴的な人には勝手にニックネームなどをつけていたものである。通勤バスでは、「デン助おばさん」がいた。はて?いったい何のこっちゃ?と、まったく理解できない方は筆者とは年齢のギャップがある方で、このニックネームだけでピンとくる方は筆者とほぼ同じ時代に幼少期を過ごした方ということになる。

 「大宮でん助劇場」というテレビ番組が確か日曜日のお昼頃に放送されていた。コメディで、鼻の穴を黒くしたでん助おじさんの日常をコントを交えて放送する公開番組だったと記憶しているが、このでん助おじさんが、まるで不二家のペコちゃんみたいに首をふらふらさせる仕草がなぜか今も記憶に残っている。…さて、「でん助おばさん」であるが、このご婦人は年齢的には多分50歳半ばくらいと思われるが、筆者が当時乗っていた通勤バスで決まって乗車していたお方である。筆者よりいくつか前のバス停から乗車するために、基本的には前の方の席に座っておられる。ある日のこと、このご婦人の妙なクセが気になった。筆者は順番からいっても、この「でん助おばさん」よりも後ろの席に座ることになるから、必ずこのお方の後ろ姿を拝見することになる。う〜ん、どうにも首がすわっていないかのごとくなのである。微妙に首がふらふら揺れるのである。気になるともう余計気になるものである。毎日のごとく、この方の後ろ姿、しかも微妙にふらふら揺れる首の動きを観察していて、かつて幼い頃にテレビで見た「でん助劇場」を思い出し、このご婦人のニックネームを「でん助おばさん」と命名したのである。

 そして、通勤電車。筆者はほぼ決まった時間の決まった場所から乗車していたが、何故か目を奪われる男性が1人いた。…といっても筆者にその手の気はないので、くれぐれも誤解のないように。気になるその男性は年齢はおそらく50代半ばすぎかと思われるが、何やらどこかで見たことのある顔だったのである。そうそう、俳優の田口計さんだ!ご存じだろうか?最近はテレビに出演されているのかどうかよく知らないが、筆者が記憶する限りでは、宇津井健主演の「ザ・ガードマン」(これも知っている人は結構な年齢ですかね?)で、よく医者に扮していた俳優である。その顔立ちから、どちらかというと悪役が多かったと記憶しているが、結構メリハリのきいた特徴的な容姿で、1度見たら記憶に残る顔ではないだろうか。その田口計さんをちょっと和らげたような風貌の男性がいたのである。この田口計さんばりの男性も結構早朝から勤務のようで、しかも帰りもごくたまに同じ電車で見かけることもあり、遠距離通勤そうで大変だろうなぁ、と心の中で思っていたものである。

 さて、このかつてのバス通勤および電車通勤での密かなお知り合いの二人だったが、筆者が勤務場所が変わり、それに伴って時間帯もまったく変わってしまったために、もう2度とお目にかかれないものだと思っていた。ところが!な、何と、まず意外な時間帯で田口計氏ばりの男性を見かけた。その時間帯がじつは突拍子もない時間帯で、始発から2番目という早朝電車である。たまたま、筆者は仕事の都合で始発から2番目の電車に乗車したのだが、何と田口計氏ばり男性もこんな早朝電車に乗っていたのである。「いったいこの人に何があったのだろうか?この人もやはり勤務先が変わったのだろうか?はたまた、たまたまこの日だけ何かの都合でこんな早い電車に乗っているのだろうか?」と思わずにはいられなかった。 

 そしてさらに驚くべきことが!前述の「でん助おばさん」である。な、なんとこの「でん助おばさん」はさらにその上を行っていた。筆者はが仕事の都合で始発電車で3日ほど連続して通勤していたことがあったのだが、ちゃっかりこの「でん助おばさん」も3日連続で始発電車で通勤されていたのである。だが、不思議である。筆者は最寄りの駅まで30分以上、テクテクと歩いているのである。そんな時間に通勤バスなど運行されていないから当然であるが。が、「でん助おばさん」もそんな時間帯に駅にいるということは、いったいどのような手段を用いて、駅にたどり着いているのだろうか?通勤バスでは筆者よりもいくつか前の停留所から乗車していたはずである。と、いうことは少なくとも筆者よりは駅から遠い場所に住んでいるはずである。にもかかわらず、平然とこんな早朝に駅にいるとは?例のゆらゆら揺れる微妙な首の動きは見られないが、間違いなく「でん助おばさん」なのである。

 何とも不思議な人たちである。いったいこのお二人に何があったのだろうか?なぜ、かつてから比べて非常に早い時間帯にシフトしたのであろうか?かつての常連メンバーとの意外な再会に、筆者は懐かしさよりもむしろ、その不思議な行動に驚嘆するばかりだったのである。

 …が、よ〜く考えてみると、そうした不思議な人たちに再会する筆者も、逆を言えば、相手から同じように思われていることになるのであろうか?「こんな早い時間に電車に乗って、通勤しているなんて、いったいあの人は何している人だろう?」…そう思われているのはもしかしたら、きっとお互いさまなのだろう。結論からすると、そういう意味では筆者も充分に「不可思議な人」の1人ということなのだろうか?


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