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中高年オヤジ再就職決定!

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 ■第57話/中高年オヤジ、ついに壁を突破!■

 昨年の10月末でそれまで勤務していた会社を「前倒し定年退職」し、求職活動をしてきたが、遂に再就職先が決定した。決定…といっても正社員では契約社員という身分ではあるが、その会社は実績主義であり、40歳以上の雇用は全て契約社員なのだが、正社員登用の道もあり、また給料も固定給で当初は少々厳しい条件だが、実績を上げればポンと給料を上げてくれる会社とのこと。しかも業務も今までの自分自身のキャリアを有効活用できる制作業務でもあり、筆者としては何ともホッとしたというか、本当によかった…と思っている。

履歴書 それにしてもハードだった。前倒し定年退職だ…などと前向きに考えていたが、想像以上に中高年の再就職はハードである。結局、ハローワークからの紹介状とネットの求人サイト、新聞の折り込み求人情報等も含め、応募した会社は100社を超えている。その中で面接までたどり着いたのはほんの5社程度である。

 あとは片っ端から書類選考で不採用のオンパレードだった。応募した会社から3〜4日電話連絡がなければ、まず書類選考での不採用である。とにかく一歩前進できるとしたら電話連絡がある。それが昨年中でわかったから、応募後4〜5日経過して、その会社から郵便物が来ると、もう開封しなくても不採用だとわかった。

 ハローワークでは親身になって叱咤激励してくれた担当者の方から「年齢は関係ない」と何度も言われたが、当人は「年齢以外のなにものでもない」というのが結論だった。Webやグラフィックデザインなどは、もう筆者の年齢では対象外なのである。いくら作品等を送っても年齢が56歳では面接する必要もないのである。アウトなのである。

 考えてみれば自分が採用する側だったら、56歳の中高年オヤジが応募してきたらどう対処するだろうか?その作品や履歴を見て、仮に一定のレベルはクリアしていたとしても、世間一般的な「定年」まで、わずか4年足らずのオヤジなど採用するわけがない。せいぜい40代半ばくらいまでが限度ではないだろうか。

 筆者の場合、2月が誕生日ゆえ、求職活動を始めたのは55歳だったが、途中で56歳になってしまった。この年齢になると55歳も56歳も大して変わらないと思うかもしれないが、当人にとっては1歳年をとったことは大きなマイナス材料だった。誕生日を過ぎて56歳になって以降は、もう今までのスキル中心の制作関係は断念し、世間一般的に中高年可や中高年歓迎と言われる職種にシフトを考え、実際にそうした職種にも応募したり、面接にも行ったりした。退職金の切り崩しと失業保険で支給されるお金でしのいできたが、それもまもなく限界を迎える時期でもあったし、何とか最悪でも6月からは仕事に就き、7月は給料としての収入を確保しなくてはならない状況でもあった。

 警備会社や軽自動車でのルートドライバー、ビジネスホテルのフロント業務兼Web管理業務などもあった。アルバイトとしてポスティングの会社にも登録に行ったり、説明を聞いたりもした。捨て身になる覚悟があれば、何でもできるかなと思った。プライドなど関係ないと思えば、とにかく働いて生活を維持することが最優先だと思った。

 家の住宅ローンがまだ5年弱残っており、仮にどこか再就職できたとしても大幅な収入減は免れないゆえ、銀行に行って、月々の返済額の減額の相談もした。3〜4年返済期間が延長されても、月々の返済額を現状より減らすしか方法はないからである。精神的にもかなりきつかった。途中からは活動状況を妻にも言わず、ただ面接に行ってくるからという程度で、一切隠密行動にした。例え妻であっても結局は他人である。別人である。自分の状態や考えは100%理解してもらうことなどできないのだ。

 そして、かつての同僚…当然ながら他人の就活である。親身になって協力などしてくれるはずもない。そんなことはわかっていても、やはり何とも悲しいものである。所詮は自分で何とかするしかない…それをつくづく実感した。筆者が前の会社を退職した時、数ヵ月のズレで同僚が何人か退職した。しかし、その同僚たちは当然なのだろうが、キチンとした下準備をしていた。だから当然、筆者のような苦戦をすることなく、すんなり新たな職場につき、比較的いい待遇で勤務しているようである。そんな同僚の様子を見て、筆者はつくづくバカだと何度思ったことか。ある会社に応募する際に同僚にかつてのコネを少しでも有効活用したいから、ちょっと上の人を通して口ききしてもらえないか頼んだ。しかし、打診する前に多分無理だと思うからと断られた。

 別の同僚は来月になったらちょっと話してみる…と言ってくれたが、結果はその前に不採用通知が来てしまい、行動してもらう前に結論が出てしまった。もしすぐに動いてくれていたら…とも思ったが、こうしたこととて、決して同僚を責められるものではない。もし自分がその立場だったらどうだろうか?と考えたら、やはり他人事だと思うかもしれない。

 今回、何とか再就職先を決定できたが、実はその会社は昨年12月に一度、面接まで受けて、課題としての原稿案を提出したのだが、そこで不採用となった会社だった。つまり数ヵ月後に再チャレンジしたということである。これも普通ならどうなのか?と思われるかもしれない。一度不採用になった会社に期間を置いてまた応募するのは、まるで入試に落ちて、浪人して再受験するかのごとくである。

 ラッキーだったのは一次面接の時の担当者が2度めだったこともあるのかもしれないが、親身になってくれ、何と社長面接の段取りをとってくれたのだった。ようやく二次面接としての社長面接にたどり着いたものの、ここで社長から徹底的に言われ、かなりムカつき、凹んだ。その時点で2度めのチャレンジできっぱりと踏ん切りがついた。もう不採用で結構、後悔も未練もありません…という状態になった。

 が、まったくダメ!とダメ出しされた原稿案で、どういう方向性なのかというヒントを得た。そこで、あまりの悔しさに、不採用で結構、しかしこのまま引き下がれるか!と思い、選考は度外視して追加で案を提出した。何とそれが、100点満点と社長に評価してもらい、結果的には採用につながった面もあった。一次面接の担当者の異例のサポートがあったことは言葉にならないくらい感謝し、恩義も感じているが、結果的には自分の力で、何のコネもなく、採用をつかんだ、という実感がある。食らいついたから道が開けたように思う。

 …書類選考で不採用の連続、職種を変えて面接に行っても、労働条件の割には厳しい給与や待遇…それが56際の中高年オヤジの現実なのだ、と頭では理解しながらも自分一人で生活しているわけではなく、家族があり、住宅ローンを抱えている身分ゆえ、月々の必要生活費確保の方法を懸命に模索した。

 そうした大きなプレッシャーからようやく開放された。口頭で内定連絡をもらっても妻には言わなかった。何せ1度、原稿案提出まで行きながら、手のひらを返されたように不採用通知をもらったことがトラウマになっていたからだ。しかし、それも必要提出書類等を受け取ったことでいくら何でも大丈夫と確信した。ほっとした。自分のことながら「よかった」と思った。

 内定連絡を口頭でもらってからもつい最近まで、ネットで求人サイトを検索したり、新聞折り込みの求人チラシを見ている自分が妙に面白かった。もういいんだよ、探さなくても…自分に言い聞かせながらもつい見てしまうのは、この5ヵ月間で染み付いた習性である。結果的には「年齢の壁」を超えた…と思う。もちろん、ラッキーだった要素もあるが、行ったり来たりを繰り返し、その結果はある意味ドラマチックな結末となった。

 どうにも耐えられないからと、他の辞めた同僚のような周到な準備もなく、無謀にも前倒し定年退職したバカな筆者だったが、何ともそれがまた筆者としては自分らしいと思えるのだ。サラリーマン生活としてこれがラストステージである。住宅ローンも期間延長せざるを得ない状況に変わりはないから、定年60歳で本当の定年退職などできなくなった。だから実績を上げて、継続雇用してもらえるようにすることが必須である。定年退職後に、小遣い稼ぎや健康のために、体を動かすためにどこかの会社で働く…という余裕状態などではない。

 まして契約社員である。1年単位での更新である。プロ野球選手のごとく、成績が芳しくなければクビである。1年1年が勝負であり、60歳までの腰掛などではなく、むしろ時間がない分若い人たちより頑張らなくてはならない。しかし、この5ヵ月の大苦戦を思えば、再就職先が見つかったことに何よりも感謝しているし、1度不採用になったことで、「やれる!」という予感がある。前の会社で数年間飼い殺しされ、苦しんだことも発奮材料になっている。最後のチャンスである。自分らしく、新たな道を進みたいと思っている。

Qちゃん とにかく、本当によかった。ホッとした。正式出社まで3週間あるから、その間にちょっと休息しつつ、事前準備を万端にしておくつもりである。5ヵ月という短い期間かもしれないが、初めて体験する結構ハードな精神状態の日々だった。そんな日々を救ってくれたのは愛犬Qちゃんの存在だ。誰にもこぼせない苦痛をQちゃんにはよく話した。そして散歩しながら気分転換しつつ、いろいろな対策も考えた。何か作業していると決まって「邪魔」するQちゃんだが、今回のハードな5ヵ月間を乗り越えられたのは間違いなくQちゃんの存在である。だからQちゃんにも感謝している。


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