心穏やかに/エッセイ

トイ・フォックス・テリアPocoちゃん

徒然エッセイ
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 ■第56話/ワルガキ犬poco見参!■

ポコ01 じつは、今まで隠していたのだが(別に誰に対してというわけではないのだが)、我が家には今年1月末に新たに愛犬が1頭加わっていた。なぜ今の今までひた隠しにしていたかというと、昨年の10月末で勤務していた会社を退職し、求職活動中で、退職金の切り崩しと夜のバイトと、ようやく2ケ月前から給付が始まった失業保険で何とか生活を維持している肩身の狭い身分ゆえ、そんな状況下で本来ならペット飼育などもってのほか!と批難されるべきところ、さらにまた1頭増えた…などと公表しようものなら世間から非難中傷の嵐が殺到することを懸念していたのである。

 もちろん、自身の状況を十分に把握していたから、当然新たに1頭犬が増えれば、それこそ生活を圧迫することは目に見えていたことである。にもかかわらず、あえてそうしたのには実は筆者自身としてはそれなりの理由があったからなのだが、それは伏せておきたい。その伏せておきたい理由以外にちょっと言い訳させてもらうなら、以前パピヨンのレオとポッキーを飼っていた時もそうだったのだが、1頭だけだとやはり可哀想なのでは?という推測からレオに続いてポッキーを飼うことにした経緯があった。

 もっとも当時はまだ経済的に今とは比べものにならない程余裕があったと言える状態だったからだが、今回の場合は、経済的にもとんでもない事態であり、なおかつQちゃんの性格からして、果たして「仲間」を希望しているか?と考えると多少の疑問もあった。

 というのはQちゃんは全体的には精悍なイタグレだが、性格は優しく、臆病で甘えん坊のワンちゃんで、1頭だけの方が自分だけに飼い主の愛情が集中した方がいい犬ではないかと思っていたのである。だから新たにワンちゃんを飼うといじけてしまうのでは?という不安があったのである。

 そんな時、たまたま日常的に利用している某大型ディスカウントストアで「ペット大集合!」という新聞広告チラシが入っていたのを目にし、いろいろな犬種が見られるとのことだったので妻と見に行ってみたのだった。筆者はもし万が一、もう1頭飼うならやはりQちゃん同様のイタグレがいいと思っていたから、そのストアに行っても必然的にイタグレばかりに目がいった。ところがやはりイタグレは高価だし、Qちゃんのように「売れ残り」という超特価での販売などしていなかった。

ポコ02 そんな時、目に止まったのがあまり見たこともないトイ・フォックス・テリアのオスとメスだった。書かれている説明を見ると、日本では非常に珍しい犬種でほとんど見かけることもない…とのこと。こんな説明を読むと、つい気を引かれるのが人間の心理である。希少価値…などと知ると、ついこのチャンスを逃したらなどという気になってしまうものである。ただ、そのためか販売価格は決して安いものではなかった。Qちゃんを購入した時の3倍以上の価格設定である。これでは今の生活状況、自身の求職中という身分からしても到底手の出るものではない…と諦めた。

 しかし、その後もどうにも気になってしまった。そこで、そのフェア最終日に、再び妻と息子とそしてQちゃんを連れて見に行ってみることにした。フェアも最終日になれば、もしかしたら価格も値下げされているかもしれない…と思うと同時に、もう売れてしまっていないかもしれないとも思った。もし売れてしまっていたらそれで諦めるつもりで、とりあえずATMでこの金額なら…という額だけは引き出して準備していった。

 果たしてそのトイ・フォックス・テリアはまだオス、メス両方とも売れ残っていた。価格も当初よりは1〜2万だが安くなっていたが、それでも相変わらずQちゃんの3倍の値段だった。そこで、ダメもとで業者に交渉してみると、最終日だったこともあり、いくらなら買うか言ってもらえれば、それで社長に打診してみて、OKが出れば…とのことだった。

 しかし、いくらなら…などと言われると逆に言いにくいものである。いくら何でも相場というものがあるだろうし、極端に安い希望価格など言えるものでもない。まぁ、業者も恐らくそうした消費者心理を見越して言ったのだろうが、とりあえず設定販売価格より数万安い、準備した許容限度内の額を言った。それでもQちゃんの2倍ちょっとの価格である。結果、業者のOKが出てとうとう購入に踏み切ってしまった次第であった。もちろん、Qちゃんを同伴したのはその相性を見るためでもあったが、特に心配することもなさそうだった。

 …というわけで新たに我が家にトイ・フォックス・テリアのオスが加わったのであった。名前は以前から妻がQちゃんの弟分ならPちゃんとか冗談半分で言っていたが、結局は妻がいろいろと考えた結果Pocoに決めた。Pを主体に考えた結果とのこと。犬というのは不思議なもので、名前をつけると何故かその名前に相応しい雰囲気の犬になるものである。これで筆者の再就職先も確定し、収入もそこそこ安定すれば…などと思っていたのだが、どっこいそうもいかず、筆者は自ら自分の首をさらに絞める状況となってしまった。

 さらにPocoは恐らく最初からの体質なのだろうが、どうにもタンが喉につまるようで、特に朝起きた時は決していい状態ではなかったから、我が家に来る早々、病院通いが始まってしまった。Qちゃんが来たときも下痢はするは歯はボロボロ抜けるはで大騒ぎだったが、Pocoの場合はどう見ても当人も辛いだろうというような状況だったから病院に連れていかないわけにはいかない。

ポコ03 診断してもらった結果、やはり喉にタンがからむ傾向があるとのことで、それからは毎週1回の通院となり、いろいろと薬を変えて状況を見つつ、また薬の調合を変えてという状態となった。ペット保険には購入時に入ったものの、そのペット保険は事後請求によって精算するパターンのため、当初は治療費は全て自己負担である。毎週2205円の出費となり、現在に至るまでのもう10回近くはかかっているから決して安価な治療費でもない。少なくとも飼わなければ出費はなかったものである。

 しかし、同時にふと思った。Qちゃんもあのままだったら間違いなく売れ残りとして殺処分されていただろうし、このPocoの場合も、いかに日本ではまだ珍しい犬種とはいえ、こうもタンが喉につまるような状態だったら販売業者としては、治療など受けさせるより恐らく殺処分を選択するだろうと思えた。ビジネスとしてのペットなど業者にとってはそんなものである。長期的に治療費がかかり、しかも商品として売れ残っていれば最も短絡的な方法を選択するだろうことは明らかである。

 そう思うと、Qちゃんとはまた違った意味で、Pocoちゃんも我が家という決して裕福ではなく、むしろ困っている家庭に来てしまったが、良かったのではないかと思える。もちろん救済目的でPocoを飼ったわけではない。冒頭に記した通り、筆者としては伏せておく理由が第一にあったのだが、それでも飼った以上は飼い主としての責任はどんなことをしても全うしなくてはならないと思っている。

 …というわけで新たに加わったPocoも早生後6ヵ月となった。当初のタンがつまるよな症状もかなり改善され、今では朝起きた時以外はほとんど見られなくなった。かかりつけの獣医の先生も次回あたりでとりあえず治療は終わりにと言っていた。そんな飼い主の苦労をまったく無関係にPocoのワルガキぶりはものすごい。Qちゃんより2回りくらいは小さくくせに完全に偉そうである。トイ・フォックス・テリアの性格でもあるようだが、気も強い方で、Qちゃんに向かって唸ったり、噛みついたりする。

ポコ04 Qちゃんも当初はその素早い動きで逃げてカバーしていたが、さすがに優しいQちゃんもときどきはスピードとパワーでPocoをねじ伏せる怒りを見せる時もある。仲良く一緒にというシーンはほとんど見られないが、それでもまぁそこそこ2頭でそれなりの日々である。もちろん繊細なQちゃんだから飼い主としては、まず最初にQちゃんという年功序列はきちんと守るように注意している。

 Pocoも当初は恐らくチワワと間違えられるような風貌だったが、最近はピンシャーやイタグレのような顔の輪郭になってきて、体高もかなり高くなった。そのワルガキぶりは明らかにQちゃんをはるかに凌ぐ凄まじいものである。ただ、この犬種の特徴らしいが、学習能力は非常に高いようでもある。まだ散歩デビューはしていないが、もう少し喉の状況が安定したら週1回くらいは短距離で散歩させる予定である。Qちゃんのように散歩が日課として必須という犬種でもなく、Qちゃんのように飼い主も一緒になって走る必要もなさそうなのでその点では楽である。

 とにかく飼った以上は飼い主の責任である。状況がどうあれ、それだけは何がなんでも絶対に責任を果たす覚悟である。そうしたことが、いろいろな面で筆者のモチベーション維持にもつながるとおもっている。頑張らなくてはならない理由が増えれば、必然的に何でもやってやろうという気持ちになるものである。


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