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予期せぬ緊急入院/エッセイ

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 ■第47話/予期せぬ緊急入院■

 7月3日土曜日、まったく予期していなかった緊急入院という羽目になった。その週の火曜日頃から、ある程度長期的周期で発生している腹痛があり、いつものように食事制限したり絶食したりして自身で対策は実行してきた。その甲斐もあり、とくに詰まった感じもなくある程度の日数が経過すれば、やがて痛みも収まるだろうという感じだった。

 ところが、今回はお腹が活動している実感はあるものの、なぜか妙な腹痛が取れず、夜は横になって寝ていると、痛みで目を覚まし、結局座った姿勢で寝たりという状態だった。7月3日土曜日もやはり明け方に腹痛で目を覚まし、横になっているのが辛くなった。病院に検査に行くべきか迷った。というのは最初から病院に行くつもりなら、多少早めに起きて、早めに行かないと土曜日などは病院は特に混雑するし、何時間待たされるかわかったものではないからだ。

 受付は午前8時半からだが、起きたのはもう9時を回っていた。しかし、やはりこの腹痛は気になる。常時あるものではないし、耐えられないものではないにせよ、横になって寝られないのは問題である。どうせ会社は休みだし、1時間程度待つことを覚悟で行くか…と意を決して病院に行った。

 筆者はもう15年ほどになるだろうか、胃がんを患い胃を3分の2切除している。その後遺症とも言うべきか、7〜8年ほど前になろうか、腸閉塞を起こし緊急入院したこともある。そんな経緯もあるから、日常からお腹の状態には注意を払ってきたつもりであった。ちょっとでも違和感を感じると、唯一の対処法である絶食に踏み切り、空腹感でお腹がグーグー鳴り出すまでは節制してきた。そして、腸閉塞で1週間ほど入院して以来は何とか対処してきたのである。

 そもそも入院など、よほどお金と時間に余裕があれば、ちょっと休息に…と静養も兼ねていいのかもしれないが、筆者のような身分、立場ではとんでもないことである。入院などよほどの状態でない限り到底受け入れられるものではないのである。まして、今回はそれほどの自覚症状があるわけでもなかったから尚更である。

 超音波検査の結果、先生の見立ては腸閉塞になりかかっている状態とのこと。すぐに食事を中断し点滴治療を要するとのこと。そしてその場で即入院するように言われた。唖然とした筆者は、思わず「入院しなくてはダメなのでしょうか?自宅で節制できますが」と反論したのだが、先生曰く、「腹水が出ている。通常、腸閉塞の場合、腹水は出ないのだが、それが出ているということは何か他の原因があることが考えられる。悪性のものが原因の場合もある」とのこと。

 そう言われてしまうと、どうにも反論はできない。というわけで、その日から緊急入院となった。午前中から午後1時半くらいまでにCTスキャンや採血などの検査を受け、入院準備のため一端帰宅させてもらい、帰宅途中で慌ててパジャマなどを買い込み、妻に状況を話し、その日の午後4時過ぎにあわただしく入院となった。

 幸いなことに7〜8年前に腸閉塞で緊急入院した時は、それこそ痙攣を起こし、ほとんどフラフラの状態でタクシーを呼んで入院し、入院するなり鼻からチューブを入れられ、かなり辛い思いをして点滴治療、食事のリハビリを行ったが、今回は当人がなぜ入院しなくてはならないのだ?というくらい元気だったから、入院しても治療そのものはそれほど苦痛ではなかった。

 もちろん絶食して点滴治療が主体となるゆえ、入院早々から腕には点滴をされ、24時間点滴を受けるため、非常に不便である。丸3日間、絶食でせいぜい1日200ccの水分のみが許可されている状態だった。そして、その間胃の内視鏡検査、大腸の内視鏡検査があり、食事のリハビリも完全な流動食から順次全ガユという流れである。

 今までも自身で違和感があると絶食し、ある程度のお腹の活動を認識できたら、量を加減しつつ通常の食事を取って対応してきただけに、丸3日の絶食後はもう通常食で行ける…などと本人が主張したところで通るはずもない。幸い、内視鏡検査では特に異常はなく、順調に回復し、7月9日金曜日には無事退院できた。

公園の花 それにしても…何たること!かつての腸閉塞で緊急入院し、1週間程度はどうしてもかかることを十分に知っていたから、自分なりに注意もし、ちょっとでも違和感があれば即対応してきていたのだが、最も避けなくてはいけない入院という羽目になってしまった。今の経済状態では大きな痛手である。もちろん、健康には代えがたいことは頭で理解していても何で入院なんだ?という思いばかりだった。

 かつての緊急入院に比べれば、前述の通り、体力的余裕は十分だったから、病院内の階段を上り下りしたり、近くの公園に散歩などに行って、極力足の衰えを回避すべく動くようにした。今やどのでも同様だが、病院内および敷地内は完全禁煙ゆえ、その病院敷地に隣接する公園に行って、病院から死角になる場所に座ってタバコを一服したりなどもした。ちなみに左の写真はその公園にあった花を携帯カメラで写したものである。

 何たること!…確かにそうなのだが、そうなってしまったことをどうこう考えてもどうなるものでもない。少なくとも内視鏡検査などをして、特に大きな異常もなく、それこそ生命の危機もなく、大事に至らずに済んだことをラッキーと思うべきなのだろう。よりによってこんな時期に…そんな悔しさも何度も思った。しかし、それも悔やんでもどうしようもないことである。むしろ体が大事に至る前に警鐘を鳴らし、極めて短期間の、しかも苦しむこともない入院治療で収めてくれたのだと思うべきなのだろう。

 入院していると、それこそいろいろな病気や理由で入院している人がいる。聞くつもりがなくても面会に来た家族との会話で、ある程度その人の状態は理解できるものである。深刻な状態の人は、やはり他人ごとであっても心が痛むものである。それに対して軽症の人は呑気なものである。面会に来た人との会話などもまったく質が異なる。そういう様々な状態と患者が1つの病室に存在すると、何とも複雑な心境にもなる。みんながそれぞれの人生を歩んであるのである。

 それぞれに家族があって、身内の者のことを心配して、懸命である。翌日9時半から結構大きな手術をするという人が1日だけだったが、筆者の横のベッドにいた。付き添ってきた奥さんとの会話は深刻であり、それでも何とか前向きに物事を考え、頑張ろうとしている。人にはそれぞれの人生があり、事情がある。でもみんな頑張って生きているのである。

 そんな姿を間接的にでも見れば、筆者など今回は超ラッキーなのである。予期せぬ経済的には大打撃となるほぼ1週間の入院生活だったが、それが筆者自身に何を教えたのか、そんなことを考えれば決して無駄だったなどとは言えないのである。


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