心を穏やかに/エッセイ

マイケル・ジャクソン〜映画と書籍/エッセイ

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 ■第44話/マイケル・ジャクソン〜THIS IS ITと仮面の真実■

THIS IS IT 2009年6月25日、突如急死したスーパースター・マイケル・ジャクソンのリハーサル風景を主体とした劇場映画「THIS IS IT」が大ヒットを記録し、当初の2週間限定公開からさらに2週間延長公開され、11月27日に終了した。

 と、思ったら今度はそのDVDが来年1月24日発売で、予約解禁のニュース。遅れてきたマイケル・ジャクソン・ファンである筆者も映画は6回見て、しかもDVDもしっかりと予約した。予約はDVDディスク(2種類)とブルーレイディスク(1種類)、それにDVD-BOXとしてTシャツなどのオマケがついたトータル4種類のものがあったが、

 気づいて予約申し込みをした時点では、早々とDVD-BOXは予約限定数オーバーで完売となっており、他の3種類のディスクのみ予約となった。ちなみに現時点では筆者はブルーレイディスクを再生できるプレーヤーは持っていない。まぁ、いずれを見越してであり、決してオークションに出して高値で売却を目論んでいるわけではない。

 それはともかくとして、今回記述する「仮面の真実」という本…この書籍は確かまだ映画「THIS IS IT」の劇場公開のニュースなどが出る前に購入したと記憶している。と、言うよりもマイケル・ジャクソンに関する書籍は、以前から読んでみたいと思っており、それこそ想定外の6月25日急死のニュースからの気持ちであった。

 と、言うのもあれほどのエンターティナーでありながら世間では二分したように例の幼児虐待疑惑裁判の件もあり、筆者もそうしたニュースや情報を耳にするたびに、「真相」など知る由もないが、どのような見方がされているのか、読んでみたいと常々思っていたのである。

 ところが、マイケル急死の衝撃的ニュースにより、それこそ「追悼」という名目で、数え切れないマイケル・グッズが出回ってしまった。雑誌や写真集もCDもDVDも…。そして、死んでしまったとなると、それまではあまり見向きもされなかっらような過去の商品にも希少価値が生まれ、あっという間に完売となったり、入手困難となったりしてしまう。

 筆者ももちろん、マイケル・ジャクソンの体調がかなり悪い状態であるようなことは耳にしていたが、まさか急死してしまうとは思わなかったから、いつか機会が来たら購入して読んでみようか…などと悠長に構えていた。しかし、急死によって過去の商品はなくなり、新たに商品が登場した。

マイケル・ジャクソン仮面の真実 じつは読んでみようと思っていたのは「マイケル・ジャクソン裁判〜あなたは彼を裁けますか?」という書籍だったのだが、当時品薄になってしまったことと、新たに「緊急出版」と銘打って「仮面の真実」という書籍が発売されたので、今回紹介する「マイケル・ジャクソン仮面の真実」を先に購入して読んだのである。

 この手の書籍は、それこそ賛否両論である。購入に先立っていろいろなところでレビューを読んだが、マイケル・ファンは一笑に付し、単なるゴシップ記事のようなものという見解が多かったようである。さて、どんなものだろうか?読み始めてみると、まず最初に戸惑ったのは、当然といえば当然なのだが登場人物が多く、日本人には外国人の名前は覚えやすい名前と、そうでないものがあり、文中にその人物が出てきてもはて?この人物はどういう人だっけ?とつっかえてしまった。

 この書籍には最初にマイケル・ジャクソンの写真ページが数ページあるのだが、目次のあとに人物一覧5ページにわたってある。登場する前からこの人物一覧の文章を読んでもほとんどわからないから、とりあえず読み始める。すると一覧にあった人物が登場するが、そこで改めて一覧に戻って、どういう人物なのかを確認する…というような読み方になってしまった。もともと悪い頭もますます悪くなってきていることもあり、また再度登場すると、はて?この人はどういう人だっけ?となる。

 海外文学などに慣れ親しんでいる人は、このようなことはなくスムーズに読み進めるのだろうが、筆者がいまいち海外文学に踏み込めないのはこうした名前の障害も多々あるのかもしれない。この紹介文では、絵本を紹介するようなパターンとは異なるゆえ、大まかなあらすじ紹介というわけにもいかないゆえ、記す内容も前後することも多々あるかと思うがご了承いただきたい。

this is it画像1 著者のイアン・ハルバリンという人はPR文によると、伝記映画制作のために、数百人もの関係者へのいろいろな取材を進めており、その過程でキング・オブ・ポッポの真実に肉薄する…とあるのだが、正直なところ筆者には、この著者の本来の「職業」が今いち理解できなかった。いわゆるジャーナリストなのだろうか?と思いつつ、音楽やモデルなどもやっているようであり、未だにそのあたりはきちんと理解していない。

 が、それはともかく、著者は当初は、世界最高のエンターティナー、マイケル・ジャクソンが最初に幼児虐待疑惑で訴えられた時、それがいわゆる莫大な示談金で終わり、時を経てふたたび虐待疑惑でマイケル・ジャクソンが逮捕され、陪審員による表決の結果、無罪と断定された以後はむしろそうした裁判の判決に不服であり、何としても有罪の決定的な証拠を世の中に公表したい…というスタンスだったように見受けられる。だから、ストーリーの最初は必然的に、マイケル有罪という主張のニュアンスが感じられる。ところが、様々な取材を通していくうちに、その世間のマイケル・バッシングに疑問を感じるようになる。

 そして、結果的には決定的な証拠は提示できないにしても、マイケル・ジャクソンがいつからか、自分の人生も周囲で操られている状況となり、ビジネスオンリーでマイケルの体調が悪化しようが、それよりもビジネス優先という猛者どもによってたかってむしり取られ、加害者ではなく、むしろ被害者なのではないか?という論調に変わる。

ロンドン公演を控えてのリハーサル時のマイケル・ジャクソンの状態などは、読んでいて何とも切迫した感じがあり、本人が「死」を望んでいたとするなら、それはそれでやむを得ないと言わざるを得ないのかもしれないが、もし急死がまったくマイケルの想定外の、まさしく急死だったとしたら、それこそ何とか命は救えたのでは?と考えさせられる。

this is it画像2 映画「THIS IS IT」を6回も見て、またその後にこの本を読み返してみた。映画の印象は強烈であり、未だにいろいろなシーンがしっかりとインプットされているが、それと同時にこの本で書かれていることが事実であれば、少なくとも急死という最悪の事態の回避はできたのではないか?と思え、またすっかり身体的にも衰えてしまったマイケル・ジャクソンの姿が痛々しく思えてならない。映画で公開されているマイケルは、それでもまだ「元気だった」方だということであり、実際にはとてつもなく悪化していたようなのだから。

 公称ではマイケル・ジャクソンは身長177cm、体重45kgとのことだが、急死した時点ではその体重すらなかったのではないか、ほとんど骸骨状態だったとか…。映画では「Man in the mirror」が流れる前にスタッフ全員が輪を作って集まり、そこでマイケルがスピーチをして、全員で「マイケル!」と叫ぶシーンがある。みんながお互いをねぎらいつつ「よい日曜日を」と会話を交わす。この本によると、マイケルは急死の前日のリハーサルに3時間以上遅れてきて、フラフラ状態だったと書かれている。関係者の証言としても決して映画のシーンのようなまだ比較的元気で前向きなマイケル・ジャクソンなどはもう存在しない。

 そこまで進んでいるリハーサルを振り返って、マイケルが「みんなよくやってくれている。このままがんばろう。すごい冒険になる」という前向きな発言があるが、この本では、終末近くには「リハーサルなどやっても無駄」「もうだめだ」と弱音を漏らしている。

this is it画像3 映画を見ている時は、その構成の妙や決して衰えたとは思わないダンスやパフォーマンスなどで、本に書かれていたことをまったく意識せずに鑑賞したが、後になって映画のシーンとこの本に記述されていることを重ね合わせてみると、何とも複雑な心境になる。誰かリハーサルを止めさせることはできなかったのか?公演を延期して、まずは体調を整えることが最優先ではないのか?…もしかしたら周囲の誰もが、マイケルの状態には気づきながら、ビジネス最優先で口を閉ざしたのだろうか?マイケル・ジャクソンという「帝王」に進言などできるわけがないと黙認したのか?

 真実はもう決してわからない。「仮面の真実」…このタイトルは恐らく、世界のエンターティナー、奇跡的なパフォマーであるマイケル・ジャクソンは仮面をかぶった造られた人間であり、その裏に潜む本当のマイケル・ジャクソン探し…ということなのだろうが、もう今となってはその真実もわからないし、どうでもいいこととなってしまった。幼児虐待疑惑で熱狂的マイケル・ファンを除く一般の人々には、マイケル・ジャクソンは「奇人・変人」であり、無罪宣告を勝ち取ったものの本当は「有罪なのでは?」という疑念を持たれ、整形を繰り返し、黒い肌を脱色し、贅沢三昧の生活を送る人物像だったと思うが、皮肉なことに死して「THIS IS IT」の映画公開とその反響により、そうした世間の悪評を封じ込め覆し、逆に環境破壊に心を砕いていた善人のスーパースターとして再認識され、それがまたビッグ・ビジネスにつながり、グッズ類は稼ぎまくっている。

 本の内容的なこともあり、前述した通り、紹介文としては何とも体裁を整えられない右往左往の文章になってしまった。某サイトのレビューでは、前述したがその多くが批判的であり、読むべきではない、最低のゴシップ本と、まさしく悪評の嵐である。筆者もこの本に関しては、そうした悪評を読むと何とも紹介し辛いものがあるのだが、あくまでも多面性のある情報のひとつであるという意図で記した。それゆえ本来、こうした書評は「独断でおすすめの1冊」で紹介すべきなのだが、マイケル・ファンの強烈なバッシング・レビューもあり、正直なところ、おすすめするのもどうかな?と思わざるを得ずにこのコーナーで紹介した。

 世界には60億以上の人間が住み、さまざまな環境に置かれ、いろいろな人生を送り、それぞれが異なった性格を持っている。マイケル・ジャクソンが全世界で圧倒的なステータスをまったくの実力で築き上げても、アンチ・マイケルの人は歴然と存在する。歴史上のどんな偉人であっても100%賛同を得て人生を終えた人物は存在しないだろう。そういう意味でも1つの情報として、読んでみてもいいと筆者は考えている。最後に映画「THIS IS IT」については、こっそりと公開している「ともだちMUSEUMブログ」でも2回に渡って文章を記しているので、そちらもご覧いただきたい。

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