ヒーローは正体を隠して…★エッセイ

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 ■第2話/ヒーローは正体を隠して満足なのか?■

 みなさんもよくご存じのヒーロー、スーパーマン。彼は普段はデイリープラネット社という新聞社に勤務するクラーク・ケントだ。黒ブチのメガネをかけた、ちょっと間の抜けた、決して一流とは言い難い記者だ。ところが、いざ事件が発生すれば、さっそうと胸に「S」マークのついた青い全身タイツ、赤いマント、赤いブーツに身を包んだスーパーマンに変身する。空を飛び、スーパーパワーで悪者をやっつける。大事件もあっという間に解決してしまう、まさにその名にふさわしい大活躍を見せてくれる。

 が、ふと思った。スーパーマン、つまりクラーク・ケント氏は、普段はその正体を隠して、あくまでも普通の人として、しかもちょっとドジな新聞記者を装っている訳だ。本当は誰もが憧れ、尊敬する、カッコよくて正義の味方のヒーローなのにそれをひた隠しに隠して生活しているのである。それで、クラーク・ケント氏は満足なのだろうか?

 周囲からもドジと思われ、そんな状態だから新聞社の中でも評価されないし、出世もしないだろう。クラーク・ケント氏は同僚の記者であるロイスという女性に想いを寄せているようだ。しかし、クラーク・ケントはちょっとドジだし、彼女はカッコよくて正義の味方であるスーパーマンに憧れているのである。と、なれば普通なら彼女のハートを射止めるためにも「じつは私の正体はスーパーマンなんだ」と明かし、目の前でさっそうと変身すればいいのではないだろうか。その瞬間、ロイスはじつはスーパーマンであるクラーク・ケントを見直し、ハッピーハッピーなのではないか?

 確か、映画の中のシリーズでは、何かのきっかけでクラーク・ケント=スーパーマンであることが、ロイスにはバレてしまうシーンがあった。しかし、スーパーマンは持っている超能力で彼女のそうした記憶を消してしまったはずである。思わず「何でそんなことするの〜?」と思ったものである。もしかしてスーパーマンの生まれ故郷であるクリプトン星では、正体を明かしてはいけないという掟があったんだっけ?そんなものはなかったように思うが。 

 しかし、考えてみると、こうしたヒーローは総じて正体を隠し、普段はまったくフツーの人を装っているパターンばかりだ。スーパーマンのクラーク・ケント氏はちょっとドジだが、ウルトラセブンに変身するモロボシ・ダン隊員は、普段も科学特捜隊の一員という、あまり大きなギャップがある訳ではない通常だが、それでも自分がじつはヒーロー・ウルトラセブンであることは隠している。何も隠す必要はないだろうし、少なくとも科学特捜隊のみんなには正体を明かしてもいいんじゃないだろうか?その方が何かと便利な場合も多いんじゃないだろうか?コソコソ隠れて、ジュワ!と例の変身メガネをかける必要もないんじゃないだろうか?

 もし、自分自身がじつはそんなヒーローだったとしたら、どうするだろうか?果たして誰にも言わずに、そっと自分の胸にしまって普通の生活をしていられるものだろうか?それは結構至難のワザではないだろうか?ついつい、ごく親しい人や信頼の置ける人にだけは「ここだけの話だけど、じつは私は…」と言いたくなるのが人間というものではないだろうか。

 人間は誰だって、自分を認めてもらいたいと思うものだ。少なくとも悪く思われるよりはよく思われたい、というのが人情というものである。ところが、ヒーローはあえて自分を隠すのである。ひた隠しに隠すのである。本当の自分自身に変身する瞬間は絶対に見せないのである。例え、普段がどう思われようと、である。ヒーローは、そうした忍耐力もやはり凡人など及ばない鉄の意志を持っていることが条件なのだろうか。それで満足しているか?などというのは、あくまでも俗人の考えることなのだろうか。

 考えてみれば、ここまで大げさでないにしろ、誰にでも「じつは」ということは意外にあるものではないだろうか。かくいう筆者にも「じつは…」ということがある。それこそ、少なくとも筆者とつき合いのある人、関わりのある人全員に「事実」をしゃべりたいこともある。それが誤解されている可能性が高いことだったり、一方的に他から聞かされていることだったりすれば、なおさらのことである。そのジレンマは、もしかしたらヒーローも密かに心の奥底で思っている気持ちなのかもしれない…なんてことは間違っても、ない…か?そん俗的なことを考えること自体で、やはり私にはヒーローになる資質など、ないのだろう…か?


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