心穏やかに/エッセイ

抜歯

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 ■第100話/抜歯■

 このエッセイコーナーも何だかんだと気づけば100回めの文章となった。100回記念に、それはもう感動的なドラマチックなエッセイを…と心密かに目論んでいたのだが、そんな「野望」とはまったくかけ離れた何とも情けないというか、笑えるというか、そんなエッセイになってしまったことを冒頭で言い訳させてもらう。

 もう何年ぶりかすら覚えていないが、抜歯することになった。以前、虫歯の治療をした際にいわゆる被せものをつけてもらったのだが、それがパンを食べている時、外れてしまった。もうその被せものがいつ治療をしたのかも忘れていたし、ちょっと前から、何となく被せものの下あたりに違和感はあったから、とうとう外れてしまったか、という感じではあった。

 しかし、被せものが外れても、その下の歯は平坦になっていたから、ものを食べるにも別段大きな支障もなかったし、痛みもまったくないし、とりあえず治療を受けた歯医者に直近で見てもらえる日時を予約した。被せものも特に欠けてしまったわけでもないから、治療に行けば、そのまま接着剤でつけてくれておしまいかな…と思っていた。

 ところが、見てもらったところ、長年経過していたこともあるが、そのまま外れた被せものをつけることもできず、治療した歯自体の根っこの部分が少々厳しい状態になっているとのこと。レントゲン撮影の結果、抜いて、その部分は入れ歯にするか、左右にある歯を利用してのブリッジをつけるか、とのことだった。

 もちろんインプラントという方法もあるが、高価ゆえそれは除外するにしても簡単につけておしまいというわけにはいかなかった。入れ歯は以前に作ってつけたことがあったが、やはり違和感が大きく、手入れも含め面倒ゆえ、左右の歯を利用してのブリッジ治療をお願いすることにした。

 抜歯をした後、抜いた部分の歯ぐきが盛り上がって安定するまで、1〜2ヶ月はそのままとのことで、時間がかかるとの説明だったが、仕方ないと抜歯する日時の予約を取った。抜歯したのはもう何年前が最後だろうか?と思ったが、まったく思い出せない。何度か抜歯をしたことはあるが、覚えているのは、麻酔の注射がチクッとして一瞬痛いことと、麻酔が効いているから口をゆすぐにしても思うようにいかず、ダラダラと口から水がこぼれてしまう情けない状態に陥ってしまうこと、麻酔が醒めた後は、痛み止めの薬を飲まないと少々厳しいことくらいである。

 まぁ、それでもとにかく治療しないわけにはいかないからと抜歯をした。案の定、麻酔が効いているから医者から口をゆすいでください…と言われてもみっともなくダラダラと水がこぼれる。久々の醜態に自分自身でも苦笑してしまったが、とにかく無事抜歯は済んだ。この抜歯後、痛くなったら飲む痛み止めがものすごくよく効くことはしっかり覚えていたから、別段抜歯後の痛みに対する心配や恐怖はなかった。

 抜歯をしたのが、夜勤仕事が休みの午後5時過ぎで、本当は抜歯前にしっかりと夕食を終えてと思っていたのだが、予定が狂い、食べることができずに抜歯してしまったから、夕食は抜歯後数時間経過した頃に食べることにしたのだが、抜歯した歯の側は極力、避けるためにまともに噛むこともうまく出来ず、ある程度予想はしていたが、やはり反対側の上のあたりを火傷してしまったようである。注意はしていたにも関わらず情けないことである。

 もう、まともに食べるのは今日は無理だ、とあきらめ、化膿止めの薬を飲み、痛みで目が覚めたりしないようにと、痛み止めの薬を飲んで、寝ることにした。普段が極端な睡眠不足でもあるし、今日はとにかく寝るしかないと決めた。いつも寝るときは、Qちゃん、ポコちゃんと一緒で、下手すると顔中をベロベロ舐められるから、用心のため、使い捨てマスクをして寝るようにしている。

 翌朝は朝5時からの清掃バイト、そして9時半からのバイトが14時まで、夜勤仕事は休みだから21時過ぎに寝れば、普段では考えられない5〜6時間は寝られる。薬の効き目もあったためか、目覚めたのは午前3時ちょっと過ぎで、5時からの早朝清掃バイトのためには起きなくてはならない時間だった。そして顔を洗うために洗面所に行った。そして鏡を見て驚いた。

 な、何と口の周りが赤くなっているではないか!血が乾いた後である。ビックリ仰天である。な、何だこれは!いったいどうしたんだ!と驚いたが、すぐに抜歯をしたところから寝ている間に再出血したのだと理解した。それにしてもその口の周りのかなり広範囲にわたる血の乾いたあとは、ビックリ仰天であった。そしてつけて寝ていたマスクを見ると、そのマスクも血染めマスクに豹変していた。

 驚きの後には、思わず苦笑である。鏡で自分の顔を見てこんなに驚いたのは笑い話である。もしかして、寝ている間に無意識のうちに、ドラキュラか狼男に変身し、どこかで誰かのノド元に食いついたりしたのでは?などとアホなことを考え、自ら苦笑するしかない出来事だった。


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