★ 4月18日(金)〜5月11日(日)の報告
◆議題1 各地のノンステップバス状況〜事業者へのアンケート回答
交通大行動実行委員会からの要請もあり、4月16日付けで、ノンステップバス導入事業者と導入予定事業者に対して照会状を発送した。
照会先:東京都・大阪市・京都市・名古屋市各交通局、旭川電気軌道(以上導入事業者)
金沢市、横浜市交通局、熊本市交通局(以上導入予定・検討事業者)
すでに、金沢市と旭川電気軌道から回答が返り、とくに旭川電気軌道の導入計画では、高齢者、車椅子、ベビーカーなどはもちろん利用者がより安全かつ快適にバスを利用でき、市民生活におけるバス事業の信頼を向上させようとする意識のもとに、今後継続的に導入していくと宣言しており、メンバー一同、その回答の素晴らしさにしばし感動、表彰しようという話までとび出した。
◆議題2 今年の交通大行動をどうするか
19日の東京実行委員会と全国委員会の討議に関し打合せを行った。
・持ち込み企画 ノンステップバスを使って、シンポジウム会場と最寄駅の間を送迎
・全国実での学習会テーマのひとつとして、ノンステップバス・レポートを行う。アンケートをもとに導入事業者の近況についてもふれる。
◆議題3 バス壁の活動方針について〜サービスルートの取扱
ルートの設定については、世田谷の道をよく知っているハンキャブ運行団体の協力が不可欠だ、より人にやさしい公共交通の提案と実現をバス壁の活動として取り上げていくべきだ、などの意見が出た。
サービスルートの紹介・啓発活動とともに実現に向けてのきっかけづくりをバス壁で、具体的なルート詰めはハンキャブ団体とやっていく方向で活動方針として位置づける。
◆議題4 合同合宿をどうするか
都庁循環ノンステップバスツアーとビデオ上映、その後交流会を行う。企画の詳細はHさん、上映ビデオはYさんから推薦、交流会進行はKさん担当。
(バス壁:隅山)
交通大行動とは、正式名称「誰もが使える交通機関を求める全国大行動」といい、毎年秋に「電車に乗るぞ!バスにも乗るぞ!駅にエレベーターを!バスをノンステップに!」のスローガンのもとに全国30ヵ所ほどで統一的にデモンストレーションや交渉を行なっている障害者の運動体だ。
その交通大行動の全国実行委と東京実行委が、3月15日および4月19日に新宿区立障害者福祉センターにおいて行なわれた。第1回の会議では、ちょうど10年目にあたる今年は、これまでの交通大行動によって、どこが改善されて、どこが変らなかったのか、そして今後の運動をどのように組み立てていくのか、10年を振り返る記念イベントをやろうという話と、今年の大行動の日程の調整などを行なった。
4月19日の第2回では、東京実では今年の交渉の持ちかたについてを話し合った。バスや鉄道の交通事業者に対する交渉を、昨年のやり方を発展させてバス協会、民鉄協会を通じて各民間鉄道会社や民間バス会社の合同交渉を持つことになる。交渉相手としてはその他に東京都交通局、営団地下鉄が予定されている。
一方の全国実では、この日以降の実行委の場で学習会を合せて開催することになっており、話題のノンステップバスについて、福岡・西鉄バスのワンステップ・スロープバス導入の経過のレポートと、視覚障害者にとってのまちづくりというレポートが行なわれた。
なお次回の実行委の日程は、東京実が5/24(土)、全国実が6/14(土)(全国実は大阪で)に行なわれる。また、大行動の行動日は、統一行動日が10/10(休)、10周年記念イベントが10/12(日)、運輸省・建設省交渉が10/13(月)、その他各地の地域実行委による各事業者交渉が、9月〜10月ごろに予定されている。 今年は、大行動も10年目で、状況的には国産のノンステップバスが走りだすなど、重要な節目にあたる年になるだろう。(バス壁:山田圭)
何回か横浜のメンバーが集まり話あいを進めてきて、そろそろ軌道に乗りはじめるだろうか、そうなると当事者の方の協力が必要になってくるだろうと、横浜市内にある「きょうの会」「ふれあいの会」の2つの障害者団体に呼びかけたところ、ふれあいの会のOさんがとりあえずこの日出席して下さりました。
自己紹介やそれぞれの会の紹介をしあったり、昼食を食べたりしながら、私達の活動内容や考え方を説明したところ、方針を理解していただき、今後お出かけ会などで協力していただけることになりました。ありがとうございます。(TSF:星野近人)
「車いすを使っている方などと一緒にお出かけ会をしたり、ムーバスのノンステップ化を呼びかけたりしていこう」と確認しました。具体的に、5月25日に新宿方面に出かけることを決め、その広報の分担と誰を誘えるかを話し合いました。吉祥寺への引っ越しを機会に、住んでいる地域を拠点に活動できないかと思い呼びかけてみて、形になるかちょっぴり不安でしたが、自分を入れないで5人もの方に参加していただき、大変うれしかったです。(TSF:星野近人)
久々に代表の上田要さんが参加。今日は何か提案があるらしい。
◆議題1 三菱ふそうキャラバン問題で「5/6 運輸省に行くぞ!」
前回の例会で、三菱ふそうが同社の「ノーステップバス」の普及を進めるため、全国キャラバンを実施するとの報告があった(宇都宮のAさん情報。キャラバン日程と実施場所については、別かこみをご覧下さい。)
しかし、キャラバンに使われる車両は、座席の下に段があり、スロープ板も装備していないので、見本としてはふさわしくない。一方、現在のバス事業者の経営状況をみるとすぐにはノンステップバスを導入できず、ワンステップバスのままで我慢しろということになりかねない。ノンステップバスの採用事業者を増やすためにも、もっと良いタイプの車両を今回のキャラバンに使用するようもとめていってはどうか、との意見が出た。
三菱ふそうに問い合わせたところ、運輸省の許認可の都合上、カタログに掲載されているタイプの車両を使用しなければならないと回答があった。運輸省からバスメーカーである三菱ふそうに対してどのような対応がなされたのか、5月6日に同省を訪問して話をきく。
質問事項に加えて、モデル都市指定を受けている横浜市・金沢市の報告について、またバス活性化事業、低公害バス等の助成、ノンステップへの助成関係についても、当日話題を出してみることにした。
運輸省の回答については、次回の例会で検討する予定。
◆議題2 5/5&6 TSFとの合同合宿について
5月5日、6日に行う合宿の進行について再確認。バスツアー&交流会を通じて、定例会参加メンバー以外の参加者たちと、もう一度ノンステップバスの意義などについて、確認する場にしたい。TSFとバス壁、さらに各個人の交流の場にもしていこうと一致。
◆雑感
この日は、上田さんの運輸省訪問から大分話が広がり、肝心のバス壁の今後の活動方針は次回例会に話し合うことになった。
ノンステップバスを導入した事業者、導入を予定している事業者に対するアンケートについては、近く回答内容を検討したうえで、各事業者・運輸省に対して、何らかのアクションを起こしていくことになりそう。
今回、三菱ふそうのキャラバン実施について話をしていくうちに、車両のエンドユーザーである私たち公共交通の利用者側から、バスメーカーに対して直接意見を伝えていく必要性があるなと実感した。バスメーカーにとってのユーザー(お客様)は、公営・民営バス事業者だけれど、実際にバスの使い勝手を実感するのは利用者である私たち。新しく導入されたノンステップバスの乗りやすさとともに、車内レイアウトやバスの規格に関する意見も伝えていければ、メーカーもさらに良いタイプのノンステップバスをつくりやすくならないか。どんな方法でメーカーにアクセスしていくか、皆で知恵を出し合いましょう。(バス壁:隅山)
5月5日11時に新宿西口に、とりあえず集合。さっそく都庁循環のノンステップバスに乗り込んで一周してきました。ところが、日産ディーゼル製のノンステップバスのスロープが、床下格納の手動式になっており、ニーリングで車体が下がりすぎていたために、スロープがうまく全部出ないままに乗せられるはめになってしまいました。2回目に乗ったときは、車体をあげてもらいなんとか格好がつきました。原因は、歩道の高さと車体の高さの釣り合いがとれていなかったのと、バス自体が歩道から離れてとまっていたからです。おもわぬ問題点の発見でした。
その後昼食を買い込み、午後1時前のリフトバスとスロープバスに分乗して「戸山サンライズ」に到着。約20名の参加により、活発な話し合いが行われました。まずノンステップバスの欧米における状況や、低床ノンステップの新型路面電車などを紹介したビデオを見ながら始まり、自己紹介を兼ねてノンステップバスに乗った感想を出し合いました。上述のスロープの問題とか、運転手さんの対応が慣れていないので余計に時間がかかるといった言葉が出されました。また、乗り合わせた他の乗客が「乗りやすいバスだね」「新しいバスだ。電気バスかな」(残念ながら今回の国産ノンステップバスはただのディーゼルバス。日産製のノンステップバスは床を下げるためにエンジンの置き方を従来と違えているためエンジン音が違って聞こえたのだろう)などと言い合っていたという話も出されました。
その後、車いすの固定方法として、現在の日本のような前向きで固定するやり方と、ヨーロッパなどでは後ろ向きになり、急停車したときに後ろ(バスの進行方向)に倒れないための背当てを設けたスペースに固定する方法とがあるという話が紹介されました。今の日本の車いす対応のバスの固定方法は、乗り心地の良さを重要視した前向きであり、固定装置が簡便で作業時間が相当短くなることがメリットの後ろ向きとどちらがいいか今後の課題だと思います。障害者にはもっと厳しい世の中にならなければいけないという持論のKさんが、ノンステップを推進しようとしている我々と意見が違うという話が出て、参加者は各々煙に巻かれたという顔をした人も出たり、リフトバスの批判であり、ノンステップのようにすべて平等のバスには評価されているという風に解釈したりと、意味の深い言葉として私は感じました。
最後に、司会者のK君がノンステップの評価をまとめるような方向で話を持っていこうとしましたが、なかなか意見が出ず、リフトバスとノンステップバスとの違いについての質問がみんなに投げかけられたのですが、それもきちっとした論点で違いを出せないまま時間が来てしまいました。
夜の交流会は、定員2人の部屋に10数人が集まり、初めて来た人たちの生活や昔のテレビ番組などの話に花が咲き、和やかな交流会を持てました。
明くる日は、10時過ぎにサンライズを出発。11時前に来る予定の三菱製のノンステップ(こちらは電動式のスロープ板つき)を待って7,8人がバス停の前にたむろして約20分、ようやく来たので乗ろうと思ってふと気がついたら違法駐車で所定のバス停にはバスが停められないことがわかりました。さあどうするかと思って見ていたら、おまけに運転手の方も電動スロープのスイッチのありかも分からない様子。それを見ていた停留所のそばのお店のおばさんがそこの横にあるボックスにあるよと指さして教えてくれる始末。
こちら側からこれじゃ乗れないよといってようやく少しバスが前に出てとりあえずスロープは歩道につくことが出来ました。車いすの固定スペースのところにある折りたたみのいすもどうやってたたんだらいいか迷っているのを見て、今度は乗客がこうすればいいんじゃないと教えてようやく乗れました。あまりの対応の悪さに開いた口がふさがらず、これは運転手だけの問題ではなく営業所の教育の問題としてちゃんというべきだと話し合いました。ただ電動スロープや折りたたみのいすの使い方がもっと簡単であれば、運転手の混乱も起こりにくいのではないかということも言えると思います。
一行は歌舞伎町で下車してそこで解散しました。いろんなことがありましたが、これからも各々活動をがんばって、ノンステップバスを一日も早く普及できるようになればと思います。本当にお疲れさまでした。(バス壁:上田要)
・参加者の感想
初めてのノンステップバス乗車。よかったです。そのあとの、交流会でしたっけ?Mさんの意見聞いて、そうだなと思いました。敵もかなり狡賢いので、こっちの方もそれを上回るくらいな活動をしないと、この要求を通すことは困難だと思います。街頭で宣伝や署名やアンケートなどして、もっともっと強く主張していく必要があります。敵の構造や活動方法などの、学習が必要だと思います。(TSF:Aさん)
横浜駅に集合し、運転手さんに「一人しか乗れないんですが」、と最初は言われたものの、スロープ付きスに車椅子2台で無事乗りました。9日に問い合わせたときには、内部規約で決まっているから2台は乗れないと言われたので、乗れてほっとしました。
中華街で食事をし、Sさんに食事介助を体験してもらったりした後、歩きで山下公園へ向かいました。
シーバス(水上バス)に乗って、MM(みなとみらい)21に出て、京急のノンステップバスに乗る予定でしたが、MM21への便は休航で、予定を変更しました。帰りのバスがあるかどうかも時刻もわからなく、ある意味で帰る手段を失った形になりました。
とりあえず、往きと逆のコースで帰ろうとバス停に戻り、当てのないスロープ付バスを20分ぐらい待ちましたが、少し遠かったですが地下鉄の関内駅へ歩きました。関内にはエレベーターがあって、ホームまでスムーズに行けました。ホームと電車の隙間もさほどなかったのですが、駅員さんが渡し板を用意して下さいました。
地下鉄の横浜駅はエレベーターがなく、駅員さんの介助で普通に動いているエスカレーターの段に車輪を掛け上りました。また改札から相鉄ジョイナスへの6段の階段に板をかけて、とても急なスロープを下りました。下り終わる寸前、Oさんの車いすの後輪は、板からはずれかけていました。どちらも特に安全面で、不充分でした。
相鉄ジョイナスの噴水広場で、まとめと感想(このページの下の囲み)を出し合った後、乗れなかったノンステップバスを見に東口に行きました。(TSF:星野近人)
・参加者の感想
電動車椅子の2名の方とともに横浜中華街と山下公園にバスを利用して行きました。まず、予定していたスロープ付きバスは来ず、次のスロープ付バスまで40分待ったこと、その間車椅子マークを付けたバスが10台近く通り過ぎたのに電動車椅子で乗り込めるものがない(非常に困難)、また運転手がいちいちスロープを出し入れしなければならず、ベビーカーはスロープを使用できなかったなどの問題点が浮かびました。その一方で、栃木県宇都宮市出身の私にとっては、手間がかかってもスロープ付バスがあるだけいいな、と感じました。
山下公園では操作が煩雑で利用しにくい不思議な車いす利用可トイレを見つけました。シーバスは引き潮などの理由で乗船できず、ノンステップバスも待っても一時間かかることを知り、地下鉄で横浜駅に向かいました。地下鉄の対応はスムーズだったものの、階段の上にスロープをつけるなど利用上危険なものも見うけられました。
この体験でノンステップバスなど車椅子が利用可能なバスの増便等改善の必要性を感じるとともに、初めて一日中車椅子の方と接した私は、車椅子でのゆっくりした一日を過ごし、自分の一日がいかに時間に追われているものか、を思ったりしました。
しかし、この「ゆっくり」というのは、車椅子にとって利用しにくい交通システムや建物がもたらしている部分が多いです。すてきな人々と、いつもと違った視点で「まち」を見直せたことに感謝し、より多くの人にこのような現状を知っていただきたいです。(Sさん)
そのほかに出た感想としては、
・使いたい時に使えない、走っている時間に合わせて使わないといけない。変だ。
・なぜ、11:26分のスロープ付バスが来なかったのだろうか。(→要確認)
・なぜ、第2日曜日なのにリフト付バスが走っていたのか。(横浜市営バスでは第二と第四日曜日は整備のためリフト付は運休ということになっているのに、東口のバスターミナルや途中で見かけた。)走るなら走るでそういうような広報をして欲しい。運休と言われれば出掛けるのをあきらめることもある。障害者の生活を何も理解していない。(→要確認)
・金曜日(9日)に、磯子営業所に時刻を問い合わせた時に、「内部規約があるからスロープ付バスには車椅子を2台は乗せない」と言われたことに関して、これに対しては改善を働きかけよう。(→要望書)
・スロープでベビーカーを押して乗ろうと人がいたが、運転手が引っ込めてしまった。
・現場のスロープ付バスの運転手は、柔軟な対応をしてくれてよかった。
・水上バスに電動車椅子で乗るのは大変なのでは。(乗ってみなければわからないが)
○5月16日(金) バス乗車の壁をなくす会 19:00〜 世田谷総合福祉センター共同作業室
○5月24日(土) 交通大行動 東京実行委員会
○5月25日(日) TSF武蔵野方面から新宿へのお出かけ会
・目的地 都庁展望台 新宿駅デパート
・集合 11:00JR中央線・京王井の頭線 吉祥寺駅中央口 改札外
・コース 吉 祥 寺 駅 → 新 宿:JR中央線/新宿駅西口(11:45/12:00/12:15)→都庁(展望台):都営路線バス(CH01・ノンステップバス)/新 宿 駅 デ パ ー ト/新宿駅西口(15:55)→吉祥寺駅南口(16:36)→武蔵境駅南口(16:55):小田急路線バス(宿44・リフト付)/(解 散)
○5月28日(水) TSF江東準備会 江東区総合区民センター(西大島) 2Fロビー 19:00
江東区内、周辺のメンバーの顔合わせをし、そのメンバーで何が出来るか考えていきたいと思います。
○ 6月1日(日) バス乗車の壁をなくす会 昼部会 世田谷区総合福祉センター 会議室
○ 6月 5日(木) バス乗車の壁をなくす会 世田谷区総合福祉センター 19:00 共同作業室
○ 6月14日(土) 交通大行動全国実行委員会(大阪・森の宮ハローイン)
○ 6月20日(金) バス乗車の壁をなくす会 世田谷区総合センター 19:00共同作業室
その他の予定
○ 5月20日(火) 三菱本社訪問(田町) 14:00 〜利用者の声をとどけに〜
○5月21日(水) 都庁第一庁舎 12:00 集合 食事の後 小ツアー予定
○5月24日(土) 「住民が選択した町の福祉」上映会(武蔵野)
○5月28日(水) 東京都交通局との話し合い
○5月25日(日) 交通メッセージ定例会
○5月30(金)〜6月1日(日) 路面電車サミット(岡山市)
ベビーカーについて、本欄でさまざまな意見を拝見しました。
英国ではベビーカーはプッシュチェアと呼ばれます。私の経験では、子供をプッシュチェアーに乗せて外出し、不愉快な体験をしたことは一度もありません。
バスに乗るときはプッシュチェアを畳むのが普通ですが、畳むと車掌が所定の場所に保管してくれます。なかには畳むのを手伝ってくれる車掌さんもいます。また地下鉄には、子供をチェアに乗せたまま乗車できます。改札も間口の広い荷物用ゲートを開けてくれるので、チェアを押しながらホームまで楽に行けます。
これらの点をみても、子供連れを受け入れる施設が整っていることがお分かりいただけるでしょう。しかし、それ以上に素晴らしいと思うのは、市民が子供連れに優しく接してくれることです。
ワンマン・バスでも、多くの場合、畳む際に乗客が手を貸してくれます。また、ビルの階段を上がる時にも、頼むとチェアを運ぶのを快く手伝ってくれます。「困っている人を見たら、手を貸すのをためらわないで」。バス停の時刻表わきに書かれた言葉は、困っている人への思いやりを忘れない英国人気質を象徴しているように思います。
子供をベビーカーに乗せたまま電車に乗ることの是非について何通かの投書を拝見しました。私も子供を産むまではベビーカーを押すお母さんたちの気持ちも考えずに、なんて邪魔なんだろうと思っていました。
しかし、自分が実際にベビーカーを使うようになってからは、電車のなかでベビーカーをたたむという動作が思いのほか大変なことがわかりました。
まず、片方の手で子供を抱き、もう一方の手でベビーカーをたたむ。これが至難の業です。何とかたたんだとしても、片手に子供、もう一方の手に荷物とベビーカー。これでは、揺れる電車の中で、つかまる場所さえもありません。そして五分もしないうちに、子供を抱える手はしびれて、震えてきます。
真冬でも、こうした一見何でもないことにみえる作業に母親は汗だくになります。きっと車いすに乗っている方も同じような思いをしていることでしょう。
もう少し、助け合い、声をかけあって暮らしていけたら、どんなにうれしいことか。ベビーカーを利用するようになってから、以前より人の痛みがわかるようになったような気がします。
5月11日の会報づくりの作業中、バス壁の山田圭さんから、1ヶ月遅れの誕生日プレゼントということで「バスラマインターナショナル」のバックナンバー3冊をいただきました。ありがとうございます。これを生かし、より知識を深め、活動に生かしていきたいと思います。(TSF:星野近人)