FIND ME NOW　宇宙の果ての惑星で　悩むボクを
笑えよ　途絶えることない命を震わせ
小さなヒトの苦しみもまた塵のよう
帰るよ　限られた自由を叫びまくろう　赤い河よ

B'z 『赤い河』より（作詞：稲葉浩志）。

赤い河

グランドキャニオンは、現在のアリゾナ州を流れるコロラド川とその支流が、 隆起する高原を深く削って出来た、東西約４５０ｋｍの流域で、その渓谷は深さ１０００ｍ以上、 北崖と南崖との距離は１０〜２０ｋｍというとてつもないスケールだ。

この渓谷を彫り上げた張本人・コロラド川が、俗に『赤い河』と呼ばれている。

何世紀か前に、この地域を訪れたスペインの宣教師 （その当時、こんな秘境を訪れるのは、冒険者か超熱心な宣教師ぐらいだったとか・・・）が、 はるか眼下を流れる川を見て『リオ・コロラド（赤い河）』と呼んだそうだ。

果たして本当に川が赤くみえるのか？

僕らは今回の旅で、実際にコロラド川のほとりまではるばる旅してきたのだが、 そのときのコロラド川はバスクリンを入れたのよりももっと濃い、 緑色をした激流だった。 「赤い河」を期待していた身には、ちょっと肩透かしを食らった気がした。

ところが翌日、宿にたどり着き、それまで履いていたホコリだらけのジーンズを洗濯しようとバスタブにためた水に浸けたところ、 水がうっすら赤く染まったのである。 渓谷内部には、赤い色をした土砂の地層があり、そこを歩いてきた際に砂粒がジーンズに付着していたのだった。

きっと雨の多い時期なんかは、大量の赤い土砂が流れ出し、 コロラド川は見事に赤く染まるに違いない。 谷底で買った絵葉書には、赤茶けた泥川の写真がしっかりとプリントされていた。