2月2日(月) 朝
谷底へ行く日

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まずは谷底への"トレイル"についての解説です。

グランドキャニオンでは、崖の上から渓谷を見下ろすだけではなく、自ら渓谷
内部におりて行くことができる。幅1〜2メートルの小道(トレイル)が、ビ
レッジのある崖の上から、谷の底であるコロラド川のほとりまで続いているの
だ。

このトレイルを少しでも下ってみると、キャニオンの景色は劇的に変化する。
外側から見るのと、自分がキャニオンの一部となってみるのとでは、また違っ
た迫力が味わえる。「すばらしい」の一言!  ちょっとした冒険者気分にも浸
れるが、よっぽど非常識な行動でもしない限り危険なこともないだろう。

ブライトエンジェル・ロッジのすぐ近くからは「ブライトエンジェル・トレイ
ル」という道が谷の底まで続いている。あるいは、東へ数キロ離れた地点にあ
るヤキ・ポイントという場所の近くからは「サウスカイバブ・トレイル」が、
やはり谷底まで続いている。この2つのトレイルは谷の底で繋がっていて、一
方のトレイルを下り、もう一方のトレイルを登ってくることも可能。トレイル
の途中、何個所かには休憩所やトイレが設置されている。

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トレイルのデータ(地球の歩き方「アメリカの国立公園」を参考にしました)
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【ブライトエンジェル・トレイル】
・トレイルヘッドの場所:サウスリム村のブライトエンジェル・ロッジ付近
・谷底までの距離      :15.7km
・トレイルヘッドの標高:2091m
・谷底までの標高差    :1311m※
・平均所用時間:くだり4〜6時間  のぼり6〜10時間
・距離は長いが、その分途中に比較的緩やかな傾斜あり。

【サウスカイバブ・トレイル】
・トレイルヘッドの場所:ヤキ・ポイント付近(サウスリムから東へ数キロ)
・谷底までの距離      :11.1km
・トレイルヘッドの標高:2213m
・谷底までの標高差    :1433m※
・平均所用時間:くだり3〜6時間  のぼり6〜11時間
・傾斜が急なので、登りには不向きか。
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※谷底(ここではファントムランチのこと)の標高:780m
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1日で谷の底まで下り、登って来るのは相当しんどいし危険。実際に無茶をし
て過労等で死亡(!)する人が毎年いるらしい。谷の底まで行くハイカーの大
半は、「ファントム・ランチ」という宿を利用し、一泊二日の日程で往復する
ことになるだろう。無理のないスケジューリング、十分な飲料水(夏季ならば
なおさら)と食料、そして冬ならば防寒対策が、谷底への旅には必要だ。

徒歩の他にもうひとつ、谷底まで行く手段がある。ラバ(ミュール)のツアー
だ。ブライトエンジェルロッジのツアー窓口で申込できる。いざというときの
英語でのコミュニケーションに自信がなかったので、僕らはやめといたが、ラ
バに乗るのは意外と簡単そうだった。
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・・・ここから旅行記です(^^;

いよいよ谷底へ降りる日だ。興奮のせいか朝4:00にいったん目が覚める。
外を見るとまだ真っ暗なのだが、地面が一面白くなっている。その時は霜がお
りてるのかなと思ったが、後で雪と判明。充分な防寒対策をして出発すること
に決める。

日が出るまで、はやる気持ちを抑えてもうひと眠り。
・・・・・
朝食(昨日スーパーで買ったパンとサラダ)をすませ、荷物をまとめて部屋を
出る。ブライトエンジェルロッジのフロントへ行き、チェックアウト。谷底へ
持って行く一泊分の荷物以外はこのとき預ける。預かり賃は無料だったけど、
ひょっとしてチップを払うべきだったのかな?

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谷底への旅行計画
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☆サウスカイバブ・トレイルを下る。
☆ファントム・ランチで一泊(予約済み)。
☆ブライトエンジェル・トレイルを登る。
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まずは、ここから東へ数キロの「ヤキ・ポイント」にある「サウスカイバブ・
トレイル」の開始地点に行かなくてはいけない。

昨日チェックインのときに"インディアンのおじさん"が、ヤキ・ポイント行き
のシャトルがあると言ってたので、それを利用。僕らの行ったこの時期には、
毎日6時15分/8時15分/10時15分 という3便の「ヤキ・シャトル」
が出ていた。あまり早いのはつらいし、遅いと谷底でのんびりする時間が無く
なる・・・というわけで、8時15分の便を利用することにしていた。

ロビーで待つこと少々、シャトルバスが到着。他に数組の"冒険者"達と一緒に
乗り込む。運賃は1人3ドル。カウボーイハット(これが制帽)の運転手に車
中で直接支払う。バスは他の離れたところにあるロッジを経由した後、針葉樹
林の中の道路を東へ向かう。出発からちょうど30分後(8時45分に)サウ
スカイバブ・トレイルヘッド到着。

バスを降りると、地面には結構雪が積もっている上、風がとても強い!

リュックには、着替えや途中で食べる食料の他、飲み水としてペットボトルの
ミネラルウォーターを3本つめていた。また、波留子のアイデアで、濡らした
タオルをビニール袋に入れて行くことにした。シャワーが浴びられないための
体拭き用だ。荷物はほとんどリュックに収め、地図・ガイドブックのコピー・
メモ帳とペンは、いつでも取り出せるようにウエストポーチに入れる。コンパ
クトカメラと双眼鏡をポーチのベルトにセット。フード付きのコートをしっか
り着込み、手袋もして、足にはトレッキングシューズ。

気分はすっかり冒険家だ。新婚旅行という意識はない(爆)。

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