「いやぁ、山縣さんには、絶対に 飲んでもらわないとね」というホ ッピーでハッピー党のグル、ささ めっち。心なしかウキウキしてい るのは、私の気のせい? ホッピ ー伝導の闘士グルにとって、ホッ ピー処女の私は格好のターゲット。 久しぶりの初ものに顔を上気させ ているグル。頭の中では、 「こんなコトも、あんなコトもや っちゃおう」と考えているにちが いない。デークラ初体験のオヤジ みたい。 まぁ、そんなこんなで決定した 私のイニシエーション。初めての ときはムーディでステキな場所で と、決めていた私だが結局は自宅 でヤることに。なんかビンボー学 生みたい、つってもホッピーだか らな。ま、いいか。 |
儀式・供物の準備 さて、イニシエーション当日。 グルは内妻みゆき嬢とともに登場。 自家製の糠づけ、キムチなど多彩 な食材を持参したグル。ヤツのダ ンチュー魂がメラメラと燃えてい る! ウォンチュー! 「さわる とヤケドするぜ」ってか? 拙宅 のキッチンでいそいそと料理に取 りかかるグルと内妻。でも、俺ん チにはエプロンも油もないんだも んね、へっへっへ。なんて威張っ ていても仕方ない。薄切りブタ肉 の香味揚げのためにおつかいを言 いつかった私。買い物リストに書 き添えられた『焼酎』の二文字に、 いよいよホッピーをヤる日が来た と実感。それが俺をナーバスにさ せたのか、おつかいから帰ってみ ると大事なサラダオイルを忘れて |
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いることに気づく。再度、ファ ミリーマートへゴー! ……バカ。 そんなこんなするうちにイニシ エーションの宴が始まった。グル たちがキッチンにいる間にワイン をあけてクピクピ飲み始めた私と 25歳(当時)の編集者サチコ・オ ガサワラ嬢は、すっかりリラッ クス。サチコのお気に入りは紹興 酒。この日も「これじゃなきゃイ ヤン」というマイ紹興酒を持参し てきた。俺も結構イケル口かもし んないけど、飲むよなー、この女 も。顔色ひとつ変えずにグイグイ。 この日の陰の主役、モッチー(こ いつの誕生パーティも兼ねてたん だな)なんかビール一杯でほんの り赤くなってるっていうのにね。 |
あぁ、ノドの奥深く グルと内妻の心つくしの料理に 酒が進み、み〜んなイイ気持ちに なってきた頃合を見計らってグル が立ち上がった。私も、いよいよ ホッピー処女を捨てるときがきた みたい。持参したホッピージョッ キに焼酎『純』を注ぐグル。星ひ とつ目まで注ぐか、ふたつ目にす るか。「初めてだから、優しくし てね」と思わずお願いしてしまう 私。瞬間、グルの目に怪しい光が 灯る。「調教しがいのあるメスだ ぜ」って思ったかどうかは知らな いけどね。 星一つ目までの焼酎に勢いよく 注がれるホッピー。う〜ん、見た 感じはビールみたい。そんでね、 ひと口グビッて飲んでみた感じも ビールみたいなの。私的には『ホ |
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ッピーはビールに似ている』のが 初体験の感想やね。ライバルは高 島礼子、熟れ熟れの33歳(当時) な私が体験した初ホッピーは、最 初に私を仕込んだ編集長ローヤマ を彷彿させた。ローヤマのアコギ な所業の数々にウブな私は泣いた、 泣いた。今、思い出しても泣けて くる……、クーッ。そんながんこ な書籍編集者を連想させるヒナび た味わい。年を重ね、もうちょっ と枯れたら、その微妙な味わいの 機微がわかるようになるかも。 |