映画旬談





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☆第79回アカデミー賞☆
Oscar prediction



★オスカーがはじまります。レオナルド・ディカプリオがレッドカーペットに登場、「ママと来ているけど、マスコミに出たくないから、どこかにいると思うよ」。聞き手は『アメリカン・アイドル』のMC男で、「授賞したらなにかやってくださいよ」「(笑いながら)アイ・ウィンと言うよ。でも授賞できないと思うよ」。

★助演女優賞確実視されるジェニファー・ハドソンはずいぶん痩せて登場。きれいになった。『アメリカン・アイドル』出身だが、アイドルになれなかった。そのときの嫌みな辛口審査員サイモンがコメントをよせて、きみが授賞すると思うよ、と珍しいほめ言葉を。「いま泣いたら、化粧が台無しになるわ」とサイモンを屈服させた彼女が感激の面もち。授賞のとき、サイモンのことは言うのかな。(本番では言わなかった、あんたに時間はない、そこまでお人好しじゃないとスウィート・リベンジ? ガッチャ!!)

LIVE!オスカー、スタート。まず、美術賞は『パンズ・ラビリンス』。メイクアップ賞も『パンズ・ラビリンス』で、2冠目。音響編集賞は『硫黄島からの手紙』、録音賞は『ドリームガールズ』

★さて、最初の主要部門・助演男優賞は『リトル・ミス・サンシャイン』のアラン・アーキン。下馬評の流れはエディだったけど、やはり、ハリウッド流の功労賞も含めた授賞だったね。長編アニメーション賞は『ハッピー・フィート』。後半『カーズ』が強く、そのまま行くかと思ったけど。ボクの予想ははずれたけど、贔屓の『ハッピー・フィート』の授賞は嬉しい。

pans★風邪で病院へ行っていたゆうすけを迎えに行っている間に、脚色賞で『ディパーテッド』が授賞した。これは順当で予想通りです。衣装デザイン賞は『マリー・アントワネット』。撮影賞は『パンズ・ラビリンス』。パンズはこれで3冠。今回は『パンズ・ラビリンス』が「オルタナーティブオスカー」という感じです。好事魔多し。結局、外国語映画賞までは届かなかった。

★視覚効果賞は『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』

★外国語映画賞の50周年記念の歴史案内役で、渡辺謙とカトリーヌ・ドヌーブが登場。歴代の受賞作をイタリアのジョゼッペ・トルナトーレ監督が編集したトリビュートフィルムもよかった。『パンズ・ラビリンス』がここでは確実と思いきや、嬉しいサプライズ、ボクの大好きな『善き人のためのソナタ』が外国語映画賞を授賞した。予想ははずれたけど、これも嬉しい!!

★助演女優賞は、今回主演女優賞に次いで、大本命部門だった『ドリームガールズ』ジェニファー・ハドソン。彼女の、祖母に感謝するヘリテージ・スピーチにカンドー。

★長編ドキュメンタリー賞はアル・ゴアもと米副大統領の地球温暖化講演の『不都合な真実』が授賞。音楽賞は『バベル』が授賞。

★脚本賞は後半からどんどんのびてきた、『リトル・ミス・サンシャイン』のマイケル・アーント。主題歌賞は、『ドリームガールズ』の3曲独占候補が肩すかしで、「アイ・ニード・トゥ・ウェイク・アップ」(『不都合な真実』)がメッセージ性で授賞をさらった。3強独占で票が割れたのも影響したかも。編集賞は『ディパーテッド』

★主演女優賞は『クイーン』のヘレン・ミレン。主演男優賞は『ラストキング・オブ・スコットランド』のフォレスト・ウィッテカー。(ウィテカーという表記は「ッ」なしが正解だね)それぞれ本命が順当に授賞。

marty wins★監督賞は、マーティン・スコセッシが、とうとう授賞。プレゼンターは、コッポラ、ルーカス、スピルバーグ。

★作品賞は、『ディパーテッド』。昨年のような、作品賞と監督賞が分かれるような『クラッシュ』現象はありませんでした。てわけど、ロードショー誌での予想では、21部門中、12部門的中で5割7分。未練がましいけど、対抗予想の5部門を含めれば17部門の的中で8割。予想外部門は、4部門(音楽、編集など)。的中率はそこそこだけど、今年は作品、監督、主演、助演はほぼはずさなかったので、ま、よしとしましょうか。

★結果授賞数は、『ディパーテッド』が4部門、『パンズ・ラビリンス』が3部門、『リトル・ミス・サンシャイン』『ドリームガールズ』『不都合な真実』が各々2部門。

★今年のオスカーの感動シーン。ナンバー1は名誉賞のエンニオ・モリコーネ。オスカー授賞直前の「頭を垂れる稲穂かな」と妻への感謝を込めてオスカーを掲げた「オスカー松明シーン」。これには感激しました。トゥツ・ベーネ、ベリーシマ!!
★ナンバー2は外国語映画賞。50周年でトルナトーレ監督が編集した外国語映画賞受賞作トリビュートと、その後の『善き人のためのソナタ』の監督のスピーチ。
★ナンバー3はジェニファー・ハドソンの初々しい祖母へ感謝スピーチ。

★逆にヘマ・シーン。その1は歌唱中のジェニファー・ハドソンの揺れるオッパイとちらりと見えた白ブラ(?!)。あのタイトな赤いドレスを着た姿は、ディヴァインを思わせた。ま、いいけど。
★その2は『ディパーテッド』「日本映画のリメーク」と言ったアチラのナレーション。
★その3は、MCのエレンがペネロペ・クルズを「メキシコ人」と言ったこと。


◎本命、○対抗、▲穴 /主要部門だけ、☆ひいき
★作品賞:◎『ディパーテッド』

候補:○『リトル・ミス・サンシャイン』/『クイーン』/『硫黄島からの手紙』/▲『バベル』(☆)

★監督賞:◎マーティン・スコセッシ (『ディパーテッド』(☆)

★候補:○クリント・イーストウッド(『硫黄島からの手紙』)/▲アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(『バベル』)/スティーブン・フリアーズ(『クイーン』)/ポール・グリーングラス(『ユナイテッド93』)

★脚色賞:◎『ディパーテッド』

候補:○『ボラート』/『あるスキャンダルの覚え書き』/『リトル・チルドレン』/『トゥモロー・ワールド』

★脚本賞:◎『リトル・ミス・サンシャイン』

候補:○『クイーン』/『バベル』/『パンズ・ラビリンス』/『硫黄島からの手紙』

★主演男優賞:◎フォレスト・ウィテカー(『ラスト・キング・オブ・スコットランド』)

候補:○ピーター・オトゥール(○『ヴィーナス』)
 ライアン・ゴズリング(『ハーフ・ネルソン』)
▲レオナルド・ディカプリオ(『ブラッド・ダイヤモンド』)
 ウィル・スミス(『幸せのちから』)

★主演女優賞
◎ヘレン・ミレン(☆『クイーン』)
○メリル・ストリープ(『プラダを着た悪魔』)
 ジュディ・デンチ(『あるスキャンダルの覚え書き』)
 ペネロペ・クルス(『ボルベール 帰郷』)
▲ケイト・ウィンスレット(『リトル・チルドレン』)

★助演男優賞:○アラン・アーキン (『リトル・ミス・サンシャイン』)

候補:◎エディ・マーフィ(『ドリームガールズ』)/ジャッキー・アール・ヘイリー(『リトル・チルドレン』)/マーク・ウォルバーグ(『ディパーテッド』)/▲ジャイモン・フンスー(☆『ブラッド・ダイヤモンド』)
★助演女優賞:◎ジェニファー・ハドソン (☆『ドリームガールズ』)
○ケイト・ブランシェット(『あるスキャンダルの覚え書き』)
 アブリゲル・ブレスリン(『リトル・ミス・サンシャイン』)
 アドリアーナ・バラッザ(『バベル』)
▲菊地凛子(『バベル』)

★長編アニメーション賞:○『ハッピー・フィート』(☆)

候補:◎『カーズ』
 『モンスターハウス』

★外国語映画賞:『善き人のためのソナタ』 (ドイツ)

候補:◎『パンス・ラビリンス』(メキシコ)
 『ウォーター』(カナダ)
 『デイズ・オブ・グローリー』(アルジェリア)
 『アフター・ウェディング』(デンマーク)

★撮影賞:○『パンズ・ラビリンス』

候補:◎『トゥモロー・ワールド』
 『ブラック・ダリア』
 『イリュージョンvs』
 『ジ・イリュージョニスト』

★長編ドキュメンタリー賞:◎『不都合な真実』

候補:○『デリバー・アス・フロム・イーブル』/『イラク・イン・フラグメンツ』/『ジーザス・キャンプ』/『マイ・カントリー、マイ・カントリー』

★編集賞:『ディパーテッド』

候補:◎『ユナイテッド93』/○『バベル』/『トゥモロー・ワールド』 /『ブラッド・ダイヤモンド』

★美術賞:◎『パンズ・ラビリンス』

候補:○『ドリームガールズ』/『グッド・シェパード』/『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』
『イリュージョンvs』

★衣装デザイン賞:○『マリー・アントワネット』

候補:◎『黄金の花の呪い』/『ドリームガールズ』/『ザ・クイーン』 /『プラダを着た悪魔』

★音楽賞:『バベル』

候補:◎『あるスキャンダルの覚え書き』/『グッド・ジャーマン』 /『パンズ・ラビリンス』/○『クイーン』

★主題歌賞:○「アイ・ニード・トゥ・ウェイク・アップ」(『不都合な真実』)

候補:◎「リッスン」(『ドリームガールズ』)/「ラブ・ユー・アイ・ドゥ」(『ドリームガールズ』)/「アワー・タウン」(『カーズ』)/「ペイシェンス」(『ドリームガールズ』)

★音響編集賞:『硫黄島からの手紙』

候補:○『ブラッド・ダイヤモンド』/◎『父親たちの星条旗』/『アポカリプト』/『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』

★録音賞:◎『ドリームガールズ』

候補:○『アポカリプト』/『父親たちの星条旗』/『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』/『ブラッド・ダイヤモンド』

★視覚効果賞:◎『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』

候補:『スーパーマン・リターンズ』/『ポセイドン』

★メイクアップ賞:◎『パンズ・ラビリンス』

候補:『もしも昨日が選べたら』/『アポカリプト』

☆第79回オスカー・ティーザー☆
Oscar Teaser



★オスカーの候補が1月23日に発表されました。で、映画日誌でアップしたサプライズなポイントを移転。オスカーのノミニーズ・リストはあとで、整理してアップします。

サプライズの1は、『ドリームガールズ』が主要部門から脱落したこと。これは驚き。ゴールデン・グローブ賞の勢いで、『ディパーテッド』との一騎打ちか、という読みは見事にはずれました。想定ガイです。先の米プロデューサー組合の作品賞だった伏兵『リトル・ミス・サンシャイン』が、作品賞の一角を占めました。

サプライズの2は、『硫黄島からの手紙』がボクの想像以上にオスカー会員の心をとらえたということ。イーストウッドブランド強し! 作品賞、監督賞、脚色賞、音響編集賞の4部門で候補になり、俄然、今回のオスカーの本命に浮上した感じです。対抗は『ディパーテッド』。ダークホースは『バベル』。そして『クイーン』の以上の4作品は作品賞、監督賞、脚本賞か脚色賞の主要部門で候補。監督の最後の(?)の席には、『ユナイッテド93』のポール・グリーングラスが入りました。

サプライズの3は、演技賞関連。『ディパーテッド』で主演男優賞候補と思われた、レオナルド・ディカプリオ『ブラッド・ダイヤモンド』で候補になったこと。あと『幸せのちから』のがウィル・スミスが候補の一角、彼は業界の仲間に人気があるってことだね。

★『ヴィーナス』で無冠の帝王、ピーター・オトゥールが候補。ひょっとして、彼に最後のひと花を、と思う会員が増えハリウッド流の選択がなされれば、本命フォレスト・ウィッテカーを脅かすかも。ちなみにオトゥールは74歳で、昨年オスカーの名誉賞を授与されたが、そのとき自分にも授賞のチャンスはあると、名誉賞を一時辞退しょうとしたいきさつあり。で、今回8度目の候補。

★主演女優賞では、『プラダを着た悪魔』のメリル・ストリープが入り、最多更新の14度目の候補で過去2度の授賞。ちなみにキャサリン・ヘプバーンは12度の候補で3度の主演賞受賞。

★これで『ディパーテッド』が作品賞で吸引力がなくなる印象あり。『ディパーテッド』はマーティン・スコセッシの監督賞では本命だと思われるが、作品賞は微妙な位置。今回は作品賞と監督賞が前回同様、別れる可能性が大となった。

サプライズの4は、予想はしていたが、『バベル』の菊地凛子ちゃんが助演女優賞候補になる快挙。技術部門のメキャップ賞部門の候補作『もしも昨日が選べたら』では、カズヒロ・ツジという日本人が共同候補になり、『硫黄島からの手紙』の脚本賞候補になった日系の米人女性アイリス・ヤマシヤを加えると、日本人関連は過去最多の3人も。

サプライズの5は主題歌賞候補。『ドリームガールズ』を主要部門で無視した代わりに、ここではなんと3曲も候補に。ま、助演女優賞部門では、凛子ちゃんの最大の強敵ジェニファー・ハドソンが一矢報いる公算大だけどね。

サプライズの6は、外国語映画賞。絶対候補になると読んでいたスペインのアルモドヴァル監督の『ボルベール 帰郷』が圏外に消えたこと。配給するギャガ宣伝部の悲鳴が聴こえそうですね。代わりに、下馬評になかったデンマークの『アフター・ウェディング』が滑り込んだ感じ。おそらく本命はメキシコの『パンズ・ラビリンス』で、対抗はドイツの『善き人のためのソナタ』

★あとアニメーション賞は本命『カーズ』はじめ、『ハッピー・フィート』『モンスター・ハウス』が順当に。ドキュメンタリー賞は本命『不都合な真実』が候補に。以上、詳細はあとで、オスカー賞レースでアップします。

★今年も作品賞の予想は難しくなった!

★ここで映画業界事情。配給会社の損得勘定でいえば、一番ほくほくなのは、ワーナーブラザーズ映画。『硫黄島からの手紙』はこの間宣伝の荒矢さんに訊いたら、目下興行収入で40億円。オスカーで候補になったので、さらに50億円突破は確実。授賞なら、もっと。『ディパーデット』もワーナーで、レオ様が主演男優賞からはずれたのは痛い。でも対象作『ブラッド・ダイヤモンド』もワーナー。アニメーション部門では『ハッピー・フィート』もあり。なにをやってもツイている、我が世の春のワーナーであります。

★逆に、『ドリームガールズ』に期待していた配給のUIPはかなり落胆。『ユナイテッド93』もUIPだが、すでに公開済でうま味なし。ソニーは『幸せのちから』が公開直前なので、まさに力になりそうだね。
(2007/01/25 Updated)


☆オスカー外国語映画賞ファイナル9作品リスト☆
Acadmy Awards :Foreign Language Films



オスカーの候補が1月23日に発表されるが、その前に最終5作品に向 けて、9作品の候補作が発表された。以下がその作品です。
(2007/01/16 Updated)
  • 『デイズ・オブ・グローリー』(アルジェリア/監督:Rachid Bouchareb)
  • 『ウォーター』(カナダ/監督:Deepa Mehta)
  • 『アフター・ザ・ウェデイング』(デンマーク/監督:Susanne Bier)
  • 『Avenue Montaigne』(フランス/監督:ダニエル・トンプソン)
  • 『善き人のためのソナタ』(ドイツ/監督:Florian Henckel von Donnersmarck)
  • 『パンズ・ラビリンス』(メキシコ/監督:ギレルモ・デル・トロ)
  • 『ブラック・ブック』(オランダ/監督:ポール・バーホーベン)
  • 『ボルベール 帰郷』(スペイン/監督:ペドロ・アルモドヴァル)
  • 『ヴィタス Vitus』(スイス/監督:Fredi M. Murer)

  • ☆オスカー有力候補作のポイントランキング☆
    Movie City News


    ★映画サイト、MCN(Movie City News)が各映画賞、各メイディアの年間トップテンを集計、オスカー有力候補作のポイントランキングをアップしている。以下はそのランキングです。(12月28日現在)

    作品賞『ディパーテッド』(5個)と『ユナイテッド93』(5個)でタイの1位。以下、『硫黄島からの手紙』(3個)、『クイーン』(2個)、『リトル・チルドレン』(1個)の順。メディア選出のトップテン入りとその1位の回数では『ザ・クイーン』(65回/1位5回)、『ディパーテッド』(64回/1位8回)、『ユナイテッド93』(57回/1位6回)、『硫黄島からの手紙』(42回/1位8回)、『ボラート』(41回/1位2回)、『リトル・ミス・サンシャイン』(37回/1位0回)、『リトル・チルドレン』(27回/1位3回)、『パンの迷宮』(20回/1位9回)、『ドリームガールズ』(17回/1位2回)。

    監督賞では『ディパーテッド』のマーチン・スコセッシ監督が批評家賞11個でダントツのトップ。以下、『ユナイテッド93』のポール・グリーングラス監督(2個)、『ザ・クイーン』のスティーブン・フリアーズ監督(1.5個)、『ドリームガールズ』のビル・コンドン(1個)、クリント・イースウッド監督(1個)。

    主演男優賞は『ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド』のフォレスト・ウィテカー(13.5個)圧勝で1位。以下、2番手に『ボラート』のサシャ・バロン・コーエン。意外は『単騎、千里を走る』の高倉健がサンディエゴ映画批評家協会賞で主演男優賞で1個。あと、『ディパーテッド』のレオナルド・ディカプリオ、『ヴィーナス』のピーター・オトゥール、『幸せのちから』のウィル・スミスも。

    主演女優賞は『クイーン』のヘレン・ミレンが16個でダントツ。他の追随を許さない。あとに続く有力の候補は、『ボルベール帰郷』のペネロペ・クルズ、『リトル・チルドレン』のケイト・ウィンスレット、『ノーツ・オン・ア・スキャンダル』のジュディ・デンチ、そし『レンニング・ウィズ・シザース』のアネット・ベニングが並ぶ。

    助演男優賞は混戦だがここに来てのびているのが、『リトル・チルドレン』のジャック・アール・ヘイリー(6個)。以下『クイーン』のマイケル・シーン(3個)、ジャイモン・フンスー(3個)、エディ・マーフィー(2.5個)。さらに『ディパーテッド』のマーク・ウォルバーグ、『バベル』のブラッド・ピットも。

    助演女優賞は『ドリームガールズ』のジェニファー・ハドソン(5.5個)がリード。以下、『ノーツ・オン・ア・スキャンダル』のケイト・ブランシェット(5個)、『フォー・ユア・コンシダレーション』のキャサリン・オハラ(1.5個)。『バベル』の菊地凛子(1個、ユタ映画批評家協会賞)とエイドリアナ・バランザ(1個)。ほかに『リトル・ミス・サンシャイン』の子役アビゲル・ブレッシン、『ハーフ・ネルソン』のシャリーカ・エプス、そして『ファクトラムFactotum』のリリ・テイラー。

    外国語映画賞は、ここに来てメディア絶賛のメキシコ映画の『パンの迷宮』(8個)がリード。非英語映画で『硫黄島からの手紙』(3個)と2番手だが、オスカーの外国語映画賞枠にははいらないのでパス。対抗馬はスペイン映画の『ボルベール帰郷』(2個)とドイツ映画の『善き人のためのソナタ』(1個)。『ある子供』(1個)、『Riding Alone For Thousands of Miles』(1個)。

    ドキュメンタリー映画賞はアル・ゴア元米副大統領の地球温暖化警告講演『不都合な真実』(12個)でダントツ。以下、宗教界の司祭セクハラ醜聞『デリバー・アス・フロム・イーブル』(2/5個)が対抗か。ほかに『シャット・アップ・アンド・シング』(1.5個)、『マニファクチャード・ランドスケープス』(1個)。

    アニメーション映画賞『ハッピー・フィート』(6個)が一歩リード。対抗は『カーズ』(4個)。ほかに『モンスターハウス』(2個)、『フラッシュド・アウェイ』(1個)。 (2006/12/30 Updated)


    ☆ボクのオスカー有力候補作の予想とオスカー・ア・ラ・カルト☆
    Oscar Forecast




    ★今年はアカデミー賞の79回目。区切りのいい80回の前で、なんとなく中途半端な回。業界通の映画アナリスト、マーティン・グローブが「本命のない年」と書いていた。めぼしい候補で残ったのは、年末公開の『ドリームガールズ』。期待は高まりフロントランナーの位置となっていたが、その後の各映画賞では、「ドリーム」はイマイチのびていない。ま、作品賞5候補の一角には残りそうだが、受賞はどうだろうか。

    ★現在のところ、『ディパーデット』『クイーン』『ユナイテッド93』がかなり有力なトップ3。あと『バベル』。そして興味の的は、イーストウッドの硫黄島2部作をオスカー会員は、どう判断するか。ほぼ外国映画の、『硫黄島からの手紙』は各映画賞で米軍版『父親たちの星条旗』より評価が高いが、外国語映画を見ないような老オスカー会員は『父親たちの星条旗』に目線がいくかもしれない。トーゼン、『硫黄島からの手紙』は外国語映画賞のエントリー作ではないので、『硫黄島からの手紙』を外国語映画賞として棚上げしたゴールデン・グローブ賞のような「外国語映画賞」枠には入らない。

    ★でも、作品賞でパスされても、ほかの賞でカバーされる可能性もあり。いずれにしても「硫黄島2部作」をどう扱うかによって、作品賞候補が大いにブレる。これは今回のチェックポイントです。いまの時点(23日)では、『硫黄島からの手紙』は作品賞候補に残る可能性大。

    ★演技賞では、大勢は主演賞が『クイーン』のエリザベス女王役、ヘレン・ミレン、『ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド』の独裁者アミン大統領役の、フォレスト・ウィテカーの本命。助演賞では『ドリームガールズ』の新星ジェニファー・ハドソンが大本命と同じくエディ・マーフィがハリウッド受けしそうな助演賞候補有力だ。

    ★問題は過去5度苦杯をなめたマーチン・スコセッシ監督が受賞するか、ということ。対抗馬はイーストウッドだが、総合評価でスコセッシが今回こそ受賞となるかも。23日現在、『ディパーテッド』が、オスカーのフロントランナーに躍りでた感じです。米監督組合賞がオスカーに影響するので、その結果を待ちたい。

    ★外国語映画賞関連ではスペイン語のファンタジー作『パンの迷宮』がポイントを稼いでるので、撮影賞・美術賞の技術賞系の候補も有力です。

    ★今年のスケジュールでは1月23日に候補発表。2月13日に投票締め切り。2月25日(日本時間26日の午前)が授賞式というスケジュール。今回の司会者は、テレビで自分のヴァラエティトークショーももっていた人気コメディエンヌのエレン・デジェネラス。彼女はカミングアウトしているレズビアンで、一時女優のアン・ヘッシュと熱愛関係にあったことでも有名です。今年彼女のレズ・ネタの笑いあるのかなあ。エレン・ファンではないボクには、今年の司会者パフォーマンスには、全然期待薄。

    ★ちなみに、目下のアカデミー賞会員の構成人数の内訳は以下の通りです。
    俳優(1260人)/プロデューサー(469人)/エグゼクティブ(429人人)/音響(415人)/脚本家(396人)/美術監督(378人)/監督(376人)/PR(371人)/視覚効果(249人)/音楽(237人)/編集(224人)/撮影(186人)/ドキュメンタリー(134人)/短編(316人)/一般会員(366人)
    計:5973人



    award
    ★1.ディパーテッド ★2.バベル ★3.硫黄島からの手紙 ★4.クイーン ★5.リトル・ミス・サンシャイン ★6.ドリームガールズ ★7.ユナイテッド93 ★8.パンの迷宮 ★9.トゥモロー・ワールド ★10.リトル・チルドレン ★11.ボラート ★12.ラスト・キング・オブ・スコットランド ★13.ボルベール 帰郷 ★14.ブラッド・ダイヤモンド ★15.ノーツ・オン・ア・スキャンダル ★16.父親たちの星条旗★ ★17.カーズ ★18.ハッピー・フィート ★19.プラダを着た悪魔 ★20.ハーフ・ネルソン ★21.善き人のためのソナタ ★22.幸せのちから ★23.アポカリプト ★24.ブラック・ダリア 25.ザ・グッド・シェパード


    ★の数はノミネート期待度で、最高に期待=4★/かなり期待=3★/ほどほどの期待=2★/期待薄=★です。
    (2007/01/26 UPDATED)

    ☆Oscar 2007 List part.2
    ☆Film Awards LIST 2006-07

    bluecorner Road to Oscars 2007 Ranking Part.1
    Title Data Buzz Awards
    1.ディパーテッド
    ★★★★
    the Departed
    departed
    ★アイリッシュ・マフィアの組織内に潜伏する警官と、警察内部に紛れ込んだギャング。ふたりの虚々実々の心理戦を描くギャング映画。
    出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーティン・シーン、マーク・ウォルバーグ、アレック・ボールドウィン 監督:マーティン・スコセッシ(全米10月6日/ワーナーブラザーズ作品)
    ★舞台をボストンに移した、アンドリュー・ラウ監督の香港ノワール『インファナル・アフェア』のハリウッド版リメーク。
    ★『アビエイター』で5度目のオスカー監督賞レースで破れ、「失意」(?)のスコセッシの復帰作。リメーク作で、オスカーの作品賞の5本に残ることは確実。NY映画批評家協会賞で監督賞を受賞。あと演技賞関連で、ジャック・ニコルソンはじまえ、レオ、マット、マークの4人は「考慮」の対象。いまのところ、マークとジャックが有利。
    ★主演男優賞の一角にディカプリオが有力だが、『ブラッド・ダイヤモンド』の兼ね合いがどうなるか。俳優組合賞では、本作が助演賞部門という珍現象もあり。

    オスカー候補:5部門候補。作品賞、監督賞、脚色賞、助演男優賞賞(マーク・ウォルバーグ)、編集賞。

    ★作品賞はボストン、シカゴ、フロリダ、サウスイースタン、サテライト、ラスヴェガスの映画批評家協会の6冠。監督賞は11冠。脚色賞はボストンなど7冠。07年1月6日現在、映画賞受賞は全30冠。ゴールデン・グローブ賞では監督賞・脚本賞授賞。作品賞、主演男優賞、助演男優賞(ウォルバーグとニコルソン)で候補。
    2.バベル
    ★★★★
    Babel

    ★モロッコへ新婚旅行にきたカップルに見舞った悲劇からはじまり、一丁の拳銃をめぐる暴力の連鎖を描く。
    ★出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、役所広司、ガエル・ガルシア・ベルナル、アドリアーナ・バラッザ、菊地凛子 監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(全米10月6日公開/パラマウント・ピクチャーズ作品)
    ★『アモーレ・ペロース』『21グラム』に続く、メキシコのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督と脚本家のギレルモ・アリエガガのコンビで。モロッコ、チュニジア、メキシコ、そして日本と、世界の4つの物語がリンクしていくコンビ得意の多発作劇。
    ★今年のカンヌ国際映画祭では、イニャリトゥ監督が最優秀監督賞を受賞した。今年のオスカーの一角を狙うのに十分の話題性だが、『ユナイテッド93』が注目を集めたたため、いまのとろこトップ5に入るか微妙。『氷の微笑』以上の大胆開脚演技を見せるろう者の女子高生役の菊地凛子は、ブロードキャット映画批評家協会賞で候補になり、俄然、助演女優賞候補有力で浮上中です。

    オスカー候補:6部門7候補。作品賞、監督賞、助演女優賞(菊地凛子、アドリアーナ・バラッザ)、脚本賞、編集賞、音楽賞。

    ★菊地凛子はオースチン、ユタ、シカゴの各映画批評家協会賞3冠。ゴールデン・グローブ賞では作品賞授賞。監督賞、助演賞3人、脚本賞、音楽賞で7部門の最多候補。
    3.硫黄島からの手紙
    ★★★★
    Letters from Iwo Jima
    iwojima
    ★激戦の硫黄島。米軍は5日間と持たないと軽く見えたが、栗林中将(渡辺謙)の指揮のもと、生き延びよよいう命令のもと、兵士は36日間死守した。
    ★出演:渡辺謙、二宮和也、加瀬亮、伊原剛志、中村獅童(全米12月20日公開/ワーナーインディパンデントピクチャーズ作品)
    ★イーストウッド監督も絶賛した、自然な演技を見せる日本人俳優たちの演技アンサンブルが見どころ。
    ★賞レース半ばで、外国語映画賞として扱われる場面が多くなってきた。オスカーでトップ5に残るか注目される。(2007/01/08記)

    オスカー候補:4部門候補。作品賞、監督賞、脚本賞、音響編集賞。

    ★硫黄島2部作の評価が高く、ナショナル・ボード・オブ・レビューではベスト10に2本とも名入り、本作は作品賞を受賞。今後も2本ともベスト10入りがあるかどうか注目。本作は当初、全米で来年早々の公開予定だったが、 評価が高いため、年末公開。オスカーの対象作品となった。全編ほぼ日本語のセリフのハリッド作品で、日本語セリフのオスカー候補なら、クロサワの『乱』以来。
    ★作品賞はナショショナル・ボード・オブ・レビュー、LA映画批評家協会賞、サイディエゴ映画批評家協会賞と、07年1月6日現在3冠。外国語映画賞扱いで、シカゴ映画批評家協会賞など5冠。ゴールデン・グローブ賞で外国語映画賞授賞。監督賞候補。
    4.クイーン
    ★★★★
    The Queen

    ★ダイアナ元妃がパリで自動車事故死したあと、エリザベス女王(ミレン)は自分の処し方に悩み、ブレア首相(シーン)との確執も生む。
    ★出演:ヘレン・ミレン、マイケル・シーン、ジェームズ・クロームウェル、シルヴィア・シムス、アレックス・ジェニング 監督:スティーブン・フリアーズ(全米9月30日公開/グラナダフィルムほか製作、ミラマックス配給)
    ★『危険な関係』『グリフターズ』などの英国の巨匠フリアーズによる、実話ベースの英王室舞台裏人間ドラマ。フィリップ殿下にクロームウェル。 、皇太后にシムス、チャールズ皇太子にジェニングス。実在の人物をどう演じているか。 オスカー候補:6部門候補。作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞(ヘレン・ミレン)、衣装賞、音楽賞。

    ★エリザベス女王役のヘレン・ミレンは英国を代表する演技派女優のひとり。オスカーでは過去2度候補(『英奥万歳!』の妃役、『ゴスフォード・パーク』の貴族の一員と高貴な役で助演賞候補)に。今回は主演女優賞の最有力で、ナショナル・ボード・オブ・レビューで1冠。今後受賞がどれだけ伸び、オスカーを手中にするか否か。ちなみにミレンは61歳。目下、各映画賞でのゲット率では32.5個でナンバー1。
    ★ヘレン・ミレンは07年1月6日現在、映画賞の主演女優賞全18冠独占。ブレア首相役のマイケル・シーンは07年1月6日現在、助演男優賞6冠。ゴールデン・グローブ賞で主演女優賞授賞。作品賞、脚本賞の3部門候補。
    5.リトル・ミス・サンシャイン
    ★★★★
    Lttle Miss Sunshine

    ★2歳の娘がリトル・ミスコンに繰り上げ出場決定、一家は大会のあるロスに向けてクルマで出発する。
    ★出演:グレッグ・キニア、トニ・コレット、アラン・アーキン、アビゲイル・ブレスリン 監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス(全米9月15日公開/20世紀FOX配給)
    ★インディ映画の登竜門サンダンス映画祭で観客賞を受賞し、その後の興行でも5000万ドルのヒットを記録。今年のインディ作のスリーパー(思わぬヒット作のこと)。グレッグ・キニア(『恋愛小説家』)、トニ・コレット、(『シックス・センス』)、スティーブ・カレル(『40歳の童貞男』)、そしてアラン・アーキンと演技アンサンブルが多彩で、それぞれが抱えた悩みをめぐる笑いが楽しいロードムービー。
    ★ジャンキーであぶないチョイわる祖父役を快演した演技派アラン・アーキンは、『アメリカ上陸作戦』『愛すれど心さばしく』と2度オスカーの主演男優賞候補の実績。インディ映画賞のスピリット賞では助演賞候補になっているが、オスカーの助演賞候補はほぼ確実。最後にミスコンで祖父ゆずりの危ないパフォーマンスを見せる子役アビゲイル・ブレスリンちゃんもオスカーの助演賞候補の可能性も。
    オスカー候補:3部門4候補。作品賞、脚本賞、助演男優賞(アラン・アーキン)、助演女優賞(10歳のアビゲイル・ブレスリン)、

    ★本作はインディ映画賞のスピリット賞では作品賞など5部門で最多候補。今年の目玉作品のひとつで、ナショナル・ボード・オブ・レビューでもベスト10作品の1本に。
    ゴールデン・グローブ賞では作品賞、主演女優賞(トニ・コレット)の2部門。アラン・アーキンは無視された。米俳優組合賞のアンサンブル演技候補。アーキンと子役のブレスリンが助演賞候補に。
    6.ドリームガールズ
    ★★★★
    Dreamgirls

    ★ガールグループ「dreamettesドリーメッツ]のサクセス物語。
    ★出演:ビヨンセ・クノウレス、ダニー・グローバー、ジェニファー・ハドソン、エディ・マーフィー 監督:ビル・コンドン(全米12月22日公開/ドリームワークス、パラマウントポクチャーズ作品)
    ★シュープリームスをモデルにしたブロードウェイのヒットミュージカルを、『シカゴ』(脚本)『キンゼイ』などのビル・コンドンが脚本・監督を担当した映画版。ダイアナ・ロスに相当するキャラはビヨンセが演じる。
    ★ビル・コンドンは『ゴッズ・アンド・モンスターズ』(98年)でオスカーの脚色賞を受賞した実績。本命不在の今年、俄然オスカーのフロントランナーとして下馬評も上々。作品賞候補は確実だが、演技賞関連はどうか。いまのところエディ・マーフィとジェニファー・ハドソンが受賞有力候補。とりわけ、ナショナル・ボード・オブ・レビューでも新人賞を受賞して1冠の、『アメリカン・アイドル』出身の新人ハドソンは、アメリカン・ドリームが大好きなハリウッドで、文字どおりドリームガールになりそう。今年のオスカーの顔のひとりです。
    オスカー候補:6部門8候補。助演男優賞(エディ・マーフィ)、助演女優賞(ジェニファー・ハドソン)、主題歌賞(3曲、「リッスン」「ラヴ・ユー・アイ・ドゥ」「ペイシェント」)、録音賞、美術賞。

    ゴールデン・グローブ賞では、作品賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、主題歌賞の5部門で候補。07年1月6日現在、監督賞はサテライト賞の1冠で、助演女優賞のジニファー・ハドソンに賞が集中し、07年1月6日現在、ワシントンDCのタイ授賞を含めて、6冠。助演賞枠でなく、新人賞枠での授賞も多い。いずれにせよ、全体の賞レースのムードでは、助演賞以外は、候補になっても授賞は遠い感じです。
    7.ユナイッテッド93
    ★★★★
    United 93
    united93
    ★2001年9月11日、ユナイッド航空93便がハイジャックされた。一連のテロ攻撃で、同機はホワイトハウスを標的にしていたが、乗客は一致団結し、テロリストに立ち向かう。そしてペンシルバニア州シャークヴィルに墜落した。
    出演:クリスチャン・クレメンソン、トリッシュ・ゲーツ、デヴィッド・アラン・バーシュ、チイニー・ジャクソン 監督:ポール・グリーングラス(全米8月28日公開/ユニバーサル・ピクチャーズ作品)
    ★実際にユナイテッド航空93便に搭乗し命を落とした40人の遺族が映画化に協力。家族の出演。臨場感満点の手持ちカメラ、編集ワークはオスカー狙い。
    ★賞レースのなかで、今後、9.11同時多発テロへの追悼も込めてポイントを稼ぐ可能性が高い。が、ゴールデン・グローブ賞ではまったく無視され、後退。オスカーではどの程度盛り返すか。
    オスカー候補:2部門候補、監督賞、編集賞。

    ★NY映画批評家協会賞で作品賞に選ばたのをはじめ、ワシントンDC、フェニックス、オハイオ、ユタ、カンザスシティ、オースチンなど映画批評家賞での作品賞は、07年1月6日現在、8冠。監督賞は、3冠。全11冠で、ダークホース的な作品に浮上中です。
    8. パンズ・ラビリンス
    ★★★★
    Pan's Labyrinth

    ★1944年のスペイン内戦で父を亡くしたオフェリア。母は冷酷な独裁主義の大尉と再婚する。恐ろしい義父から逃れたいと願う彼女は、屋敷の近くで謎めいた迷宮を見つけ出し、足を踏み入れると、迷宮の守護神"パン"が現れる。パンは「あなたが探し続けていた魔法の王国のプリンセスに違いありません」と明かし、その真偽を確かめるため、オフェリアに3つの危険な試練を与える。オフェリアは全くの準備もないままに、その試練に立ち向かう。
    ★出演:イヴァン・バクレロ、マリヴェル・ベルドュ、セルギ・ロペス 監督:ギレルモ・デル・トロ(全米12月29日公開/ワーナー・ブラザーズ作品)
    ★『ヘル・ボーイ』で注目されたメキシコのデル・トロ監督がスペインで撮った作品。暴力的で、美しくも哀しいと評価が高い。
    ★今年の外国語映画賞の5作品の1本に残る、と下馬評が高い。スピリット賞、ナショナル・ボード・オブ・レビューでも候補にあがった。評価はうなぎのぼりで、今年の賞レースの隠し玉。
    オスカー候補:6部門候補。脚本賞、外国語映画賞、撮影賞、音楽賞、美術賞、メイキャップ賞、

    ★NY映画批評家協会賞で撮影賞、NY映画批評家協会オンライン賞では外国語映画賞を受賞と注目度大。ゴールデン・グローブ賞では脚本賞、外国語映画賞の2部門で候補。07年1月6日現在、外国語映画賞で、ボストンなど映画批評家賞9冠。メディア評価はほぼ100%近い絶賛。スティーブン・キングも大人のファンタジーとして、年間ベスト1に。美術・撮影と技術系でのオスカー候補も有力。要マークのメキシコ作だ。
    9.トゥモロー・ワールド
    ★★★
    Children of Men
    children of men
    ★子どもが生まれなくなった未来世界、元平和活動家(オーウェン)と軍人の元妻(ムーア)が奇跡的に妊娠した女性を守ろうとするSFサスペンス。
    ★出演:クレーブ・オーウェン、ジェリアン・ムーア 監督:アルフォンゾ・キュアロン(全米9月29日公開/ユニバーサル作品)
    ★『クローザー』でオスカー候補になった英国のオーウェンと、『ことの終わり』などでオスカー候補の演技派女優ジュリアン・ムーアが共演。監督は、『ハリー・ポッターとアズガバンの囚人』などメキシコの俊英キュアロン。 オスカー候補:2部門候補。撮影賞、編集賞。

    ★02年製作の『天国の口、終わりの楽園』では賞レースを加わった時実績があるキュアロン監督。ヴェネチア映画祭では技術功績賞を受賞。クルマのなかを自在に見せる特許ものの映像、あるいは市街戦でのリアルで幻想的名映像。撮影賞候補としては有力です。07年1月6日現在、ユタ、オースチンの映画批評家賞で監督賞2冠。オースチンで脚本賞の1冠。
    10.リトル・チルドレン
    ★★★
    Little Children
    little children
    ★若年の結婚グループは、驚くべき危険なやり方で、小さなコミュニティのなか遊び場、街のプール、路上で出会う。
    ★出演:ケイト・ウィンスレット、ジェニファー・コネリー、ジャッキー・アール・ヘイリー、サディ・ゴールドステイン、パトリック・ウィルソン、  監督:トッド・フィールド(全米11月22日公開/ニューラインシネマ作品)
    ★ケイト・ウィンスレットは、オスカーで過去2度主演賞(『タイタニック』『エターナル・サンシャイン』)、2度助演賞(『いつか晴れた日に』『アイリス』)と4度オスカー候補という実績。今回は主演賞候補が有力。監督は『イン・ザ・ベッドルーム』でオスカー候補になったトッド・フィールド。 キューブリック監督の『アイズ・ワイズ・シャット』でピアニスト役で出演していた俳優でもある。 オスカー候補:2部門候補。主演女優賞(ケイト・ウィスレット、5度目)、助演男優賞(ジャッキー・アール・ヘイリー)。

    ★賞レースではダークホース的な存在。ゴールデン・グローブ賞では作品賞、主演女優賞(ケイト・ウィンスレット)が候補。オスカーで助演男優賞候補の本命がいないなか、俄然注目されているのが子役出身のアール・ヘイリーで、07年1月6日現在、サンフランシスコ、シカゴなど映画批評家賞6冠。脚本賞はサンフランスシコ映画批評家協会賞で1冠。
    11.ボラート
    ★★
    Borat
    borat
    ★カザフスタン人のテレビパソナリティ、ボラート(コーエン)は、 世界一素晴らしい国アメリカの取材をするため派遣された。ドキュメンタリークルーと乗り込んだボラートは『ベイウォッチ』のグラマー女優パメラ・アンダーソンに魅了され、仕事そっちのけで、彼女との結婚を夢見てロスに向かう。
    ★出演:サシャ・バロン・コーエン、ケン・ダヴィティアン、ルエネリ、パメラ・アンダーソン 監督:ラリー・チャールズ(全米11月3日公開/20世紀フォックス配給)
    ★主演のコーエンは英国で活躍するコメディ俳優で、巨根男のオバカコメディ『アリ・G』でユダヤ系独特(?)のしつこさで異才を放った人。本作では、脚本も担当して才人ぶりを発揮、米国メディアは100%近き好評で、俄然賞レースに参入したい。今年の異色中の異色コメディ。 オスカー候補:1部門候補。脚本賞。 ゴールデン・グローブ賞では作品賞(コメディ・ミュージカル部門)、主演男優賞授賞。LA、サンフランシスコ、トロントと07年1月6日現在、映画批評家協会賞の主演男優賞3冠。
    12.ザ・ラスト・キング・オブ・スコットランド
    ★★
    The Last King of Scotland
    the Last King of Scotland
    ★70年代にアフリカ・ウガンダで君臨した悪名高い独裁者アミン大統領(ウィテッカー)を、側近の主治医ニコラス(マクアボイ)の目を通して描く人物伝。
    ★出演:フォレスト・ウィテカー、ジェームズ・マクアボイ、ケリー・ワシントン、ジリアン・アンダーソン 監督:ケヴィン・マクドナルド(全米9月27日公開/フォックスサーチライト・ピクチャーズ配給)
    ★アミン役は『クライング・ゲーム』『グッドモーニグ・ベトナム』『ゴースト・ドッグ』などのアフリカ系の演技派ウィテッカー。実在に人物演技では、『バード』でチャーリー・パーカーを演じ、カンヌ映画祭の主演男優賞を授賞した前歴。
    ★今年の各映画賞では主演男優賞を独占。でもオスカーでも不動の大本命。もし授賞なら、シドニー・ポワチエ(『野のゆり』、デンゼル・ワシントン(『トレイニング デイ』))、ジェイミー・フォックス(『RAY/レイ』))に続き、4人目の主演男優賞。ただ、ハリウッド人種は意外な選考もするので、対抗馬のディカプリオ次第で、大ドンデモもあるかも。
    オスカー候補:1部門候補。主演男優賞(フォレスト・ウィテッカー)。

    ゴールデン・グローブ賞の主演男優授賞。07年1月6日現在、映画批評家協会賞の主演男優賞はタイ同時授賞1回を含めて、15冠。
    13.ボルベール<帰郷>
    ★★★
    Volver

    ★モロッコへ新婚旅行にきたカップルに見舞った悲劇からはじまり、一丁の拳銃をめぐる暴力の連鎖を描く。
    ★出演:ペネロペ・クルス、カーメン・マウラ、ローラ・デュナス、ブランカ・ポティロ、アントニア・デラ・トロ 監督:ペドロ・アルモドヴァル(全米10月6日公開/ソニー・ピクチャー・クラシック配給/日本ギャガ・コミュニケーションズ配給)
    ★『オール・アバウト・マザー』でオスカーの外国語映画賞を受賞ているアルモドヴァルが、今回も外国語映画賞で最有力候補になること確実。でも、賞レース中盤にはいり、授賞は微妙。同じスペイン語のメキシコ作『パンの迷宮』が先行中。 オスカー候補:1部門候補。主演女優賞(パネロペ・クルズ、スペイン女優では初のオスカー候補)

    ★今年のカンヌ国際映画祭ではイナリトゥ監督の『バベル』に監督賞をさらわれ、脚本賞と女優陣全員女優賞と2冠。欧州映画賞では、『善き人のためのソナタ』に作品賞をさらわれて、監督賞と主演女優賞(クルズ)が受賞。でも、アルモドヴァル・ブランドは信頼のブランドで、ナショナル・ボード・オブ・レビューでは外国語映画賞で1冠。今年も本命です。
    ゴールデン・グローブ賞では主演女優賞(ペネロペ・クルズ)、外国語映画賞で候補。
    14.ブラッド・ダイヤモンド
    ★★
    Blood Diamond

    ★内戦で混乱の90年代のセーロン。南アフリカの外国人傭兵アンディ・アーチー(ディカプリオ)は刑務所に入っているとき、漁師のソロモン(スンフー)が家族をとらわれ、ダイアモンド発掘の仕事をさせれたことを知る。そして。彼は珍しいピンクのダイア原石を隠していることも。米国の女性ジャーナリスト、マンディ・ボーウェン(コネリー)の助けを借りて脱出、ソロモンの家族の救出と同時にダイヤを狙う。
    ★出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジェイモン・フンスー、アノールド・ボスロウ 監督:エドワード・ズウイック(全米12月8日公開/ワーナーブラザーズ作品)
    ★『グローリー』『ラスト・サムライ』のズウィック監督が、ディカプリオと組んだ冒険スリラー。共演はジェニファー・コネリー。
    ★ディカプリオは当たり年。『ディパーテッド』だけでなく、主演男優賞候補は本作での可能性も。賞レース半ばで、ディカプリオが対抗馬に浮上中。
    オスカー候補:5部門候補。主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)、助演男優賞(ジェイモン・フンスー)、編集賞、録音賞、音響効果賞。

    ★『アムスタッド』で注目され、以来『イン・アメリカ』でオスカーの助演賞候補の実績をもつアフリカ系のフンスーが、本作でナショナル・ボード・オブ・レビューで助演賞を受賞。注目される。ディカプリオはブロードキャスト映画批評家協会クリティック・チョイス賞で主演男優賞候補。
    ゴールデン・グローブ賞ではディカプリオが主演男優賞候補。07年1月6日現在、フンスーが助演男優賞を3冠獲得。
    15.ノーツ・オン・ア・スキャンダル
    ★★
    Notes on a Scandal

    ★陶芸の教師シバ(ブランシェット)は、赴任先で生徒のひとりと肉体関係を持つ。同僚の先輩教師バーバラ(デンチ)がその秘密を知る。
    ★出演:ケイト・ブランシェット、ジュディ・デンチ、ビル・ナイ 監督:リチャード・エア(全米10月27日限定公開/BBCフィルムズほか製作、20世紀FOX配給)
    ★『エリザベス』のブランシェットと、『恋におちたシェイクスピア』のオスカー女優デンチ。2大演技派女優が共演した、女性心理ドラマ。監督は『アイリス』のリチャード・エア。
    ★デンチの主演賞候補とブランシェットの助演賞候補は確実と見られる。デンチの授賞の可能性はミレン本命のなかではなし。ブランシェットも『アビエター』ですでにオスカーを授賞しているので、今回は『ドリームガールズ』の本命ハドソンには及ばないだろう。
    オスカー候補:3部門候補。主演女優賞(ジャディ・デンチ)、助演女優賞(ケイト・ブランシェット)、音楽賞。

    ★オスカー候補の常連、デンチが今回も有力候補。サテライト賞では、デンチが主演賞、ブランシェットが助演賞でそれぞれ候補。さらに音楽のフィリップ・グラスが同賞の音楽賞候補に。ゴールデン・グローブ賞でデンチが主演女優賞候補。年下の生徒と関係をもつ教師役のブランシェットは07年1月6日現在、フロリダ、ダラス・フォートワース、オクラホマ、フェニックス、トロントの各映画批評家協会賞の5冠。オスカーでは菊地凛子、ジェニファー・ハソソンの行く手を阻むか、手強い対抗馬。
    16.父親たちの星条旗
    ★★
    Flags of Our Fathers

    ★第2次大戦で激戦地・硫黄島で星条旗を掲げた兵士たちのその後を描く。
    ★出演:ライアン・フィリップ、バリー・ペッパー、ジェイミー・ベル、パール・ウォーカー 監督:クリント・イーストウッド(全米10月公開/ドリームワークス、ワーナーブラザーズ作品)
    ★『ミリオンダラー・ベビー』に続きイーストウッドが放つ戦争人間ドラマ。米国側の視点から描いた本編のあと、日本兵側から描く姉妹編『硫黄島からの手紙』が公開される。 オスカー候補:2部門候補。音響編集賞、録音賞。

    ★『ミスティック・リバー』『ミリオンダラー・ベビー』に続き、3年連続の作品賞・監督賞候補となるか? ナショナル・ボード・オブ・レビューでも2部作は堂々のベスト10作品入り。今年もイーストウッド作品は信頼のブランド。ゴールデン・グローブ賞では監督賞、助演男優賞の2部門候補。
    17.カーズ
    ★★★★
    Cars

    ★ルーキーのホット・ショット・レースカーのライトニング・マックイーン(ウィルソン)は、ビッグレースに向かう途中、ラデイェター・スプリングの町でクラッシュ。修理のために立ち寄り、そこでかつての名レースカーだったドッグ(ニューマン)と遭遇、友情や家族の真の意味を発見する。
    ★出演:オーウェン・ウィルソン、ポール・ニューマン、ボニー・ハント 監督:ジョンン・ラセター、ジョー・ラフトー(全米6月9日公開/ブエナビスタ作品)
    ★『トイ・ストーリー』『バグズ・ライフ』で監督も担当したピクサーの総帥、ラセターが製作した、CGアニメ。自分の好きな世界をモチーフにするという彼がここでは大好きなクルマを題材にして、古き良き時代への郷愁も込めて描く、ちょっとアメリカン・グラフィティ味もある1作。 オスカー候補:1部門候補。アニメーション映画賞。ピクサーはオスカー候補の常連だが、ラセター自身は監督として、88年『ティン・トイ』で短編アニメーション賞を授賞、『トイ・ストーリー』で特別賞を授賞。でも、『千と千尋の神隠し』から新設のアニメーション賞は無冠。

    ★アニメーション界のオスカー「アニー賞」では、作品賞と脚本賞の2部門で候補。サテライト賞では作品賞候補。NY、LA、ワシントン、トロントなど映画批評家協会賞は6冠。対抗の『カーズ』は、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、オースチン、オハイオなどの映画批評家賞。5冠で追随中。オスカーの長編アニメーション部門の最有力作品に浮上中。ゴールデン・グローブ賞ではアニメーション賞授賞。
    18.ハッピー・フィート
    ★★★★
    Happy Feet

    ★南極の皇帝ペンギン、マンブル(声はイライジャ・ウッド)は普通のペンギンとはちょっと変わっている。ペンギンらしい心の歌を歌う美声がないかわり、ペタペタをタップのステップを踏む異端児。そんな彼は追放されたあと、サカナ不足の原因を究明する旅にでる。
    ★出演:イライジャ・ウッド、ブリタニー・マーフィ、ロビン・ウィリアムズ、 監督:ジョージ・ミラー(全米12月20日公開/ワーナーブラザーズ作品)(全米10月13日公開/ワーナーインディペンデント作品)
    ★『マッド・マックス』で世に出た豪州のジョージ・ミラー監督が、『ベイブ』を経て到達した、CGアニメーション。皇帝ペンギンたちのヒップホップの群舞がユーモラスな見せ場。皇帝ペンギンのキャラもめちゃ可愛く、音楽要素も楽しい。 オスカー候補:1部門候補。アニメーション映画賞。

    ★アニメーション界のオスカー「アニー賞」では、作品賞と脚本賞の2部門で候補。サテライト賞では作品賞候補。NY、LA、ワシントン、トロントなど映画批評家協会賞は6冠。対抗の『カーズ』は、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、オースチン、オハイオなどの映画批評家賞。5冠で追随中。オスカーの長編アニメーション部門の最有力作品に浮上中。ゴールデン・グローブ賞ではアニメーション賞の候補で、本命。
    19.プラダを着た悪魔
    ★★
    The Devil Wears Prada
    little children
    ★大学を卒業しNYに来たアンディ(ハザウェイ)は、ファッション誌ランナウェイの名物女編集長ミランダ(ストリープ)のアシスタントに採用される。が、ミランダの理不尽な命令に翻弄される。
    ★出演:メリル・ストリープ、アン・ハザウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ 監督:デヴィッド・フランケル(全米11月22日公開/20世紀FOX作品)
    ★ファッション誌ヴォーグに君臨する名物女編集長の部下として働いた経験をもとにした、ローレン・ワインズバーガーの同名小説を映画化。 ケイト・ウィンスレットは、オスカーで過去2度主演賞(『タイタニック』 オスカー候補:2部門候補。主演女優賞(メリル・ストリープ、14度目)、衣装賞。

    ★AFI映画賞など各賞のベスト10となっている意外に評価の高いコメディ作。ゴールデン・グローブ賞では主演女優賞(メリル・ストリープ)が候補。助演女優賞候補で、秘書役のエミリー・ブラントは英国アカデミー賞で候補。
    20.ハーフ・ネルソン
    ★★★
    Half Nelson

    ★ヤク中の中学教師ダン(ゴズリング)は女子生徒ドレイ(エプス)の秘密を知り、不適切な友情関係を結ぶ。
    ★出演:ライアン・ゴズリング、シャリーカ・エプス、アンソニー・マッキー 監督:ライアン・フレック(全米8月11日公開/ハンティング・フィルムほか製作、シンク・フィルム配給)
    ★教師役のゴスリンは『完全犯罪クラブ』『きみに読む物語』で頭角を顕した26歳の若手演技派。エプスはアフリカ系新人女優。 オスカー候補:1部門候補。主演男優賞(ライアン・ゴスリン)。

    ★ドゥービル映画祭で審査員特別賞、ゴッサム賞で作品賞、新人監督賞、新人賞(エプス)の3冠と、各映画賞で着実に評価されているインディ作。インディ作品のスピリット賞も作品賞、監督、脚本、主演男優賞(ゴズリング)、主演女優賞(エプス)の5部門で最多候補。ナショナル・ボード・オブ・レビューでもベスト10作品の1本に。インディ映画では『リトル・ミス・サンシャイン』と並ぶ収穫。ゴールデン・グローブ賞では主演のゴスリンも無視されたが、米俳優組合賞では主演男優賞の1角に。
    21.善き人のためのソナタ
    ★★★
    Das Leben Der Anderen/the Livies of Others

    ★89年のベルリンの壁崩壊の5年前、84年11月・東ベルリン。西側へ脱出を狙いなどの国家反逆分子を「不眠の40時間尋問」でしめあげる冷徹なヴィスーラー大尉が女優と演出家を監視する。
    ★出演:ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデック、セバスチャン・コッホ、ウルリッヒ・トゥクール 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク (全米9月9日公開/ライオンズゲイト配給/アルルバトロス配給)
    ★ヴィースラー大尉役のミューエは実際に女優だった妻に監視・密告された経験を持つ旧東ドイツの俳優。彼の抑制の効いた演技は出色。ドイツ映画賞主演男優賞、ヴァヴァリアン映画祭主演男優賞、欧州映画賞主演男優賞を受賞。女優役の、マルティナ・ゲデックは近作『素粒子』にも出演。欧州映画賞では主演賞候補に。 オスカー候補:1部門候補。外国語映画賞。

    ★ドイツ映画賞では、作品賞、監督賞、撮影賞、主演男優賞、助演男優賞、脚本賞、美術賞の8部門受賞、欧州映画賞では『ボルベール』を押させて作品賞受賞。ロンドン映画賞でサタジェット・ライ賞受賞。米のインディ映画賞スピリット賞では外国語映画賞候補に。オスカーでは十分候補作になる可能性大。ゴールデン・グローブ賞では外国語映画賞候補に。
    22.幸せのちから
    ★★
    The Pursuit of Happyness

    ★80年代のサンフランスシコ。妻と5歳の息子と暮らすセールスマンのクリス・ガードナーは、家賃も払えず、妻は家出。息子とホームレス同然の生活に追い込まれる。証券会社の見習いとなり、本採用になるまでの苦闘を描く人間ドラマ。
    ★出演:ウィル・スミス、タンディ・ニュートン、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス 監督:ガブリエレ・ムッチーノ(全米12月15日公開/日本公開1月27日・ソニー・ピクチャーズ作品)
    ★実話の人間劇を『アリ』でオスカー候補のウィス・スミスが製作・主演で映画化。いつもコメディ調のスミスが本格的なヒューマンドラマに挑戦し新たな魅力を発揮する。実際の息子ジェイデン・クリストファー・サイア・スミスくんが達者に演技を見せるのも見どころ。監督はイタリア映画のガブリエレ・ムッチーノで、今回が初のハリウッド進出作。 オスカー候補:1部門候補。主演男優賞。

    ゴールデン・グローブ賞では、ウィル・スミスの主演賞、主題歌賞の2部門で候補に。米俳優組合賞の主演男優賞候補にも。また、息子のジェイデインくんは、ほの映画賞で子役賞候補に。
    23.アポカリプト
    ★★
    Apocalypto

    ★マヤ王国が崩壊に直面したとき、支配者は繁栄の鍵は、たくさんの寺院と作り、人の命を捧げることだと言う。選ばれた若者は、王国から逃げようとする。
    ★出演:ルディ・ヤングブラッド、ダリア・ヘルナンデス 監督:メル・ギブソン(全米12月8日公開/ディズニー作品)
    ★キリストの最期を描いた『パッション』で全編ヘブライ語など古語を使ったギブソン。今回はマヤ語、古代メキシコ語を駆使して描く冒険ドラマ。 オスカー候補:2部門候補。メイキャップ賞、音響編集賞。

    ★『パッション』はオスカーで無視された。今回は『パッション』の系譜の「外国語古典」で、冒険色が強い内容。下馬評では評価が高い。
    ゴールデン・グローブ賞では外国語映画賞の候補に。
    24.ブラックダリア

    Black Dahlia

    ★47年のロサンゼルスで女優のバラバラ死体で発見された。ロス市警の刑事コンビが捜査を開始する。
    ★出演:ジョシュ・ハートネット、アーロン・ヘッカート、ヒラリー・スワンク、スカーレット・ヨハンソン 監督:ブライアン・デ・パルマ(全米9月15日公開/ユニバーサル作品)
    ★ジェームズ・エルロイの同名の犯罪ノワール作を、デ・パルマ監督が映画化。 オスカー候補:1部門候補。撮影賞。

    ★『アンタッチャブル』で時代犯罪をあつかったデ・パルマがどんなスタイリッシュ演出で見せるが、早々に圏外。オスカーであるとすれば、衣装、美術など技術系で。
    25.ザ・グッド・シェパード.
    ★★
    The Good Shepherd

    ★リスクを犯してKGBと戦う、CIAの創設者エドワード・ウィルソン(デイモン)の人生を描くスリラー・
    ★出演:マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョーリー、ジョー・ペシ、ビリー・クラダップ 監督:ロバート・デ・ニーロ(全米12月22日公開/ユニバーサル・ピクチャーズ作品)
    ★最初、ウィルソン役はディカプリオだったが降板した。デ・ニーロはビル・サリヴァン役で出演もするが、監督としては『ブロンクス物語』に続いて2作目。 オスカー候補:1部門候補。美術賞。

    ★ウィソンの妻役にはアンジェリーナ・ジョリーで、ロマンステイストもあり。デ・ニーロの監督2作目で、評価はいまのとこで出ていない未知数。


    Oscar2007List part.2