●2月28日(月)
★「アカデミー賞」をネットのデータだけでチェック、味気ない。やはり生の中継みないと盛り上がらないなあ。小原くんからの録画DVDを期待して、改めてチェックしようと。先週は試写は金曜日に2本のみで冬眠状態続く。
★2月26日(金)1時より『生き残るための3つの取引』(4月29日公開★★★★ out of 4★)
リュ・スンワン監督の快作。上層部から未解決の連続女児殺人事件の犯人偽装を命令された警視庁の広域捜査隊のエース刑事チョ・チョルギ(ファン・ジョンミン)と、チョンギルが逮捕した企業のトップからの金銭サポートをうけている検事チュ・ヤン(リュ・スンボム)。ふたりの対立関係を軸に描き出す、組織の腐敗をあぶりだす。
★ふたりのキャラ設定がまず面白い。刑事は部下に人望があるも、チーム長のポストも警察大組の後輩に抜かれる実直な叩き上げ。一方、検事は実力者の娘を妻にして出世欲に燃え、企業スポンサーからは甘い汁をする狡猾なエリート。
★物語のキーワードは「不当取引」。複雑な人間関係の連鎖が巧みに整理され快テンポで描かれる。抜群の面白さ。脚本は『悪魔を見た』のパク・フンジョン(この人の作劇、凄いパワーあり!今後も注目したい)。俳優の演技アンサンブルがいい。実直さから悪の罠にはまって自ら手を汚すファン・ジョンミン、ヤクザ上がりの強面の不動産会社社長のユ・ヘジン(1度見たら忘れない醜男演技派!)など達者な顔ぶれだが、とりわけとくに監督の弟であるリュ・スンボムの悪徳検事ぶりが冴え渡る。相手の力関係によって、感情をアップダウンさせる独特の緩急キャラは、警察ドラマにドライなヒップホップが忍び込んだような人物像。ときにコミカルさもこめて、飽きさせない面白さだ。これは買い。
★リュ・スンボムとは兄の監督作で演技開眼の傑作『クライング・フィスト 泣拳』で、リュ・スンワン監督とはマカロニウェスタン調アクション作『シティ・オブ・バイオレンス 相棒』で、それぞれインタビューしたことがある。ちょっと構えたクールなスンボムに対して、スンワン監督はひと当たりのいい人だった。両親を早々に亡くして、父親のような存在で家計を支えた苦労人。カレはジャッキー・チェンなどから映画入門し、パク・チャヌク監督のもとで修行した。バイオレンス&アクション度の強い人。サム・ペキンパーが好きと言っていたのを思い出す。3月にはまた来日すると。配給のCJに角川にいた松本くんが転職してきたと知る。彼は『クライング・フィスト 泣拳』の公開時の宣伝だったと。そういればスンボムの会見のとき、彼が仕切っていたか。映画宣伝業界の変動、最近多いなあ。
★3時半より『岳-ガク-』(5月7日公開★★ out of 4★)ビッグ・スピリッツ掲載の石塚真一原作の山岳コミックの映画化。原作の知識はないけど、主人公の山岳青年・三歩が醸す、気張らずに山を遊び場のように動き回る自然体のキャラが魅力か。演じる小栗旬の演技は以前テレビドットラマで見てような、無垢な天真爛漫ぶり。これが結構最初馴染めず、わざとらしく思えた。女性山岳遭難救助隊員の久美役の長澤まさみも無理がミエミエの幼さモードあり。三歩が久美に言う台詞がキーワードらしい。「山で捨てちゃいけないものがある。ゴミと...もうひとつ」。それは「命」と。ま、軽いヒューマンタッチが原作の持ち味なのかとも想像。わかれなくはないけど、どこかこそばゆい感じの人生?教訓。
★山岳映画らしい遭難のシーンはそれなりに雪山のアクションとしてそれなりにみえるが、リアリティはそこそこ。とくに「?」と思ったのは「命」が大切な三歩の無謀ぶり。クレパスに落ちた久美と遭難者を救出するシーンで、怪我をしている三歩がクレパスに飛び込みピッケルだけで下まで滑落していくアバウトなアクション。ちょうど山岳遭難映画『127時間』も公開されるが、こちらが大人のヒューマン山岳映画なら、こちらは陰影の低学年向けの山岳映画か。
●2月19日(土)〜21日(月)
★いまいち、弾まない週末と週明け。終日自宅。月曜は、子供たちが体調わるく学校お休み。今週も、試写から遠ざかりそう。木曜の『127時間』の、六本木でのお披露目試写はマークしているけど。
★そろそろ(日本時間月曜日午前11頃)、『83回アカデミー賞授賞式』。公式サイトのカウトダウンを見たら、あと「5日と20時間少々」と。でも、家庭内の仕分けでWOWOWから脱会したのでライブ中継、今年は見られない。業界の友人・小原くんから、録画DVDを貸してもらうことになっているけど、これも日々、弾まない要因。
★映画誌『ロードショー』が休刊前は、10年ほどオスカーの予想担当(編集予想として)だったので、毎年こまめに「オスカーへの道」をまとめていた。それがなくなって、やはり予想にも張り合いがなくなっているね。
★今年は『英国王のスピーチ』が作品賞で、『ソーシャル・ネットワーク』が監督賞で「スプリット」になる予想が、米オスカー予想サイトでもいわれはじめている。
★ローリング・ストーン誌の批評家ピーター・トラヴァスは『ソーシャル・ネットワーク』が作品賞という「少数派」だが、今年はオールド・ハリウッド対ニュー・ハリウッドの対決とぶちあげている。『英国王のスピーチ』は伝統的なヒューマンドラマで、革新的ではないが余韻は情感たっぷり。古い世代にうける要素あり。一方、『ソーシャル・ネットワーク』は現代のシステムと人間の関係をシニカルに描いた。余韻はいまどきのおたく小僧の暗めの心象。カッティング・エッジで革新的な映画で若者受けはする。が、古い世代は敬遠するかも、と。
★映画評論家のロジャー・エバートも、『ソーシャル・ネットワーク』は今年のベスト映画だが、と前置きして、アカデミー会員は『英国王のスピーチ』を選ぶとの予想。それも、sweepするとの予想だ。作品、監督、主演男優、助演男優、脚本、音楽、編集、撮影、衣装など技術系も含めて、かなりのsweepとみている。どうだろうか。僕は、作品、主演男優、脚本の3部門程度に止まるのでは、とみているが、どうだろう。
★演技賞部門では主演女優賞が『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマン、助演男女優が『ザ・ファイター』の兄役クリスチャン・ベール(ほぼ主演級)と母役メリッサ・レオが下馬評の本命だが、アカデミー賞独特の業界的評価では番狂わせがあるかもしれない。アカデミー賞は、批評家目線とはイマイチ違う観点があり、毎年、業界目線の番狂わせがつきものだ。それも、アカデミー賞の面白いところ。
★とくに主演女優賞では『キッズ・オールライト』のアネット・ベニングが業界の信頼度で逆転する可能性もあり。また助演女優賞ではここに来て『トゥルー・グリット』のヘイリー・スタンフェルドが、業界内で推す声が大きくなっているようだ。まだ14歳と44日で候補になった。その若さも、意外性を喜ぶ?アカデミー会員の投票に影響し、ドタンバで賞をさらう可能性あり。レオに比べて、映画の出番も多く、ほぼ「主演級」の演技だ。ここで一波乱あるかもね。
★アカデミー賞の前日の土曜日(日本時間日曜日)には、インディ映画の「スピリット賞」とワースト映画の「ラジー賞」の授賞式もあり。いよいよ賞レースは最終コーナーです。
●2月18日(金)
★CNNの「ピアース・モーガン・トゥナイト」に、『英国王のスピーチ』で今年のアカデミー主演男優賞の最有力コリン・ファースがゲスト出演。彼はアメリカで成功した英国俳優のひとりで、「レッドカーペットのセックスシンボル」と言われていると。
★ファースは、2011年に会わなければいけない人のtop100で、33位に入っているとモーガン。そのモーガンは66何位と。
モーガン:エンターテイメント産業だけでなくアメリカで成功することは大変なことだが、あなたはデヴィッド・ニーブンやヒュー・グラントより、チャーミングでアメリカ人に愛させている男性ですね。
ファース:デヴィッド・ニーヴン(:洗練された演技で人気を呼んだ50年代〜80年代の英国俳優。58年『旅路』でアカデミー主演男優賞を受賞。ほかに代表作は『ナバロンの要塞』『ピンクの豹』『007/カジノ・ロワイヤル』など)は素晴らしい映画俳優でした。彼と比較されるなら、本当に嬉しいですね。
★『英国王のスピーチ』の役柄につてい。「役柄にはスピーチの障害があったけど、それ以上に心の悪魔(?=葛藤ってことかな)があった。これに対応することはとても面白いとおもった。まるで狩猟場(?)のようですね」(同時通訳の直訳が消化不足で、分かり肉です)。
★現在50歳のファース。「問題のある役のほうが、ずっと面白い。問題がないキャラは面白くない」と。
★セックス・シンボルになるには不安があるのか?「それを信じられるなら不安はないと思いますよ」。私が女性ならコリンは本当セクシーだと言うと思いますよ。「ちゃんとその人物をしるべきだと思いますよ」
v★妻オリビエとは結婚生活15年目で、子供もいると。モーガンは2、3度会ったことあり。彼女が「あらたのことをブレーンと言っていましたよ」と。「彼女も僕のブレーンですよ」。あなたにとって奥さんはどんな存在ですか。あなたのセックスシンボルのイメージに魅了されているでんしょうか?
「ま、魅了されるということはないでしょうね。まず信じられなかったでしょうね」と。ふたりの出会いはコロンビアで、彼女はイタリア人。ファースはイタリア語ができず、言葉の問題を克服する必要があったと。で、うまくいくようになった」と。結婚生活の秘密について。「毎日、家族の生活にコミットしている。毎日一緒にいられるよう時間をさいている。家族の関係は、マラソンみたいなものですね」と。誘惑の落とし穴をそうやって避けてきたのか?「どんなに美しい女性がいても、妻にはかないません。本当に妻は美しい」とラブラブ。子供について語らず子供たちは俳優になるたがっているとも。
★父は大学の教授で、「安定した仕事をしなさい。安定が重要ということ」といわれていた。でも父の仕事と比べても「(俳優は)安定性がないとはいえません。父は俳優や演劇のことが知らなかった。私は所属のクラスから抜け出したいと思って、俳優になったんです。で、俳優の仕事を得て、父は本当に喜んでくれた。私が成功したからというより、私が幸せになれる仕事を得たからです」。
★出演作は30作品ほど。最も重要な作品はなんですか。「そこにはいきたきないですね」。最悪な作品は?「私はポーカーフェイスを保たなければいけないですが、失敗作はないというふりをしなければならないでしょうか。でもそういう作品に関わった人はいまでお好きですね。」。
★女優でレネ・ゼルウィガー、メリル・ストリープ、スカーレット・ヨハンソンなどと共演したが、離れ小島にいくとなったら、ダレを選びますか?
「ヘレナ(ボナム・カーター)でもいいです、グウィネス(パルトロウ)でいいでね」
★ラブシーンにつてい。「奇妙な体験です。もし自分に周辺が完全に遮断できる能力があれば、また見られることが好きならコーフンできるでしょうね(笑)」。奥さんはラブシーンをどう思っているんか。愉しめるんでしょうか?「愉しいかどうかは分かりませんね。妻は演劇学校を行ってタブーを破ればいいかもしれませんね」。もし奥さんとブラピがラブシーンを演じたらどうでしょうか?「いいんじゃないですか。シンプルですね(笑)」。
★ジョフリー・ラッシュについて。いま豪州と衛星中継がつながっているいるとして、彼を紹するとしたら、「ゲーシャガールです。彼は素晴らしい、ワクワクするような面白い人。幅広い演技をカバーしています。本当に一緒に仕事できとことが愉しかったです。脚本も難しく、真実みをだすのも難しくて、そこでいつも闘っていました。でもジェフリーは本当ユーモアのセンスがあった。私たちはエネルギーを維持することに役立ちました」。豪州からジェフリー・ラッシュが衛星中継で登場。スキンヘッド姿で「ハンプティ・ダンプティ役をやっているんだ(笑)」とジョーク。コリンとのロマンスについて。「eメールでやりとりしていた」と。
★王室について。チャールズに1度あったことあり。尊敬できる人物と。
★ヘレナ・=ボナム・カーターもロンドンから登場。80年代の18歳のとき、演じた皇太后と会ったことあり。すごい小柄だったと。
★歌について。ファースは『マンマ・ミーア』で歌を聴かせたが。『シャーリー・ヴァレンタイン』でもスーザン・ボイルばりに歌っていたとモーガン。ヘレンによればジャフリーが1番歌がうまいと。『英国王のスピーチ』のミュージカル版もできるかも、と。
★オスカーのスピーチについて。「今日はこのインタビューを乗り越えることを考えています。狙ってとるものではなく」。これでオスカーを受賞するとしたら最高の瞬間はいつになりますか?「まだ考えたことはないですね。その規模の夢は。誰だって(オスカーは)獲りたいと思うでしょう。俳優でなくても。だって夢は見るモノでしょう。でもそれを狙うというのは考えたことはなかったですね」
じゃ、誰に捧げるとしたら、とモーガン。「私でしょ!覚えておいてよ」と製作も兼ねたヘレナが口をはさむ。こんなところです。
●2月17日(木)
★2010年の北米映画興行成績TOP10がネットで発表されていた。1位の『トイ・ストーリー3』はじめ、5作品がアニメーション作品という並び。『アリス・イン・ワンダーランド』を含め3D方式上映にも、引きの強さがあるようで荒稼ぎという感じです。
★TOP10は以下の通りです。
1:『トイ・ストーリー3』(4億1500万$)
2:『アリス・イン・ワンダーランド』(3億3410万$)
3:『アイアンマン2』(3億1240万$)
4:『エクリプス/トワイライト・サーガ』(3億50万$)
5:『ハリー・ポッターと死の秘宝 part.1』(2億9340万$)
6:『インセプション』(2億9290万$)
7:『怪盗グルーの月泥棒3D』(2億5150万$)
8:『シュレック・フォーエバー』(2億3870万$)
9:『ヒックとドラゴン』(2億1750万$)
10:『塔の上のラプンツェル』(1億9340万$)
●2月10日(金)〜16日(水)
★精神状態が優れなかったり、気象事情が悪くドカ雪(15日火曜)が降ったり、家族で子供担当が緊急入院したり(11日土曜)、それらが重なり、すっかり外出しないまま。子供たちの食事を作ったり、送り迎えの面倒をみたりと「主夫」役で活動中です。
★16日は寂しい出来高だが「確定申告」をすませた。で、今週予約していた試写はすべてキャンセル。
★でも、久々に子供孝行ができるのでは嬉しい。とくに料理をできるのが愉しみ。14日はニナのリクエストに応えて、「カレー」を作った。16日は野菜いっぱいの「ミネストローネ」を。今週末はヨボが「スーパージュニア廃人」で夜不在のため、子供たちと夕食のプランを構想中。
★てわけで、再開したばかりの日誌も、すっかり穴があいてしまった。なんとか、大ざっぱに近況コミの日誌を更新した次第です。
●2月9日(木)
★1時より『かぞくはじめました』(3月26日公開★★1/2 out of 4★)『無ケーカクの命中男/ノックとアップ』で注目したキャサリン・ハイグルが自ら製作した主演作。パン屋を営むハイミスの独身女性が、親友夫婦が事故死し彼らの幼い遺児を、以前ブライドデートで最悪だった男と育てるはめに。強引な設定だが、それなりのラブコメとして愉しめた。
相手の男は『トランスフォーマー3』が待機中のジョシュ・デュアメルが演じるスポーツTV中継のディレクター。ガサツなプレイボーイぶり。ハイグイと喧嘩しながら、子供の養育を軸にラブモードがふくらむ展開。
★1時より『ザ・ライト エクソシストの真実』(3月26日公開★★ out of 4★)
)あのアンソニー・ホプキンスが悪魔払いのエクソシストで登場する。信仰が揺らぎエクソシスト修行にでた神学生に対して、悪魔憑きの現象は、ゲロをはいたり、首がまわったりしないと説明する。あのフリードキンの『エクソシスト』で流布された悪魔払いとは違うタッチ。実際の悪魔払いに焦点を当てた異色のオカルト心理ホラー。悪魔に取り憑かれた女、子供らが登場し、悪魔払いの模様を実証的に見せていく趣向だが、信仰心のない門外漢からみると、クソ真面目なエクソシストぶりはホラーより神父の葛藤部分が主体で、イマイチのりきれない。
★ホプキンスの演技は、時々『羊たちの沈黙』のレクター博士に通じる、狂気を秘めた憑依演技。この濃さにも腰がひけた。神学生役にアイルランド男優コリン・オドノヒュー。神学生は父の葬儀屋を手伝い、死体処理のエンバーミングをやっていた前歴というポイントは興味深かった。父役で『ブレードランナー』などのルトガー・ハウアーが登場。
★CNNの「ピアース・モーガン・トゥナイト」にアンソニー・ホプキンスが出演、映画のプロモーションをしていた。『羊たちの沈黙』のレクター博士のセリフを聞かせてくれ、とムチャブリされ、それに答えてクラリスを誘うシーンを再現。突然憑依した感じで狂気を演じるとは、さすがの迫力。この番組でのホプキンスは、自分を陽気な感じでの受け答え。司会者が英国人という気安さもあるかな。意外だったのは『アメリカン・アイドル』の大ファンでよく見ているという話。3度目の奥さんの影響とか。新しい審査員はどうかと訊かれて、(サイモンのような)辛口批評も面白いと以前の審査員を懐かしむような口ぶりも。
★以前、『羊たちの沈黙』の来日プロモーションで、久米宏のインタビューをいけていたことを思い出した。あのとき、ホプキンスはすごい形相で、「ギャラはなにんに使うか」とか下世話な久米のヘラヘラ笑いの質問に対して、人をよせつけない怖さがあったけど、あれは恐らく自己演出だったんだ、と思うね。ホプキンスの想い出では昔ロンドンに行ったとき、ソーホー街でひとり歩きをしているホプキンスとすれ違った想い出があります。
●2月9日(水)
★終日自宅。
●2月8日(火)
★1時より『塔の上のラプンツェル』(3月12公開★★★1/2 out of 4★)
)ディズニーの50作目の長編アニメーション。吹き替えの3D版で鑑賞。3D映画の鑑賞方法にも段々慣れてきた。吹き替え版なら、目線を奥にもっていき、全体の奥行きを意識させてみると、立体感がより増す。勢い、お話を追って見るので、つい立体感を積極的に意識していなかったことに気づいた。やはり字幕版なら2D、吹き替え版なら3Dが鑑賞に適している感じ。結構、愉しめた。
★魔女が彼女の髪のパワーで若さを保とうと、赤ん坊のとき拉致する。森の奥の塔にラプンツェルを閉じ込め、自分の娘として育てる。1度も外の土を踏んだことのないラプンツェルは、まのなく18歳。毎年誕生日に空に広がる光の群れを近くで見たい、と願っていた。過保護というか監視の目を光らせる魔女の「母」が、ラプンツェルはそんな折り、突然塔に逃げ込んだ盗賊の青年と遭遇する。彼は王女のティアラを盗み王宮の兵隊から追われる身。フライパン(これが結構な武器になる)で青年をやっけたラプンティルは、もし外の世界を案内してくれれば、ティアラを渡すと約束する。
★ラプンツェルが外の世界で出て、自立に目覚める冒険が愉しく描かれている。
★ディズニー・アニメはミュージカル調なので歌の具合が心配だったけど、ラプンツェル役の吹き替え役がスムーズで、結構いいじゃないと思った。歌の案配もいい。見ていて中川翔子がとてもうまくはまっていのに感心。お話は髪の毛の生命パワーをもって生まれた「髪長姫」をめぐる物語。大きな目が魅力的で、ブロンドの長い髪がロープ代わりになったり、傷を瞬時にいやしたり、随所に超能力パワーを発揮するの作劇の妙。ただ魔女が意外にしつこく絡まないのが意外。ラプンツェルの目覚めに気づいて、自らの素性をばたらすあたりが、ちょっと安直で駆け足すぎる点が欠点といえば欠点。でも、愉しめた。彼女を追う王宮の「馬」が強面のキャラで面白いノリ。
★3時半より『ショパン 愛と哀しみの旋律』(3月5日公開★★1/2 out of 4★)
81歳のポーランド監督イェジ・アントチャク監督が、39歳で夭折した天才作曲家ショパンと彼を物心両面で支えた社交界の花形で作家ジョルジュ・サンドとの愛を軸に描く伝記作。
★ショパンコンクールは好きで見ているが、それほどショパンに精通していない私めとしては、全編に流れる曲の認識はイマイチも、「ノクターン」(平原綾香のカバーでも再認識した)は劇中でも印象的に使われていた。手が大きくてピアノの名手だったフランツ・リストが演奏したあと、ショパンがサンドに指名され、彼のあとではと渋るシーンもあり。音楽史の人物往来的要素もある。
★映画の英語原題は「愛の欲望 desire for love」で、ショパンとサンドの6年間の愛の生活を軸に、サンドの娘と息子との愛憎も盛り込まれる欲望渦巻く展開。サンドはショパンをスペインのマヨルカ島に招き、子供たちと生活をはじめる。画家志願の息子は母サンドとショパンがベッドにいる姿を発見しショパンに敵愾心を抱く。息子は屈折した憎しみを抱くが、逆に娘は成長しショパンを熱愛する。湖に入り、濡れた白いドレスから裸体が透けてみる、ショパン挑発シーンも印象的。ショパン、サンド、娘、息子の4者の愛と欲望の引っ張り合いが映画のポイントだ。
★『ゲンスブールと女たち』(5月公開★★★ out of 4★)
)冒頭、海辺で少年と少女の姿。「手を握っても言い?」と少年、「いや、醜い子は嫌い」と離れていく少女。少年は海をみながタバコを燻らせる。幼少のころから「女好き」で、タバコも離さなかった。セルジュ・ゲンスブールの人物伝。
★少年時代から、時系列的に彼のエピソードをひろっていく。演出アイデアは鼻と耳がデカいゲンスブールの「分身」(張りぼて人形ふうの顔)がいつもそばについていること。彼の運命を先導するような役割。ゲンズブールは自堕落な濃いキャラという印象だが、この分身が実録的伝記のなかに独特のとぼけた人間味を醸す、ジャック・タチのようなファンテスティックな味も感じだ。
★僕のようにゲンスブールを「ジュ・テイム」の人という程度にしか認識していない人には、ゲンスブールをおいたちからわかる懇切丁寧な語り口。まず、彼はユダヤ系で、少年のときから反骨精神が旺盛。ナチ占領下のパリで、ユダヤ人を識別する「ダビデの星」の標章を市役所にいちはやく取りに行き、名誉の標章なので早く来たと親ナチの職員を煙に巻く。彼の父はバーのピアノ弾きで、ゲンスブールは父の厳しいピアノ特訓を嫌々うけてピアノが嫌いだった。が、そのピアノが彼の生活の糧になり、歌手の道が開けていく。ゲンスブール役のエリック・エルモスニーノ(セザール賞主演男優賞候補)が軽妙な味わい。
★彼が遭遇する女たちは、彼の時代を彩る借景という趣き。ピアのバーで彼のし詩をきにいったジェリエット・グレコ、本気で恋をしたが振られたブリジット・バルドー(実は「ジュティム」は彼女と最初デュエットしたがボツになった)、「夢見るフランス人形」を提供したアイドル歌手フランス・ギャル、そして結婚したジェーン・バーキンと最後の妻。バーキンとの関係が1番重いが、いずれも軽いスケッチで処理されている。ゲンズブールはネクタイにスーツ姿で決めるようなファションだったが、ネクタイをはずし、シャツのボタンをはずすチョイワルファッションは、バーキンが演出していたというエピソードもあり。
★ゲンズブールがフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」をレゲエ調でレコーディングして右翼から国辱モノと狙われたという事実もはじめて知った。
●2月7日(月)
★終日自宅。「スーパーボウル」を見る。パッカーズがスティーズに接戦の末勝利した。最近はアメフトをまったく見ないけど、ハーフタイムショウへの興味などで。Black Eyed Peasのパフォーマンス(途中アッシャーも登場)、結構なモリがありで魅力的。やはりセクシーなファーギーに目がいく。早速、彼らのアルバム『The Beginning』の楽曲をYouTubeでチェックする。Black Eyed Peasの音楽に影響されているKPOPの連中が多そうと思った。
★クリスティーナ・アギレラがアメリカ国歌を歌ったが(その場面は見逃し、あとでネットでチェック)、アギレラが国歌の歌詞を間違って歌った、とネットニュースで話題になっていた。
●2月6日(日)
★終日自宅。FOXテレビ「アメリカン・アイドル・シリーズ10」、録画していた分を見た。スティーヴン・タイラーとジェニファー・ロペスの審査ぶりへの興味が1番だったが、やはりアーティストは外面がよろしい。前任者のサイモンのような嫌みな辛口コメントはまったくない。スティーヴンは、嫌なときは、相手を傷つけないようにして、ノーの即決。ジェニファーは1回め、2回目は遠慮して、嫌でもすぐにはノーと言わないのが印象的だった。1回からの審査員ランディが「ヘタ」と言うと、スティーヴンはひそひそ声で「ヘタというな」と諭していたのもおかしい。とにかく、タイラーの反応が変態的で、一種のパフォーマンスの趣き。ジェニファーは、毎回いろんなセクシーなファッションで登場するが、それも目の保養。
★アイドル参加者たちも見ると、多彩な人間模様で面白い。2回目にヘンなカンフーダンスをする日本人の男がでてきた。トーゼン、ノーで落選。落とされた連中が妙に自信過剰で、周囲に悪態をついて消えていく。こういう落差構成もアメリカン・アイドルが得意のドラマ性。今後選考が進んでいくと、どうなっていくのか。しばらく見ていくつもりです。
●2月5日(土)
日本では★ニコニコ動画で、『冷たい熱帯魚』がヒット中の園子温監督と、昨年『息もできない』が日本の主要賞を受賞したインディ系のヤン・イクチュンの「全く息もできない」と銘打った監督対談を興味深くみた。園監督の顔を初めて認識、メガネ姿に帽子姿で、漫画家のやくみつるみたいな印象。一方、ヤン監督は『息もできない』ではボクサーの辰吉ふうの強面だったけど、対談では長髪にキャップ姿。増田岡田の増田ふうの面差し。時々、響くような大笑いする陽気な雰囲気だった。
★ が、ふたりとも精神状態がよろしくない、との心情吐露に驚いた。園監督は『愛のむきだし』のあと、ウツ状態に陥ったらしい。園流の例えが強烈で「警察に捕まえてもらわなければ、自分がなにをしるかわからないほど」という精神状態だったと振り返った。それを乗り切るために、『冷たい熱帯魚』を撮り、すべてをはき出し、解消しようとしたという。たしかに『冷たい熱帯魚』はトコトン、人の地獄を強烈に描いたある種狂気の「むきだし」映画だ。一方、ヤン監督はウツが現在進行中で精神状態がよくないという。とても映画を撮る気にならないという。ほかの映画に出演して、気分も変えてみたというが、いまも落ち込み具合は相当、すごいらしい。一昨年東京フィルメックスで『息もできない』がグランプリを受賞したとき、ビデオメッセージで受賞を喜び、はしゃぐ姿が収められて意気軒昂にみえた。なぜウツ状態になったのか。
★両監督とも、ウツの理由を語らないが、恐らく興行的に成功しなかったのが一因かと思った。評価が上がりながら、逆に経済的に映画作りが難しくなったということかも、と邪推した。
★園監督はヤン監督に、その状況から抜け出す処方箋は、映画を撮ることだ、とアドバイスして、園監督は持参した紙袋から取り出した本をプレゼントし、ヤン監督にあっているから是非映画化したらいいと薦めていた。「ワールド・イズ・マイン」なる漫画だ。僕は漫画に明るくなので、知らなかったが、生前深作欣二監督がロケハンまでして映画化を企画していた原作だ。
★園監督は『冷たい熱帯魚』がこけたら日本ではもう映画が撮れない、とまで腹をくくって映画化したという。日本の映画界に不満で、韓国映画のエネルギーが日本映画にない利点と高く評価。面白かったのは韓国映画が魅力的なのは女優もいいと。日本の女優はセックスシーンもちゃんとやらない、と言ったのが印象的だった。園監督のミューズだった満島ひかりが、彼の作品から離れた感じだが、そのことを言っているのかと邪推。ひかりちゃんは結婚もしたし、園演出の性のむきだしはもう無理そうだ。
★園監督の本気か、リップサービスか、韓国で映画を撮ると公言、ヤン監督に出演してくれないか、と誘っていたのも印象的だった。
★ふたりは豪州の映画祭で出会い、意気投合したという。園監督は、綺麗な映像を撮ることより、俳優の心理演技を切り取っていくことに興味があるタイプ。ヤン監督も同種の演出アプローチで、意気投合したようだ。
★園監督は『息もできない』を見て、驚いたと簡単な感想。でもヤン監督は『奇妙なサーカス』を見ただけ。『愛のむきだし』も『冷たい熱帯魚』もみてないとのこと。先の精神状態がだったので、韓国の仲間の映画もみていないという。というわけで、互いの意見交換は少なかったが、ふたりが好んで描く「家族」の情景には、大きな違いがあるというポイントは面白かった。
★『息もできない』で父を殴るシーンがあるが、これはオレと向かい合って話し合おうという前向きな姿勢から来る荒っぽさ、とヤン監督が説明する。日本なら、父に嫌悪したらただ黙ってしまう、と園監督。熱い韓国と冷たい日本。違いが興味深い。
★ヤン監督が早く回復して、息を吹き返してくれることを願うばかり。とふたりの対談はこんなところです。
●2月4日(金)
★1時より『ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路』(4月上旬公開★★ out of 4★)
日本では『夕映えの道』が唯一の公開作と(僕は未見)、馴染みの薄いフランスのルネ・フェレ監督作。神童モーツァルトには4歳上の姉マリア・アンナ・モーツァルトがいた。愛称はナンネル。監督は一家が残した書簡からナンネルの存在を肉づけて、影の存在に光をあてた。これが映画のアイデア。ナンネルは「天使の声」を持った美声の持ち主。ヴァイオリンの腕もあったが、父親は、ヴァイオリンは女性が弾くものだはない、とたしなめる。男尊女卑の時代です。
★物語は、まもなく15歳というナンネルの思春期の思いが描かれる。映画の妙味のひとつは音楽。ナンネルは「作曲は女性には無理」という父親に反して、作曲にも才能を示す。そのきっかけは、旅回りの途中訪れた修道院でであった王の娘(これも監督の娘が演じている)。王宮での演奏を控えたナンネルは権力を握り枢機卿の「人質」になり、引き離された見知らぬ王太子の兄への手紙を託す。王太子には初対面の女性は謁見できない決まり、ナンネルは侍女から男装を命じられて、男性として出会う展開だ。王太子は男と思ったナンネルと接するが、実は女と告白し新たに心を寄せ合う。太子は、彼女に作曲を所望し、音楽によってふたりの心が通じあう展開です。
★監督のアイデアは、ナンネルが作ったであろう曲を想定し、新たに楽曲を劇中に盛り込むこと。女性作曲家マリー=ジャンヌ・セルトがナンネルの音楽を担当し、バロック調のオリジナル楽曲が流れる趣向だ。ふたりの恋模様は、意外に浅薄で、軽いキスシーンのみ。ロマンスの香りが薄めだ。やはり気になるのは、神童のモーツットの存在だが、ここではいたずれ好きの11歳の子供。モーツァルトが作曲したヴァイオリン演奏で腕前を披露するが、添え物的で妙味はない。
★ヴェルサイユ宮殿での演奏では実際の宮殿で撮影したという。時代ムードはそれなりにあるけれど、物足りない。
★物足りなさの要因は、演じるマリー・フェレ。彼女はキャラとほぼ同年だが、見た目がドンとして、もっと年上に見える。撮影前に1年間ヴァイオリンを学び役作りしたそうだけど、どうも全体に情感に乏しい。よく見れば美少女だが、僕にはどうも馴染めなかった。監督の実の娘と聞くと、ふと『ゴッド・ファーザーpart3』のヒロインに娘ソフィアを起用したフラシス・コッポラ監督がダブり、親の贔屓目での起用とも思ってしまった。
★3時半から『ランウェイ☆ビート』(3月19日公開★★ out of 4★)宝島掲載の原作の予備知識はないけど、ファッションデザイナーの男子高校生・溝古木美糸(みぞろぎ・びいとと読む)をめぐるファッション青春ドラマ。父は伝説のデザイナーで、今はアパレル会社の社長(ロンゲの具合、その物腰の誇張といい、田辺誠一が怪演)。が、父は母の忌の際に立ち会わす仕事を選んだ非情な親。そんな父を憎み、祖父のもとで田舎で育った美糸(瀬戸康史、ちょい笑い顔が嫌)は白血病で闘病中の妹きららの励ますため、東京の父とはじめて暮らすことになる。
★東京の舞台はもんじゃの「月島」というご当地青春映画の趣向。転校先の月島高校で、美糸はメイと出会い、オタクのワンダ、モデルの美紀らとファッションショーに挑む展開だ。
★ファッションショーの面白さが映画の成否の分かれ道と思う。ま、この衣装製作をめぐるプロセス、そこかれ生まれるクラスのチームワークはそれなりに面白い。たとえば、引きこもりで2年ダブり、いじめの対象になっているワンダこと犬田(田中圭)が美糸のプロデュースでイケメンに変身する。彼は建築の技の持ち主で、ファッションショーの「ランウェイ」にひと役買う。
★ヒロインのメイ(桜庭ななみ、『最後の忠臣蔵』の内蔵助の忘れ形見役はよかった)はそんな美糸に一目惚れ、この恋模様が期待されるが、これが意外に弾まない。生意気なクラスの女王さま的存在のモデルの美姫(桐谷美玲、『夏の恋は虹色に輝く』の女優役が結構いい)は、美糸のオリジナルデザインに賛同するも、彼女の専属の大手アパレルがそれをパクり、彼女のブランドとして売り出し心痛める。
★あくまでファッション主軸の展開だ。当初大々的にファッションショーを予定し準備するが、紆余曲折で中止となり、結果、突然来年から廃校となる母校で、想い出作りのファッションショーを開催する展開だ。桜庭ななみと桐谷美玲、ふたりへの興味で出かけたのが本音。でも全体に薄味の漫画。終盤のファッションショーでの出で立ちは、僕好みのテイストじゃなかったなあ。あと、さんまの七光りの娘が5人の主要メンバーのひとりとして出演するが、僕には見た目から言って目障りで、拒絶反応状態になってしまった。脇役で田辺誠一の部下でデザイナー役の吉瀬美智子、美姫のステージママ役のRIKAKOも。
★以前インディ系映画『14歳』を好意的に評価したけど、その脚本のひとり高橋泉の脚本。商業映画に行くと、こんなにダサくなるんだ。
●2月3日(木)
★夜6時半から新宿ピカデリーでアカデミー賞6部門7候補の話題作『ザ・ファイター』(3月26日公開★★★1/2 out of 4★)
)賞レースの後半で、徐々に評価を上げてきて作品賞のtop5に入った。『傷だらけの栄光』『レイジング・ブルー』など実録ボクサー伝説は、アメリカン人が好きなテイストだが、それは満載といった感じ。『ロッキー』も実録じゃないがアリと戦ったチャップ・ウェプナーに触発された作品だった。
★78年に、ウェルター級の王者シュガー・レイ・レナード(引退後の出会いで本人自身がカメオ出演)と対戦しダウンをうばったボクサー・ディッキーが、自分の果たせなかった世界王者の夢を弟ミッキーにかける。兄弟愛の人物伝。この一家の個性的な家族構成がひとつの作劇ポイント。ヤリ手のマネージャー役の母親が弟を手なずけてマッチメークする。ちょっと因業なやり手ばばあ的なキャラがかなり強烈(タバコを燻らせ、ヒョウ柄系の派手な衣装も印象的で)。演じるメリッサ・レオが怪演で、アカデミー助演女優賞が有力。受賞の可能性は大いにありと思う存在感だ。
★その母親の監視を恐れて逃げ回るのが、郷土の誇りとして名をはせたが、いまやヤク中の兄ディッキー。演じるクリスチャン・ベールはヤク中のため、すごい激痩せの役作り、歯も抜けてガタガタ状態。見る影もない廃人直前の自滅的なキャラで登場する。ほぼ主演級の画面占有率で、この映画はクリスチャン・ベールの映画という印象だ。アカデミー賞では助演男優賞候補だが、これはほぼ下馬評通り、指定席とみた。ディッキーが母親と車のなかで、ダメな自分を自虐的に表現するように、ビー・ジーズの「ジョーク」を歌うシーンが印象的だった。とにかく、前半のベールのうらぶれ感と後半の刑務所で自分改善し、出所後自分を浄める再生ぶり。その落差が見せ場だ。
★恋人役のエイミー・アダムスことなど、印象的なディテールはあとで追記します。
★今週は外が寒いせいもあり、つい出不精。見たい試写のタイミングもあわず、今日もグズグズして予定した試写を断念。
★コーエン兄弟の『トゥルー・グリット』がオープニング作品の『ベルリン国際映画祭』が2月10日〜20日開催だが、コンペ作16作品が発表された。カンヌ、ヴェネチアと比べると、ベルリンってイマイチ派手な作品の並びじゃない。そんな印象。サイトでダウンロードできるプレス情報では、タイトルと監督・出演者などの基本データのみ。しかもドイツ語。映画の内容がわかない。その中で、監督・出演者から興味を抱かせるめぼしい作品は、数本あり。ちなみに審査委員長は『ブルー・ベルベット』などの女優イザベラ・ロッセリーニ。
★まず、『イングリッシュ・ペイシェント』96『ナイロビの蜂』05などの英国の演技派男優レイフ・ファインズの初監督作『コリオレイナス』が目を惹く。元々は、シェイクスピアの最後の「悲劇」で、古代ローマの伝説的将軍ガイウス・マルキウス・コリオラヌスを中心にした史劇。ウィキのデータをコピペすると「政治的対立の劇であり、民主制(ブルータスとシキニアスが代表)と貴族制(コリオレイナスらが代表)の対立が劇の緊張を作り出している。劇の中心をなすもうひとつの人間関係は母と子の関係であるが、『ハムレット』と異なり、母と子の関係には性的なものの介在はほとんどなく、政治的な色合いを帯びる」とのこと。
★スチール写真を見ると、「史劇」ではなく、登場人物は軍服姿で派手な戦闘シーンもある模様。現代の戦場に設定をおきかえての映画化ようだ。ファインズが自ら主人公のコリオレイナスを演じる。ほかのキャストはヴァネッサ・レッドグレーブ(ヴォラムニア=母)、ジェシカ・チャステイン(ヴァージリア=妻)、ジェラルド・バトラー(タラス・オーフィディアス=ヴォルサイ将軍)、ブライアン・コックス(メニーニアス)など。
★次に目を惹いたのはケヴィン・スペーシー主演のスリラー作『マージン・コール』。財政危機の初期段階で、24時間にわたる投資銀行の人たちをめぐるスリラー作。
共演にポール・ベタニー、ジェレミー・アイアンズ、メアリー・マクドナルド、デミ・ムーアという顔ぶれ。監督は新人のJ・C・チャンドア。
★独特のオフビートな日常感が面白かった『君とボクの虹色の世界』05でカンヌ映画祭カメラ・ドールを受賞した、ミランダ・ジュライ監督・主演の『The future』は、カップルが野良猫を飼うことを決意し、彼らの物の見方が完全に変わっていく内容。『彼女が消えた浜辺』09のイラン人監督 アスガー・ファルハディの『Tales of the Night』。
●2月2日(水)
★業界の知人とランチをするので久々に、表参道に出てみた。お茶でもと、モリ・ハナエビルを目指したら、なくなっていてビックリ。別ビルを工事中だった。昔、青山に事務所があったころは、1階の喫茶・ハナミズキを使っていたし、インタビュー取材も、よこここでやった。隔世の感。昔事務所を構えていた(とってもボロアパートだが)場所は、青山には珍しい銭湯「清水湯」がある近く。アパートに風呂がなかったので、よく清水湯を利用したものだ。1年前、新しいビルを建設中だったが、近くを通ったら、すっかり立派なビルになっていて、サウナを完備したニュー銭湯になっていた。銭湯代は450円、サウナは1000円と外の表示板あり。今度、利用してみようか、と知人に話したら、近くの音楽業界大手の社員たちが利用しているとのこと。
★ランチは「正(GOKAKU)」という地下の和食屋。野菜料理が売りなので女性がいっぱい。野菜アラカルトの料理、軽めで美味しい。店が出来て6年ほどで、知人はかつての常連だったと。店員によると、清水湯の帰りに、店による人がいるとのこと。で、昔の青山情報として、とんかつの「まい泉」(昔井泉)の別棟の店舗は、銭湯だったんだよ、その外観をそのまま使って店舗にしてあるんだよ、と青山(正確には神宮前)トリヴィアを教えてあげる。
★話が盛り上がり、お茶をして3時すぎまで。その業界人とじっくり話したのははじめてだったけど、共通の知人が多くて、昔出会っていたかも、と不思議な縁に驚いた。
★帰りは散歩がてら渋谷までそぞろ歩き。途中、花の館の手前を入ると、先日もらったイスラエルのコスメ・ブランド「savon」に立ち寄ってみた。若い女性店員ばかりで、客も女性ばかり。浮いちゃうかと思ったら、若い男の客が1名いたので、ま、場違いじゃないと。店員に声を掛けられ、ボディ・スクラブの使い方など商品情報をきく。ここが「savon」の路面1号店だんだと。アロマ関連グッズもあり、いろいろ香りを嗅がせてもらう。ローズマリー、ローズ、ラヴェンダーなど定番の香りはなく、グリーンティなどsavon独自のアロマばかり。いろいろあるんだ、香りのバリエーションって。
★珍しかったのは、アルコールランプ状態の香りグッズ。アルコール自体が香り成分を含んでいて、ランプを燃やすと自然と香りが発散する仕組み。ちょっと興味がわいた。大体商品単価は5000円くらいで、高め。オリーブの石鹸は980円ほどなので、これは手がでそう。とりあえず、いま手持ちのスクラブや石鹸を使ってみて、よければ、ここで買おうか、と。若い店員も感じがよく、また来ます、と店を後にする。
●2月1日(火)
★終日自宅。愛娘ニナを春入学予定の近くの養護学校まで送る。一応、様子みの体験学習らしいが、家族に無視され没交渉なので(笑)、詳細の伝達なし。ただ送迎のみが役目という父失格状態です。と少々、愚痴がはいる。
★火曜の夜CXで、『CONTROL』と『美しい隣人』を見ている。が、『CONTROL』は、心理学者の藤木直人と刑事の松下奈緒のコンビがイマイチ物足りない。演技もキャラも。脇役の泉谷しげるももう少し暴れてもいいと思うが。「control」は事件のネタが浅く「心理学」の謎解きもパターン化し底が見てきた。3話目は「交換殺人」がネタで、次回にまたがる長めの展開。もう少し見てみるかな。
★『美しい隣人』は仲間由紀恵のファンじゃないので、主婦役の檀れいの興味で見はじめた。仲間由紀恵は悪女役に無縁だが、意外と妖しい雰囲気を醸しだしている。彼女が相手の心を読む「心理学」ふうの催眠術的誘導作劇。相手を感動させたり、脅したり、そのセリフ応酬が結構、面白い。相手を徐々に虜にする物柔らかな話術と物腰が、結構仲間由紀恵のイメージを裏切りながら、ギャップ効果を生み、不気味を醸し出す感じ。離婚協議をする夫の存在が明らかになる今回、激高した彼女がグラスを握りつぶし手が血に染まるエキセントリックなティテールも。3話めで、水死した子供の母という背景があきらかになり、母性の狂気と復讐がふくらむ予感。続けてみるつもり。
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